「アルバイトだから有給休暇は取れない」と言われて、困った経験はありませんか?
実は、アルバイトやパートタイムでも法的に有給休暇を取得する権利があります。それでも会社から拒否された場合、一体どうすれば良いのでしょうか?
このコラムでは、そんな悩みを抱えるあなたに向けて、有給休暇の取得条件や対処法を詳しく解説します。自分の権利を守り、より良い労働環境を手に入れるための第一歩を踏み出しましょう。
この記事を読んでわかること
- アルバイトで有給休暇がないと言われた場合の対処法
- 有給休暇の取得条件を満たしているにもかかわらず会社が拒否する場合の対処法
ここを押さえればOK!
まず、有給休暇の取得条件を満たしているか確認します。条件は「勤務開始から6か月経過」「全労働日の8割以上出勤」「雇用されている」の3つです。
<有給休暇の取得条件を満たしているにもかかわらず会社が拒否する場合>
会社が有給休暇の利用を拒否する場合は、まず社内の人事部や総務部に相談し、それでも解決しない場合は労働基準監督署に相談します。最終的には弁護士に相談することも検討しましょう。
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東京大学法学部・東京大学法科大学院卒。アディーレ入所後は未払残業代請求事件をメインに担当し、2022年より労働部門の統括者。「自身も同じ労働者だからこそ、労働者の方々に寄り添える」との信念のもと、より多くのご依頼者様を、より良い解決へ導くことを目標に尽力している。東京弁護士会所属。
有給休暇がないと言われたら|対処法とは
アルバイトであっても取得条件を満たせば有給休暇を取得することができます。
「アルバイトには有給休暇がない」と言われた場合、次の項目を確認しましょう。
- 有給休暇の取得条件を満たしているか確認する
- すでに有給休暇を使い切っていないか確認する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
(1)有給休暇の取得条件を満たしているか確認する
まず、有給休暇の取得条件を満たしているか確認しましょう。アルバイトやパートタイムでも、次の条件を満たしていれば、有給休暇を取得する権利があります。
- 勤務開始から6ヶ月が経過している
- 全労働日の8割以上出勤している
- 雇用されている
例えば、勤務開始から6ヶ月未満である場合や雇用されていない場合(業務委託となっている場合)には、有給休暇を取得することはできません。
(2)すでに有給休暇を使い切っていないか確認する
次に、有給休暇の取得できる日数をすでに使い切っていないか確認します。病気などで休んだ場合に、有給休暇を取得したことになっている可能性があります。
年次有給休暇の日数は、勤続年数により決まります。フルタイム従業員とパート・アルバイト従業員に付与される年次有給休暇の日数は、それぞれ次の表のとおりです。
<有給休暇の付与日数>
週の所定労働日数 | 1年間の所定労働日数 | 6ヶ月勤務 | 1年6ヶ月勤務 | 2年6ヶ月勤務 | 3年6ヶ月勤務 | 4年6ヶ月勤務 | 5年6ヶ月勤務 | 6年6ヶ月以上勤務 |
5日 | 217日以上 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
4日 | 69~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 121~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
2日 | 73~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
1日 | 48~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
年次有給休暇が付与されてから2年経過したものは、時効で消滅していきます。ただし、会社が、年次有給休暇が存続する期間をさらに長く設定している場合には、その会社のルールに従って消滅します。
(3)時季変更権について
時季変更権とは、事業の正常な運営を妨げる場合に会社から有給休暇を別の時季に取るように指示することができることです。
有給休暇を利用したい日の直前の請求であるほど、時季変更権が行使されやすくなりますので、有給休暇の申請は時間の余裕をもって行うとよいでしょう。就業規則に有給休暇の申請期限が定められている場合がありますので、この申請期限を目安にするとよいでしょう。
会社が有給休暇を拒否した場合|対処法とは
取得条件を満たしており、かつ、業務の運営を妨げないにもかかわらず、会社が有給休暇の取得を拒否した場合、次の対処法を取るようにしましょう。
(1)人事部や総務部に相談する
まずは社内の人事部や総務部に相談しましょう。上司が「アルバイトは有休休暇がとれない」と勘違いしているだけの場合には、社内の人事や総務などに相談することで、有給休暇を取得することができる可能性があります。
(2)労働基準監督署に相談する
社内で解決できない場合、労働基準監督署に相談する方法があります。
労働基準監督署は、労働者の権利を守るための公的機関です。労働基準監督署に相談すると調査をして、場合によっては会社に対して適切な指導や勧告が行われることがあります。
(3)弁護士に相談する
労働基準監督署でも解決しない場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。専門的な知識と経験を持つ弁護士が、法的なアドバイスやサポートをしてくれます。
【まとめ】アルバイトで有給休暇がないと言われたら公的機関や弁護士へ相談を
有給休暇はアルバイトでも取得する権利があり、次の確認事項を踏まえることが重要です。
- 有給休暇の取得条件を満たしているか
- 有給休暇を使い切っていないか
会社が有給休暇を拒否した場合、人事部や総務部に相談し、それでも解決しない場合は労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。あなたの権利を守るための第一歩を踏み出しましょう。
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