知人や友人が運転する車に同乗しているときに交通事故に遭ってしまうと、「運転していた友人に賠償金を請求するのは心苦しい」「気まずくなりたくない」と悩まれる方は多いものです。
ご家族の運転だと「保険が下りないのでは?」という不安も耳にします。
たしかに、同乗者にも事故の責任があれば、請求できる金額が減額されてしまう可能性もあります。また、運転手が同乗者と同一生計の家族(夫、妻、両親etc)であり、かつ、運転手にも過失がある事故の場合、被害者側の過失として、同乗者にも運転手と同じ割合の過失相殺がなされる可能性が高いといえます。
しかし、同乗者に事故の責任があるケースは限定的です。法律や保険の仕組みを正しく知ることで、友人との関係を守りながら、しっかりと補償を受ける道が開ける可能性があります。
本コラムでは、請求相手の選び方や、保険の活用法、そして弁護士に依頼した場合の基準について、分かりやすく解説します。
ここを押さえればOK!
請求先は事故の過失割合で決まり、相手方の過失が100%なら相手方へ、同乗車の運転者の過失が100%ならその運転者側へ請求します。双方に過失がある「共同不法行為」の場合はどちらの運転者にも請求が可能ですが、通常、過失割合の多い方に請求することが一般的といえます。
例えば、友人が運転手で、運転手の過失割合が20%、相手方の過失割合が80%のケースの場合、相手方の保険会社に窓口を一本化することで、友人と関係を維持したまま補償を受けられるでしょう。
家族が運転手で対人賠償保険が使えない場合でも、人身傷害保険特約等が付いていれば、こちらを活用して家計を守ることが可能です。
賠償額は、過去の裁判例に基づく「弁護士の基準」で交渉すれば、保険会社提示額より増額する可能性が高まります。単なる「好意同乗」では減額されませんが、飲酒運転の承知やシートベルト不着用などは減額対象となるため注意が必要です。その他、同乗者の事故前からの持病等が通院を長引かせる等損害拡大の一因となった場合等も減額対象になり得ます。事故が軽微である場合、治療期間の妥当性が争われ、結果として減額されてしまう場合もあります。どのような場合に減額される可能性がどの程度あるかは個別の事情によって様々なケースが存在するので、迷ったら弁護士に相談するのが良いでしょう。
また、弁護士費用特約は、同乗していた車のものや自身の家族のものが使える場合も多く、特約がなくても着手金無料・受け取った賠償金から支払いできる事務所なら費用倒れのリスクを下げられます。
同乗者だからと遠慮せず、正当な権利として適切な補償を受けるために弁護士への相談を検討しましょう。
弁護士による交通事故被害の無料相談はアディーレへ!
費用倒れの不安を解消!「損はさせない保証」あり
ご相談・ご依頼は、安心の全国対応。国内65拠点以上(※1)
自宅でらくらく「おうち相談」
「ケガの治療中で相談に行くのが難しい」
アディーレならお電話・スマホでいつでも・どこからでも気軽に無料相談!
交通事故の同乗者が慰謝料請求できる相手は「事故の過失割合」によって決まる
同乗中の交通事故でけがをしたなど被害を被ったのであれば、損害賠償を請求できます。
「誰に」請求するかは、事故の過失割合によって異なります。
(1)相手の過失が100%なら相手方に請求する
「赤信号で停車中に後ろから追突された」といったようないわゆる「もらい事故」の場合、あなたが乗っていた車の運転者に落ち度はありません。
このケースでは、事故を起こした相手方の過失が100%となるため、相手方が加入している保険会社に対して、治療費や慰謝料などを請求することになります。あなたが乗っていた車の運転者(友人など)に責任を問う必要はないため、人間関係を気にすることなく、手続きを進められるケースが一般的です。
(2)運転者の過失が100%なら運転者に請求する
カーブを曲がりきれず壁に衝突したり、運転者の不注意で停車中の前の車に追突したりといった単独事故などの場合、あなたが同乗していた車の運転者に100%の責任(過失)があると考えられます。
この場合の請求先は、同乗していた車の運転者(およびその保険会社)となります。
ただこの場合も、弁護士に依頼すれば弁護士が保険会社と交渉することになりますので、あなたが直接運転者(保険会社)とやり取りをする必要はなくなります。
もし運転者がご家族である場合は、運転者の任意保険の「対人賠償保険」は免責となり使えませんので、ここから補償を受けることはできません。
そのため、後ほど詳しくお伝えする「人身傷害保険」などの活用を検討することになります。
(3)双方に過失がある事故なら「両方の運転者」に対して請求できる
交差点での出会い頭の事故など、相手方と同乗車の運転者のどちらにも落ち度がある(例:相手が80%、自分の乗っていた車が20%)場合、同乗者の方は「どちらの運転者に対しても」損害賠償を請求できる権利を持っています。
これは法律用語で「共同不法行為」と呼ばれますが、イメージとしては「二人の運転者が協力して、あなたに損害を与えてしまった」という状態です。もっとも、訴外の交渉ではまず過失割合の多い加害者に対して損害を請求することが一般的といえるでしょう。
友人が過失割合の少ない運転手なら「共同不法行為」を活用して相手方だけに全額請求する
