浮気を気づかないふりをするメリットとデメリットについて弁護士が解説

「浮気で揉めて、事を大きくしたくない」
「浮気に気づかないままでいれば、喧嘩して別れずにすむ…」
浮気に気づいたけれど、このように思って浮気を指摘することをためらう人もいます。

浮気を問い詰めると夫婦の平穏な結婚生活が壊れてしまうかもしれない、もし離婚したいと言われたらどうしようという不安などから、浮気を気づかないふりをするのです。

ただ、浮気を気づかないふりをすることは、「夫（妻）との関係を壊さずにいられる」というメリットがある一方、デメリットもあります。
今後も浮気を気づかないふりを続けるのかどうかは、浮気を気づかないふりを続けるメリット・デメリットを知った上で判断することにしましょう。

さらに、 浮気を気づかないふりを続けることが辛い場合には、この記事で紹介する対処法も検討してみてください。

浮気を気づかないふりをする3つのメリット

浮気を気づかないふりをすることには、次の3つのメリットがあります。

それぞれ見ていきましょう。

（1）夫（妻）との関係を壊さずにいられる

浮気を気づかないふりをすることで、表面的に夫（妻）との夫婦関係を壊さずにいられるというメリットがあります。

浮気をしているので、実際は夫婦関係に問題はありますが、表面的には仲の良い夫婦であることは決して少なくありません。夫（妻）の浮気を問い詰めてしまうと、仲の良い2人の関係は壊れてしまう可能性があります。さらに、夫（妻）から離婚を切り出されてしまうおそれもあります。

このような関係の悪化をおそれて、浮気に気づいていても、気づいてないふりをすることがあります。浮気に気づかないふりを続けて幸せな夫婦関係を演じていれば、いつか夫婦関係の大切さに気付いて、浮気を辞めてくれるのではと期待しているケースもあります。

特に、夫（妻）と離婚して生活することが経済的に難しい場合には、浮気に気づいていても、「離婚はできないから我慢するしかない」などと思って、気付かないふりをせざるを得ないと感じている方もいます。

（2）油断させて証拠を集めやすくなる

浮気を気づかないふりをすることで、夫（妻）を油断させて、浮気をしている証拠を集めやすいというメリットがあります。

後で説明しますように、浮気については証拠がとても重要になってきます。
ただ、浮気を問い詰めた後に、証拠を集めようと思っても、すでに証拠を隠されていたり、捨てられていたり、証拠が集められないことがあります。

そのため、浮気に気づいていても、あえて気付かないふりをすることで浮気の証拠を集めるということがあります。

（3）夫（妻）との今後を考える時間を作れる

浮気に気づかないふりをすることで、夫（妻）との今後を考える時間を作れるというメリットがあります。

浮気が発覚すると、精神的にとてもショックを受けます。また、浮気をされても愛していた夫（妻）のことをすぐに嫌いになれない方もいます。

そのため、夫（妻）との夫婦関係をこれからどうしたいのか決められず、悩んでしまい、浮気に気づいていても、気づかないふりをしていることがあります。

特に、夫（妻）との今後の夫婦関係を考えるにあたっては、子どものことや離婚後の生活のことなどを考える必要があるため、これからの夫婦関係を考えるにあたっては時間がかかってしまうこともあります。

浮気を気づかないふりをする3つのデメリット

確かに、浮気に気づかないふりをしていれば、夫（妻）との関係を壊さずにいることができます。しかし、浮気に気づかないふりを続けたことで、あなたが後悔してしまう結末になってしまうおそれがあるのです。

なぜかというと、浮気を気づかないふりをすることには、次の3つのデメリットあるからです。

それぞれ見ていきましょう。

（1）浮気がさらにエスカレートするおそれがある

浮気に気づかないふりを続けていると、浮気がさらにエスカレートしてしまうおそれがあります。

あなたが浮気に気づかないふりをし、夫（妻）が浮気を続けた結果、当初は遊びの気持ちで始めた浮気でも長く関係が続くことで本気の浮気になってしまうことがあります。

また、あなたから何も言われないことをいいことに、夫（妻）が「浮気が許されている」と思い、浮気がさらにエスカレートしてしまう可能性もあります。

このように、浮気に気づかないふりを続けることで、さらにあなたの気持ちが傷ついてしまう可能性があるのです。

（2）浮気されることによって受ける精神的ストレスが続く

浮気に気づかないふりを続けていると、浮気されることによって受ける精神的ストレスが続いてしまうおそれがあります。

浮気に気づかないふりをするということは、夫（妻）に浮気をやめさせることができず、夫（妻）が浮気を続けることを許すことでもあります。

精神的ストレスは目に見えないものです。あなたが大丈夫と思っていても、実はあなたに精神的なストレスがかかっていて、あなたの気持ちが壊れてしまうということもあります。

