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原付・バイクによる巻き込み事故の過失割合をケース別に解説

弁護士 南澤 毅吾

監修弁護士:南澤 毅吾

(アディーレ法律事務所)

特に力を入れている分野:交通事故・消費者被害・個人事業のトラブル。累計法律相談実績3000件以上。

作成日:更新日:
リーガライフラボ

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

バイクで交差点を直進している最中に、左折してきた車に巻き込まれてしまう……。

想像するだけでも恐ろしい事故ですよね。

お怪我の治療で心身ともにお辛い中、「相手の保険会社から提示された責任の割合(過失割合)にどうしても納得がいかない」「自分にも落ち度があると言われてしまった」と、不安な気持ちを抱えていらっしゃいませんか?

そこで本記事では、巻き込み事故における「過失割合」の基本的な考え方や、事故の状況によってその割合がどう変わるのか、そして万が一のときに損をしないための対処法などをわかりやすく解説します。

この記事を読み終える頃には、納得のいく解決へ向けてどう行動すればよいかのヒントが見つかるはずです。

ここを押さえればOK!

基本的に、巻き込み事故の過失割合は、自動車の運転者の方の責任が大きいとされ、バイク(原付)側の責任は比較的に小さいとされています。

バイクが被害者となる左折巻き込み事故の過失割合の目安は次のとおりです。
・先行して左折する自動車が、後ろから直進するバイクを巻き込んだケースでは、バイク:自動車=20:80
・後続の自動車が、先行するバイク(原付)を追い越して左折したケースでは、バイク:自動車=10:90
ただし、バイク側に時速15㎞を超える速度ち超過があるなどの事情がある場合には、バイク側の過失が重くなることがあります。

過失割合が自分に不利になると、もらえる損害賠償額も少なくなります。示談前に、適切な過失割合なのかどうかなど、一度アディーレ法律事務所にご相談ください。

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原付・バイクが被害者になりやすい「巻き込み事故」とは

「巻き込み事故」とは具体的にどういう事故を指すのか、またどういう原因で発生する事故なのかを説明します。

(1)巻き込み事故とは

「巻き込み事故」とは、通常、交差点を曲がろうとした自動車が、後方から交差点を直進しようとした二輪車(バイクや原付、自転車)と接触する交通事故のことを指します。

自動車が、二輪車を巻き込むようにして事故になることから「巻き込み事故」と呼ばれています。

巻き込み事故は典型的な事故類型の一つであり、死亡事故など重大な結果が生じることもあることから、運転免許の安全講習でも頻繁に取り上げられているようです。

(2)巻き込み事故の原因

巻き込み事故が発生する主な原因としては、次のようなものがあります。

  • 交差点を曲がろうとする自動車の後方確認が不十分である。
  • 交差点を曲がろうとする自動車が、方向指示器(ウィンカー)を適切に操作していない(出すタイミングが遅い、方向を間違えるなど)。
  • 自動車が、内輪差(四輪以上の車輪を持つ車両がカーブを曲がる時、内側の前輪と後輪が描くアーチの半径に生じる差)を意識せずに運転している。
  • 左折する際に十分に左端に寄らなかったために、後方からバイクが左3端を直進してきた。  など

(3)交差点を左折する車両が守るべき交通ルール

交差点で左折しようとする車両には、巻き込み事故を起こさないために、次のような守るべきルールがあります。

  • 交差点の手前30mの地点から合図を出す(道路交通法53条1項、2項、道路交通法施行令21条)。
  • あらかじめできる限り道路の左端に寄り、かつ、できる限り道路の左端に沿って徐行する(道路交通法34条1項)。
  • 左折時には、ルームミラー、サイドミラーを確認し、ミラーで確認できない死角部分は目視して安全確認を行う。

巻き込み事故は、車がこのような交通ルールを守らなかったことが原因であることがほとんどです。そのため、基本的に巻き込み事故の過失割合(責任の割合)は、自動車の運転者の方の責任が大きいとされ、バイク側の責任は比較的に小さいとされています。

 
 

【ケース別】左折による巻き込み事故の過失割合とは

次に、左折による巻き込み事故の基本の過失割合について説明します。

(1)先行して左折する自動車が、後ろから直進するバイクを巻き込んだケース

交差点手前30mの時点で、先行する自動車が左折の指示を出して、左折を開始したが、後ろから直進するバイク(原付)を巻き込んだケースです。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.354【213】

このケースの基本の過失割合は、「バイク:自動車=20:80」です。

自動車側に大きな過失があるとされる一方で、バイク側にも、自動車の左折の合図に気をつけていれば避けられた可能性がありますので、軽度の前方不注意の過失(不注意や落ち度)が認められます。

