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【離婚裁判】本人尋問の流れと成功させるためのポイント

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本人尋問とは、原告・被告の当事者自身に対して裁判所で行う質問です。
裁判手続の多くは代理人である弁護士に委任することができますが、本人尋問では、本人が自ら出頭し、裁判官や双方の代理人などからの質問に答えなければなりません。
なかなか経験のないことかも知れませんが、しっかり対策を立てましょう。

離婚裁判でおこなわれる本人尋問の目的

本人尋問に臨むにあたっては、まず、何のために本人尋問を行うのかを知っておくことが大切です。
本人尋問は、基本的には双方の代理人から質問をし、それに答える形で行います。

その目的は、質問する相手に答えを与えることではありません。
「質問と答え」というやり取りを通して、それを見ている『裁判官』がその中で判決への確信を得るために行うものなのです。
「本人尋問」を通じて、裁判官に対して裁判の基礎となる証拠を提出するものと考えてください。
このように、人への質問を通じて証拠を出す手続ですので、本人尋問や証人尋問のことを「人証(にんしょう)」と言います。

あくまでもアピールする相手は裁判官です。
相手方代理人を言い負かそうとしたり、腹立たしい質問に対して怒りを表明することには意味がありません。
それはかえって、好戦的な姿勢や感情的な態度を裁判官に対して印象付け、悪い結果につながる可能性すらあるのです。

逆に、効果的な本人尋問であれば、自分の主張を補強することや相手の主張を覆すことも可能です。
ですから、ひとつひとつの質問に、どういった主張を補強したい、あるいは覆したいという具体的な目的を意識しましょう。
目的を意識し、本人尋問を戦略的に進めるためには、入念な準備をする必要があるのです。

離婚裁判でおこなわれる本人尋問の流れ

どの段階で本人尋問が行われるのか、行われる際にはどのような手順で進んでいくのか。あらかじめ知っておけば、いざ本人尋問が行われるときに心構えができるので安心です。
では本人尋問の流れを見てみましょう。

(1)本人尋問に至るまでの流れ

本人尋問に至るまでには、以下のような流れがあります。

  1. 原告が家庭裁判所に訴状を提出する
    訴状を作成し、夫婦どちらかの住所の管轄の家庭裁判所へ提出します。
    参考:離婚訴訟事件の訴状|裁判所 – Courts in Japanおおよそ10日前後ほどで、裁判所の書記官から質問や誤字等の訂正の指摘があります。
    訂正箇所があれば、訂正書を出します。
    その後、裁判所の書記官から第1回目の裁判日の候補日の連絡があり、出席できる日を決めます。
    これらの手続きは、弁護士に依頼している場合には、すべて弁護士が執り行います。
  2. 裁判所から第1回口頭弁論期日の通知が来る
    第1回目の裁判の日程が決まれば、裁判所は、原告には期日呼出状、被告には期日呼出状と訴状を送達します。
    第1回目の裁判日は、訴状提出日から1~1ヶ月半後くらいになります。
  3. 被告が訴状への反論を書いた答弁書を提出する
    被告は、期日呼出状と訴状を受領したら、原告が作成した訴状に対する反論として「答弁書」を作成し、第1回期日の1週間前までには答弁書を裁判所と原告に提出します。
    参考:離婚訴訟事件の答弁書|裁判所 – Courts in Japan答弁書は、期日当日でも提出できますが、なるべく裁判所の設定した期日までに提出するようにしましょう。
    もし間に合わない場合には、争う旨だけでも記載した答弁書を提出しましょう。
    詳しい反論は、後から準備書面として提出すれば足ります。
  4. 第1回口頭弁論:訴状と答弁書の内容を整理する
    期日呼出状に記載された法廷に出頭します。
    第1回の期日では、原告による訴状の陳述と、被告による答弁書の陳述がされ、裁判所が訴状と答弁書の内容を整理し、それぞれに対する反論を準備書面にまとめて提出するよう促されます。
    そして次回期日の日程を決め、次回期日までに準備することの確認が行われます。
  5. 第2回以降:弁論準備期日によって争点と証拠を整理
    第2回期日以降、しばらくの間は、第1回期日のような法廷での口頭弁論ではなく、準備手続室で「弁論準備手続」が行われることが多いです。
    弁論準備手続では、準備書面を提出し、争点と証拠を整理します。
    準備書面は、期日の1週間前までに裁判所と相手方に提出します。弁論準備期日での話し合いの結果、和解が成立しそうであれば、和解期日が開かれます。
    和解期日で和解が成立すれば、裁判は終了します。
  6. 証拠調べ
    弁論準備手続で争点が整理され、和解の見込みもないとなると、証拠調べに移ります。
    離婚訴訟では、この段階で本人尋問が行われることが多いです。
    証拠調べが終わった段階で和解の見込みがなく、裁判官が提出書類や尋問の内容に納得すれば判決が出ることになります。判決正本は言い渡しから2週間以内に送達されます。判決正本の送達を受けてから2週間以内に控訴しなければ、判決は確定します。

