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事故車の修理代に納得できない!請求できる費用や対処法を弁護士が解説

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

交通事故に遭い、ケガはよくなったけど、大切な愛車が損傷してしまった。
ようやく修理の見積もりが出たものの、その金額を見て「本当にこれっぽっちしか払われないの?」「納得できない!」と頭を抱えていませんか?

保険会社とのやり取りは専門的な言葉も多く、提示された修理費用が適正なのか判断に迷うことも少なくありません。
基本的に、修理代は必要かつ相当な範囲でのみ認められますので、どんな修理であっても全額請求できるわけではありません。

この記事では、交通事故で請求できる修理代などの費用の種類、保険会社が支払いを渋るケース、そして「納得できない」と感じた時の対処法を、弁護士がわかりやすく解説します。

ここを押さえればOK!

交通事故で車が損傷した場合、修理費が全額支払われるとは限りません。請求できるのは必要かつ相当な範囲の修理費で、部分補修で済むのに部品全体を交換するような過剰な修理は認められにくい傾向にあります。
請求可能な費用には、修理代の他に、修理期間中の代車費用、事故による車両価格の低下分である評価損、営業用車両が使えない間の休車損、レッカー代、カーナビなどの車両付属品の損害、積荷の損害などがあります。ただし、これらも必要性や相当性が認められる範囲に限られます。

一方、修理代が支払われない、または減額されるケースもあります。車両が物理的に修理不可能な「物理的全損」や、修理費が車両の時価額を上回る「経済的全損」と判断された場合は、修理代の代わりに事故時の時価と売却代金の差額(買替差額)が賠償されます。また、被害者に過失割合があるとその分支払額は減額されます。

保険会社から提示された修理代や賠償額、過失割合に納得できない場合、安易に示談に応じるべきではありません。一度示談すると、原則として追加請求は困難です。対処法としては、まずご自身で複数の修理見積もりを取得し、保険会社の提示額が適正か確認することが重要です。それでも納得できない場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。
交渉が決裂した場合は、調停や訴訟といった法的手段も考えられますが、人身被害のない純粋な物損事故の場合は請求額は比較的低額ですので、費用対効果も考慮が必要です。

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交通事故で車や所有物が壊れた時の修理代の考え方

交通事故でご自身の車や大切な所有物が壊れてしまい、その修理代に納得がいかないと感じる方は少なくありません。
しかし、交通事故の損害賠償においては、「修理費は全額支払われる」とは限りません。
修理が可能である場合には、基本として修理費を請求できますが、その額は必要かつ相当である必要があります。

例えば、部分補修で足りるのに、部品交換をしたいと思っても、それは必要かつ相当な修理とは言えない可能性があります。したがって、部品交換相当額の修理代を請求しても、断られる可能性があるでしょう。
また、修理箇所の塗装で足りるのに、色むらを防ぐために車全体の塗装をしたいと思っても、基本的にそれは必要かつ相当な修理とは言えません。
したがって、こちらも車全体の塗装費用を請求しても、断られてしまうでしょう。

交通事故で請求できる費用

交通事故によって請求できる費用は、単なる修理代だけではありません。修理をする過程で発生する次のような費用も請求できる可能性があります。

(1)修理代

交通事故により壊れてしまった車の修理にかかる費用は、加害者側に請求することができます。
ただし、ご説明したように修理の必要性や相当性が問われます。
事故とは無関係な箇所の修理費用や、過剰な修理費用は認められません。

(2)代車費用

車が修理中の期間、代わりに利用した代車の費用も請求の対象となります。
この場合も、必要かつ相当な範囲で認められます。
例えば、自家用車の修理中、生活に不可欠ではないのに、代車を使用しても必要性が認められないことがあります。
また、代車は修理が必要な車と同クラスで認められることが一般的で、特殊で高額な車と同一車種の代車を利用した場合であっても、その代車費用は全額認められないことがあります。
代車を利用する期間も、修理や買換えに必要な相当な期間に限定されます。特殊な事情で数ヶ月借りたとしても、それより短い相当期間に限定され、実際に借りた全期間の使用料は賠償されないことがあります。

(3)評価損

事故によって車が損傷し修理された場合でも、事故当時よりも修理後の車両価格が下がってしまうことがあります。
車両の修理をして現状が回復され、欠陥が何らなくても、「事故車」ということで中古車市場で価格が低下してしまうのです。
これを「評価損」と呼びます。

具体的な算定方法は複数あります。一般的には、修理費用の一定割合とする方法、レッドブック(中古自動車の価格がわかる「オーガイド自動車価格月報」という雑誌の通称)による事故当時の時価額と事故後の価格の差額とする方法などがあります。

