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【弁護士が解説】借金を早く返すコツと正しい法的解決策

作成日:
s.miyagaki

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

毎月の返済に追われ、「借金を1日でも早く、効率的に完済したい」と悩んでいませんか。
借金問題を解決し、将来への不安から解放されるためには、正しい知識にもとづいた具体的な行動が不可欠です。

この記事では、借金返済の第一歩である「現状把握」の方法から、固定費の削減や繰り上げ返済といった「返済を加速させるコツ」、そして状況を悪化させる「やってはいけないNG行為」まで網羅的に解説します。
さらに、自力での返済が困難な場合の解決策である「債務整理」についても詳しく説明し、あなたの状況にあった根本的な解決策を見つけるお手伝いをします。

借金と家計の現状を把握する

借金を早く返すための第一歩は、現状を正確に把握することです。
目を背けたくなる事実かもしれませんが、具体的な状況がわからなければ、有効な対策は立てられません。
まずは「どこから、いくら借りているのか」そして「毎月の収入と支出はいくらか」という2点を数字で明確にしましょう。
この現状把握こそが、返済計画の土台となり、完済への最短ルートを見つけるための羅針盤となります。

借入状況をリストアップする

まず、全ての借入先、借入残高、金利を一覧にまとめます。
消費者金融、銀行カードローン、クレジットカードのキャッシングやリボ払いなど、全ての借金を書き出してください。
契約書や利用明細が手元にない場合は、貸金業法にもとづき、業者に取引履歴の開示を請求できます。
これにより、支払うべき利息の総額や、どの借金が最も負担になっているかが一目でわかります。
複数の借金がある場合、特に金利の高いものが返済の大きな障害となるため、正確な金利の把握が重要です。

毎月の収支を把握する

次に、毎月の収入と支出を記録し、家計の収支を「見える化」します。
給与などの固定収入と、食費や光熱費などの支出を最低でも1〜2ヵ月分記録してみてください。
家計簿アプリなどを活用すると手軽に始められます。
目的は、毎月いくら返済に回せるのか、つまり「返済余力」を正確に把握することです。
また、自分では気づきにくい無駄な支出を発見するきっかけにもなります。
この収支把握が、現実的で実行可能な返済計画を立てるための基礎データとなります。

返済計画を立てる

借入状況と家計収支の把握ができたら、その情報をもとに具体的な返済計画を立てます。
いつまでに完済したいのかという目標を設定し、そこから逆算して毎月の返済額を決めましょう。
計画を立てることで、ゴールまでの道のりが明確になり、漠然とした不安が具体的な目標に変わります。
大切なのは、無理なく継続できる計画を立てることです。
この計画が、日々の返済におけるモチベーションとなり、あなたを完済まで導きます。

借金返済を加速させるコツ

立てた計画をより早く、効率的に達成するためには、いくつかのコツがあります。
支出を減らして収入を増やすことで返済原資を確保し、効果的な返済方法を実践することが完済への近道です。

固定費を削減する

まず、毎月一定額が出ていく固定費の見直しから着手します。
スマートフォンを格安SIMに変更する、不要な保険やサブスクリプションサービスを解約するといった方法が考えられます。
固定費は一度見直せば、その効果が継続するため、節約の労力が少なく効果が高いのが特徴です。
特に通信費や保険料は、数千円単位での削減が可能な場合も多く、その分を返済に充てることで完済時期を大幅に早められます。

変動費(浪費)を節約する

次に、食費や交際費、趣味の費用といった変動費を見直します。
ただし、過度な節約はストレスとなり、長続きしません。
例えば、外食を自炊に変える、飲み会への参加頻度を調整するなど、生活の満足度を大きく下げずに実践できる工夫が重要です。
家計簿で支出の内訳を確認し、特に割合の大きい項目や、削減できそうな「浪費」から手をつけるのが効果的です。

副業などで収入を増やす

支出を減らす努力と並行して、収入を増やすことも返済を加速させる強力な手段です。
現在の仕事に支障のない範囲で、週末や空き時間を活用したアルバイトや、クラウドソーシングサイトで受注できる仕事などが考えられます。
たとえ月に数万円の収入増でも、その全額を返済に充てれば、利息の負担が減り、完済がぐっと近づきます。
ただし、体調を崩しては元も子もないため、無理のない範囲で始めることが大切です。

不用品を売却して返済資金にする

自宅にあるブランド品や家電、本などの不用品を売却し、まとまった返済資金を作るのも有効な方法です。
フリマアプリやリサイクルショップなどを活用すれば、手軽に現金化できます。
得られた収入は、一時的なものだからと使ってしまうのではなく、全て繰り上げ返済に充てるのが鉄則です。
これにより、借金の元金を直接減らすことができ、将来支払うはずだった利息を大幅に節約する効果が期待できます。

