結婚生活が始まった当初は幸せだったのに、今では旦那がストレスの原因になっていると感じることはありませんか?
「夫源病(ふげんびょう)」という言葉があるように、夫の行動や態度が妻にとって大きなストレスとなることがあります。
この記事では、ストレスとなる夫の具体的な行動パターン、対処法などについて解説します。さらに、離婚を考える前に試すべき方法や、どうしても改善されない場合の離婚手続きについても触れています。
この記事を読んでわかること
- 夫源病とは
- ストレスの原因となる夫の行動パターン5選
- 「旦那がストレス」への対処法
ここを押さえればOK!
対処法としては、夫婦間での明確な役割分担の取り決めや、信頼できる第三者への相談、場合によっては別居の検討などがあります。また、家庭裁判所での調停を通じて夫婦関係の問題を解決する方法もあります。
これらの対処法を参考に、夫を原因とするストレスの解消に取り組み、健康的な関係を築くことが大切です。
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慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。
「夫源病」とは?
「夫源病」とは、一般的に夫の存在や行動が妻にとってストレスの原因となり、心身の不調を引き起こす状態を指します。医学的な病名ではありませんが、最近、テレビ番組や雑誌の記事などで利用されている言葉です。
ストレスが体の様々な不調をおこすことがありますが、夫が原因となるストレスによっても、心身の健康に悪影響を及ぼすことがあるのです。
ストレスの原因となる夫の行動パターン5選
夫の言動の何がストレスになるのかは、人によって様々ですが、主なストレスの原因について説明します。
(1) 家事・育児への非協力
夫が家事や育児に協力しないことは、妻にとって大きなストレスの原因となります。
共働き世帯が多くなっていても、家事や育児の分担はそこまで進んでいないのが現状ではないでしょうか。
妻も働いているのに、夫だけが仕事を第一に考え、仕事から帰宅後も家事も育児も手伝わず、テレビを見て過ごしているシーンを思い浮かべてみてください。
妻は一人で全ての家事・育児をこなさなければならず、ストレスと疲労が蓄積します。
(2)金銭管理の問題
夫が家計に関心なく、無計画にお金を使うこともストレスの原因になります。
例えば、妻が計画的に節約して貯蓄しているのに対し、夫が「あればあるだけ使う」というスタンスでギャンブルや趣味に多額のお金を使っていたらどうでしょうか。
話し合いでも解決できず、お金の使い方の価値観の違いが埋められなければ、妻は経済的な不安からストレスを感じるでしょう。このような状況は、夫婦間の信頼関係を損なうことにもつながります。
(3)自己中心的な態度
夫が自己中心的な態度を取ることも、妻にとってストレスの原因です。
夫が自分の意見や希望を一方的に押し通し、妻の意見を無視する場合、妻は孤立感や無力感を感じることがあります。
妻が「この人と話しても意味がない」と考え、対等に話し合うこともできない夫との生活をあきらめてしまうこともあるようです。
(4)コミュニケーション不足
夫婦間のコミュニケーション不足もストレスの原因です。
例えば、夫が仕事の疲れなどを理由に会話を避ける場合、妻は仕事や家事、育児などの日常生活で抱えている喜びや悲しみ、不満や苦情などの感情を共有できず、孤独を感じます。
「今忙しいから」「今疲れているから」という理由で夫にコミュニケーションを拒否され続けると、話しかけるのさえ躊躇するようになるでしょう。
このように会話がなくなったために、夫婦間の絆や信頼関係が弱まることがあります。
(5)仕事のストレスの持ち込み
夫が仕事のストレスを家庭に持ち込むことも問題です。
もちろん、夫が仕事の悩みや苦情を妻に相談することは、妻としても嬉しいし、夫がストレスを解消して生活することに役立つこともあるでしょう。
しかし、夫が仕事の不満を妻に八つ当たりのようにぶつける場合、妻はそのストレスを受け止めなければならず、精神的な負担が増えてしまいます。
「旦那がストレス」への対処法6つ
ここでは、「旦那がストレス」となってしまっている妻が、どのように対処すればよいのかどうか、その方法を解説します。
(1)夫婦間での明確な役割分担の取り決め
「育児をしてくれない」「家事をしてくれない」というストレスがあるのであれば、その不満についてしっかり伝えたうえで、どのように具体的に分担したいのか、取り決めをしましょう。
抽象的に「もっと家事育児をやってほしい」というだけでは、夫に伝わらないことがあります。夫としては、「そう言われてもごみ捨ても食器の片付けもやっているし、十分じゃないか」と反論したくなるかもしれません。
家事育児には、名も付けられないような仕事がたくさんあります。そのような家事育児を可視化したうえで、どのように夫婦間で協力し合っていくのか、具体的に話し合うようにしましょう。
(2)第三者への相談
家庭の問題の解決方法は、家庭によって異なります。