浮気から立ち直れずに辛い思いをされている方は、こちらの記事もご覧ください。

（3）夫（妻）と浮気相手に対する慰謝料請求ができなくなるおそれがある

浮気に気づかないふりを続けていると、後で夫（妻）と浮気相手に対して慰謝料請求をしたいと考えても、「できなくなっている」という事態が生じてしまうおそれがあります。

どういうことかというと、実は、慰謝料請求には「時効」という請求の期限があり、時効を過ぎてしまうと、夫（妻）と浮気相手に対して慰謝料請求をできなくなってしまう可能性があるのです。

浮気の慰謝料には、次のように「時効」があります。時効を過ぎ、請求相手に時効を過ぎていることを指摘されてしまうと、慰謝料を請求することができません。

図にすると、次のようになります。

なお、 夫（妻）に対する慰謝料請求については、民法第159条で「婚姻の解消の時から6ヶ月を経過するまでは時効が完成しない」と定められていることにも注意が必要です。

浮気の慰謝料の時効についてさらにくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

浮気に気づかないふりをすることが辛い場合にとるべき対処法

浮気に気づかないふりをすることが辛い場合には、何か行動を起こすことを考えてみましょう。

何か行動しなければ何も変わらず、辛い状態が続くだけです。少し行動してみるだけで、あなたの辛い気持ちを払拭することができる可能性があります。

浮気に気づかないふりをすることが辛い場合には、次の対処法をとってみることを検討してみましょう。

それぞれ見ていきましょう。

（1）証拠を集める

浮気に気づかないふりをすることが辛い場合には、今後に備えて浮気の証拠を集めることを行ってみましょう。

浮気の証拠を集めるのは、慰謝料などを請求する時だけと思われているかもしれません。

しかし、慰謝料請求をしない時、例えば「浮気を辞めさせて夫婦関係を続ける場合」や「夫（妻）と離婚する場合」であっても浮気の証拠を集めておくのがおすすめです。

なぜかというと、実は、夫（妻）に対し浮気を問い詰めても、すぐに認めてくれることもありますが、浮気を頑なに認めないケースも多いからです。

慰謝料請求をせずに、浮気を辞めさせて夫婦関係を続けるにしろ、離婚するにしろ、夫（妻）に浮気をしていたことを認めさせないと話が進みません。このような夫（妻）には、証拠を集めておき、浮気を認めさせるのがよいでしょう。

浮気の証拠としては、次のような証拠を集めておくとよいでしょう。

【例】

• 肉体関係があったことを伺わせる写真と動画
• 浮気相手が浮気をしたことと認める音声
• ラブホテルやレストランなどのクレカの明細やレシート
• 肉体関係があったことを伺わせるメール、SNSなど
• 浮気があったこと伺わせる手帳・日記・メモなど
• 浮気相手のところに出入りしている位置情報が記録されているGPS
• ラブホテルのサービス券
• 探偵の調査報告書　など

証拠を集めることは、夫（妻）の浮気と正面から向き合うことになり、あなたにとってとてもつらい作業になるかもしれません。

しかし、 辛いことに向き合わずにいてもと何の解決にもなりません（このまま気づかないふりを続けていても、夫（妻）から離婚を切り出されるかもしれません）。一度きちんと向き合うことで、夫（妻）との今後の夫婦関係を考えるきっかけともなります。

浮気の証拠の集め方や集めるべき証拠についてくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

参考：探偵事務所の調査内容や調査費用の目安は、HPやサイトからも確認することができます。【外部サイト】

（2）浮気をやめさせる

浮気を気づかないふりをすることが辛い場合には、夫（妻）の浮気をやめさせるという方法があります。

浮気をやめさせるには、夫（妻）と話合い、浮気をやめさせることが必要です。

あなたと夫（妻）との関係が悪い、もしくは、あなたから夫（妻）の気持ちが離れてしまったことから夫（妻）が浮気に走ってしまった場合には、あなたと夫（妻）でしっかりと夫婦関係の改善に向けて話し合うことで浮気をやめさせられる可能性があります。

