「残業問題を抱えている。どこかに相談したいけれど、いったいどこに相談したらいいんだろう?」
ひとりで残業問題を抱えていると、とてもつらいもの。
残業問題をひとりで抱え込まずに第三者に相談するのは、とても適切なことです。
ですが、いざ相談しようとしても、いったいどこに相談したらいいのかはよく分からないですよね。
残業問題の相談先はいくつかあります。
たとえば、労働基準監督署や弁護士などは、残業問題の代表的な相談先です。
このことを知っておけば、残業問題に直面したときでも適切に相談先を選んで相談することが可能となります。
この記事を読んでわかること
- 残業問題の代表的な相談先
- 相談したほうがいい残業問題とは
中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。
残業代請求・退職代行・不当解雇に関するご相談は何度でも無料!
会社とのやり取りは弁護士におまかせ!
些細な疑問や不安、お気軽にご相談ください!
残業問題の代表的な相談先6選
残業問題を相談できる代表的な相談先には、次のようなものがあります。
- 社内通報窓口・労働組合
- 労働条件相談ほっとライン
- 労働相談ホットライン
- 総合労働相談コーナー
- 労働基準監督署
- 弁護士
これらの残業問題の代表的な相談先について、ご紹介します。
(1)相談先1|社内通報窓口・労働組合
公的機関に相談する前に、まずは会社の内部で相談する方法もあります。
会社内に社内通報窓口が設けられていたり、労働組合がある場合には、それらに相談してみましょう。
社内通報窓口に相談しても、基本的には公益通報者保護制度により相談者は守られます。
公益通報者保護制度について、詳しくはこちらをご覧ください。
もっとも、小さな会社などでは、必ずしもそのような社内通報窓口や労働組合があるわけではありません。
そのような場合には、次にご紹介する公的な相談窓口に相談するとよいでしょう。
(2)相談先2|労働条件相談ほっとライン
「労働条件相談ほっとライン」は、違法な時間外労働などの労働基準関係法令に関する問題について、電話相談を行うことができる相談窓口です。
電話相談は、誰でも無料で、全国どこからでも利用できます。
また、匿名でも相談できます。
相談受付時間は、次のとおりです(12月29日~1月3日を除く)。
平日17~22時
土日祝日9~21時
参考:労働条件相談「ほっとライン」に相談してみよう!|厚生労働省
(3)相談先3|労働相談ホットライン
労働相談ホットラインは、全国労働組合総連合会が提供している相談窓口です。
労働相談ホットラインでは、残業問題はもちろん、それ以外の相談をすることもできます。
「解雇されたが納得できない」「セクハラやパワハラを受けている」といった相談をすることもできます。
相談は、電話相談、メール相談の方法ですることができます。
(4)相談先4|総合労働相談コーナー
総合労働相談コーナーは、残業代問題はもちろん、解雇、雇止め、配置転換、いじめ・嫌がらせ、セクハラ・パワハラなど、幅広い分野の労働問題を相談できる相談窓口です。
相談は、面談または電話の方法ですることができます。
予約は不要で、無料で利用することができます。
(5)相談先5|労働基準監督署
労働基準監督署は、会社が労働基準法などの法令を遵守しているかをチェックする役割の公的機関です。
長時間労働や残業代の未払いなど、さまざまな残業問題について相談することができます。
労働基準監督署に残業問題を相談した結果、労働基準法などの法令違反の疑いがあると認められた場合には、労働基準監督署が会社に対して立入り調査を行ったり是正勧告を出したりすることがあります。
これにより、結果的に会社の違法状態が正されることが期待できます。
労働基準監督署と弁護士の違いについて、詳しくはこちらをご覧ください。
(6)相談先6|弁護士
労働基準監督署などの公的な機関は、あくまでも役割が限られており、なんでもやってくれるわけではありません。
たとえば、労働基準監督署は、会社が法令を守っているかをチェックする役割の機関であるため、個々の労働者に代わって未払い残業代請求をするということはしてくれません。
これに対して、弁護士は、個々の労働者の代理人として、さまざまな残業問題について代わりに会社と交渉したり、未払い残業代の請求などを行ってくれます。
「未払い残業代を請求したい」「会社と交渉してほしい」という場合などには、弁護士に相談するのが最も適切でしょう。
相談したほうがいい残業問題とは?代表的な3つのケースを解説
自分の抱えている残業問題を相談した方がいいのか分からない……。
次のような残業問題を抱えている場合には、ここまでにご説明したような窓口に相談した方がよいでしょう。
もちろん、ここで挙げた以外の残業問題であっても、少しでも気になることがあれば遠慮なく相談してかまいません。
相談したほうがいい残業問題の代表的なケースは、次のとおりです。
- 残業代が支払われない
- 残業時間が36協定の上限を超えている