どちらか一方に100%の責任がある事故は、あまり多くありません。双方に過失責任のある交通事故が多いです。
例えば、友人の運転手の過失割合が20%、ぶつかってきた相手方の過失割合が80%である場合、被害を受けた同乗者は、まず相手方に損害賠償額の全額を請求することになるでしょう。。
友人が運転手の場合、友人(の保険会社)に請求しにくいと思うかもしれませんが、だからと言って「請求しない」という判断はしてはいけません。弁護士に依頼することで関係を維持しながら適切な補償を受ける方向で検討しましょう。
(1)相手方の保険会社に窓口を一本化すれば友人との直接交渉を避けられる
「友人に直接お金の話をするのは避けたい」というお気持ちは、ごもっともです。
上記のようなケースの場合、相手方の保険会社に請求の窓口を一本化すれば、友人(および友人の保険会社)と直接やり取りせずに済む可能性が高いといえます。
これにより、友人との良好な関係を保ちつつ、必要な治療費や慰謝料をしっかりと確保できる可能性が高まります。
(2)後で保険会社同士が行う「求償」なら友人と揉めるリスクは低い
あなたが相手方の保険会社から全額の支払いを受けた後、その保険会社は「友人の落ち度分」について、友人の保険会社へ精算を求めます。これを「求償(きゅうしょう)」と呼びます。
これはあくまでプロである保険会社同士の事務的なやり取りですので、あなたが友人に催促をするようなことはありません。
家族が運転手の場合は「対人賠償」ではなく「人身傷害保険」を使う
家族が運転していた車に同乗していた場合には、どのように補償を受ければよいのでしょうか。
(1)配偶者や親・子の運転する車では対人賠償保険が免責で使えない
自動車保険には「家族間での事故には保険金を出さない」というルール(免責条項)があるのが一般的です。例えば、夫が運転する車で妻が怪我をした場合、夫が加入している「対人賠償保険」は使えません。
これは「家計が同じ家族間で賠償金をやり取りしても、結局はお財布が同じなので意味がない」と考えられているためですが、実際の治療費負担などは家計の重荷になってしまいますよね。
(2)人身傷害保険なら過失相殺されず治療費や慰謝料が支払われる
そんなときに頼りになるのが「人身傷害保険」で、任意保険に付帯している場合があります。
この保険は、自分たちの落ち度(過失割合)に関係なく、実際に発生した損害額(治療費や休業損害、精神的な苦痛への賠償など)を保険会社の基準で支払ってくれるものです。
この保険の大きなメリットは、ご家族間の事故であっても補償の対象となり、ご自身の落ち度分を差し引かれる(過失相殺)こともありません。適切な補償を受ける非常に心強い味方となります。
(3)搭乗者傷害保険も契約していれば定額の保険金を受け取れる
さらに「搭乗者傷害保険」にも加入していれば、より手厚いサポートが期待できます。こちらは、入院日数や怪我の場所に応じて「一時金」として決まった金額が支払われるタイプです。
人身傷害保険や相手方からの賠償金とは別枠で受け取れることが多いため、急な出費や当面の生活費に充てることができます。まずは保険証券を確認してみることをおすすめします。
【同乗者の慰謝料】「弁護士の基準」なら増額が見込める
加害者側の保険会社から提案される慰謝料額などの賠償金額は、自社基準に基づくものであることが多く、弁護士の交渉によって増額が期待できるケースがあります。
(1)保険会社からの提案額は交渉により増額できる可能性あり
交通事故の慰謝料の計算には、実は3つの「ものさし」があります。
- 国が定めた最低限の補償である「自賠責の基準」
- 各保険会社が独自に決めている「任意保険の基準」
- 過去の裁判結果に基づいた「弁護士の基準(裁判の基準)」

保険会社が最初に提示してくる金額は、1や2の基準であることが多く、本来受け取るべき適正な金額(3の基準)よりも低く設定されているケースが少なくありません。
(2)弁護士の基準で通院期間や後遺障害等級に応じて適正な慰謝料を計算
弁護士があなたに代わって交渉する場合、通常、もっとも高額となる「弁護士の基準」をベースにします。
例えば、ケガで3ヶ月ほど通院して完治した場合、自賠責の基準では38万7000円程度(1日当たり4300円で通院期間の半数以上通院した場合)が目安ですが、弁護士基準では53万円から、状況やケガによっては73万円程度まで見込めることがあります。
お怪我が重い場合や通院が長引くほど、この差は大きくなる傾向にあります。
弁護士に依頼すると、弁護士は基本的に弁護士の基準で慰謝料などを計算して、示談交渉します。
弁護士の基準の慰謝料の目安を知りたい方は、次の慰謝料計算機を利用して計算してみてください。
軽症の場合の慰謝料計算
死亡の場合の慰謝料計算
(3)同乗者でも適切な検査を受けて後遺障害等級認定を申請すべき理由
治療を続けても残念ながら症状が残ってしまった場合、「後遺障害」の認定を受けることが重要です。これにより、後遺障害による将来の減収を補う「逸失利益」などの項目が追加で認められる可能性が出てきます。
「同乗させてもらっていた身だから」と遠慮する必要はありません。事故直後からMRIなどの精密検査を受け、お体の状態を医師に正確に伝えることが、適切な補償への第一歩となります。