(2)本人尋問の流れ

初めての本人尋問では誰でも緊張してしまいます。
冷静に対応するためにも、本人尋問の流れをあらかじめ知っておくことは大事です。

本人尋問を行う前に、まず、陳述書を提出します。
陳述書は、尋問を受ける本人の言い分をまとめたものです。
弁護士がついている場合は、弁護士が本人から聴き取りを行い、草案を作成するのが一般的です。

本人尋問は、以下の流れで行われます。

  1. 人定質問
    氏名・住所を聞かれ、人違いでないことを確認します。
  2. 宣誓
    「真実だけをありのままに話す」という誓約書に記名押印し(待合室で記入する場合も、法廷に入ってから記入する場合もあります)、法廷で宣誓書を朗読します。
  3. 尋問
    尋問は原則として原告、被告の順に行われます。
    尋問を申し出た側の訴訟代理人から最初に行われる尋問(主尋問)、尋問を申し出られた側の相手方訴訟代理人から行う尋問(反対尋問)という順で行われます。
    訴訟代理人がいない場合は、主尋問は陳述書を基に裁判官が行い、相手方への反対尋問は本人が行うことになります。
    また、反対尋問の後などに裁判官から「補充尋問」があることがあります。
    さらに、再主尋問、再反対尋問がされることもあります。

離婚裁判の本人尋問を成功させるためのポイント

(1)これまでに提出した書類を見直しておく

裁判官は、尋問の内容と、これまで提出された書類の内容を併せて判断材料とします。
これまで提出した書類に書いたことと、尋問での回答が食い違わないようにすることが重要です。
食い違いがあると「嘘をついているのでは」と思われる可能性もあるためです。
記憶違いや矛盾や混乱は誰にでも起こりうるものですから、本人尋問に臨む前にもう一度これまでの提出物を見直し、自分が主張してきたことを再確認しておきましょう。

(2)本番のシミュレーションをする

「経験したことがなく、どんなことが起こるかわからない」ことに挑むことは緊張するものです。
ですが、あらかじめ本番のイメージを描いておくことで、当日の緊張をある程度おさえられます。
弁護士に依頼している場合は、依頼している弁護士の主導でシミュレーションを実施しておくと良いでしょう。

自分の弁護士からの主尋問はあらかじめまとめておいた陳述書をもとにして尋問を行うケースが多いので何を聞かれるかは分かるのですが、相手方の弁護士からの反対尋問の場合は、何を聞かれるか事前にはわからないため注意が必要です。
この点、弁護士に依頼している場合は、弁護士は専門家ですから、どのような反対尋問が来るかを予測することで、かなり本番に近いシミュレーションが期待できます。

(3)聞かれたことだけを端的に答える

本人尋問は一問一答の形で進んでいきます。
その際、聞かれたことだけに答え、余計なことを付け足さないことがとても大切です。
なぜなら、「はい/いいえ」で答える質問に理由を付け足すなど、長々と説明しているうちに、自分の主張に論理的な一貫性がなくなってしまい、説得力がなくなってしまうことがたびたびあるからです。
矛盾を減らすためには簡潔に答えるのが良いのです。

