「離婚した配偶者が約束どおり養育費を支払ってくれるのか不安なので、連帯保証人を付けてほしい!」
このように考える方は少なくありません。
結論から言うと、連帯保証人(となるべき人)が了承すれば、養育費に連帯保証人をつけることは可能です。
もっとも、連帯保証人を付ける際には注意すべき点がありますし、養育費の支払いをなるべく確かなものにするには他の手段も考えられますので、是非この記事を参考になさってください。
ここを押さえればOK!
より確実に養育費を支払ってもらうためには、連帯保証人をつけることのほか、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成することもおすすめです。これにより、万が一支払いが滞った場合、裁判の手続きを経ずに強制執行が可能になります。養育費の支払いに不安がある場合には、アディーレへご相談ください。
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母子家庭の約7割が養育費を受け取っていない
現状、養育費を受け取っていないシングルマザーは多いのが実情です。
実際、厚生労働省の令和3年度全国ひとり親世帯等調査の結果によれば、現在養育費を受け取っている母子家庭は28.1%に過ぎず、母子家庭の約7割が養育費を受け取っていません(※推計値)。
参考:令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果|e-Stat(政府統計ポータルサイト)
また、過去に養育費を受け取っていたが、現在は養育費を受け取っていないと回答した母子家庭の割合は14.2%であり、養育費が途中から支払われなくなるということも少なくないようです(※推計値)。
養育費に連帯保証人をつけることはできる?
養育費請求の相手方である(元)配偶者が養育費を本当に支払うのか、不安がある場合、連帯保証人の候補者(相手方の親族など)が連帯保証人になることを了承すれば、連帯保証人をつけることは可能です。
ただし、養育費請求を調停や裁判で行った場合に、連帯保証人をつけるという運用は行われていないため、連帯保証人を付ける場合は、任意での交渉のみとなります。
養育費に連帯保証人をつける際に注意すべき2つのこと
養育費に連帯保証人を付ける際に注意すべきことは、次のとおりです。
- 連帯保証人を付ける場合には書面の合意が必要
- 連帯保証人を付けるときの交渉はあくまでお願いベース
(1)連帯保証人を付ける場合は書面の合意が必要
保証契約は書面で行う必要があるとされています(民法446条2項)。
そのため、連帯保証人を付けることについて、連帯保証人(なるべき人)の了承を得られた場合には、連帯保証人(なるべき人)との間で、連帯保証を行う旨の書面を作成する必要があります。
保証契約の当事者は養育費を支払う相手方ではなく、連帯保証人(なるべき人と)と養育費を請求するあなた自身ですから、連帯保証人と(なるべき人と)あなたが保証契約を結び、有効な書面を作成する必要があります。
(2)連帯保証人をつけるときの交渉はあくまでお願いベース
支払いに不安がある場合には、親や親族に肩代わりをして欲しいと考える気持ちはわかりますが、親や親族が必ず連帯保証人にならなければならないというわけではありません。
あくまで連帯保証人になることをお願いして、連帯保証人となり得る人(例えば、子どもの祖父母など)が了承した場合のみ、連帯保証人をつけることができるということに注意してください。
【2026年民法改正対応】取り決めがなくても請求できる「法定養育費」の新設
これまでの養育費制度では、父母の話し合いや家庭裁判所での手続きによる養育費の取り決めがない限り、養育費を請求することができませんでした。
しかし今回の民法改正によって、夫婦で養育費の取り決めをしていなくても離婚の日から「暫定的な養育費(法定養育費)」として月額2万円を毎月末に請求できる制度が新設されました。
この暫定的な養育費の支払がされないときは、養育費の取り決めがなくても、差押えの手続を申し立てることも可能です。
もし離婚後に養育費を請求するのが遅くなっても、離婚の日から遡って請求することが可能です。この暫定的な養育費(法定養育費)は、正式な養育費の取り決めができるか、子どもが18歳になるまで発生し続けることになります。
ただし、この新しい暫定的な養育費(法定養育費)の制度は、改正法が施行された後に離婚したケースにのみ適用されます。施行前(2026年3月31日まで)に離婚した場合は適用されない点に注意しましょう。
法定養育費があっても養育費の取り決めは必要!