金利の高い借金から返済する

複数の借金がある場合、最も優先して返済すべきは金利の高い借金です。
なぜなら、金利が高いほど支払う利息額も大きくなり、返済の大きな負担となるからです。
例えば、利息制限法の上限金利(元本額に応じ年15〜20%)に近い借金と、それより低い金利の借金がある場合、まずは金利の高い方から集中的に返済するのが最も効率的です。
各借金の最低返済額は支払いながら、余剰資金は最も金利の高い借金の返済に充てることで、支払う利息の総額を最小限に抑えられます。

繰り上げ返済を活用する

賞与や副業収入、節約で生まれた余裕資金ができた際には、積極的に「繰り上げ返済」を行いましょう。
繰り上げ返済とは、毎月の決められた返済額とは別に追加で返済することです。
繰り上げ返済した分は、元金の返済に充てられるため、借金の元金を直接、効率的に減らすことができます。
元金が減れば、将来発生する利息も減るため、返済総額を圧縮し、完済時期を早める非常に効果的な方法です。

収入から返済額を先取りする

「余ったら返済しよう」という考え方では、つい他のことにお金を使ってしまいがちです。
そこで有効なのが、給与などの収入が入ったら、まず返済額を先取りして別の口座に移すか、すぐに返済してしまう方法です。
これにより、返済を確実に行う仕組みを作ることができます。
残った金額の範囲で生活する習慣が身につけば、使いすぎを防ぎ、計画的に返済を進められます。
意志の力に頼るのではなく、強制的に返済する仕組みを作ることが成功の鍵です。

完済後の目標でモチベーションを保つ

借金返済は、時に長く苦しい道のりです。
途中で挫折しないためには、モチベーションを維持することが不可欠です。
「完済したら旅行に行く」「欲しかったものを買う」「貯金を始める」など、借金から解放されたあとの楽しい目標を具体的に設定しましょう。
その目標が、日々の節約や副業の励みとなり、辛い時期を乗り越えるための大きな力になります。
目標を紙に書いて目につく場所に貼っておくのも効果的です。

おまとめローンのメリット・デメリット

複数の借金を抱えている場合、それらを一本化する「おまとめローン」が選択肢の一つになります。
しかし、利用にはメリットだけでなくデメリットもあるため、慎重な判断が必要です。

メリット:金利負担の軽減と管理の簡素化

おまとめローンの主なメリットは、現在よりも低い金利のローンに借り換えることで、毎月の利息負担を軽減できる可能性がある点です。
また、返済先が一つになることで、毎月の返済日が統一され、返済計画の管理が非常に楽になります。
うっかり返済を忘れるといったミスを防ぎやすくなるでしょう。

デメリット:返済総額が増えるリスク

おまとめローンの注意点は、月々の返済額が下がっても、返済期間が長引くことで、結果的に支払う利息の総額が以前より増えてしまうケースがあることです。
目先の返済額の減少だけに注目せず、完済までの総支払額を必ず比較検討する必要があります。
また、おまとめローンは審査が比較的厳しく、誰でも利用できるわけではない点も理解しておきましょう。

やってはいけないNG行為

借金返済に焦るあまり、状況をさらに悪化させてしまう危険な行為があります。
以下に示す行為は、問題解決を遠ざけるだけでなく、法的なトラブルに発展する可能性もあるため、絶対に避けてください。

リボ払いの利用

クレジットカードのリボ払いは、毎月の支払額が一定になるため便利なように見えますが、高金利(年15%前後が一般的)な返済方法です。
支払額のうち利息が占める割合が大きく、なかなか元金が減りません。
リボ払いを安易に利用したり、支払いをリボ払いに変更したりすると、完済が著しく長期化し、最終的に支払う利息総額が雪だるま式に膨れ上がるため、極力避けるべきです。

返済のための新たな借金

ある貸金業者への返済のために、別の貸金業者から新たな借金をする「自転車操業」は、最も危険な行為の一つです。
一時的に返済ができたとしても、借金の総額は減るどころか、むしろ増えてしまいます。
これにより、複数の業者から借金を重ねる多重債務の状態に陥り、いずれ返済は完全に行き詰まります。
根本的な解決にはならず、事態を深刻化させるだけですので、絶対にやめましょう。

