バスの急ブレーキや急発進を理由に車内で怪我をした場合、バスの運転手もしくはバス会社に治療費などを請求することができるのでしょうか?
結論からいいますと、バスの運転手・バス会社に治療費などを請求することができるのが原則です。
ただ、怪我をした状況によっては、治療費など等が減額されるおそれもあります。
バスの急ブレーキや急発進によって怪我をした場合、どうすればバスの運転手・バス会社に治療費などを請求できるのか、どういう場合に治療費などが減額されてしまうのかを事前に知っておきましょう。
この記事では、次のことについて弁護士がくわしく解説します。
- バスの急発進・急ブレーキで怪我をしてしまった場合の対処法
- バスの急発進・急ブレーキで怪我をした場合の責任の所在
ここを押さえればOK!
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東京大学法学部卒。アディーレ法律事務所では北千住支店の支店長として、交通事故、債務整理など、累計数千件の法律相談を対応した後、2024年より交通部門の統括者。法律を文字通りに使いこなすだけでなく、お客様ひとりひとりにベストな方法を提示することがモットー。第一東京弁護士会所属。
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バスの発進時に高齢の女性が怪我を負う事故が多い
バスの車内での事故については、発進時に生じるケースが多く、被害者は特に、75~84歳の女性が多い傾向にあります。
バス車内での事故が起きた時点でのバスの状態(発進時・急ブレーキ時など)について見てみると、次のようになります。

車内事故時の車の状態 | 発進時 | 加速時 | 等速時 | 減速時 | 急停止時 | 右左折時 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
件数 | 28件 | 0件 | 6件 | 7件 | 5件 | 1件 | 3件 |
参照:交通事故統計及び事故事例の分析に基づき実施すべき死亡・重傷事故の低減対策のポイント|国土交通省
バス車内の事故としては、バス発進時に、高齢の方がバランスを崩して、転倒して怪我を負うというケースが多いようです。
バスの急発進・急ブレーキで怪我|どうすればいい?
怪我をした以上、それは人身事故ですから、その時点できちんと運転手に申告し、警察にも事故を報告して、詳しい事故の状況を説明するようにしましょう。
転倒時には怪我に気付かず、帰宅してから気付くということもあるかもしれません。
その時は、気付いた時点でバス会社と警察に事情を申告するようにしましょう。
また、すぐに整形外科等を受診し、医師の診断を受けて治療するようにしましょう。
怪我の治療費などは原則、バスの運転手・バス会社に請求可能
バスの急発進・急ブレーキによる怪我の治療費などは、原則バスの運転手・バス会社に請求することができます(バス会社は保険に加入していることが一般的で、厳密にはバス会社が加入する保険会社に請求することになります)。
賠償金を請求するのは、基本的には怪我の治療が済んでから(後遺症が残った場合には後遺障害認定を受けてから)になります。
賠償金を請求する(示談交渉、示談成立まで)流れは、一般的に次のようになります。

- 怪我が完治するまで治療を行い、治療が終わった後(又は症状固定後)に各損害を算定
- 後遺症が残った場合には後遺障害の等級認定の申請を行う
- 後遺障害等級の認定の結果が分かった後、示談交渉を開始
(後遺症がない場合には、怪我の治癒後に示談交渉開始) - 示談が成立し、慰謝料を含む示談金を受け取る
なお、示談が成立しない場合は、交通事故紛争処理センターのあっせんなどのADR(裁判外紛争解決手続き)を利用するか、裁判所に訴訟を提起する。
交通事故の発生から示談までの流れについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
被害者に過失がある場合、減額される可能性も

被害者に過失があるとして、賠償額(治療費や慰謝料など)が減額されることがあります。
例えば、一般的に、バスの車内で立っている乗客は、急ブレーキにより停車することにより転倒して怪我を負ったりすることのないように、つり革や手すりを持つなどして、自分の安全を図る義務を負っています。
しかし、被害者が上記のような安全を図っていなかったとされると、何割かの過失があったとして、その分損害賠償額が減額される可能性があるのです。
ただ、つり革や手すりを持つことができなかった事情(例:車内が混雑しており、つり革や手すりを持つことができなかったなど)がある場合には、被害者側の過失にはならない可能性もあります。
保険会社から、「あなたにも過失がある」と言われて、納得できない場合には、すぐに示談はせず、弁護士に相談するとよいでしょう。
粘り強く交渉することで過失割合を下げることができるかもしれませんし、また、過失割合は変わらなくとも損害賠償額の増額ができるかもしれません。
交通事故における過失についてくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【まとめ】バスの急発進・急ブレーキで怪我の賠償金は原則、バス会社(運転手)に請求可能!
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- バス車内で怪我をした場合、きちんと運転手に申告し、警察にも事故を報告して、詳しい事故の状況を説明するようにしましょう。
また、すぐに整形外科等を受診し、医師の診断を受けて治療するようにしましょう。 - バスの急発進・急ブレーキによる怪我の治療費や慰謝料は、原則バスの運転手・バス会社に請求することができる(なお、バス会社は保険に加入していることが一般的で、厳密にはバス会社が加入する保険会社に請求することになる)。
- 急ブレーキにより停車することにより転倒して怪我を負ったりすることのないように、つり革や手すりを持つなどをせずに怪我をした場合、被害者側に過失があるとして、賠償金(治療費や慰謝料など)が減額される可能性がある。
交通事故のことは保険会社に任せておけばいいと思われているかもしれません。
しかし、保険会社の言い分が必ず正しいわけではありません。
例えば、バス会社の言い分(例:被害者はつり革につかまっていたにもかかわらず、バス会社は被害者がつり革につかまっていなかったと主張しているなど)に従って、過失割合が認定されていることがあります。
このように保険会社の言い分には間違っていることもあります。
バス車内の事故による損害賠償請求でお悩みの方は、一度アディーレ法律事務所にご相談されることをおすすめします。
アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。
すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。
また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。
弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。
(以上につき、2022年9月時点)
交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。