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毎月1万円払いで安心…という誤解。残高が減らない「リボ払い」のリスク

弁護士 谷崎 翔

監修弁護士:谷崎 翔

(アディーレ法律事務所)

特に力を入れている分野:債務整理

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

クレジットカードのポイントキャンペーン、魅力的ですよね。
『設定を変えるだけで5,000ポイント』なんて言われると、ついボタンを押したくなる気持ち、よくわかります。

でも、ちょっと待ってください。
そのボタンは『ポイントをもらうボタン』ではなく、『将来の資産を切り崩す契約ボタン』かもしれません。
今回は、弁護士の視点から、カード会社がリボ払いを推す本当の理由と、一度ハマると抜け出せなくなる仕組みについて解説します。
これを知らないと、ポイント以上の大損をすることになりかねませんよ。

「もしかして、返済が苦しい?」 簡単な質問でわかる家計の深刻度チェック

なぜカード会社は「ポイントを配ってまで」リボにさせたいのか?

「設定を変えるだけで5,000ポイントプレゼント!」 「あとからリボにすれば、抽選で1万ポイント!」
皆さんのスマホにも、こうした魅力的なキャンペーン通知が届いていませんか?

冷静に考えてみてください。なぜ営利企業であるカード会社が、わざわざ現金の代わりになるポイントを「タダ」で配るのでしょうか。
答えはシンプルです。配ったポイント以上に、皆さんから手数料(利益)を回収できる自信があるからです。

通常、皆さんがカードで買い物をした際、お店側がカード会社へ支払う「加盟店手数料」は数%程度です。
しかし、リボ払いの手数料(実質的な金利)は、多くのカードで年率15%前後に設定されています。
この「15%」という数字は、金利が上昇傾向にある現在でも高金利といえます。

昨今、メガバンクの普通預金金利は上がってきており、「ようやく利息がつくようになった」と感じている方も多いでしょう。
しかし、リボ払いの金利(15.0%)は、その数十倍はあると考えられます。

  • 銀行に預ける: 100万円預けても、1年で増えるのは多くの場合1,000~2,000円程度(税引前)。
  • リボで借りる: 100万円残高があると、1年で払う手数料は15万円

この圧倒的な差をご覧ください。

必死に節約して貯蓄に回しても、裏でリボ払いの残高があれば、資産は「貯まるスピード」の何十倍もの速さでなくなっていくのです。
カード会社にとって、一括払いの客は「事務コストがかかる割に儲からない客」ですが、リボ払いの客は「毎月高い利息を払い続けてくれる『ドル箱』のような優良顧客」になり得ます。
だからこそ、入り口として5,000円分程度のポイントを配ったとしても、あなたがリボ払いを設定し、残高が積み上がれば、そのコストは数ヶ月で回収でき、あとはずっとカード会社の利益になり続けるのです。

経済的な実態を見れば、リボ設定ボタンを押す行為は、『銀行預金の何十倍ものペースで利息を払い続ける契約』を結ぶのと同義です。
「ポイントがもらえるからラッキー」ではなく、目先のメリットにとらわれて、本質的なコストを見落としていないか、一度立ち止まって考える必要があります。

毎月の支払額が一定…これこそが「最大の落とし穴」である理由

「毎月の請求が怖いから、支払いを月々1万円で固定しよう」
「これなら家計への負担も少ないし、計画的に返済できる」
そう思ってリボ設定をしたあなた。それこそが、多くの人が気づかない「盲点」です。
リボ払いにはいくつかの方式がありますが、最も一般的で恐ろしいのが「元利定額方式(がんりていがくほうしき)」です。
これは、「元金」と「手数料(利息)」を合わせて毎月の返済額を1万円にする、という契約です。
言葉は難しいですが、簡単に言えば、「あなたが払った1万円の大部分が、借金の返済ではなく、カード会社の利益(手数料)に消えている」ということです。
よくあるケースでシミュレーションしてみましょう。

【シミュレーション】

※元利定額方式(年率15.0%)の一例です。実際の返済額や期間は、各カード会社の規定(日割計算の有無等)や利用日などによって多少異なります。

  • お買い物額(リボ残高): 50万円
  • 毎月の支払設定: 1万円
  • 手数料(実質年率): 15.0%
  • ※これ以上カードを使わず、返済だけを続けた場合

1回目の支払日。あなたは「1万円」を口座から引き落とされます。 しかし、その内訳はこうなります。

  • 支払額: 1万円
  • 手数料(カード会社の取り分): 約6,250円
  • 元金の返済(あなたの借金が減る額): たったの約3,750円

なんと、一生懸命働いて返した1万円のうち、6割以上がただの「手数料」として消え、借金は3,000円ちょっとしか減っていないのです。

これでは、まるで穴の空いたバケツで水を汲んでいるようなものです。 このペースで返済を続けると、どうなるでしょうか?