闇金からの借入

貸金業法で定められた上限金利(年20%)を大幅に超える、法外な金利で貸付けを行うのが闇金(ヤミキン)です。
正規の貸金業者から借入ができない状況で手を出してしまうケースがありますが、絶対に利用してはいけません。
法外な利息を請求されるだけでなく、脅迫的な取立てや、家族・職場への嫌がらせなど、生活そのものを破壊されかねない深刻な被害にあいます。

返済の遅延・滞納

返済日に支払いが遅れると、通常の金利よりも高い「遅延損害金」というペナルティが発生し、返済総額が増えてしまいます。
さらに、滞納が約2〜3ヵ月続くと、信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」の状態になります。
この状態では、新たなローンやクレジットカードの作成が数年間できなくなります。
最終的には、債権者から裁判を起こされ、給与や預貯金などの財産を強制的に差し押さえられる可能性があります。

自力返済が困難な場合の債務整理

あらゆる手を尽くしても自力での返済が困難な場合、法的に借金を整理する「債務整理」という手続があります。
債務整理とは、法律にもとづいて借金を減らしたり、支払いに猶予を持たせたりすることで、借金の悩みを解決できる手続です。
一人で抱え込まず、弁護士に相談することを強く推奨します。

任意整理

任意整理は、弁護士が代理人となり、裁判所を介さずに貸金業者と直接交渉する手続です。
将来発生する利息(将来利息)のカットや、返済期間の延長(通常3〜5年での分割返済)を交渉し、毎月の返済負担の軽減を目指します。
手続が比較的柔軟で、保証人がいる借金や住宅ローンを除外して手続を進められる場合があるため、債務整理の中で最も多く利用されています。

個人再生

個人再生は、裁判所に申立て、借金総額を大幅に減額してもらう手続です。
借金総額や保有資産額によりますが、最大で10分の1(通常は5分の1程度)に減額される可能性があります。
減額された借金を、原則として3年間で分割返済していきます。
この手続の大きな特徴は、「住宅資金特別条項」を利用することで、住宅ローンを支払い続けながら、持ち家を手元に残せる可能性がある点です。

自己破産

自己破産は、裁判所に支払不能であることを認めてもらい、税金などを除くほとんど全ての借金の支払義務を免除(免責)してもらう手続です。
財産の一部は手放す必要がありますが、生活に必要な最低限の財産(99万円以下の現金など)は手元に残せます。
借金をゼロにして、人生を再スタートさせるための最終手段です。
戸籍に載ったり選挙権がなくなったりすることはなく、借金の苦しみから解放され、経済的に再生を図るための大きな一歩となります。

借金問題の相談窓口

借金問題は、一人で抱え込んでいても解決は困難です。
専門知識を持つ第三者に相談することで、精神的な負担が軽くなるだけでなく、自分では思いつかなかった解決策が見つかる可能性があります。
勇気を出して、以下の窓口に相談してみてください。

弁護士・司法書士

弁護士や司法書士は、債務整理に関する法的な知識を持つため、相談先として考えられます。
あなたの状況に最も適した解決策を提案し、複雑な手続を代理人として進めてくれます。
特に弁護士に依頼すると、貸金業者へ「受任通知」を送付した時点で、原則として貸金業者からの督促や取立ては止まります。※
これにより、精神的なプレッシャーから解放され、落ち着いて生活再建に取り組むことが可能です。
※裁判上の請求(支払督促、民事訴訟等)は停止されませんので、ご注意ください。

法テラス(日本司法支援センター)

法テラスは、国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。
収入や資産が一定の基準以下であることを条件に、無料の法律相談を受けられたり、弁護士・司法書士費用の立替え制度(民事法律扶助)を利用できたりします。
どこに相談すればよいかわからない場合の、最初の相談先として適しています。

地方公共団体の相談窓口

多くの市区町村では、住民サービスの一環として、弁護士による無料の法律相談会を定期的に開催しています。
広報誌や役所のWebサイトなどで日程を確認できます。
身近な場所で気軽に弁護士の助言を受けられるよい機会です。
具体的な債務整理の依頼はできませんが、自分の状況を客観的に把握し、今後とるべき対応についてのアドバイスをもらえます。

まとめ

借金を早く返すには、家計や借入状況を正確に把握し、金利の高い借金から返済するなどのコツを実践することが重要です。
しかし、返済のための新たな借金や安易なリボ払いは、状況を悪化させるため絶対に避けましょう。
自力での返済に行き詰まった場合でも、任意整理や自己破産といった「債務整理」で借金問題を法的に解決し、生活を立て直す道があります。

借金問題は一人で悩まず、弁護士へ相談することが解決への最短ルートです。
アディーレ法律事務所では、債務整理に関するご相談を無料で受け付けております。
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※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2025年5月時点。