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債務とは?債務や債権が発生するのはどんなとき?

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日常会話で「債務(さいむ)」なんて口にしませんよね。
ただ私たちは日常生活で当たり前のように債務を負担しています。
たとえば、コンビニで雑誌を購入するとき、雑誌を受け取る代わりに代金を支払います。
この代金を支払う義務を法律上「債務」といいます。
逆に、雑誌を受け取る権利を「債権(さいけん)」といいます。
では、今回は「債務」にまつわるあれこれを解説しましょう。

債務とは?

債務とは何かというと、特定の人に特定の行為や給付を提供しなくてはならない義務です。
たとえば、コンビニに対して雑誌の代金を提供しなくてはならない義務です。

一方、債権とは何かというと、特定の人に特定の行為や給付を請求できる権利です。
たとえば、コンビニに雑誌(の所有権)を請求できる権利です。

このように給付の対象は必ずしも金銭だけではなく、物も対象になります。
また、お金を払って好きな曲を演奏してもらうケースのように労務も対象になります。

債務・債権と物権の違いは?

債権とよく似たものに「物権(ぶっけん)」と呼ばれるものがあります。
自分の自動車や建物を自由に処分・管理できる所有権が「物権」の代表例です。
債権は基本的に契約の当事者間のみで主張できるのに対し、物権は全ての人に主張できます。これは債権が「人に対して発生する権利」であるのに対して、物権が「物に対して発生する権利」だからです。

債権債務の具体例

債権債務の具体例を契約別にみてみましょう。

双方が債権者であると同時に債務者である場合

コンビニで雑誌を買ったケースのように、通常の契約ではお互いに債権・債務を負担します。
このように契約の両当事者が債務者であり、かつ債務者でもある契約を「双務(そうむ)契約」と呼びます。

民法に規定されている契約(典型契約)のうち、常に双務契約となるのは次の7つです。

  • 売買契約
  • 雇用契約
  • 賃貸借契約
  • 請負契約
  • 和解契約
  • 組合契約
  • 交換契約

ちなみに、委任、寄託、終身定期金も双務契約となることがあります。

代表的な売買、雇用、賃貸借について具体的なケースをご紹介します。

お店で商品を販売、購入する「売買契約」

民法555条では、売買契約について、次のように規定されています。

売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

引用:民法555条

AがBに商品を売却したとしましょう。
この場合、Aには商品を引き渡す債務、Bには代金を支払う債務があります。
逆に、Aには代金を請求する債権、Bには商品を請求する債権があります。

双務契約における両債務には密接な結びつきがあります。
たとえば、一方が債務を履行しない場合、他方もまた債務の履行を拒否できるのです。
これを「同時履行(どうじりこう)の抗弁権(こうべんけん)」といいます。

具体的な事例でみてみましょう。

AがBに車を150万円で売却しました。1ヶ月後、Aが車をBの自宅に届け、その場でお金を払う約束にしていたのですが、Bはお金を用意しておらず、支払おうとしません。
この場合、Aは約束どおり車を引き渡さなければならないのでしょうか?

もしBからお金を受け取っていないのにAだけが車を引き渡さなければならないとすれば、不公平です。そのため、AはBが代金を支払うまで車の引渡しを拒否できるのです。
ただし、もともとAが先に車を届け、その後Bが代金を支払う約束になっていたのであれば、仮に車を引き渡すときにBがお金を払えなさそうだと思っても、Aは車を引き渡さなければなりません。
そのため、特に理由がない限り、引渡し期日と支払期日は同じ日に設定しておいた方が良いでしょう。

会社で働きその分の給与を受け取る「雇用契約」

民法623条では、雇用契約について、次のように規定されています。

雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。

引用:民法623条

CがDの会社で正社員として雇われたとしましょう。
この場合、Cには労務を提供する債務、Dには賃金を支払う債務があります。
逆に、Cには賃金を請求する債権、Dには労務を請求する債権があります。
雇用契約は、売買契約と異なり、後払いが標準形態になっています。

物を貸してお金を受け取る「賃貸借契約」

民法601条では、賃貸借契約について、次のように規定されています。

賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。

引用:民法601条

EがFに対してEの海外出張の期間だけ自宅を貸したとしましょう。
この場合、Eには自宅を提供する債務、Fには家賃を支払う債務があります。
逆に、Eには家賃を請求する債権、Fには自宅の提供を請求する債権があります。
賃貸借契約も雇用契約同様、後払いが標準形態になっています。

片方だけが債権者、もう片方は債務者の場合

双務契約に対して、契約当事者の一方のみが債務を負担する契約を片務(へんむ)契約と呼びます。

民法に規定されている契約(典型契約)のうち、常に片務契約となるのは次の3つです。

  • 贈与契約
  • 消費貸借契約
  • 使用貸借契約

ちなみに消費貸借とは別のものを返す契約、使用貸借とは同じものを返す契約です。
「醤油貸して。(別の醤油を補充して)返すから」は消費貸借、「消しゴム貸して。(そのまま)返すから」は使用貸借です。

代表的な贈与、消費貸借について具体的なケースをご紹介します。

相手に贈り物をする「贈与契約」

民法549条では、贈与契約について、次のように規定されています。

贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

引用:民法549条

GがHに対して、本を無償であげたとしましょう。
Gには本を渡す債務が発生する一方、Hは何ら債務を負っていません。
逆に、Hには本を請求する債権がある一方、Gは何も請求できません。