- 36協定を締結していないのに残業をさせられている
これらについてご説明します。
(1)ケース1|残業代が支払われない
残業代が支払われないというのは典型的な残業問題です。
残業をした場合には、会社は残業代を支払わなければなりません。
残業が、原則1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えたもの(時間外労働)であれば、会社は法律で定められた割増賃金を支払う必要があります。
このような残業代や割増賃金が支払われていない場合、会社の対応は違法です。
労働者は、会社に対し、残業代や割増賃金の支払を請求することができます。
残業代や割増賃金の未払いは違法であることから、労働基準監督署などに相談しても基本的には対応してくれます。
ですが、実際に未払いの残業代や割増賃金を請求する場合には、弁護士でなければあなたの代理人として代わりに請求の手続きを行ってくれません。
未払いの残業代や割増賃金を請求したいという場合には、弁護士に相談するとよいでしょう。
残業代請求を弁護士に相談する流れについて、詳しくはこちらをご覧ください。
(2)ケース2|残業時間が36協定の上限を超えている
「36協定」とは、労働基準法36条に基づく労使協定で、会社が法定労働時間を超えた残業(時間外労働)を命じる場合に必要となるものです。
36協定を締結しなければ、法定労働時間を超えた残業をさせることはできません。
36協定を締結すれば、原則として月45時間・年360時間の上限の範囲内で残業させることが可能となります(※2023年2月現在、一部時間外労働の上限について適用が猶予等されている事業・業務もあります)。
また、特別条項付きの36協定を締結すれば、臨時的な特別の事情がある場合に、さらに残業時間の上限を延長することができます。
この場合の残業時間の上限は、次のとおりです。
- 時間外労働につき、年720時間以内
- 時間外労働と休日労働の合計につき、月100時間未満
- 時間外労働と休日労働の合計につき、2~6ヶ月平均が全て月80時間以内
- 時間外労働が月45時間を超えることができる回数につき、年6ヶ月まで
36協定における時間外労働の上限について、詳しくはこちらをご覧ください。
このように、残業時間には上限があります。
残業時間の上限を超えて残業をさせられている場合には、会社の残業命令は違法だということになります。
このような場合には、労働基準監督署などに相談をしましょう。
(3)ケース3|36協定を締結・届出していない
ここまででご説明したように、会社が労働者に法定労働時間を超えた残業(時間外労働)をさせるためには、36協定の締結・届出をした上で、労働者に周知させる必要があります。
会社がこのような36協定の締結・届出をしないまま、労働者に時間外労働をさせていることもあります。
もしも会社が36協定の締結・届出をしないまま労働者に時間外労働をさせていたとすれば、そのことは違法です。
このような場合には、労働基準監督署などに相談をしましょう。
【まとめ】残業問題の相談先には労働基準監督署や弁護士などがある
この記事のまとめは次のとおりです。
- 残業問題の代表的な相談先には、次の6つがある。
- 社内通報窓口・労働組合
- 労働条件相談ほっとライン
- 労働相談ホットライン
- 総合労働相談コーナー
- 労働基準監督署
- 弁護士
- 労働基準監督署などの公的な機関は役割が限られており、未払い残業代請求などはできない。
弁護士であれば、個々の労働者の代理人として、会社と交渉したり未払い残業代請求などを行ってくれる。 - 相談したほうがいい残業問題の代表的なケースとして、次の3つがある。
- 残業代が支払われない
- 残業時間が36協定の上限を超えている
- 36協定を締結していないのに残業をさせられている
残業問題を自分だけで抱え続けているのは、とてもつらいものです。
適切な相談先に残業問題を相談することで、解決につなげていきましょう。
残業問題の相談先にはいくつかのものがあることから、どの相談先に相談すればいいのか迷ってしまうということがあるかもしれません。
そのような場合には、この記事を参考にして相談先を選んでみてください。
特に、残業問題が残業代の未払いであるという場合には、弁護士への相談がおすすめです。
アディーレ法律事務所も、未払い残業代請求を取り扱っている法律事務所のひとつです。
アディーレ法律事務所は、残業代請求に関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみを報酬をいただくという成功報酬制です。
そして、原則として、この報酬は獲得した残業代等の経済的利益からのお支払いとなり、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。
※以上につき、2023年2月時点
残業代請求でお悩みの方は、残業代請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。