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裁判離婚とは?特徴や注意点、費用についても解説

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離婚は、約9割が話し合いによる協議離婚で成立します。
しかし、話し合いで離婚できない場合には、調停を申立てる必要があります。
調停でも話し合いにより離婚できなければ、調停不成立となり、調停で離婚することはできません。
それでも離婚を希望する人は、家庭裁判所に対して離婚訴訟を提起する必要があり、裁判で離婚を認めてもらう必要があります。
今回は、この裁判離婚について、特徴や注意点、費用などについて弁護士が解説します。

裁判による離婚とは?

離婚の種類には、「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4つがあります。
協議離婚、調停離婚、審判離婚についての特徴は、こちらの記事を参照ください。

離婚の大半を占めるといわれている「協議離婚」とは?知っておきたい注意点について解説

「裁判離婚」とは、調停で離婚の合意ができず調停が不成立となった場合に、夫婦のどちらか一方が離婚を求める訴訟を提起し、裁判上の手続きによって離婚が成立することをいます。

裁判離婚では、民法770条1項各号に定められた離婚原因(不貞行為など)が必要になりますので、離婚を求める側(原告)は、法律上の離婚原因が存在することを主張するとともに、証拠をもって離婚原因の存在を証明していく必要があります。
一方、離婚を争う側(被告)は、離婚原因が存在することを否定したり、特に離婚を認めるべきではない事情が存在するときにはその事情を主張・立証したりします。
例えば、自ら不貞行為を行っていながら、幼い子がいるのに離婚を求めることは、「有責配偶者からの離婚請求」として基本的に認められませんので、被告は、原告のそのような事情を主張・立証することになります。

裁判離婚のなかでも、利用する手続きによって離婚には3つの種類があります。

(1)裁判離婚の種類

裁判離婚には、「判決離婚」「和解離婚」「認諾離婚」の3つの種類があります。

まず、判決離婚は、原告が離婚を求める訴訟を提起し、裁判所が原告の主張する裁判上の離婚原因を認め、特に離婚を認めるべきでない理由(有責配偶者による離婚請求など)がないときに、判決によって当事者を離婚させるものです。
判決離婚は、被告が離婚を拒否していたとしても、強制的に離婚することができます。

次に、認諾離婚は、裁判において被告が原告の離婚請求を認める(認諾する)ことによって離婚が成立するものです。
裁判離婚においては、親権者の指定や財産分与などについての裁判(人事訴訟法32条1項の附帯処分としての裁判)も求めることが多くありますが、認諾離婚は、このような裁判が必要な場合にはすることはできません(人事訴訟法37条1項但書)。
このような場合には、親権者の指定や財産分与などについて話し合って合意できたときに、和解離婚の方法で離婚することになります。

最後に、和解離婚は、当事者が裁判上の和解によって離婚に合意し、離婚を成立させる方法です。
離婚だけではなく、親権者の指定、財産分与、養育費等についても話し合って和解することができます。
和解離婚のためには、当事者本人が裁判所に出頭し、離婚に同意することにつき、裁判所に対して明らかにする必要があると考えられています(弁護士だけでは足りません)。

(2)裁判離婚の特徴

協議離婚や調停では、当事者の話し合いによる離婚を目指します。
一方、裁判離婚は、基本的に原告と被告が公開の裁判所で争う立場で、裁判所が当事者双方の主張を聞き、采配を下すという特徴があります。
裁判離婚にはメリットもデメリットもあります。

裁判所は、法律上の離婚原因の有無など、法律に基づいて離婚を認めるべきか否かを判断しますので、冷静な第三者に判断してほしいと考えるときにはその点でメリットがあります。

一方で、基本的に裁判は公開され、第三者が裁判を傍聴することができますので、夫婦のトラブルについて第三者に知られたくないという方にとってはデメリットです。
また、確定した判決には既判力(のちの裁判で、同一事項について、確定した判決の判断について争うことができないという拘束力)があります。
したがって、仮に「離婚しない」という判決が出て確定した場合には、既判力により、同じ理由で離婚訴訟を提起することができなくなりますので、この点もデメリットです。
夫婦関係は時の経過により変化しますので、また裁判後に新たな事情が生じたとして、離婚を求めることはできますが、どれくらいの期間が経過すれば訴訟を提起することができるのかは、ケースバイケースの判断となるでしょう。
離婚訴訟を提起する際には、既判力の問題がありますので、勝訴できる見込みについてもある程度検討する必要があります。

裁判離婚で請求できることは?

