「残業が辛い。
この辛い残業から抜け出すために、なんとかする方法はないのだろうか」
残業が辛いと、毎日の労働が辛くなってしまい、なんとかしたいですよね。
辛い残業には、上手に抜け出すための対処法があります。
辛いまま放置することはせず、第三者に相談したり、残業代を請求したりするなどの対応を取るようにしましょう。
このことを知っていれば、辛い残業に耐え続けなくても済みます。
この記事では、次のことについて弁護士が解説します。
- 残業が辛い理由
- 辛い残業への対処法

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。
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確認しよう!残業が辛い3つの理由
まずは、残業が辛い理由を確認しましょう。
人によって異なりますが、残業が辛い理由には、主に次の3つがあります。
- 残業をしないわけにはいかない
- 残業が多すぎる
- 残業代が出ない
これらについてご説明します。
(1)理由1|残業をしないわけにはいかない
次のような理由で、残業をしないわけにはいかない場合があります。
- 業務量が多すぎる
- 人手が不足している
- 上司の管理能力が不足している
- 残業が評価される空気がある
- 上司や先輩が残業していて自分だけ帰れない
これらの理由で残業をしないわけにはいかない場合、あなた個人の力で残業を減らすことは難しいです。
個人の力で残業を減らすことが難しい場合には、後でご説明するように第三者に相談するなどして頼るのもひとつの方法です。
(2)理由2|残業が多すぎる
残業が多すぎることも、残業が辛い原因のひとつです。
場合によっては、残業時間が法律で定められた上限を超えていたり、「過労死ライン」をこえていたりすることもあります。
残業時間の上限と過労死ラインについてご説明します。
(2-1)残業時間の上限
労働基準法が定める原則1日8時間・週40時間の「法定労働時間」を超えた労働(時間外労働)をさせる場合、会社は労働者側の代表者との間で「36協定」を締結・届出する必要があります。
「36協定」とは、労働者に法定労働時間を超えて働かせる場合に、会社が労働者側の代表者との間で結ぶ労使協定のことです。
36協定を締結・届出した場合、残業(時間外労働)の上限時間は、原則として月45時間・年360時間です(労働基準法36条4項)。
また、臨時的な特別の事情がある場合に限って、特別条項付きの36協定を締結すれば、この上限を超えることができます。
この場合でも、次のように上限が定められています。
- 時間外労働につき、年720時間以内
- 時間外労働と休日労働の合計につき、月100時間未満
- 時間外労働と休日労働の合計につき、2~6ヶ月平均が80時間以内
- 時間外労働が月45時間を超えられるのは、年6ヶ月まで
この上限を超えて労働者に残業をさせた場合、会社には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事罰が科せられることもあります(労働基準法119条1号)。
時間外労働の上限について、詳しくはこちらをご覧ください。
(2-2)過労死ライン
「過労死ライン」とは、病気や死亡などの健康障害のリスクが高まる労働時間のことです。
残業(時間外労働)が月45時間を超えて長くなればなるほど、健康障害を発症するリスクが高まるとされています。
また、 次の時間を超える残業があった場合には、業務と健康障害の発症との関連性が強いとされています。
- 発症前の1ヶ月間におおむね100時間
- 発症前2~6ヶ月間にわたっておおむね80時間
過労死ラインについて、詳しくはこちらをご覧ください。
(3)理由3|残業代が出ない
「残業代が出ないことが辛い」という場合もあります。
たとえ残業時間が長くなかったとしても、残業代が出ないと「ただ働き」になってしまい、辛いですよね。
会社は、労働者に残業(時間外労働)をさせた場合には、残業代(割増賃金)を支払わなければなりません(労働基準法37条1項)。
もしもあなたが残業をしているのに会社があなたに残業代を支払っていない場合には、後でご説明するように、あなたは会社に対して未払い残業代の請求をすることができます。

逃げてもいい!残業が辛いときの3つの対処法
残業が辛くても、社会人なんだから耐えなきゃいけないよな……。
そんなことはありません。
我慢だけが解決策ではありません。
残業が辛いならばしっかりと対処することが大切です。
残業が辛いときの対処法には、次の3つがあります。
- 第三者に相談する
- 残業代を請求する
- 退職(転職)する
これらについてご説明します。
(1)対処法1|第三者に相談する
残業が辛いときは、まずは第三者に相談しましょう。