話し合いでは、関係が悪くなってしまった理由や気持ちが離れてしまった理由について話し合い、どうすれば夫婦関係を改善できるかを話し合うとよいでしょう（また、互いが抱えている不平不満を話してみてもよいかもしれません）。

また、あなたにとって夫（妻）が大事な存在であり、これからも関係を続けていきたいということを夫（妻）に伝えてみるのもおすすめです。
このようにすることで、夫（妻）との夫婦関係を改善し、その結果、夫（妻）が浮気をやめてくれる可能性があります。

なお、 口頭だけの約束では不安が残る場合には、浮気をしないことを約束した誓約書を書かせるのもよいでしょう。誓約書で合意したことを破った場合の違約金も定めておくと浮気の再発防止の効果を高めることができます。

浮気をしない誓約書を作成するメリットや作成方法についてくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

（3）夫（妻）と離婚する

浮気を気づかないふりをすることが辛い場合には、夫（妻）と離婚することも考えてみましょう。

確かに、離婚をすることはなかなか踏ん切りがつかないかもしれません。しかし、夫（妻）と夫婦関係を続けていくとどうしても浮気されたことを思い出してしまうものです。

しかし、離婚をしてみると、意外とこれまで立ち直れずにいた気持ちもスッキリして、これまで何をクヨクヨしていたのだろうと思うこともあります。

愛していた夫（妻）と離婚することは辛いことですが、辛い気持ちを抱えて関係を続けていくことがあなたにとって本当によいことなのかも考えてみるとよいでしょう。

離婚するために必要な準備やお金のことについてくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

（4）浮気相手に慰謝料請求をする

慰謝料は離婚する場合でないと請求できないとのイメージをお持ちかもしれませんが、夫婦関係を継続する場合であっても慰謝料請求をすることは可能です。

浮気相手に対して慰謝料請求をすることで、あなたが抱えている浮気相手に対する恨みや怒りがスッキリして、浮気から立ち直れる可能性があります。

ただ、浮気相手に対して慰謝料請求をすると夫（妻）との関係が悪化してしまうのではと懸念されているかもしれません。

しかし、浮気相手に対して慰謝料請求をしたことを口外しないようにする約束をすることもできますので、あなたの配偶者に慰謝料請求をしたことが伝わないままにすることができる可能性もあります。

慰謝料を浮気相手だけに請求をする場合の請求方法やリスクについてくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

（5）夫（妻）に慰謝料請求をする

浮気相手だけではなく、夫（妻）に対して慰謝料請求をすることもできます。

離婚をしない場合でも配偶者に対して慰謝料請求をすることもできます。

しかし、離婚しない場合に夫（妻）に対して慰謝料請求をすることは夫婦の財産の中でお金が動くだけですので、あまり意味がありません。

離婚はしないけど夫（妻）に対して少し懲らしめたいという気持ちがある場合には、慰謝料請求ではなく、あなたの欲しいものを買ってもらったりするなどの方法をとるとよいでしょう。

なお、配偶者と離婚する場合には、今後のあなたの生活の資金にもなりますので、夫（妻）に慰謝料請求をするのも検討してみましょう。

浮気の慰謝料についてくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

【まとめ】浮気を気づかないふりを続けるかは、メリット・デメリットを比較して考えてみて！辛い場合には、5つの対処法も

今回の記事のまとめは次のとおりです。

• 浮気を気づかないふりをするメリット

• 浮気を気づかないふりをするデメリット

• 浮気に気づかないふりをすることが辛い場合にとるべき対処法

浮気が発覚した場合、今後の夫婦生活をどうするか、子どもがいる場合には、子どものこともどうするかなども踏まえて離婚をするかしないか、慰謝料請求をするかしないかを考えることになるでしょう。

離婚については夫婦生活に与える影響も大きいため、浮気が発覚しても離婚を望まない方もいらっしゃいます。しかし、離婚しない方でも、浮気のけじめをつけるために浮気相手に対して慰謝料請求をされる方もいらっしゃいます。

夫（妻）の浮気が発覚した場合にどうすればいいのかまだ決めきれないという方は、離婚を望まない場合でも浮気相手に対する慰謝料請求はできるということは知っておきましょう。

そして、夫（妻）の浮気が発覚し、慰謝料請求をお考えの方は、浮気の慰謝料請求を得意とするアディーレ法律事務所への相談がおすすめです。

アディーレ法律事務所では、浮気・不倫の慰謝料請求につき、相談料、着手金をいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという完全成功報酬制です。

原則として、この報酬は獲得した賠償金等からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要がありません。

また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。

（以上につき、2022年10月時点）

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