裁判離婚では、離婚を請求するほかに、親権者の指定や財産分与などを求めることができます。
また、裁判離婚とともに、離婚に伴う慰謝料を求める訴訟を提起して慰謝料の支払いを求めることもできますので、それぞれ説明します。

(1)離婚

まずは、離婚を請求することができます。
原告は、次の民法770条1項1号から5号の事情が存在することについて、主張・立証します。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 強度の精神病にかかり回復の見込みがない
  • 婚姻を継続しがたい重大な事由(DV、犯罪行為、浪費、性生活の不一致、配偶者の親族との不和、過度な宗教活動など)

被告からの反論も踏まえて、法律上の離婚原因が認められるものかどうか、離婚が相当かどうかなどを裁判所が判断し、判決を下します。

(2)年金分割・財産分与などお金に関すること

離婚の請求において、合わせて財産分与、年金分割を求めることができます。裁判所が離婚を認める判決をする際には、財産分与、年金分割についても判断します(人事訴訟法32条1項)。
また、離婚訴訟とあわせて、慰謝料を求める訴訟を提起することもできます。
慰謝料を求める訴訟は、具体的には、不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求です。
慰謝料請求については、いくつかの考え方があります。
大きく分けると、一つ一つの不法行為(例えば、〇月〇日の暴行について)について慰謝料を求める考え方と、相手方の行為により離婚を余儀なくされたことを不法行為として慰謝料を求める考え方です。
多くのケースでは、後者の考え方により慰謝料が請求されています。

(3)子どもに関すること

離婚の請求において、あわせて親権者の指定や、子どもの養育費や面会交流について求めることができます。裁判所が離婚を認める判決をする際には、親権者の指定、養育費や面会交流についても判断します(人事訴訟法32条1項)。
子どもが15歳以上であるときは、裁判所は必ず子どもの意見を聞くものとされており(同法32条4項)、15歳未満であっても、裁判所は通常何らかの方法で子の意向を把握しようとします。

裁判離婚の流れ

一般的な裁判離婚の手続きは、次のように進んでいきます。

  1. 訴状や証拠を準備して、家庭裁判所に訴訟を提起する。
  2. 約1~2ヶ月後に、第1回期日が指定される。
    ※4月は裁判官の人事異動の時期、8月は夏季休暇のため、第1回期日の指定は遅れる傾向があります。
  3. 第1回期日で、被告が答弁書を提出。
  4. 第2回期日以降、当事者が主張や立証を順番に行い、争点を整理する(期日は1ヶ月に1回程度指定される)。
  5. 親権者や面会交流など子どもに関する件で争いがある場合には、家庭裁判所調査官が、裁判官の命令により、適宜専門的知見に基づいて、夫婦どちらに親権を認めるのが子の福祉に資するか、子の様子の調査、子の意向確認など必要な調査を行う。
  6. 当事者尋問・証人尋問を行う。
  7. 裁判所による和解の提案(裁判官は訴訟中どのタイミングでも和解の提案ができるが、尋問前後が多い)。
  8. 和解が成立しない場合は、裁判所が判決を下す。
  9. 判決に納得がいかない当事者は、判決書の通達を受けた日から2週間以内に控訴する。
  10. 控訴なく2週間が経過すれば判決は確定する。