家族や友人・知人に相談することは、ストレスを軽くすることにつながり、有効です。
もっとも、この場合は「残業を減らす」という根本的な解決にはなかなかつながりません。
残業を減らすためには、次のような第三者に相談してみましょう。
- 労働基準監督署
- 残業問題を相談できる公的機関
- 弁護士
これらについてご説明します。
(1-1)労働基準監督署
労働基準監督署は、労働基準法などの労働関係法令を守っていない会社を取り締まる役割の公的機関です。
労働基準監督署に相談すれば、労働基準監督署が会社に調査や是正勧告を行ってくれることがあります。
これにより、会社の法令違反状態が解消され、労働環境が改善される可能性があります。
(1-2)残業問題を相談できる公的機関
労働基準監督署以外にも、残業問題を相談できる公的機関があります。
例えば、
「総合労働相談コーナー」では、残業問題を含めたあらゆる分野の労働問題について相談を受け付けています。
専門の相談員が面談または電話の方法で相談に応じてくれます。
予約は不要で、相談にかかるお金は無料です。
総合労働相談コーナーへの相談も検討してみると良いでしょう。
(1-3)弁護士
公的な相談窓口だけでなく、弁護士に相談するという選択肢もあります。
弁護士は、個々人の抱える労働トラブルを解決するためのサポートをしてくれます。
後でご説明するように、依頼すれば残業代を請求したり退職のサポートをしてくれるなど、あなたに代わって会社と交渉を行い、あなたのために働きます。
労働基準監督署などは、個人の未払い残業代請求や退職サポートなどの交渉を行ってくれるわけではありません。
このため、
未払い残業代請求や退職サポートなどの必要がある場合には、弁護士に相談するのが最も適切です。
(2)対処法2|残業代を請求する
もしも残業が辛い理由のひとつが「残業代が出ない」ということであれば、残業代を請求してみましょう。
残業代を請求すれば、本来もらえるはずの残業代をもらうことができる可能性があります。
また、残業代を請求することで、会社に対して長時間の残業命令をしないように圧力をかけることにもつながります。
残業代を請求するためには、まずは弁護士に相談してみると良いです。
残業代請求を弁護士に相談する流れについて、詳しくはこちらをご覧ください。
(3)対処法3|退職(転職)する
どうしても辛い残業がなくならず、どうにも対処できない場合には、心身の健康のために思い切って退職(転職)することも考えてみてください。
もっとも、退職を決意したとしても、残業が多くて辛いという状況では引継ぎの必要などを理由として会社がすぐに退職することを認めてくれず、円満に退職できないことがあります。
例えば、次のような退職トラブルが発生してしまうことがあります。
- 退職届を受け取ってもらえず退職させてもらえない
- 「忙しい時期に退職されると会社に損害が発生するから損害賠償を請求する」と言われた
しかし、このような会社の言い分は正しくありません。
そもそも
退職することは、個人の自由です。
退職届の受け取りを拒否されたとしても、退職することはできます。
法律上も、雇用期間の定めがない場合には、退職の意思を伝えてから2週間で退職の効力が発生するとされています。
また、どんなに忙しい時期であっても、労働者1人が退職しただけで会社に損害が発生することは考えづらく、このような損害賠償請求が認められる可能性は極めて低いです。
もしも自分だけではうまく退職できないという場合には、「退職代行」を使って退職するという方法があります。
「退職代行」とは、会社を退職したいと考えている労働者に代わって、弁護士などが退職の意思を会社に伝えてくれるサービスです。
退職代行を使えば、自分だけではうまく退職の意思を伝えられない場合であっても、代わりに退職の意思を伝えてくれます。
また、弁護士が提供する退職代行サービスであれば、退職に伴って生じる会社との交渉も代わりに行ってくれるなどのメリットがあります。
退職代行について、詳しくはこちらをご覧ください。
【まとめ】残業が辛いときは退職代行などで逃げてもいい
この記事のまとめは次のとおりです。
- 残業が辛い理由には、残業が多すぎる、残業代が出ないなどのことがある。
- 残業が辛いときの対処法には、残業代を請求する、退職(転職)するなどの方法がある。
- 残業代を請求する場合には、まずは弁護士に相談してみるのがおすすめ。
- 自分だけの力では退職できない場合には、退職代行を利用するという方法がある。
辛い残業からは、逃げてしまっても何も悪くありません。
残業で自分の心身の健康を壊してしまう前に、残業が辛い今の環境から逃げ出しましょう。
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