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結婚20年以上の離婚慰謝料の相場は?時効や弁護士依頼のメリットも解説

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kiriu_sakura

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「結婚してから20年以上経つけど、夫が不倫したので離婚を考えている。離婚した場合にもらえる慰謝料はどれくらい?」

実は、 婚姻期間が長いほど、離婚慰謝料の金額が大きくなる傾向にあります。

そのため、婚姻期間が20年以上と長期間に及ぶ場合の離婚慰謝料は高額となる可能性があります。

なお、 離婚慰謝料の請求権は離婚から3年間が経過してしまうと、原則として時効によって消滅してしまいますので、この点には注意が必要です。

この記事を読んでわかること
  • 離婚慰謝料の基礎知識
  • 結婚20年以上の離婚慰謝料の相場
  • 離婚慰謝料請求権の時効
この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。

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離婚慰謝料の基礎知識

まずは、離婚慰謝料の基礎知識について解説します。

(1)離婚慰謝料とは?

離婚慰謝料は、離婚によって受けた精神的損害についての賠償金であり、離婚に至る原因を作った側の配偶者(「有責配偶者」と言います。)に対して、もう一方の配偶者が請求するものです。

離婚慰謝料は、次の2つから成り立ちます。

  • 離婚の原因となった行為(例えば、不貞行為など)により受けた精神的損害に対する慰謝料(これを「離婚原因慰謝料」といいます)
  • 離婚によって配偶者としての地位を失ったことによる精神的損害に対する慰謝料(これを「離婚自体慰謝料」といいます)

例えば、 次のような場合は、有責配偶者に対して離婚慰謝料を請求できる可能性があります。

  • 不貞行為(第三者と肉体関係を持つこと)があった
  • 配偶者からDVがあった
  • 配偶者から悪意の遺棄を受けた
  • 特に理由もないのに性交渉を一方的に断られ続けた  など

一方で、離婚慰謝料は、離婚をしたからといって必ず請求できるわけではありません
例えば、性格の不一致や配偶者の家族との不仲などの場合は、通常は離婚慰謝料を請求することはできません

【コラム】有責配偶者の不貞相手(不倫相手)に対して離婚慰謝料は請求できる?

離婚慰謝料は、特別な事情が認められない限り、不貞相手(不倫相手)に対して請求することはできません。

この点、最高裁判決平成31年2月19日では、「夫婦の一方は、他方と不貞行為に及んだ第三者に対して、上記特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料を請求することはできない」として、不貞相手に対する離婚慰謝料の請求を否定しました。

ここで注意が必要なのは、上記判例において「離婚を理由とする慰謝料請求」を不貞相手に対して行うことは基本的に認められないとされましたが、「不貞行為を理由とする慰謝料請求」を不貞相手に対して行うことを否定したわけではないということです。つまり、不貞相手に対して、離婚慰謝料を請求することはできませんが、不貞行為を理由とする慰謝料請求はすることができるということです。

『じゃあ、不貞相手に対して、不貞行為を理由として慰謝料請求をすればよかったのに、なんでわざわざ離婚慰謝料を請求したの?』という疑問が出てきますが、不貞行為を理由とする慰謝料請求と離婚慰謝料請求では、時効の起算点が異なるのです。

前記最高裁判決の事案では、不貞行為を理由とする慰謝料請求については消滅時効が経過しているが、離婚慰謝料請求については消滅時効が経過していないという殊なケースでした。そのため、わざわざ離婚慰謝料を請求したのです。

配偶者の不貞行為があった場合、不貞相手に対して不貞慰謝料を請求することも可能です。

(2)離婚慰謝料額を決める要素

離婚慰謝料額は、次のような要素を総合的に考慮して判断されます

  • 有責性(離婚に至る原因となった行為の悪質性)
  • 婚姻期間の長さ
  • 義務者(支払う側)の資力
  • 婚姻生活の実情(婚姻生活はどの程度円満であったか)
  • 夫婦間の子の有無  など