  • 返済期間: 約6年7ヶ月(79回)
  • 支払総額: 約79万円

50万円の買い物をしたつもりが、最終的には約79万円を支払うことになります。差額の29万円があれば、最新の家電や家族旅行に手が届いたはずです。
さらに恐ろしいのは、これは「これ以上カードを使わなかった場合」の話だということ。
返済中も返済した元金分以上にカードを使い続ければ、元金は一向に減らず、手数料を永遠に払い続けることになります。

自動的に「リボ払い」になっている…気づかずに設定していませんか?

「私はリボ払いなんて申し込んだ覚えがないから大丈夫」 そう思っている人ほど、危険かもしれません。
借金問題に悩んでいる方にも多いのが、「知らず知らずのうちにリボ設定になっていた」というケースです。本人は一括払いのつもりでカードを使っていたのに、蓋を開ければ全てリボ払いになっていた、ということもあります。
カード会社は、あの手この手で「リボへの入り口」を目立たないように用意しています。

  • 初期設定の盲点:カード入会時に、「リボ設定で年会費無料」や「ここをチェックでポイント2倍」という項目に、よく読まずにチェックを入れてしまっていませんか?
  • うっかり設定のリスク:スマホで明細を見ていると現れる「今月のお支払いを調整する」「あとから変更」というボタン。数回タップするだけで、簡単にリボ払いに切り替わってしまいます。

特に恐ろしいのは、明細をしっかり見ない人です。 毎月自動引き落としで済ませていると、手数料が引かれていることに気づけません。
今すぐ、スマホでカード会社のアプリかWeb明細を開いてください。 請求内訳に「リボ手数料」「調整額」「利息」という項目が入っていませんか?

もしリボ残高が減らなくなってしまったら?弁護士が教える対処法

もし、アプリで残高を確認して「今の返済ペースでは完済まで何年もかかる」と気づいてしまっても、どうか焦らないでください。 状況が悪化する前に打てる手は、大きく分けて2段階あります。

1. 傷が浅い場合:「一括返済」または「繰り上げ返済」
まだ残高が数万円〜十数万円程度であるなど比較的少額で、貯金を崩せば払える範囲なら、すぐに全額返済してしまうことが考えられます。「手元の現金が減るのは不安」と感じるかもしれませんが、年利15%の手数料が発生し続ける負債を放置するほうが、経済的にマイナスになってしまうことが多いです。当面使う予定がない貯金があるとか、貯金を使う予定はあっても優先度があまり高くなく後回しにしても問題ない予定しかないのであれば、すみやかに「借金という穴」を塞ぐことを検討しましょう。

2. 返済が苦しい場合:「債務整理(任意整理)」の検討
もし、残高が数十万円〜数百万円に膨れ上がり、「毎月の返済で生活がカツカツ」「他社から借りて返している(自転車操業)」という状態なら、自力での解決は困難と考えられます。

ここで知っていただきたいのが、「任意整理」という手続きです。
「債務整理=自己破産」というイメージを持つ方も多いですが、それは誤解です。
債務整理には、主に任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。
任意整理は、裁判所を通さず、将来利息のカットや長期分割弁済をカード会社と個別に交渉する手続きです。
つまり、「毎月の支払額のすべてが、元金の返済に充てられる」状態にしたり、毎月の支払額自体を減らせたりする可能性があるのです。

一番やってはいけないのは、誰にも相談できずに一人で抱え込み、返済のために借金をさらに重ねてしてしまうこと。
風邪を引いたら医師にかかるように、家計が回らなくなったら専門家(弁護士や司法書士)に相談する。これは、ごく当たり前の「生活を守る判断」なのです。

【まとめ】ポイントよりも「仕組み」を理解することが最大の生活防衛

最後に、これだけは覚えておいてください。 リボ払いやクレジットカード自体が「悪」なのではありません。「仕組みを理解せずに、目先のポイントに釣られて契約して、安易に一括払いできないような金額のカード利用をしたり、その支払いのためにリボ払いを利用したりすること」が、あなたの家計を壊すリスクになるのです。

どんなにポイ活で数千円分のポイントを貯めても、裏で数十万円の手数料を払っていたら、それは「節約」ではなく「浪費」です。 真の生活防衛(節約)とは、ポイントを追うことではなく、無駄な利息を払わないことにほかなりません。

もし、この記事を読んで「自分の支払いは大丈夫だろうか?」と不安になったり、既に返済が苦しいと感じたりしているなら、一人で悩まず弁護士に相談してください。
弁護士への相談は、決して恥ずかしいことではありません。それは、あなたが家族や自分の生活を守るために踏み出す、「賢い最初の一歩」なのです。
借金問題でお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

「もしかして、返済が苦しい?」 簡単な質問でわかる家計の深刻度チェック