このように贈与契約は、債務を負っている人の負担が大きいため、書面で約束しない限り、履行を終えるまで各当事者が自由に撤回できるようになっています(民法550条)。

お金を借りる「消費貸借契約」

民法587条では、消費貸借契約について、次のように規定されています。

消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

引用:民法587条

IがJに対して、1万円を貸して、後日1万円を返す約束をしたとしましょう。
Jにはお金を返す債務が発生する一方、Iは何ら債務を負っていません。
逆に、Iにはお金を請求する債権がある一方、Jは何も請求できません。

債務と債権が消滅する場合

今度は契約とは違った観点から「債務」について解説します。
本来であれば債務が消滅するのは債務の履行がされた場合です。
しかし、これからご紹介する3つのケースでは履行以外の理由で債務が消滅します。

破産手続きにおける相殺

たとえば、次のようなケースを想定してみましょう。

K社とL社は、継続的に取引をしていましたが、L社がある日突然破産することになりました。破産手続き開始前にK社はL社に対して100万円の商品を納入していたにもかかわらず、この代金も受け取っていません。一方、K社はL社から100万円を借りています。
このとき、K社は100万円を返済しなければならないのでしょうか?

破産法67条1項では、破産手続きにおける相殺について、次のように規定されています。

破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。

引用:破産法67条1項

つまり、K社は100万円の代金債権と貸金債権を相殺することができるのです。
相殺の意思表示をすれば、K社はL社に対して100万円を相殺する必要がありません。

合併による混同

民法520条では、混同について、次のように規定されています。

債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。

引用:民法520条

合併や相続などの事情で債権・債務が同一人に帰属したとき、債権は消滅します。
そうでなければ、自分で自分に対してお金を請求するというよくわからない状態になります。

たとえば、次のようなケースを想定してみましょう。
M社は、取引関係にあったN社を吸収合併することにしました。
このとき、N社は消滅して、N社の債権・債務はすべてM社が引き継ぎます。
そのため、M社がN社に対して有していた債権・債務は全て消滅します。

相続による混同

親が亡くなったときのように、自分と一定の関係にある人が亡くなったときには、亡くなった人(被相続人)の財産を相続します。このとき相続するのは家や預金など価値があるものだけでなく、借金などマイナスの財産(債務)も引き継ぎます。そのため、相続できる財産をしっかり把握したうえで相続するかを決めなければ、債務を多く相続しかねません。
もし債務の方が多いのであれば、相続放棄や限定承認をするのが良いでしょう。

父親が息子から100万円を借りていたところ、父親が亡くなり全財産を息子が相続したとします。このとき、父親の息子に対する100万円の債務も息子が相続したことになります。
このように債権者と債務者の地位が相続によって同一人に帰属した場合、債務は消滅します。

第三債務者とは?

債権は、基本的に契約当事者間でのみ主張できる権利です。
しかし、例外的に第三者に対して債権を主張できるケースが2つあります。
そこで登場するのが債務者に対する債務者(第三債務者)です。

債権執行

債権執行とは、債務者の債権を差し押さえる強制執行手続きの一種です。

たとえば、次のようなケースを想定してみましょう。

O社は、取引先のP社に対して、売掛債権1000万円を有していますが、P社は裁判をしても一向に支払おうとしません。そこで、O社はP社がQ社に対して有する貸金債権800万円を対象に債権執行することにしました。

O社の債務者であるP社の債務者であるQ社が「第三債務者」にあたります。
Q社は、O社に対して直接800万円を支払わなければなりません。
O社は残り200万円をP社に対して請求するか別の債権を差し押さえることになります。

債権代位権の行使

債権者代位権とは、債務者が有する権利を代わりに行使することです。

たとえば、次のようなケースを想定してみましょう。

O社は、取引先のP社に対して、売掛債権1000万円を有していますが、P社には資力がないため、一向に支払おうとしません。そこで、O社はP社がQ社に対して有する貸金債権800万円を対象に債権者代位訴訟を提起しました。

債権者代位訴訟でO社が勝訴すると、Q社はO社に対して800万円を支払わなければなりません。代位する権利が金銭債権の場合、債権者は直接受領することが可能です。

債権者代位権を行使するための要件は、次の6つです。

  1. 保全されるべき債権(被保全債権)の存在
  2. 被保全債権の履行期が到来
  3. 被保全債権が強制執行により実現することのできないものでないこと
  4. 債権者の債権を保全する必要があること(債務者が無資力であること)
  5. 代位する債権を債務者が行使していないこと(債務者の権利不行使)
  6. 代位する債権が差押禁止債権にあたらないこと

他人の権利を主張するので、ハードルが高くなっています。

債権譲渡

債権譲渡とは何かというと、債権の内容を変更しないまま、第三者へ債権を移転することです。

たとえば、次のようなケースを想定してみましょう。

O社は、取引先のP社に対して、売掛債権1000万円を有していますが、P社には目ぼしい財産がありません。そこで、P社はQ社に対して有する800万円分の貸金債権を譲渡しました。

この場合、O社はQ社に対して直接800万円を請求することができます。
もっとも、Q社はO社の単なる債務者なので、上記2つのケースとは異なります。

債務不履行になったらどうなる?

契約によって約束した義務を果たさない債務不履行には、3種類があります。

  • 履行遅滞:債務の履行に遅れが生じる
  • 履行不能:債務の履行が不可能になる
  • 不完全履行:一応債務は履行されたものの約束したとおりではなかった

債務不履行になった場合、状況に応じて損害賠償などを請求できます。

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