(2)後続の自動車が、先行するバイク(原付)を追い越して左折したケース

後続の自動車が、先行するバイクを追い越して左折し、バイクを巻き込んだケースです。

参考:東京地裁民事交通訴訟研究会(編集)『別冊判例タイムズ38』判例タイムズ社 P.356【214】

このケースの基本過失割合は「バイク:自動車=10:90」です。

このケースの場合、(1)先行して左折する自動車が、後ろから直進するバイクを巻き込んだケースよりも、自動車側の過失(不注意や落ち度)が大きくなります。

それには、次の2つの理由があります。

  • 交差点の手前30mは追い越しが禁止されている(道路交通法30条3号)
  • 左側のバイクの存在およびその進路妨害をすることを当然認識している

過失割合は事故の状況次第で変わる?過失割合の決まり方とは

これまで紹介した基本の過失割合(責任の割合)は、絶対ではありません。

事故の状況次第で変わってきます。

例えば、車の運転者が飲酒運転をしていた場合には、車側の過失が基本の過失割合よりも大きくなります。一方で、バイク側もスピード違反があった場合には、バイク側の過失が基本の過失割合よりも大きくなります。

このように、基本の過失割合は、事故の状況次第で修正される可能性があるのです。これまで説明した基本の過失割合が修正されるケースとしては、次のようなものがあります。

(1)自動車の過失割合が加算されるケース

過失割合が修正されるケース自動車に加算される過失割合
大回り左折・進入路鋭角10
左折合図遅れ5
左折合図なし10
直近左折 ※10
徐行なし ※10
著しい過失(わき見運転等著しい前方不注意、携帯電話等を利用しながらの運転、酒気帯び運転、一般道路上で概ね時速15㎞以上30㎞未満のスピード違反など)10
重過失(酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転、一般道路上で概ね時速30㎞以上のスピード違反など)20
※は(1)のケース(先行して左折する自動車が、後ろから直進するバイクを巻き込んだケース)でのみ修正要素となります。

(2)バイク(原付)の過失割合が加算されるケース

過失割合が修正されるケースバイクに加算される過失割合
著しい前方不注意10
15㎞以上の速度違反10
30㎞以上の速度違反20
著しい過失(わき見運転等著しい前方不注意、携帯電話等を利用しながらの運転、酒気帯び運転など)10
重過失(酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転、高速道路におけるヘルメット不着用、ことさらに危険な体勢での運転など)20

納得できない!不利な過失割合にならない2つのポイントとは

交通事故の過失割合(責任の割合)は、被害者が最終的に受けとることのできる賠償金額を大きく左右します。例えば、事故の被害者に過失(不注意や落ち度)があるとされた場合には、賠償金額が、被害者に過失があるとされた分だけ減額されることになります。

少しでも多くの賠償金を受け取るためには、事故の状況を踏まえた適正な過失割合を算定することが非常に重要です。

ここでは、被害者側が納得のいかない不利な過失割合にならないための2つポイントを紹介します。

(1)現場の写真など証拠になりそうなものを残しておく

自分の主張する過失割合が正しいと相手方を説得するためには、根拠が必要です。

例えば、自動車とバイクの破損部分や事故現場を撮影した写真や車やバイクにドライブレコーダーを搭載している場合には、ドライブレコーダーの録画映像も証拠になります。

警察が作成する実況見分調書も過失割合を算定する際の証拠となります。事故の当事者は、実況見分に立ち会いますので、警察に対してしっかりと事故状況について説明したうえで、調書に残してもらうようにしましょう。

(2)交通事故への対応経験が豊富な弁護士に相談する

加害者側から提示された過失割合に納得できず、自分で交渉しても話が進まない場合には、交通事故への対応経験が豊富な弁護士に相談してみることをおすすめします。

自分で対応しても、相手方の任意保険会社が誠実に対応してくれなかったり、自分の主張を適切に伝えられなかったりすることがあります。

しかし、交通事故の対応経験が豊富な弁護士に示談交渉を依頼したりすると、弁護士は、道路状況や車の損傷部分や程度などのさまざまな証拠をもとに正しい事故状況を検討します。そして、弁護士はその結果を基に保険会社と交渉します。これにより、妥当な過失割合で保険会社と示談できる可能性が高まります。

弁護士に依頼することで保険会社が提示する示談金額よりも増額できる可能性があります。「示談金の金額が妥当かわからない」「示談金の金額に納得ができない」という方も弁護士へ相談ください。

【まとめ】バイクの巻き込み事故の過失割合は自動車側の過失が大きくなる傾向がある

一般的に、巻き込み事故では「車側」の責任が重くなる傾向にあります。しかし、実際の事故現場がどのような状況だったかによって、その割合(過失割合)は変動する可能性があります。

ここで大切なのは、保険会社から提示された割合が、必ずしも「法律的に見て適正なもの」とは限らないという点です。「保険会社が言うならそうなのかな」と安易に合意せず、ドライブレコーダーの映像など、当時の状況がわかる客観的な証拠を集めておくことが、後悔しない結果を得るための重要なポイントになります。

もし、提示された過失割合に少しでも疑問や不安を感じたら、ご自身だけで判断せず、交通事故に詳しい弁護士へ相談することをご検討ください。

アディーレ法律事務所は、被害に遭われたあなたの心強い味方として、適正な賠償金の獲得を目指し、全力でサポートいたします。 一人で悩みを抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

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