しかし、信頼できる家族や友人に相談して得られた視点が、夫を原因とするストレス解消に役立つかもしれません。
1人で悩まず、信頼できる人やカウンセラーに相談してみるとよいでしょう。
(3)別居の検討とその法的影響
しばらく別居することも、一つの方法です。
短期間の別居により、夫婦間の物理的な距離を置くことで、冷静に問題を見つめ直すことができるからです。
ただし、法律上、夫婦には同居義務があり、正当な理由なく一方的に別居すると、この同居義務に違反することになってしまいます(直接の罰則はありません)。
配偶者からDV・モラハラを受けているなどの事情がない場合には、話し合って別居の同意を得たうえで別居するようにしましょう。
(4)DVされている場合の保護命令申立
夫がDVを行っている場合、保護命令を申し立てることができます。
DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)には、配偶者(事実婚を含む)・元配偶者からの暴力を防止し、被害者の生命・身体の保護を目的として、裁判所が、被害者の申立てにより、一定期間、加害者を被害者から引き離すために発する保護命令を発令できることが規定されています。
保護命令は、大きく分けて次の5つがあります。
- 被害者への身辺への「つきまとい」や「はいかい」を禁止する『接近禁止命令』(DV防止法10条1項1号)
- 同居する住居からの退去を命じる『退去命令』(同法10条1項2号)
- 被害者への電話等禁止命令(同法10条2項)
- 被害者への子への接近禁止命令・電話等禁止命令(同法10条3項)
- 被害者への親族等への接近禁止命令(同法10条4項)
参考:保護命令手続きについて|裁判所 – Courts in Japan
裁判所への申立手続きを1人で対応するのは困難ですので、まずは警察や配偶子者暴力相談支援センターなどDVの相談窓口に相談するようにしましょう。
(5)調停による話し合いの場の設定
家庭裁判所に対して、夫婦関係の問題について、夫婦円満のための話し合いの場を設けてほしいという調停を申し立てることができます。
これを、「夫婦関係調整調停(円満)」といいます。
調停では、調停委員2名と裁判官1名が間に入り、話し合いをあっせんしてくれますので、夫婦間の問題を第三者の視点を踏まえて把握することができます。
調停委員が間に入ることで、公平な話し合いが行われ、問題解決の糸口が見つかることがあります。
ただし、夫が「裁判所に訴えるなんて」と逆に精神的にストレスを感じ、夫婦関係が悪化するおそれもあります。
事前に当事者で話し合う努力をしたけれども、どうしても夫が話し合いに応じてくれないような場合に利用を検討するとよいでしょう。
よくある質問(Q&A)
(1) 夫婦間のストレスが原因で離婚できますか?
日本では、夫婦が離婚に合意すれば離婚することができます。
合意できれば、離婚の原因は問われないので、夫の同意があれば「夫の存在がストレス」という理由で離婚することは可能です。
しかし、夫が離婚を拒否した場合には、離婚するためには、離婚調停を申し立てたうえで、それでも離婚できなければ離婚訴訟を提起して裁判所に離婚を認めてもらう必要があります。
裁判所の手続となると「夫の存在がストレスだから」という理由だけでは、離婚を認めてもらうことはできないでしょう。夫のDVや肉体関係を伴う不倫、長年の別居により夫婦関係が破綻しているなどの法定の離婚事由が必要になります。
ご自分のケースで離婚できる可能性があるかどうかは、離婚を扱っている弁護士に相談してみるとよいでしょう。
(2)別居中の生活費請求は可能ですか?
別居中でも、原則として生活費の請求は可能です。この生活費のことを、法的には婚姻費用といいます。
妻の方が収入が少ない場合、夫に対して婚姻費用分担請求を行うことで、夫から生活費を受け取ることができます。
婚姻費用の算定は、裁判所が公表している算定表を利用して行うことができます。
「ご自身の場合の婚姻費用がどれくらいになるのかしりたい」「婚姻費用の交渉を代わりに行ってほしい」という場合には、婚姻費用請求を扱う弁護士に相談しましょう。
こちらで簡易的に婚姻費用を算定することもできます。
【まとめ】旦那とのストレスフルな関係改善をあきらめない|離婚やむなしという場合は弁護士に相談を
旦那がストレスの原因となる場合、まずは夫婦間での話し合いで解決を目指しましょう。あなたのストレスを軽減し、より良い生活を取り戻すために、まずは目の前の夫に向き合いましょう。
どうしても改善されず、自分の幸せのために一人になりたいというような場合には、離婚手続きを検討することも一つの選択肢です。
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(※なお、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。)
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