裁判離婚の注意点

裁判離婚のデメリットについては少し説明しましたが、裁判離婚を検討している方に向けて、裁判離婚の注意点についても説明します。

(1)調停を経ていないと裁判離婚に進めない

基本的に裁判離婚を求めるためには、調停を申立てて話し合ったけど離婚が成立しなかったという事情が必要です。
離婚に関する夫婦間の意見が大幅に異なり、調停で話し合いが成立しないことが見込まれても、調停をすることなく訴訟を提起することはできません。
これを、「調停前置主義」といいます。
身分上の問題については、裁判所が公の場で強権的に関与する前に、まずは当事者同士の話し合いで解決することが望ましいと考えられているためです。
調停で話し合ったという事情が存在すれば、調停の終わり方は、調停不成立であっても取下げであっても問題はありません。

しかし、例外的に、配偶者が行方不明など、離婚について話し合うことが不可能で調停をすることができないケースでは、調停を経ずに離婚裁判を行うことができます。

(2)裁判離は長期間に及ぶ場合がある

裁判離婚は、一般的に当事者が相手方に反論する形で主張・立証を複数回繰り返し、双方の争点を明確にしていきます。
例えば、離婚原因(不貞など)に争いはないが、親権者の指定で強い争いがあるなどです。
争点について双方の主張が出尽くした、という段階で、当事者尋問・証人尋問を行います。
和解での解決が可能であれば、和解を目指して話し合いを継続します。
裁判所の期日は、早くても1ヶ月に1回程度です。
争点が少ない場合には、半年程度で裁判所が最終的に判決を下すことが可能なケースもありますが、争点が多岐に渡る場合には、判決まで数年かかることも稀ではありません。
一刻も早く離婚したいと思われるかもしれませんが、裁判の手続きにはある程度の時間がかかることを覚悟する必要があります。

裁判離婚の必要書類

実際に訴訟を提起するにあたって、一般的に裁判所に提出が必要となる書類は以下の通りです。

  • 離婚を求める訴状 2部(裁判所用と被告用)
  • 離婚原因があることの証拠書類 2部
  • 離婚調停不成立調書(調停が不成立で終了した場合)
  • 夫婦それぞれの戸籍謄本及びその写し

以上に加えて、財産分与や年金分割などを求める場合は、別途次のような書類も必要です。

  • 年金分割のための情報通知書及びその写し
  • 源泉徴収票や預金通帳など財産の証拠となる書類の写し

また、親権者の指定を求める場合では、自身が親権者にふさわしいことを示す証拠を提出する必要があるでしょう。

裁判離婚にかかる費用

訴訟を提起するのには、次の訴訟費用がかかります。

1.収入印紙代(裁判で請求する内容によって金額は異なります)

  • 離婚のみの場合、1万3000円
  • 離婚と合わせて財産分与などを求める場合、各1200円を加算する。
    例)離婚、財産分与、子3人の養育費を請求
    1万3000円+1200円(財産分与)+1200×子3人=1万7800円
  • 離婚請求と合わせて、慰謝料を請求する訴訟も提起する場合、1万3000円と慰謝料請求に対する印紙代を比べて、多額の方に財産分与などの手数料を加算
    例)離婚、財産分与、子3人の養育費と、慰謝料300万円を請求
    慰謝料300万円の印紙代は2万円で、離婚のみを求める1万3000円よりも多額なので、2万円+1200円(財産分与)+1200×子3人=2万4800円

2.郵便切手代(家庭裁判所によって異なりますが、5000~6000円程度。)

3.弁護士に依頼する場合は弁護士費用(着手金、実費、日当、報酬金など)

【まとめ】裁判離婚を検討している方は弁護士に相談を!

裁判離婚では、法的知識があることを前提として、法律に基づいた主張・立証を行う必要があります。そのような書類を準備して相手方と争うのには、手間や労力がかかりますし、精神力も必要です。
また、敗訴した場合には、しばらくの間離婚訴訟を提起することができないという既判力が生じるというデメリットもあります。
したがって、訴訟を起こす前に、弁護士に相談し、ご自身のケースについて、離婚判決が得られる見込み、和解できる見込みや裁判離婚のメリット・デメリットを確認することが重要です。
裁判は自分での対応が難しい面もありますので、弁護士に離婚訴訟の依頼を検討している方は、弁護士費用についても詳しく聞くとよいでしょう。

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