また、つい関連した事実についても話したくなってしまうようですが、その結果、大切な部分で時間が足りなくなってしまうのでは、十分に裁判官に伝えたいことが伝わりません。
聞かれた質問には、短く答えるようにしましょう。

(4)嘘をつかない

当たり前のことですが、嘘をついてはいけません。
「ちょっとした嘘はバレないだろう」という考えはNGです。
「ちょっとした嘘」であっても、裁判を進めていくうちに矛盾が出てきて、その嘘が取り返しのつかない事態を招いてしまう危険性があります。
矛盾が生じて不利な立場に追い込まれないためにも、真実のみを話すようにしましょう。
また、嘘をつかないという宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所の決定で過料に処せられることがあります(民事訴訟法209条)。

(5)わからないことを無理やり答えようとしない

質問をされていると、ときには記憶が曖昧ではっきりと答えられない事に関する質問をされたり、質問の意味がわからなかったりすることもあるでしょう。
そんなとき、つい質問者の期待に応えたいと思ってしまったり、知らないことは恥ずかしいなどと考えることから、無理やり答えようとしてしまうことがあります。

しかし、そのような回答は後で不利な証拠となってしまう危険性があります。
場合によっては「嘘をつく信用のできない人物だ」という印象を裁判官に与えてしまいかねません。

ですから、わからないことを聞かれたときには、無理やり答えようとせず、あくまでもわかる範囲で答えるようにしてください。
「わかりません」「覚えていません」「質問の内容がわかりません」などと素直に回答した方が良いでしょう。

(6)相手の挑発に乗らず冷静さを保つ

相手側からの質問に、気分を害するような内容が含まれることも少なくありません。
これは大抵の場合はわざとです。
相手が自分を怒らせ冷静さを失わせ、不利な回答を引き出そうという意図があるものです。
こうした場合に、感情的になって思わず余計なことをしゃべってしまうと相手の思うツボです。
相手の挑発に乗らず、どんな質問が来ても冷静に答えるように気をつけてください。

(7)裁判官の方を向いて堂々と話す

すでに説明したように、本人尋問は質問者に答えを与えるためのものではありません。
尋問のやり取りを通じて裁判官に確信を与えることが目的なのです。
ですから、ターゲットは裁判官です。
弁護士に依頼している場合、質問は横にいる弁護士から来るため、つい横を向いて話してしまいそうになりますが、話す相手はあくまで前方の裁判官であることを忘れないようご注意ください。
裁判官のほうを見て、大きな声で回答しましょう。
自分の記憶にもとづいて真実を話している、ということを堂々とした態度で示すことも重要です。

離婚裁判の本人尋問では弁護士との打ち合わせを綿密に

本人尋問を控えている人が緊張してしまうのは当然のことです。
そんなとき1人でなんとかしようと思わず、弁護士を頼ってください。
本人尋問の前に、弁護士と綿密な打ち合わせをし、準備をしっかり行うことにより緊張もほぐれるでしょう。
どんな質問があって、それにどう答えるか、相手からの質問にはどう答えるかなど、あらかじめ打ち合わせをしておけば、実際にその質問が来たときに答えやすくなります。

せっかく弁護士に依頼したのですから、不安なことがあれば何でも弁護士に相談してください。
当日も弁護士が目に見える場所にいます。
見慣れた弁護士の存在は心の支えとなることと思います。
本人尋問を成功させるためには、信頼できる弁護士を見つけて共に尋問に向けて準備しておくことがとても重要なのです。

【まとめ】離婚裁判の本人尋問については弁護士へのご相談をおすすめします

以上見てきたように、本人尋問は、尋問を通して裁判官にこちらに有利な確信を抱かせることが目的です。
尋問では、聞かれたことだけ、わかることだけを端的に答えるようにしてください。
不利なことを言ってしまわないよう、なるべく冷静な気持ちを保つのが大切です。

信頼できる弁護士を見つけ、事前に弁護士としっかり打ち合わせをすることにより、冷静に効果的な本人尋問を進めることができます。

本人尋問の前には誰しも不安になるものです。
どんなに些細な不安や疑問でも、気軽に弁護士に相談してみましょう。
素晴らしい弁護士と巡り合うことができれば、あなたの強い味方となってくれるはずです。

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