法定養育費は、あくまで「暫定的な養育費」であることに注意が必要です。実際のところ、子どもの日々の生活費やこれからの教育費を考えると、月額2万円では十分とは言えないケースがほとんどでしょう。
そのため、法定養育費は当面の生活を支えるための「つなぎ」として考え、最終的にはお互いの収入や子どもの成長に合わせた適切な養育費の額と期間を、しっかりと取り決めることが大切です。
夫婦で養育費を取り決めたら、「離婚協議書」の作成を
「毎月〇万円払うよ」という口約束だけでは、後から「そんなこと言っていない」と言い逃れされてしまう危険があります。取り決めた内容は、必ず「離婚協議書」などの書面に残し、夫婦お互いの署名と押印をしておきましょう。
金額だけでなく、「毎月何日までに」「どの口座に振り込むか」といった細かい条件もしっかり書き込んでおくことが重要です。
今回の民法改正によって、養育費の未払いがあっても養育費の取決めの際に父母間で作成した文書があれば未払いの養育費を理由にすぐに財産の差押えの申し立てが行えるようになりました。ただし、改正法施行前に養育費の合意をした文書がある場合、施行後に生じる養育費に限り、このルールが適用されます。
養育費の未払い対策には公正証書にしておくとさらに安心!

「公正証書」とは、中立公正な立場である公証人が立ち会い、作成する公文書のことをいい、公証役場で作成されます。
後々のトラブルを確実に防ぐには、これまで通り公証役場で「執行認諾文言(しっこうにんだくもんごん)付きの公正証書」にしておくのが一番確実です。「もし支払わなかったら、すぐに財産を差し押さえられても文句は言いません」という約束が法的に証明されるため、相手への強いプレッシャーになります。
公正証書を作成するには、公証役場に支払う費用(5000~1万1000円程度。目的の価額によって異なる。)もかかりますが、合意後の支払をより確実にしたいと思う場合には、合意書は、公正証書にすることを検討すると良いでしょう。
なお、公正証書を作成するには、原則として、公証役場において当事者全員が一堂に会する必要があります。
2025年10月1日から公正証書の作成がデジタル化されます!
公正証書の作成手続は、2025年10月1日からデジタル化されます。これにより、利用者にとって大きく利便性が向上することになりました。
参考:公正証書の作成に係る一連の手続のデジタル化について|法務省
(1)具体的に何が変わる?
この改正により、公正証書の原本は紙からPDFの電子データへと移行し、公証役場の専用システムに保管されるようになります。
また、対面で印鑑証明書等による本人確認が必要だった申込も、来所不要で、電子署名などで電子的に申込ができるようになります。
同じく対面が必要だった作成手続も、本人が希望して公証人が相当と認めるときには、ウェブ会議システムを利用した「リモート方式」での作成が可能となります。自宅や施設からでも公正証書を作成できるようになります。
さらに、これまでの作成に必要だった本人の押印は不要となり、署名は電子サインへ変更、公証人の署名も電子サイン・電子署名へと変わります。
公正証書の作成後に本人に交付される正本・謄本は、今まで書面のみでしたが、電子ファイルでの交付が選択可能になります。
(2)デジタル化のメリットとデメリット
デジタル化には大きなメリットもありますが、デメリットもあります。
(2-1)メリット
メリットとしては、次の3点があげられます。
- 電子的な本人確認による申込、Web会議による作成が可能となり、データで受け取ることができるので、公証役場への移動が不要になり、利便性が向上する 。
- 原本が電子データになることで紛失・改ざんリスクが軽減される。
- スケジュール調整が容易になる。
(2-2)デメリット
デメリットとしては、次の3点があげられます。
- リモート方式にはPCやウェブカメラなどの機材が必要で、デジタルデバイドが生じる可能性がある 。
- 厳格な本人・意思確認が要求される公正証書は、ウェブ会議の利用は慎重にすべきとされている。
- なりすましやデータ消失などのセキュリティリスクが懸念される。
(3)手数料の見直し
手数料についても見直しが行われ、公正証書の正本・謄本を電子データで受け取るときは、1通2,500円が新設されます。紙の場合は、用紙1枚あたり300円です。
また、養育費や死後事務委任契約の作成にかかる手数料はこれまでより軽減されます。
【まとめ】候補者が了承すれば、養育費に連帯保証人をつけることは可能!
連帯保証人が了承すれば、養育費であっても連帯保証人を付けることは可能です。ただし、あくまでもお願いベースで強制的に連帯保証人になってもらうことはできませんので注意が必要でしょう。
養育費の支払いに不安がある場合には、弁護士へご相談ください。弁護士が公正証書の作成のサポートから、相田方との交渉の代行までいたします。
養育費の支払いに不安がある場合にこそ、養育費の金額、支払期日、支払い方法などは感情的にならず、冷静に交渉して決める必要があります。弁護士に養育費請求を依頼することで、あなたにかかる精神的負担を減らすことができるでしょう。
養育費のご相談はお電話で可能ですので(フリーコール|0120-554-212) 、一度ぜひお問い合わせください。


