有責性が高いほど、婚姻期間が長いほど、慰謝料額は高くなる傾向にあります。
婚姻期間が20年以上の場合であれば、その長さが考慮され、一般的に高額な慰謝料が認められる可能性が高いといえるでしょう。

次の表は、不貞行為があった場合の離婚慰謝料額が、増額・減額される場合を簡単にまとめたものです。

結婚20年以上の離婚慰謝料の相場

先ほどご説明した通り、婚姻期間が20年以上の場合は、高額な慰謝料額が認められる可能性が高いといえます。

離婚慰謝料の裁判上の相場は、100万円~300万円くらいに落ち着くことが多いです。

もっとも、裁判でも数十万円程度と認定されるケースや300万円以上と認定されるケースもあります。離婚慰謝料の金額は、個別具体的な事情によって金額は異なるのです。

さらに、慰謝料がいくらと認定されるかは、「あんなことがあった」「こんな事情もある」ということをしっかりと主張・立証し、第三者である裁判所に理解してもらうことが必要です。

単に、「辛かった」と主張するだけでは説得力に乏しく、主張を裏付ける証拠が必要なのです。

注意が必要なのは、 慰謝料額は、個々のケースの具体的な事情を総合的に考慮して判断されるということです。

例えば、不貞行為が原因で離婚する場合の慰謝料の相場も、大体100万~300万円ぐらいですが、婚姻期間が20年以上の場合、当該相場よりも高い額が認められる可能性があります。ただし、慰謝料の金額は、夫婦間の様々な事情を考慮して決まりますので、婚姻期間が20年以上という事情があったとしても、その他の事情によっては、相場よりも低い金額しか認められない場合もあり得ます。

ご自身のケースでどの程度の慰謝料が請求できるか正確に知りたい方や、どのような証拠があれば良いのか知りたい方は、弁護士に相談して事情を詳しく聞いてもらうのがよいでしょう。

慰謝料請求権には時効がある

慰謝料請求権には消滅時効というものがあります。
消滅時効にかかってしまうと、離婚慰謝料を請求することができなくなってしまいます。
離婚慰謝料」の場合は、離婚から3年間で時効にかかります

「不貞慰謝料」も、起算点(時効のスタート地点)から3年間で時効にかかります。

ただし、不貞慰謝料については、「不貞配偶者」に対する請求の時効の起算点と、「不貞相手」に対する請求の時効の起算点が異なる場合があるので、注意が必要です。

次の表は、慰謝料の時効の起算点をまとめたものです。

請求相手不貞慰謝料の時効の起算点離婚慰謝料の時効の起算点
不貞(有責)配偶者不貞が発覚した日離婚した日
不貞相手不貞の事実および不貞相手を知った日×(基本的に請求できない)

例えば、2020年1月1日に不貞が発覚したがこの時点では不貞相手が誰か分からず、2021年1月1日に不貞相手が判明したというケースの場合をみてみます。この場合、不貞配偶者に対する不貞慰謝料請求の時効は2020年1月1日から進行しますが、不貞相手に対する不貞慰謝料請求は2021年1月1日から進行することになります。
また、不貞慰謝料は、不貞の事実および不貞相手を知らなかった場合でも、不貞行為の時から20年経つと時効にかかります(*)。

(*)2020年3月31日までに20年が経過している場合は,改正前の民法が適用され,除斥期間の経過により慰謝料は請求できません。

なお、 不貞配偶者に対する不貞慰謝料請求権については、民法上、離婚した時から6ヶ月を経過するまで時効は完成しないとされています(民法159条)。

不貞慰謝料と離婚慰謝料について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

不貞慰謝料と離婚慰謝料って何が違うの?両方請求することは可能?

