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借金を一括返済するメリット・デメリット、難しい場合の対処法を弁護士が解説

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

ボーナスや退職金など、まとまったお金が入った時、一度は「これで全部返してしまおうか」と考えるかもしれません。

しかし、無理な一括返済は新たなリスクを招く可能性があり、必ずしも最善策とは限りません。
もし一括返済が難しいと感じるなら、焦って無理をする必要はないのです。
実は、借金返済が難しい場合、あなたの状況に合わせた債務整理という解決策が法的に用意されており、それを知ることが借金問題を解決して生活を立て直すための第一歩となります。

この記事では、借金の一括返済がもたらすメリット・デメリットから、借金返済が難しい場合の具体的な解決策まで、弁護士が詳しく解説します。
あなたの借金問題を根本から解決し、将来の不安をなくすための「安心への道」を一緒に見つけていきましょう。

ここを押さえればOK!

一括返済は、元金と日割り利息の合計額を一度に支払う方法で、正確な金額は金融機関への確認が必要です。利息負担の軽減や精神的重圧からの解放というメリットがあります。

しかし、手元資金が少なくなるリスクや、繰り上げ返済手数料がかかる可能性、特定の状況では一括返済ができないケースがあるなど、注意点やデメリットも存在します。

もし借金返済が難しいと感じる場合には、債務整理という方法があります。債務整理には、債務を正確に計算して将来利息のカットや返済期間の延長を目指す「任意整理」、一定の認められた財産以外は処分となるものの、原則借金の返済義務を免除してもらう「自己破産」、家や車など維持したい財産を残しながら借金を減額し分割返済する「個人再生」の主に3種類があります。

自力での返済が困難な場合や、解決策がわからない場合、金融機関からの取り立てに困っている場合は、一人で抱え込まずに弁護士に相談することをお勧めします。
借金問題でお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

借金の一括返済とは?

借金の一括返済とは、現在借り入れているお金の残高と利息の全額を、文字通り一度にまとめて、借金をしている金融機関へ支払うことです。毎月の分割払いをやめて、残りの借金をすべて清算してしまいます。

この方法は、借金返済の負担を大きく軽減し、精神的なゆとりを取り戻すための有効な手段となります。特に、ボーナスや退職金、まとまった臨時収入があった場合に検討する人が多いでしょう。
一括返済も、返済方法の一つです。しかし、全ての借入状況で可能とは限りませんし、場合によっては事前に金融機関との調整が必要となります。

借金一括返済の大きなメリット

借金の一括返済は、借金を抱える方にとって、次のような非常に大きな恩恵をもたらします。

(1)利息負担を大幅に軽減できる可能性がある

一括返済の最大のメリットは、支払う利息の総額を大幅に減らせる可能性のある点です。借金の利息は、元金残高に対して日割りで計算されることがほとんどです。一括返済をすれば、本来支払うはずだった将来の利息がすべて不要になる結果として、分割で返済するよりも返済総額を減らすことができる可能性があります。
この場合、例えば、残高100万円、年利15%のカードローンを2年間で返済する場合、月1万円程度の利息が発生します(元本が減るにつれて利息も減っていきます)。しかし、途中で一括返済すれば、その時点以降の利息は一切かかりません。

月々の返済額については、借入先の金融機関でシミュレーションできることが多いので、利息の負担を減らせるかどうかと併せて一度確認してみましょう。

(2)精神的負担から解放される

毎月の返済に追われる生活は、想像以上に精神的なストレスを生み出すものです。「いつになったら終わるんだろう」「また今月も返済日が来る」といった不安から解放され、心理的な重圧がなくなることは、金額に換算できないほどの大きなメリットででしょう。
これにより、日々の生活や仕事にも集中できるようになり、精神的なゆとりが生まれます。

(3)信用情報への好影響

借金を完済することは、信用情報機関に登録されているあなたの情報に良い影響を与えます。延滞せず完済したという履歴は、将来的に住宅ローンや自動車ローンなど、新たな借り入れを検討する際に有利に働く可能性があります。
信用情報が改善されることで、より低金利で融資を受けられたり、審査に通りやすくなったりと、金銭的な選択肢が広がるという潜在的なメリットもあります。

