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リーガライフラボ

約款は契約書と同じ!?知らないと損する約款の意味

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リーガライフラボ

「首を痛めて、病院へ行ったら、視診や触診、画像という『他覚所見』では首に異常は見当たらないものの、痛みの状況からして、むち打ち症と診断され、しばらく通院することになった。
私は、医療保険に入っているので、早速、その保険の会社に保険金の請求をしたところ、保険金を支払えないと言われた。
なんでも、約款に、『他覚所見がないむち打ち症には保険金を支払えない』と、記載されていることが理由らしい。
あんな細かい字でびっしりかかれている約款なんて読んだことがなかった。
病気や怪我に備えて、毎月、保険料を払ってきたのに、いざ治療費が必要なときに保険金を払ってもらえないなんて、損した気分。」

このような思いをしたことはありませんか。

保険の契約、宅配便の利用、インターネットでの売買、などいろいろな場面で、約款が使われています。
けれども、小さい文字でたくさん書かれているので、読んでいない人も多いのが実情です。

しかし、約款は読んでいなくても、契約書と同じ意味を持ってしまうことがあります。

2020年4月20日から施行された、改正民法により、約款のうち、「定型約款」(後ほどご説明します)が、どういった場合に契約書と同じ意味を持つのか等、定型約款のルールが民法に定められました。

民法上の定型約款にあてはまらない約款も、民法の定型約款のルールと似たルールの下におかれると予想されますので、民法のルールを知ることが大切です。

では、詳しくみていきましょう。

約款の定義

約款とは、事業者が多くの人と契約するために、あらかじめ定型的に作った条項の集まりのことをいいます。

例えば、保険の契約であれば、

  • 保険金の支払い事由
  • 保険金の支払額
  • 保険金の支払いが拒否される事由

といった重要な内容が、実に事細かく約款に書かれています。

民法では、この約款のうち、「定型約款」というものについて、ルールが定められました。

「定型約款」の定義は、民法548条の2第1項にて難しい表現で規定されています。
ここでは、次のようなものが、一般的に「定型約款」に当てはまると理解していただければ十分です。

  • 保険の契約をする際の保険約款、
  • 宅配便を利用する際の運送約款、
  • インターネットで物の売り買いをする際の購入約款 など

約款が契約書と同じ意味を持つ場合

民法548条の2第1項によれば、定型約款が契約書と同じ意味を持つのは、次のいずれかの場合です。

  1. 合意「定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき」
  2. 表示「定型約款準備者があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき」

(1)合意

定型約款を契約の内容にするという合意さえあれば、定型約款を読んでいなくても、定型約款は契約書と同じ意味を持つことになります。
しかも、黙示の合意でもよいとされています。

例えば、あなたが、保険の営業マンと会って、対面で保険の契約をすることになったとしましょう。
そのとき、保険の営業マンに、「この保険契約には弊社の約款が適用されます。」と言われ、黙って契約書にサインをしたとします。
この場合、あなたがこの約款を読んでいなくても、この約款は契約書と同じ意味を持ってしまいます。

(2)表示

事業者が、「定型約款を契約の内容にする」と、相手方に、あらかじめ表示していれば、相手方が定型約款を読んでいなくても、定型約款は契約書と同じ意味を持つことになります。

例えば、あなたが、インターネット上で、保険の契約をすることになったとしましょう。
申し込み画面へ行くと、「この保険契約には弊社の約款が適用されます。」と表示されていたとします。
そして、約款には同意しない、と保険会社に伝えることもなく、契約締結完了の画面まで至ったとします。
この場合、あなたが、この約款を読んでいなくても、この約款は契約書と同じ意味を持ってしまいます。

なお、約款には同意しない!とあらかじめ事業者に伝えていた場合は、そもそも契約自体が成立しない可能性があります。
とはいえ、契約締結までしてしまうと、契約の有効性を巡って争いになる可能性があります。
また、定型約款は契約書とは違い、業者が一方的に内容を決めるものです。そのため、約款のここを変えてほしい、という交渉をしても原則として応じてもらえません。
そのため、定型約款の内容に納得できない場合には、そもそも契約をしないのが一番です。

【まとめ】

実際の契約の場面では、上記の1.合意、2.表示に当てはまることが多いので、約款が契約書と同じ意味を持つ場合がほとんどです。
そして、約款は、「読んでいなくても効力を持つ」という点で、要注意です。

契約する前に、約款には必ず目を通しておきましょう。

なお、あまりにも不当な約款である場合、例外的に、その約款の全部または一部が無効となることがあります。

無効になるかどうかは判断が難しい場合も多いので、約款に疑問を感じたら、契約をする前に、専門家に相談しましょう。

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