「元夫から養育費が支払われなくなった…元夫の両親に請求できないだろうか?」と悩んでいる方は少なくありません。
結論から言えば、原則として元夫の両親に養育費を支払う法的な義務はありません。しかし、連帯保証人になっている場合や、両親に経済的な余裕があり、孫の生活が困窮している場合は、例外的に請求できる可能性があります。
さらに、養育費の未払いが続く場合、元夫の給料や財産を差し押さえる「強制執行」という手段も検討できます。
この記事では、養育費の未払いに直面した際に知っておくべき対処法を弁護士が詳しく解説します。元夫の親への請求方法から、法的な手続きまで、あなたの不安を解消するための具体的なステップをご紹介します。
ここを押さえればOK!
例外的なケースとして、元夫の両親が養育費の連帯保証人である場合や、両親が経済的に余裕があり孫の生活が苦しい場合には、元夫の両親であっても養育費を支払わなければならない可能性があります。
さらに、養育費の未払いが続く場合には、元夫の財産を強制執行する手段も検討すべきでしょう。2026年4月の民法改正で、強制執行認諾文言付き公正証書や調停調書・審判書などがない場合でも、養育費の取決めの際に父母間で作成した文書があれば未払いの養育費を理由にすぐに財産の差押えの申し立てが行える可能性があります。
養育費の未払いにお困りの方はアディーレ法律事務所にご相談ください。弁護士が適正な養育費を受け取れるようにサポートいたします。
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養育費が支払われないとき、元夫の両親に請求できる?
養育費を支払うべき元夫の両親に、その肩代わりを求めることはできるのでしょうか?
ここでは、養育費を支払うべき元夫の両親に養育費を支払う法的な義務はあるのか、養育費の支払いを求めることができるのか、について説明します。
(1)元夫の両親には養育費の支払いをしなければなれない義務はない
養育費を支払わなければならないのはあくまで子の親である元夫(妻)です。
そのため、元夫の両親には、養育費を支払わなければならない法的な義務はありません。
つまり、元夫からの養育費の支払いが滞っている場合、元夫の両親が肩代わりすべきと考えてしまいたくなる気持ちはわかりますが、元夫の両親が養育費の肩代わりをしなければなれないというわけではありません。
(2)養育費の支払いをお願いすることはできる
元夫の両親には、養育費の支払いについて法的義務はありませんが、支払いについてお願いすることはできます。元夫の両親には、養育費の支払いに応じなければならい法的義務はないため、あくまでお願いベースであるということに注意してください。
元夫の両親が養育費を代わりに支払わなければならないケース
もっとも、元夫の両親が、元夫の代わりに養育費(相当額)を支払わなければならない例外的なケースがあります。例えば、次のようなケースになります。
- 元夫の両親が養育費について連帯保証人となっている場合
- 元夫の両親に経済的に余裕がある場合
(1)元夫の両親が養育費について連帯保証人となっている場合
元夫の両親が養育費についての「連帯保証人」となっている場合には、元夫の両親が元夫に代わり養育費を支払わななければなりません。
「連帯保証人」とは、主債務者(養育費を支払うべき夫)が支払えなくなった場合、主債務者に代わって支払う法的な義務を負います。
元夫の両親が養育費の連帯保証人となっている場合に、元夫からの養育費の支払いがなくなってしまったときには、元夫に代わり、元夫の両親に養育費を支払う必要があります。
(2)元夫の両親に経済的に余裕がある場合
元夫の両親に経済的に余裕がある場合にも、元夫の両親が元夫に代わり養育費(相当額)を支払わなければならない可能性があります。
そもそも民法上、親族間に扶養義務があるとされています。
どういうことかというと、民法上、元夫の両親(子の祖父母)には、自分の生活に経済的に余裕があり、かつ、子や孫の生活が苦しい場合には、子や孫に対して最低限の生活の扶助をしなければならない「生活扶助義務」があるのです。
「直系血族及び兄弟姉妹は、お互いに扶養をする義務がある。」
引用:民法第877条1項|e-Gov法令検索
元夫の両親(子の祖父母)には、自身の生活に経済的に余裕があり、かつ、孫の生活が苦しい場合には、子に養育費相当額の扶養費を支払わなければならない可能性があります。
【2026年民法改正対応】取り決めがなくても請求できる「法定養育費」が新設
これまでの養育費制度では、父母の話し合いや家庭裁判所での手続きによる養育費の取り決めがない限り、養育費を請求することができませんでした。
しかし今回の民法改正によって、夫婦で養育費の取り決めをしていなくても離婚の日から「暫定的な養育費(法定養育費)」として月額2万円を毎月末に請求できる制度が新設されました。
この暫定的な養育費の支払がされないときは、養育費の取り決めがなくても、差押えの手続を申し立てることも可能です。
もし離婚後に養育費を請求するのが遅くなっても、離婚の日から遡って請求することが可能です。この暫定的な養育費(法定養育費)は、正式な養育費の取り決めができるか、子どもが18歳になるまで発生し続けることになります。
ただし、この新しい暫定的な養育費(法定養育費)の制度は、改正法が施行された後に離婚したケースにのみ適用されます。施行前(2026年3月31日まで)に離婚した場合は適用されない点に注意しましょう。
養育費が支払われないときの対処法
養育費が支払われない時には、元夫の財産を強制執行することも検討してみましょう。強制執行では、例えば、元夫名義の預貯金や夫の給料を差し押さえることができます。
ここで、強制執行手続とは何か、どのような場合に利用できるのかについて簡単に説明します。
強制執行手続では何ができるのでしょうか?
強制執行手続を行うことで相手の給料や預貯金を差し押さえて、そこから未払いの養育費を受け取ることができます。
ただ、相手の生活もありますので、給与で差し押さえられるのは、基本的に税金等を控除した残額の2分の1までとされています(民事執行法151条の2第1項3号、152条第3項)。
未払いの養育費があっても「差押え」しやすくなりました
これまでの民法では、父母間で養育費の支払を取り決めていたとしても、養育費の支払がなかったときに養育費の支払義務を負う親の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停調書、審判書などが必要でした。
しかし今回の民法改正によって、強制執行認諾文言付き公正証書や調停調書・審判書などがない場合でも、養育費の取決めの際に父母間で作成した文書があれば未払いの養育費を理由にすぐに財産の差押えの申し立てが行えるようになります。
ただし、このルールは、民法等改正法の施行前(2026年3月 31日以前)に養育費の取決めがされていた場合には、2026年4月1日以降に発生する養育費に限って適用されることになります。
養育費の未払いをする相手に対し、どのような手段をとることができるのかについて、詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【まとめ】元夫の両親が例外的に養育費を支払うケースもあり
元夫から養育費がもらえないからといってすぐにあきらめたりせず、子どものためにも、まずは元夫から受け取ることを目指しましょう。
アディーレ法律事務所では、現在養育費を受け取れておらず、養育費を請求したいという方からのご相談を承っていますので、1人で悩まず、一度ご相談ください。


