離婚慰謝料は、離婚から3年で時効にかかってしまうので注意が必要です。請求をお考えの方は、早めに弁護士に相談するなどしましょう。

離婚慰謝料を請求する際に弁護士に依頼するメリット

ここまで離婚慰謝料について解説してきました。
離婚慰謝料の請求は個人でも行うことができます。その場合、弁護士費用を節約することが可能です。

では、離婚慰謝料を請求する場合に、弁護士費用を支払ってまで、弁護士に依頼をするメリットとは何なのでしょうか。

弁護士に依頼をするメリットは主に、次の3つです。

  • 弁護士からの請求であなたの本気の怒りを伝えることができる
  • なるべく高額な慰謝料を獲得できる可能性が高まる
  • 配偶者と直接連絡をとらなくてもよい

(1)弁護士からの請求であなたの本気の怒りを伝えることができる

配偶者は、あなたにしたことを軽く考えており、あなたから慰謝料請求が来ても無視したり、適当にあしらったりすることもあります。

しかし、 弁護士からの書面が届くと、あなたの本気度が伝わって態度が一変し、事の重大性に気付いてきちんと対応してくることが期待できます。

(2)なるべく高額な慰謝料を獲得できる可能性が高まる

少しでも高額な慰謝料を獲得するためには、過去の裁判例や法律の知識、交渉のテクニックが必要となります。特に20年以上の婚姻期間がある場合などであれば、高額な慰謝料が認められる可能性も高く、配偶者からの反発も当然大きくなると考えられますので、専門家による交渉が必要となるのです。

弁護士であれば、 法律の専門家としての知識を駆使して配偶者と粘り強く交渉し、少しでも高額な慰謝料を獲得することを目指します

(3)配偶者と直接連絡をとらなくてもよい

弁護士が慰謝料の支払い交渉を行う場合、弁護士が交渉すべてを代行しますので、あなたが自ら配偶者と直接連絡を取る必要はありません。

不貞行為をされたことなどが原因で離婚し、慰謝料の請求を検討するといった場合、当然有責配偶者に対する怒りも大きい場合が多いと思います。

そのような場合に、慰謝料交渉のために、自ら配偶者と連絡をとらなければいけないということは、精神的にも大きい負担がかかります。

弁護士が交渉を代行することで、あなたにかかる負担を減らすことができます
また、怒りを抱えた状態で配偶者と連絡をとることは、冷静な交渉を妨げる要因ともなり、かえって他のトラブルを招く要因にもなりかねません。

【まとめ】結婚20年以上の場合は離婚慰謝料が高額になる傾向がある

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 離婚慰謝料は、離婚によって被害者が受けた精神的損害についての賠償金のことをいう。離婚慰謝料は、離婚に至る原因を作った有責配偶者に対して、もう一方の配偶者が請求するもの
  • 離婚慰謝料額は、次のような要素を総合的に考慮して判断される
     ・有責性(離婚に至る原因となった行為の悪質性)
     ・婚姻期間の長さ
     ・義務者(支払う側)の資力
     ・婚姻生活の実情(婚姻生活はどの程度円満であったか)
     ・子の有無    など
  • 婚姻期間が20年以上の場合、通常よりも高額の慰謝料が認められる可能性がある。
  • 離婚慰謝料の場合、原則として離婚から3年間で時効にかかる
  • 離婚慰謝料を請求する場合に弁護士に依頼する主なメリットは次の3つ
     ・弁護士からの請求であなたの本気の怒りを伝えることができる
     ・なるべく高額な慰謝料を獲得できる可能性が高まる
     ・配偶者と直接連絡をとらなくてもよい

離婚の原因が不倫などの有責行為であれば、離婚慰謝料を請求できる可能性があります。
そして、結婚していた期間が20年以上の長期間である場合、慰謝料の金額が高くなる傾向があることに加え、夫婦の共有財産が形成された期間も長いため、財産分与の規模も大きくなる見込みが高いといえます。

そのため、離婚の際に取り決めなければならないことも多くなるでしょう。
後悔しない離婚のためには、離婚条件の交渉から離婚協議書の作成まで、専門家である弁護士に任せることをおすすめします。

アディーレ法律事務所では、不倫を原因とする離婚も取り扱っております。
また、安心してご依頼いただけるよう、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたしますので、費用倒れになることはありません(2023年5月時点)。

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所(フリーコール0120-783-184)にご相談下さい。

この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。

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※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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