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【2026年改正】面会交流(親子交流)のルールはどう決める?5つの基本と注意点

弁護士 林 頼信

監修弁護士:林 頼信

(アディーレ法律事務所)

特に力を入れている分野:現在は離婚事件をメインに扱っているほか、不貞慰謝料事件もこれまでに多数の解決実績あり。

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リーガライフラボ

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

離婚や別居に伴って、離れて暮らすお子さまとの面会交流(親子交流)について、「どのようにルールを決めていけばいいのだろう」「相手と感情的に揉めずに話合いができるか不安…」とお悩みになる方は、決して少なくありません。

このコラムでは、面会交流において事前に決めておきたい5つの基本ルールをはじめ、将来のすれ違いやトラブルを予防するための注意点、そしてお二人だけでの話合いが難しい場合の対処法まで、弁護士がわかりやすく丁寧に解説いたします。

記事をお読みいただくことで、お子さまの笑顔と健やかな成長を第一に考えた、ご両親も安心できる適切なルールづくりのヒントが見つかれば幸いです。

ここを押さえればOK!

必ず決めておきたい5つの基本ルール:「頻度・時間」「場所」「受け渡し方法」「連絡手段」「急なキャンセルの代替日」の決め方
トラブルを防ぐための注意点:プレゼントや特別な行事の扱い、相手の悪口を言わないなどの配慮事項
話合いがまとまらない・守られない時の対処法:家庭裁判所の調停手続、履行勧告、第三者機関のサポート利用について
2026年民法改正のポイント:「親子交流」への名称変更や、祖父母との面会ルールの新設など

面会交流(親子交流)とは

離婚や別居によって、子どもと離れて暮らすことになった親が、子どもと定期的に会ったり、手紙やメールなどでやり取りをしたりすることを「面会交流(親子交流)」と呼びます。

面会交流(親子交流)は親にとって大切な権利・義務であると同時に、法律上は「子どもの利益を一番に考えなければならない」とされています。

つまり、大人の都合や感情を優先するのではなく、「子どもが心身ともに健やかに成長するために、どうしてあげるのがベストか」という視点を第一に考えて、ルールを決めていくことが大切になります。

面会交流(親子交流)で必ず決めておくべき基本のルール5項目

面会交流(親子交流)のルールを作る際に、事前に話し合って決めておきたいのが「頻度・時間」「場所」「受け渡し方法」「連絡手段」「急なキャンセルのときの代わりの日(代替日)」の5つです。

これらを前もってクリアにしておくことで、離婚や別居をしたあとのすれ違いやトラブルを予防し、子どもが安心して面会交流(親子交流)を楽しめる環境づくりにつながります。

(1)面会(交流)の頻度・時間

「月に何回くらい」「何曜日の何時から何時まで」会うのかを、具体的にイメージしながら決めていきます。裁判所の手続を利用した場合などは「月に1回程度」というペースが一つの目安となることが多いですが、決まりはありません。

子どもの年齢や、日々の生活の負担にならないペースを、ご両親でしっかり話し合って決めましょう。最初は短い時間からスタートして、子どもが慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていくというのもおすすめです。

(2)面会(交流)の場所・当日の過ごし方

当日はどこで会って、どのように過ごすのかを決めます。

子どもがまだ小さいうちは、普段一緒に暮らしている親のご自宅周辺の公園や児童館、ショッピングモールなど、子どもが安心できる場所が選ばれやすい傾向にあります。

大きくなってくれば、動物園や映画館、遊園地などにお出かけして楽しむケースも増えていくでしょう。

(3)子どもの受け渡し方法・場所

当日の待ち合わせをどこにするか、誰が送迎を担当するのかを取り決めます。「〇〇駅の改札前」など、ご両親双方にとって負担が少なく、かつ子どもにとってリラックスできる具体的な場所を指定しておくと、当日の流れがとてもスムーズになります。

(4)日程調整と日々の連絡手段

面会(交流)の日程を調整したり、緊急時の連絡が必要になったりしたときのやり取りの方法(LINE、メール、電話など)を決めておきます。

子どもがスマートフォンを持つ年齢になったとしても、父母同士のルールがないまま直接やり取りをしてしまうと、一緒に暮らしている親の不安や不信感の原因になることも考えられます。「子どもへ直接連絡をしていいか」についても、事前に話し合っておくと安心です。

(5)キャンセル時の「代替日」の設定

子どもが急に熱を出してしまったり、学校の行事が入ったりして、予定どおりに会えなくなってしまうことは日常茶飯事です。

そんなときに「今回は1回お休み」としてしまうのではなく、「翌週の同じ曜日に変更する」といった代わりの日を設定するルールを決めておくと、子どもと離れて暮らす親側の不安や不満も和らぎやすくなります。

トラブルを防ぐ!追加で決めるべき詳細ルールと禁止事項

基本となる5つのルールに加えて、これからご紹介するポイントについても事前に話合いをしておくと、「そんなこと聞いていない」といったあとからのすれ違いやトラブルを予防しやすくなります。

(1)お誕生日プレゼントやお小遣い

面会交流(親子交流)のたびに高価なプレゼントやお小遣いを渡してしまうと、普段一緒に暮らしている親の教育方針と合わず、思わぬトラブルの種になってしまうことが考えられます。

