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婚姻費用調停で聞かれる5つのこととは?事例も交えて弁護士が解説

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

婚姻費用調停とは、簡単に言うと、夫婦での生活費(婚姻費用)を決めて、生活費(婚姻費用)の分担を求める手続になります。

例えば、別居をし、夫が生活費を払ってくれないといった場合に、婚姻費用調停を申立てて、生活費(婚姻費用)の分担を求めることができます。

ただ、婚姻費用調停を申立てるのは、初めてという方も多く、婚姻費用調停でどういったことが聞かれるのか、どういった手続きなのか不安が尽きないのではないでしょうか。

婚姻費用調停では、例えば、次のようなことを聞かれます。

  • 夫婦それぞれの収入
  • 子供の有無や年齢
  • これまでの生活状況
  • 調停を申立てた経緯
  • どれくらい生活費(婚姻費用)が欲しいのか など

婚姻費用調停を行う前に、婚姻費用調停の流れや具体的にどういったことが聞かれるのか、聞かれる理由について知っておきましょう。

この記事では、

  • 婚姻費用調停の概要
  • 婚姻費用で聞かれる5つのこと

について弁護士がくわしく解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

婚姻費用とは

「婚姻費用」とは、夫婦の婚姻期間中に必要となる生活費のことです。

民法上、夫婦は、同居か別居かにかかわらず、婚姻期間中の生活費などは「婚姻費用」として夫婦の収入に応じて分担しなければならないとされています(民法第752条、同第760条)。

婚姻費用には、具体的には衣食住に関する費用、未成熟の子(一般的には社会的・経済的に自立していない20歳以下の子ども)の生活費、医療費などが含まれます。

「子どもの生活費は養育費でしょ?婚姻費用とどう違うの?」といった疑問や婚姻費用の分担請求についてくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

婚姻費用調停とは

『婚姻費用調停』これは正確には『婚姻費用の分担請求調停』といいます。

婚姻費用の分担については、夫婦間での話がまとまらない場合や話し合いが難しい場合に、家庭裁判所に調停を申立てることができます。

この調停手続は、あくまでも第三者(調停委員など)を介した話し合いの手続です。そのため、調停手続きでは夫婦が合意することが目的となります。

夫婦が調停の中で合意ができた場合には「調停成立」として調停が終了します。一方、夫婦の意見がまとまらない場合には「調停不成立」として自動的に審判手続(裁判官が婚姻費用について判断する手続)が開始されることになります。

また、婚姻費用分担調停は、通常1ヶ月の1度のペースで行われ、行われる回数は決まっていません。相手とすぐに合意ができた場合には1度の手続きで終わることもありますし、話合いが難航し半年以上かかってしまうケースもあります。

なお、婚姻費用についての話し合いは、婚姻費用調停だけではなく、夫婦関係調整調停(離婚調停)の中で話し合うことも多いです。

ただし、離婚調停中に相手方から婚姻費用の支払いがストップした場合には、離婚調停とは別に婚姻費用調停を申立てることで、離婚調停成立前であっても早期の支払を得られる可能性があるというメリットがあります。

参考:婚姻費用の分担請求調停|裁判所 – Courts in Japan

婚姻費用調停で聞かれる5つのこと

婚姻費用調停では、家庭裁判所にて、調停委員(通常は男女1名ずつ)と裁判官に相手方との間に入ってもらい、話し合いを進めることになります。

婚姻費用調停では、調停委員2名が、夫婦それぞれに対し質問し、それに答えてもらう形で進みます。
そして、調停委員や裁判官は、夫婦それぞれから聞き取ったことを前提に、夫婦に対し、解決案を提示したり、歩み寄りはできないか確認したりして、話し合いを進めていくことになります。

ここでは、特に婚姻費用調停で調停委員や裁判官から聞かれる次の5つのことについて解説します。

【婚姻費用調停で聞かれること】

  1. 双方の資産状況や収入・支出について
  2. 子どもの有無や年齢について
  3. 結婚するまでに至った経緯やその後の生活状況
  4. 婚姻費用調停の申立てに至った経緯
  5. 婚姻費用の分担希望額や支払期間、方法など

(1)双方の資産状況や収入・支出について

婚姻費用調停では、婚姻費用の金額を決めるために、双方の資産状況や収入・支出についての質問は必ず出てきます。

婚姻費用調停で婚姻費用の金額を決める場合、司法研究において算出された「標準的な養育費・婚姻費用の額を簡易迅速に算定するための標準算定方式・算定表」が参考にされるほか、さまざまな家庭の事情が考慮されます。