借金一括返済の注意点・デメリット

一括返済には多くのメリットがある一方で、いくつか注意すべき点やデメリットも存在します。

(1)手元資金が少なくなるリスク

当然ながら、一括返済を行うとまとまったお金が手元からなくなります。これにより、急な病気や事故、リストラなど、予期せぬ出費や収入減に対応できなくなるリスクがあります。生活費や当面の必要資金を確保した上で、それでも余剰資金がある場合にのみ一括返済を検討すべきでしょう。無理な一括返済は、新たな借金を招く原因にもなりかねません。

(2)繰り上げ返済手数料が発生する場合がある

金融機関によっては、借金の一括返済(繰り上げ返済)に手数料がかかることがあります。特に住宅ローンなどの長期的なローンや、一部のカードローンで設定されている場合があります。事前に契約内容を確認するか、金融機関に問い合わせて手数料の有無と金額を確認するようにしましょう。
手数料を考慮しても利息軽減のメリットが大きいかなど確認する必要があります。

(3)一括返済できないケースもある

全ての場合において一括返済ができるわけではありません。
例えば、すでに弁護士に相談して債務整理の手続きに入っている場合などでは、独断で、一部の債権者にのみ一括返済することは絶対にやめましょう。

自己破産を検討しているのに一部の人に優先的に返済することは「偏波弁済」として問題になる可能性があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

偏頗(へんぱ)弁済とは?そのリスクと回避方法を弁護士が解説

借金一括返済の計算方法とシミュレーション

一括返済によってどれくらいの金額を返済すればよいのか、そしてどれくらい利息が減るのかを理解することは非常に重要です。

(1)利息の計算式

一般的に、借金の利息は「借入残高 × 年利 ÷ 365日 × 利用日数」で日割り計算されます。
例えば、残高50万円、年利18%の借金を30日利用した場合の利息は、50万円 × 0.18 ÷ 365 × 30日 = 約7397円となります。一括返済を検討する際は、この日割り計算で算出された返済日まで利息と元金の合計額を支払うことになります。

利息は1日単位で変わりますので、正確な金額を知るためには、金融機関へ問い合わせるのが確実です。

(2)返済額のシミュレーション例

例えば、以下のようなケースを考えます。

  • 借入元金:100万円
  • 年利:15%
  • 残りの返済期間:2年(24回)
  • 毎月の返済額:約48480円
  • 利息総額(通常返済の場合):約163520円

この場合、もし残り1年(12回)の時点で一括返済をすると、その時点での元金残高と日割り利息を支払うことになると考えた場合、これにより、本来支払うはずだった残り1年分の利息が不要になるため、総返済額を削減できるでしょう。
多くの金融機関のウェブサイトには返済シミュレーターがあるので、ご自身の状況に近い数字を入れて試算してみると良いでしょう。

借金一括返済の具体的な方法と手順

一括返済を進めるにあたっては、いくつかのステップを踏む必要があります。

(1)金融機関への連絡と手続

まずは、借入先の金融機関(銀行、消費者金融など)に直接連絡し、一括返済を希望する旨を伝えます。この際、現在の借入残高、その時点での正確な利息額、そして一括返済が可能な日付などを確認しましょう。
金融機関によっては、専用の窓口や担当部署がある場合もあります。返済方法や手数料についても、この段階で詳細を確認しておくことが重要です。

(2)返済方法の種類(窓口、振込、ATMなど)

一括返済の方法は、金融機関によって異なります。
銀行振り込みであれば、金融機関から指定された口座に、指定された金額を振り込みます。その他、提携しているATMでの入金、あるいは金融機関の窓口での現金支払いに対応している場合もあります。
複数の借入をそれぞれ一括返済する場合は、それぞれ異なる金融機関への手続が必要になりますので注意してください。

(3)必要書類について

一括返済に際して、特に多くの書類が必要になることは基本的にないようです。念のため本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)や、これまでの返済に関する書類(契約書、返済予定表など)を手元に準備しておくとスムーズです。
金融機関から指示があった場合は、それに従って必要な書類を用意しましょう。

