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結婚前の浮気は離婚事由になる?慰謝料請求の可否についても解説

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kiriu_sakura

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「夫(妻)が結婚前に浮気していた…。信用できないから離婚したいけど、結婚前の浮気で離婚ってできるの?」

夫婦が離婚をする場合、お互いに離婚に合意するのであれば、離婚原因は問われません。
離婚届に必要事項を記入し、役所に提出すれば離婚が成立します(「協議離婚」と言います)。
他方、夫婦の一方が離婚に合意しない場合にどうしても離婚をしたければ、最終的には裁判で離婚を認めてもらう必要があります(「裁判離婚」と言います)。

そして、裁判で離婚を認めてもらうためには、法律上の「離婚事由」がなければいけませんが、結婚前の浮気だけで離婚を認めてもらうのは難しいでしょう。

この記事を読んでわかること
  • 裁判離婚と5つの「離婚事由」
  • 結婚前の浮気と「離婚事由」
  • 結婚前の浮気と慰謝料請求
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

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裁判離婚と5つの「離婚事由」

夫婦の一方が離婚をしたいと思っていても、他方が離婚に合意してくれない場合、基本的には、調停を経た上で離婚裁判を起こす必要があります。
そして、 離婚裁判では法定の「離婚事由」がなければ、原則として離婚は認められません。
民法が規定している離婚事由は次の5つです。

民法第770条1項(裁判上の離婚)

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

参照:民法 | e-Gov法令検索

このうち、結婚前の浮気は、一見、1号が規定する「配偶者に不貞な行為があったとき」に当たりそうです。
ですが、1号の「不貞な行為」とは、既婚者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことを言います。結婚前の浮気は、あくまでも「配偶者がいない状態」での話ですから、結婚前の浮気は1項の規定する離婚原因には当たりません。

ですから、結婚前の浮気について、民法770条1項1号を理由として離婚をすることはできないのです。

「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たらない?

民法770条1項は、離婚を認めるケースとして1~4号までに具体的な事由を挙げ、さらに、5号で「その他婚姻を継続し難い重大な事由」を規定しています。

この 「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、夫婦の一方に夫婦関係を維持する意思がない行動があり、総合的に見て円満な夫婦関係を継続できないと判断されるような場合です。

例えば、次のようなケースは5号に該当する可能性があります。

  • 勤労意欲がなく、生活が苦しいのに働かない
  • ギャンブルにのめり込んで、生活費を使い込む
  • お金の浪費癖が激しく、借金をしてまで身の丈に合わない買い物をする
  • 継続的な暴言・暴力・侮辱行為
  • 育児放棄
  • セックスレスや性的異常
  • 長期間の別居         など

このようなケースでは、1~4号に当たる事由がなくても、離婚裁判で離婚が認められる可能性があります。
ただし、 5号に当たるとして離婚が認められるためには、1~4号で挙げる事由に匹敵するような、客観的にみても、これ以上円満な夫婦関係を継続できないと判断されるようなケースでなければいけません。

ですから、仮に配偶者が結婚前に浮気をしていたからと言って、結婚後は特段問題なく夫婦関係を築いていたという場合には、結婚前の浮気だけで裁判離婚が認められる可能性は低いでしょう。

裁判で離婚が認められるケースについて詳しくはこちらの記事をご確認ください。

民法770条が定める裁判離婚に必要な5つの離婚原因とは?弁護士が解説

結婚前の夫の浮気が発覚しました。裏切られた気持ちでいっぱいで離婚も頭をよぎりますが、結婚前の浮気を理由に離婚はできないのですね…。

もちろん、ご主人が離婚に合意をすれば協議離婚をすることはできます。
あくまでも、ご主人が離婚に合意をしない場合には離婚できない可能性が高いということです。

結婚前の浮気に対する慰謝料請求はできる?

離婚はできないとしても、結婚前の浮気について何かしらのペナルティを与えたい、という場合、慰謝料の請求はできるのでしょうか?

結婚前の浮気と慰謝料の請求についてご説明します。
パートナーの浮気について慰謝料を請求できるのは、 基本的には婚姻中の不貞行為に限られます。

ただし、結婚前の浮気であっても、次のような2つのケースでは慰謝料を請求できる可能性があります。

1. 婚約中に浮気をしていた場合

婚約中かどうかは、次のような事情から判断します。

  • 結婚式場の下見に行き、式場の予約をしていた
  • 婚約指輪を渡していた
  • 両家の両親に結婚の挨拶をしていた
  • 結納していた                 など

単に口約束で「結婚しよう」と約束していただけでは、婚約中とは認められない可能性が高いです。

婚約中の浮気に対する慰謝料請求について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

婚約中の浮気でも慰謝料請求できる?成功させるポイントを3つ紹介

2. 内縁関係にあったときに浮気をしていた場合

内縁関係かどうかは、次のような事情から判断します。

  • 長期間同居しており、周囲からも夫婦と認識されていた
  • 家計を共にしていた
  • 結婚式を行った
  • 親族や周囲の人に対して、夫婦であることを表明していた
  • 住民票の記載が妻(未届)、夫(未届)となっている
  • 一方が他方の社会保険の扶養に入っている        など

このようなケースでは、結婚前であってもパートナーの不貞行為に対する慰謝料を請求することができる可能性があります。

他方、 婚約や内縁関係には至っておらず、単に交際していたにすぎないという時点での浮気に対しては、不貞行為を理由に慰謝料を請求することはできません。

結婚前の浮気について慰謝料請求をする際は、証拠集めに注意!