【具体例】妻の年収が100万円(パート)・夫の年収が400万円(会社員)で妻のもとに1歳と4歳の子供がいるケース

婚姻費用の算定表では、8万~10万円が目安額とされます。

ただし、子どもに障害があり、高額な医療費がかかる場合や私立の保育園(近くに通園できるところがそこだけであった場合)に通園している場合には、医療費や保育料も考慮して婚姻費用を決めることもあります。

婚姻費用について話し合うため、具体的には、次のようなことが聞かれるでしょう。

【例】
  • 夫婦それぞれの収入
  • 給与所得者か自営業者か
  • 家賃やローンの有無
  • 教育費や医療費がいくらかかっているか など

養育費算定表についてはこちらのリンクをご覧ください。

参考:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について|裁判所 – Courts in Japan

(2)子どもの有無や年齢について

子どもの有無や年齢は、裁判所の算定表を使用する際に必要な情報となってきますので、婚姻費用調停では必ず聞かれることになります。

子どもの有無や年齢次第で、婚姻費用の目安額が変わってきます。例えば、次のケースでは、算定表での婚姻費用の目安額は次のようになります。

【具体例1】子供なし夫婦(妻年収100万円・夫年収400万円)のケース
⇒算定表での婚姻費用の目安額は4万~6万円

【具体例2】子供1人(3歳)夫婦(妻年収100万円・夫年収400万円)・子は妻のもとにいるケース
⇒算定表での婚姻費用の目安額は6万~8万円

【具体例3】子供1人(17歳)夫婦(妻年収100万円・夫年収400万円)・子は妻のもとにいるケース
⇒算定表での婚姻費用の目安額は6万~8万円(目安額は同じでも14歳以下がいる場合には学費も高額になるため、高額になりやすい)

(3)結婚後の生活状況

婚姻費用調停では、結婚後の生活状況、特に、同居期間中にどのように生活費を負担していたかなどが聞かれます。例えば、夫に収入がある一方で妻に収入がなく、夫の収入で生活費を負担していた場合には、妻から夫に対し婚姻費用請求することが認められやすくなります。

(4)婚姻費用調停の申立てに至った経緯

婚姻費用調停では、なぜ婚姻費用調停を申立てるに至ったのかについて聞かれることもあります。

例えば、次のようなことを聞かれるでしょう。

  • 夫婦間の話し合いはしたのか
  • 話し合いをした場合には、どういう点で話し合いがまとまらなかったのか
  • 話し合いができなかった場合には、その理由はなにか

調停員が、調停で話し合いにより合意できるかどうかなどを判断する材料となります。

(5)婚姻費用の希望額や支払期間、方法など

婚姻費用調停では、希望する婚姻費用の金額や支払期間、方法などについて希望を聞かれます。婚姻費用算定表はありますが、当事者が合意すれば、算定表より高くなることも低くなることもあります。

夫婦それぞれから希望を聞くことで、夫婦で折り合えるところはあるのか、折り合えないとしたらその理由は何なのかを明らかにすることができます。

【まとめ】婚姻費用調停では夫婦の収入・子供の有無や年齢などが聞かれるので事前に準備を!

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 別居中に婚姻費用が支払われなくなり困っているなど、スピード解決したい場合は婚姻費用調停が有効。
  • 婚姻費用調停は、通常毎月1回ペースで行われ、長い場合には半年以上かかるケースもある。
  • 婚姻費用調停において聞かれる5つのこと
    • 双方の資産状況や収入・支出
    • 子どもの有無や年齢
    • 結婚に至った経緯やその後の生活状況
    • 調停申立てに至った経緯
    • 婚姻費用分担希望額や支払期間や方法など
  • 婚姻費用調停を弁護士に依頼した場合には、法的な根拠に基づき主張してくれるだけでなく、自分が言いにくいことを代わりに相手に主張してくれるなどのメリットもあり、婚姻費用調停が有利に運ぶ可能性が高くなる。

今回の記事では、婚姻費用調停で聞かれる5つのことについてご説明しました。婚姻費用はあくまでも婚姻期間中の生活に必要となる費用のことですが、夫婦関係が不仲な期間や別居期間を経て、離婚を検討される方も少なからずいらっしゃいます。

夫婦関係が不仲な期間や別居期間を経て、離婚を決意した場合には、離婚問題を取り扱うアディーレ法律事務所へのご相談を検討ください。

アディーレ法律事務所では、離婚問題のご相談を承っております(※)。
(※なお、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。)

また、アディーレ法律事務所では、安心してご依頼いただけるよう、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたしますので、費用倒れになることは原則ありません(2023年6月時点)。

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所(フリーコール0120-783-184)にご相談下さい。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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