一括返済が難しい場合の選択肢とは|債務整理

「一括返済はしたいけど、まとまったお金がない…」「毎月の返済が負担…」と悩んでいる方もいるかもしれません。
そのような場合でも、借金問題を解決する方法はあります。それが債務整理です。債務整理は、法的に借金の減額や免除、返済方法の見直しを行う手続きの総称です。
主に、任意整理、自己破産、個人再生の3種類があります。

(1)任意整理

任意整理は、裁判所を通さずに、債務を正確に計算したうえで、債権者(金融機関など)と直接交渉して、将来利息のカットや返済期間の延長などによって月々の返済額を軽減してもらう手続です。
元金は基本的に減りませんが、将来利息をカットできれば返済は格段に楽になるでしょう。弁護士に依頼すれば弁護士が代理人となって債権者と交渉を進めるため、債務者自身の負担は少ないのが特徴です。

任意整理のメリットや注意点、減額シミュレーションについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

任意整理で借金はいくら減る?借入額ごとの減額シミュレーション

(2)自己破産

自己破産は、返済が難しい(返済不能)場合に裁判所に申し立てを行い、借金の返済義務を免除(免責)してもらう手続です。
もし一定の範囲を超えた財産がある場合は、それを換価して債権者に配当し、それでも残った借金は原則として返済が免除されます(税金など一部の債務は免除されません)。
返済義務がなくなるという点で、非常にメリットの大きい手続です。
しかし、一定の財産以外は処分される、士業など一部の職業に就けなくなる期間がある、といったデメリットも存在します。

自己破産のタイミングや、早めに検討した方がいい理由などについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

自己破産をするタイミングはいつ?早めの決断がお勧めの理由も解説

(3)個人再生

個人再生は、返済ができなくなる恐れがある場合に、裁判所に申し立てを行い、認可を得たうえで、基本的に減額された借金について3年間で分割返済していく手続です。持ち家を手放さずに手続を進めることが可能なケースもあります。
自己破産の場合には処分されてしまう可能性のある家や車などの財産を維持できるケースがある点が特徴です。

個人再生できる人やメリットについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

個人再生できるのはどんな人?手続きの5つのメリットも解説

弁護士に相談すべきケースとは?

借金問題は一人で抱え込まず、早い段階で債務整理を扱っている弁護士に相談することをお勧めします。

(1)自力での返済が困難だと感じたら

もし「毎月の返済が苦しい」「滞納して一括返済せよという手紙が来たが、一括返済できずに悩んでいる」など、借金問題を負担に感じたら、それは弁護士に相談するタイミングです。
弁護士はあなたの借金の状況を正確に把握し、適切な解決策を一緒に考えてくれるでしょう。

(2)最適な解決策がわからない場合

「債務整理しようと決めたけど、自己破産すべきなのかどうか分からない」
債務整理にはいくつかの種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
どの方法があなたの状況に最も適しているのか、個人で判断するのは難しいかもしれません。弁護士は、法律の知識や経験に基づいて、あなたの収入、資産、借金の総額、借り入れの原因などを総合的に考慮し、適切な解決策を提案してくれるでしょう。

(3)取り立てに困っている場合

もし、金融機関からの厳しい取り立てに悩まされているなら、すぐに弁護士に相談してください。
弁護士が介入して受任通知を送付することで、金融機関からの直接の取り立ては原則として止まります。
これにより、精神的な負担が大幅に軽減され、落ち着いて解決策を考える時間を持つことができるでしょう。

【まとめ】

借金の一括返済は、利息負担軽減や精神的解放などのメリットがありますが、手元資金枯渇のリスクも伴います。
借金問題でお悩みの場合は、債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)という選択肢もあります。
一人で悩まず、アディーレ法律事務所にご相談ください。
弁護士は、あなたの状況に合わせた解決策を共に考え、あなたが借金問題を解決する未来への第一歩を踏み出すお手伝いをします。

借金問題の相談はまず弁護士に!あなたの借金も減額されるかも?