結婚前の浮気について、結婚後に配偶者に慰謝料を請求する場合、次の事実を証明できる証拠を集める必要があります。

  • パートナーの不貞行為があったこと
  • 不貞行為をした時、婚約中(又は内縁関係にあった時)であったこと

「パートナーが結婚前に浮気をしていた」という証拠があったとしても、それが婚約中(内縁関係にあった時)であったか分からないという場合には、別途「浮気をしたのが婚約中(内縁関係にあった時)であること」の証拠が必要です。

結婚前の浮気について慰謝料を請求する場合、浮気から時間が経っているため、証拠集めが困難になることがあります。
また、いつから婚約中(又は内縁関係中)と言えるのか、はっきりしないことも少なくありません。

どんなものが証拠になるのか分からない、今ある証拠で足りるのか自信がない…そんな時は、まずは弁護士にご相談ください。

慰謝料請求のためにどのような証拠を集めれば良いかについて詳しくはこちらの記事もご確認ください。

浮気・不倫の慰謝料請求に効果的な証拠は?集めるときの4つの注意点

結婚前の浮気について、夫の浮気相手の女性に慰謝料の請求をすることはできますか?

浮気相手の女性に慰謝料を請求するためには、女性が、あなたとあなたの夫が婚約中(又は内縁関係にある)であると知っていた(又は知らなかったことに過失がある)ことが必要です。
あなたの夫とあなたと交際していることは知っていたけれど、婚約中(又は内縁関係)であることまでは知らず、知ることもできなかったという場合には、原則として慰謝料の請求は認められません。
ですから、「婚約中(又は内縁関係)であったとは知らなかった」と主張された場合には、知っていたはず(又は知ることができたはず)だと言えるだけの証拠が必要となりますので、慰謝料を請求するハードルはかなり高くなります。

これまでご説明したとおり、結婚前の浮気を理由に離婚や慰謝料を請求することはなかなか困難です。
配偶者の過去の浮気が発覚したという方は、まずは率直に配偶者にあなたの気持ちを伝え、話し合ってはいかがでしょうか。

配偶者が離婚したくないというのであれば、浮気相手の連絡先を消去させたり、もう2度と浮気はしないという誓約書を書いてもらったりして、関係の再構築を目指すのも一つの手です。

誓約書には、約束に違反した場合のペナルティ(違約金など)を付けると良いでしょう。違約金は、あまりに高額過ぎると後々効力が否定されたりしますので、守れる範囲の内容にしてくださいね。

1度やり直すチャンスを与えた上で、配偶者が再度浮気をするようでしたら、離婚や慰謝料の請求をご検討ください。

配偶者の浮気が原因で離婚をする場合の慰謝料請求について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

【まとめ】結婚前の浮気は、原則として離婚事由にはならない

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 夫婦が離婚に合意している場合には、離婚事由は問われない。役所に離婚届を提出すれば離婚が成立する。
  • 夫婦の一方が離婚に合意しない場合には、最終的には裁判で離婚を認めてもらう必要がある。
  • 裁判で離婚が認められるためには、次のいずれかの離婚事由が必要。
    • 不貞行為(性的関係を伴う浮気)
    • 悪意の遺棄
    • 3年以上の生死不明
    • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと
    • その他婚姻を継続し難い重大な事由
  • 結婚前の浮気だけでは離婚事由にはあたらないため、それだけで裁判離婚をすることは困難。
  • 結婚前の浮気について、それが婚約中や内縁関係にあった時であれば、慰謝料を請求できる可能性がある。
  • 結婚前の浮気について話し合う場合には、もう2度と浮気はしないという誓約書を書いてもらい、約束を破った時の違約金などを定めておくと良い。

配偶者の結婚前の浮気が発覚したら、信頼していた相手に裏切られたという思いで疑心暗鬼になり、苦しい思いをすることかと思います。浮気を知ったことを伝えるか、胸にしまっておくかは人それぞれですが、どうしても配偶者を許せない…そんな時は、離婚問題を取り扱う弁護士に相談することもご検討ください。
離婚問題を取り扱っている弁護士であれば、大抵の夫婦間のトラブルには精通しています。
弁護士に話しているうちに、一人では思いつかないような解決策にたどり着くこともありますし、結論がでなくても話すことによって気持ちの整理ができることもあります。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

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※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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