なお、この損害は所有者のみに認められます。したがって、車のローン支払い中などで所有権留保がされており、販売会社などが所有者となっている車の利用者は、評価損を請求することは通常できません。

(4)休車損(営業損失)

事業用車両が事故で修理・買換えが必要になった場合、その期間中に得られるはずだった営業利益を失うことがあります。
これが休車損(休車損害)、または営業損失です。基本的に、タクシーや運送業者の車両などいわゆる緑ナンバーの車両が対象となります。
損害は、一般的に、(事故者の1日当たりの営業収入―経費)×休車日数という計算で求められます。1日当たりの営業収入は、過去の実績をもとに認定します。
営業収入の減少がなくても、その原因(営業努力の結果営業収入を確保したなど)次第では請求できるとする考え方が多いようです。

ただし、被害者に予備車両(遊休車)がある場合には、それを運用して利益を上げられるので、休車損は発生しない、と考える裁判例が複数あります。
また、代車を容易に調達することができたり、実際に代車を使用している場合には、休車はないことになるので、休車損の請求は認められないと考えられています。

(5)レッカー代

事故現場から自走できない車をレッカー車で移動した費用については、必要性・相当性のある範囲で、賠償請求することができます。

(6)車両付属品

車には、カーナビやドライブレコーダー、ETC車載器などの車両付属品が取り付けられており、交通事故でそれらが破損することがあります。

被害に遭った車の車両価格算定の際に、付属品の価格が評価されていないときには、付属品の価格が加算されると考えられています。ただし、付属品の価格は、購入時から事故発生時までの期間経過を考慮して、減額される可能性があるでしょう。

(7)積荷損害

事故によって、車に積んでいた荷物や物品が損壊した場合、その損害も賠償の対象となります。
基本的には、修理費又は時価額の低い方が損害として認められるとされています。ただし、積荷を納品できず被害者が買い取った事例において、買取価格の賠償が認められたケースもあります。 

交通事故の修理代が支払われない・減額されるケース

交通事故の修理代は、必ずしも全額が支払われるわけではありません。
以下のようなケースでは、修理代が支払われなかったり、減額されたりすることがあります。

(1)車両が物理的に修理不能である場合(物理的全損)

事故によって車両が完全に壊れてしまい、修理が物理的に不可能である場合には、物理的全損と判断されます。
全損の場合、修理代は支払われません。代わりに、事故当時の車両の時価と、事故車両を売却した時の代金の差額(買換差額)が賠償されます。

(2)修理費用が時価額を上回る場合(経済的全損)

たとえ修理が可能であっても、その修理費用が事故当時の車両の時価額よりも高くなる場合は、経済的全損と判断されます。
この場合も、修理代は支払われません。代わりに、事故当時の車両の時価と、事故車両を売却した時の代金の差額(買換差額)が賠償されます。

被害者が、修理可能として修理代の支払いを求めるのに対し、加害者側が「全損だから修理代は支払えず、賠償は買替差額に限られる」と主張して争いになることがあります。
この原因は、何年も経過している車の時価は新車価格と比べて大幅に低下することから、買替差額の賠償額は、修理代を下回ることが多い、という点にあります。

修理可能か全損か、という判断には事故発生時の車両価格が重要になります。

(3)修理が過剰な場合

提示された修理費用が、事故による損傷とは認められない、事故による損傷ではあっても過剰な修理であると判断される場合も、その部分は支払いが認められないことがあります。
たとえば、事故とは関係のない箇所の修理や、修理で足りるのに交換費用を請求するなどが挙げられます。
保険会社は、過去の事例や個別の事情などを考慮して、必要かつ相当な修理費用を算定しようとします。

事故車の修理代に納得できないケース

実際に交通事故に遭われた方が、修理代に関して「納得できない」と感じる具体的な状況は多岐にわたります。下記で、具体的なケースを紹介します。

(1)保険会社が提示する修理代や賠償額が低すぎる

保険会社が提示してきた修理代や賠償額が、ご自身の感覚や実際の見積もりよりも低いというケースです。
保険会社は、被害者であるあなたとは利害が対立する立場にあります。
保険会社には、適正な支払いをすべきという社会的な使命がありますが、営利企業としてできるだけ支払額を抑えようとする傾向があるのも事実です。