交通事故の後遺症について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「タダで乗せてもらった」だけでは慰謝料は減額されない
「好意で乗せてもらったし、乗った自分にも責任はある」と、慰謝料請求に罪悪感を感じる方もいるかもしれません。
しかし、損害賠償の請求は法律で認められた権利ですので、躊躇する必要はありません。
(1)単なる好意同乗を理由とした減額は否定されている
昔は「無料で乗せてもらっていたのだから、多少の我慢はすべき(好意同乗減額)」という考え方もありました。しかし、今の裁判の考え方では、ただ「タダで乗っていた」という理由だけで賠償金が減らされることは原則としてありません。
万が一、保険会社から「好意で乗せてもらったのだから、慰謝料を下げます」と言われても、安易に納得せず、弁護士に相談してみるのが賢明です。
(2)運転者の飲酒や無免許を知って同乗した場合は減額対象になる可能性
ただし、同乗者側にも「危険を分かっていて乗った」という落ち度がある場合は、話が変わってきます。
典型的なのは、運転者がお酒を飲んでいることや、免許を持っていないことを知りながら同乗した場合です。この場合、事故に対して過失責任があるとして、受け取れる金額が10%〜30%程度減らされてしまう可能性があります。
(3)シートベルト不着用や運転妨害行為も過失相殺の原因となる
また、シートベルトをしていなかったために怪我が重くなった場合や、運転中に無理に話しかけて注意をそらしたり、あおって運転者に危険運転をさせたりしたような場合も、「過失相殺(かしつそうさい)」といって賠償金が減額される原因になります。
安全なドライブをサポートする姿勢も、同乗者には求められます。
(4)運転手が同一生計の家族(夫婦・両親等)の場合、運転手の過失割合が同乗者にも適用される
運転手が夫、妻、両親等、被害者と身分ないしは生活関係上一体をなすとみとめられるような関係にある場合、運転手の過失割合と同じ過失割合が同乗者にも適用され、その分だけ賠償金が減額されるのが原則です。
(5)その他の減額可能性
同乗者に限る場合ではありませんが、事故前からの被害者の持病等が治療期間を長引かせる要因となった場合、事故状況から治療期間の相当性が争われる場合等に、賠償金の減額可能性があります。保険会社が主張する減額事由が法的に適切なものかどうかを判断するためにも、まずは弁護士に相談するのが良いでしょう。
同乗者は自分の保険だけでなく「同乗車の弁護士費用特約」も使える
弁護士の基準で適切に慰謝料などを計算し、請求するためには、弁護士へ依頼する必要があります。
そうなると心配になるのが弁護士費用ですが、弁護士費用特約を利用できれば通常弁護士費用の心配なく弁護士に依頼することができるでしょう(一般的に300万円程度の弁護士費用の上限あり)。
利用できる弁護士費用特約を確認していきましょう。
(1)運転者の弁護士費用特約は、契約車両に乗っていた他人にも適用される場合が多い
交通事故にあって弁護士に依頼する際の費用をカバーしてくれる「弁護士費用特約」。
実は、ご自身が保険に入っていなくても、事故のときに乗っていた車(友人などの車)にこの特約が付いていれば、それを利用できるケースがあります。
多くの保険契約で、特約の対象が「その車に乗っていた人」まで広げられているためです。
(2)自身の家族の保険に付帯している特約も使えるか確認する
さらに、ご自身の同居のご家族(親や配偶者)や、別居している未婚のお子様が加入している自動車保険、さらには火災保険やクレジットカードの付帯保険にこの特約が付いていないかチェックしてみてください。
これらの特約が使えれば、多くの場合、実質的な自己負担なしで弁護士にサポートを依頼し、慰謝料の増額交渉を任せることが可能です。
弁護士費用特約を使える範囲について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
(3)特約がなくても「着手金無料」の事務所なら費用倒れしにくい
もし使える特約がどこにもなかったとしても、諦めるのはまだ早いです。
交通事故の被害相談では「相談料」や「着手金」を無料とし、獲得できた賠償金の中から報酬をいただく仕組みを採用している事務所も多くあります。
この仕組みであれば、最初に大きな費用を用意する必要がなく、最終的に手元に残る金額が少なくなる「費用倒れ」のリスクを抑えて、弁護士へ依頼することが可能です。
【まとめ】
同乗者の方は、双方に事故の責任がある場合でも、相手方の保険会社へ全額請求するといった選択が可能な場合もあります。これにより、友人との関係を守りながら、適正な補償を受ける道が開けます。また、ご家族間の事故であっても、保険の活用次第で家計を守ることができます。
いずれにしろ大切なことは、弁護士の基準で慰謝料などを計算して、適切な補償を受けることです。
アディーレ法律事務所では、交通事故に関するご相談を承っております。人間関係を大切にしながら、しっかりとお体の回復と補償に向き合いたい方は、ぜひお気軽にお話をお聞かせください。



























