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約款は契約書と同じ!?知らないと損する約款の意味

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保険の契約、宅配便の利用、インターネットでの売買、などいろいろな場面で、約款が使われています。
けれども、小さい文字でたくさん書かれているので、読んでいない人も多いのが実情です。

しかし、約款は読んでいなくても、契約書と同じ意味を持ってしまうことがあります。

2020年4月20日から施行された、改正民法により、約款のうち、「定型約款」(後ほどご説明します)が、どういった場合に契約書と同じ意味を持つのか等、定型約款のルールが民法に定められました。

民法上の定型約款にあてはまらない約款も、民法の定型約款のルールと似たルールの下におかれると予想されますので、民法のルールを知ることが大切です。

では、詳しくみていきましょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

約款の定義

約款とは、事業者が多くの人と契約するために、あらかじめ定型的に作った条項の集まりのことをいいます。

例えば、保険の契約であれば、

  • 保険金の支払い事由
  • 保険金の支払額
  • 保険金の支払いが拒否される事由

といった重要な内容が、実に事細かく約款に書かれています。

民法では、この約款のうち、「定型約款」というものについて、ルールが定められました。

「定型約款」の定義は、民法548条の2第1項にて難しい表現で規定されています。
ここでは、次のようなものが、一般的に「定型約款」に当てはまると理解していただければ十分です。

  • 保険の契約をする際の保険約款、
  • 宅配便を利用する際の運送約款、
  • インターネットで物の売り買いをする際の購入約款 など

約款が契約書と同じ意味を持つ場合

民法548条の2第1項によれば、定型約款が契約書と同じ意味を持つのは、次のいずれかの場合です。

  1. 合意「定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき」
  2. 表示「定型約款準備者があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき」

(1)合意

定型約款を契約の内容にするという合意さえあれば、定型約款を読んでいなくても、定型約款は契約書と同じ意味を持つことになります。
しかも、黙示の合意でもよいとされています。

例えば、あなたが、保険の営業マンと会って、対面で保険の契約をすることになったとしましょう。
そのとき、保険の営業マンに、「この保険契約には弊社の約款が適用されます。」と言われ、黙って契約書にサインをしたとします。
この場合、あなたがこの約款を読んでいなくても、この約款は契約書と同じ意味を持ってしまいます。

(2)表示

事業者が、「定型約款を契約の内容にする」と、相手方に、あらかじめ表示していれば、相手方が定型約款を読んでいなくても、定型約款は契約書と同じ意味を持つことになります。

例えば、あなたが、インターネット上で、保険の契約をすることになったとしましょう。
申し込み画面へ行くと、「この保険契約には弊社の約款が適用されます。」と表示されていたとします。
そして、約款には同意しない、と保険会社に伝えることもなく、契約締結完了の画面まで至ったとします。
この場合、あなたが、この約款を読んでいなくても、この約款は契約書と同じ意味を持ってしまいます。

なお、約款には同意しない!とあらかじめ事業者に伝えていた場合は、そもそも契約自体が成立しない可能性があります。
とはいえ、契約締結までしてしまうと、契約の有効性を巡って争いになる可能性があります。
また、定型約款は契約書とは違い、業者が一方的に内容を決めるものです。そのため、約款のここを変えてほしい、という交渉をしても原則として応じてもらえません。
そのため、定型約款の内容に納得できない場合には、そもそも契約をしないのが一番です。

【まとめ】約款を読んでいなくとも契約書と同じ効力が発生することも

今回の記事のまとめは次の通りです。

・次の場合に定型約款が契約書と同じ効力を持つ(民法548条の2第1項)

   1. 合意「定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき」

   2. 表示「定型約款準備者があらかじめその定型約款を契約の内容と

    する旨を相手方に表示していたとき」

・実際の契約の場面では、上記の1.合意、2.表示に当てはまることが多いので、約款が契約書と同じ意味を持つ場合がほとんど

・上記1.2に当てはまる場合、約款は、「読んでいなくても効力を持つ」という点で、要注意。

・契約する前に、約款には必ず目を通しておくことが大切

・なお、あまりにも不当な約款である場合、例外的に、その約款の全部または一部が無効となることがあり

無効になるかどうかは判断が難しい場合も多いので、約款に疑問を感じたら、契約をする前に、国民生活センターや弁護士などの専門家に相談しましょう。

参考:独立行政法人国民生活センター|相談・紛争解決/情報受付

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。