例えば、修理については一つ一つ必要性相当性が検討されますし、代車費用についても必要性や期間などが慎重に検討されます。
その結果、被害者本人の想定よりも、かなり減額された金額を提案されることも少なくありません。
示談する前に、ご自身で複数の修理見積もりを取るなどして、保険会社の提案額が本当に適正な金額なのかどうかを判断することが重要です。

(2)過失割合に納得できない

交通事故の修理代は、過失割合によって負担額が変わります。
例えば、被害者の過失が全くない(過失割合0:100)事故であれば、必要・相当な範囲の修理代は全額相手方に請求できます。
しかし、被害者が過失ゼロを主張していても、加害者側が被害者の過失を主張していると、被害者の過失分差し引かれた修理代しか負担しないことになります。
したがって、ご自身が納得のいかない過失割合だと、想定より請求できる金額が少なくなってしまいます。

過失割合は、過去の裁判例や事故状況等様々な事情を考慮して判断されますが、保険会社が主張する過失割合が絶対に正しいということではありません。

過失割合に納得がいかないときは、保険会社任せにせず、ご自身でも事故状況を正確に把握し、弁護士に相談・依頼したりして、必要に応じて反論すべきです。

過失割合について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

過失割合9:1の事故とは?過失割合に納得できないときの対処法

過失割合に納得できないときの具体的な対処法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

過失割合は交渉できる?保険会社の提示に納得できない時の対処法を解説

事故修理代に納得できない場合の具体的な対処法

交通事故の修理代など賠償金額に納得がいかないと感じた場合、保険会社の提案をそのまま受け入れる必要はありません。
被害に遭った損害をしっかり回復するためにも、納得できるまで交渉することが大切です。
具体的な対処法について説明します。

(1)簡単に示談しない

相手方の保険会社から示談の提示があったとしても、内容を十分に確認し、納得できない場合は安易にサインしてはいけません。
一度示談が成立してしまうと、後から「やっぱり修理代が足りなかった」などと追加で請求することは原則としてできません。
提示された内容に疑問点があれば、焦らず「検討します」と答えて、弁護士へ相談するようにしましょう。

(2)弁護士へ相談する

ご自身で保険会社と交渉するのは、交通事故の実務や法律の知識が必要な上に精神的な負担も大きいです。
このような時こそ、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は、過去の判例や実務の知識に基づいて適正な修理代を算定し、保険会社との交渉を代行してくれます。また、過失割合の争いについても、法的な根拠に基づいた主張を行うことができます。
弁護士に依頼することで、ご自身にかかる労力や精神的負担を軽減して、納得のいく解決を目指すことができるでしょう。
弁護士費用特約に加入していれば、基本的に弁護士費用を気にせず弁護士に依頼することができます。

弁護士費用特約を誰が利用できるかについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

親の弁護士特約を子供の事故にも使える!?誰が利用できるのかを解説

(3)訴訟提起が必要なことも

双方の主張が譲らず示談交渉が決裂することもありますが、ケースとしては少ないです。
訴訟などの法的手続きを通じて適正な賠償金の支払いを求めていくことになりますが、本人で対応することは通常困難なので、弁護士のサポートを受けて解決を目指すことになります。

法的手続きとしては、調停、あっ旋、訴訟が考えらえます。
通常、交渉が決裂した場合には、調停や日弁連交通事故センター等のADRによるあっ旋手続きを利用して、話し合いによる解決を目指します。
調停やあっ旋でも解決が難しい場合、最終的な手段として訴訟提起も視野に入れる必要があります。

ただし、人身損害(ケガの治療費や慰謝料)のない物損のみの事故だと、請求額は比較的低額です。訴訟には時間や一定の費用がかかりますし、弁護士に依頼すると弁護士費用も必要です。

訴訟は、裁判所を通じて適正な賠償額の認定を求めることができますが、純粋な物損事故のケースでは、費用対効果の面を事前に検討する必要があるでしょう。

【まとめ】修理代に納得できないときは、示談しないで

加害者側の保険会社から提示される金額が、被害者ご自身の損害を全てカバーするものではないケースもあります。
適正な修理代や賠償額を請求し、被害の回復を目指すためには、物損事故を扱っている弁護士へのご相談をお勧めします。
人身的な被害を受けた際も、治療費や慰謝料など、交渉によって増額可能性があるケースがありますので、示談前に弁護士に相談するとよいでしょう。

依頼を受けた弁護士は、あなたの代理人として保険会社との交渉を行い、場合によっては訴訟を通じて、最大限の利益を獲得するために尽力します。まずは無料相談などを利用して、ご自身のケースがどうなるのか、弁護士に話を聞いてみることから始めてみませんか。

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