「プレゼントはお誕生日とクリスマスなどの特別な日だけ」「お小遣いは月に〇円まで」といったように、お互いが納得できる範囲でルールを設けておくと安心でしょう。

(2)運動会や授業参観など、学校行事へのご参加

運動会や入学式といった子どもの学校行事に、離れて暮らす親が参加されるかどうかを取り決めます。

もし参加される場合には、「事前に参加することを伝えておく」「当日は一緒に暮らす親や子どものペースを尊重し、無理に話しかけたりしない」といった、お互いへの思いやりをルールとして形にしておくことをおすすめします。

(3)おじいちゃん・おばあちゃんとの面会(交流)

「自分だけでなく、祖父母にも孫を会わせたい」と希望される方は多くいらっしゃいます。

2026年(令和8年)4月にスタートする新しい民法では、「お子さまのために特に必要がある」と判断された場合に、家庭裁判所が祖父母との交流について取決めができるようになります。とはいえ、基本となるのは父母同士の話合いです。何よりも子どもの負担にならない範囲で、無理のないルールを決めていくことが大切です。

(4)相手の悪口を子どもにいわない

面会交流(親子交流)において一番気をつけたいのが、「子どもの前で、もう一方の親の悪口やネガティブなことをいわない」ということです。

子どもにとって、お父さんもお母さんも、どちらもかけがえのない大切な存在です。大好きな親がもう一人の親の悪口をいうのを聞くのは、子どもの心に私たちが想像する以上の深い傷を残してしまい、場合によっては心理的な虐待と捉えられてしまう可能性もあります。

子どもの健やかな成長のためにも、お互いを一人の親として尊重し合う姿勢を、どうかお二人で共有していただきたいと思います。

面会交流(親子交流)のルールは、あとからの「言った・言わない」といったすれ違いを防ぐためにも、口約束だけで終わらせず、書面で残しておくことをおすすめします。

面会交流(親子交流)のルールが決まらない・守られない場合の対処法

当事者同士の話合いでは、どうしても過去の出来事から感情がぶつかり合ってしまい、なかなかスムーズにルールがまとまらないことも少なくありません。この場合には、調停や履行勧告など法的な手続をとることも検討してみてください。

(1)お二人での話合いが難しい場合は「面会交流(親子交流)調停」へ

話合いが平行線をたどってしまう場合には、家庭裁判所の「面会交流(親子交流)調停」という手続を利用する方法があります。中立の立場である「調停委員」がお二人の間に入ってくれるため、直接顔を合わせることなく、少し離れたところから冷静に話合いを進めやすくなります。

調停手続のなかでは、単なる話合いだけでなく、心理学や教育学の専門家である「家庭裁判所調査官」のサポートを受けることができます。

家庭裁判所調査官は子どもに負担をかけずに本当の気持ちをくみ取ってくれるほか、裁判所内の児童室でおもちゃを使って遊ぶ「試行的面会交流(お試し親子交流)」を実施し、離れて暮らす親と適切に接することができるかを安全に確認してくれます。

参考:面会交流調停|裁判所- Courts in Japan

(2)取り決めたルールが守られない場合の「履行勧告」と「間接強制」

せっかく調停でルールを決めても、残念ながらお相手がお約束を守ってくれないケースも考えられます。そのようなときは、裁判所からお相手に対して「きちんとお約束を守るように」と注意を促してもらう「履行勧告(りこうかんこく)」という手続を利用することができます。

それでも状況が変わらない場合には、裁判所からお相手に「約束を守らないならお金を支払うように」と命じることで、間接的にルールの遵守を促す「間接強制(かんせつきょうせい)」という手段をとることも一つの選択肢です。

参考:履行勧告手続等|裁判所

(3)直接会うのが難しい・ご不安な場合は「第三者機関」の利用も

「お相手と直接顔を合わせるのはまだつらい」「直接連絡を取り合うこと自体が精神的な負担になってしまう」とご不安を抱える方もいらっしゃると思います。

そういった場合には、面会交流(親子交流)をサポートしてくれる民間の「第三者機関(NPO法人など)」を頼るのも有効な解決策の一つです。当日の日程調整をはじめ、子どもの受け渡しの代行や、ご面会中の付き添いなどをサポートしてくれるため、親同士のストレスやご不安を大きく減らせる可能性があります。

面会交流(親子交流)のルールに関するよくあるご質問(FAQ)

最後に、面会交流(親子交流)のルールに関するよくあるご質問についてまとめています。ぜひ参考にしてください。

Q1:2026年4月の民法改正で、面会交流(親子交流)の何が変わったの?

2026年4月の民法改正により、法律上の名称が「面会交流」から「親子交流」に変更されました。さらに、これまで曖昧だった部分が見直され、「子どもの利益を最優先にする」ことが法律で明確にルール化されました。

【押さえておきたい主な変更点】

  • 「お試し面会(試行的面会交流)」の制度化:裁判所での手続中に、子どもの様子を見ながら試験的に面会交流(親子交流)を行うルールができました。
  • 「離婚前の別居中」の制度化:これまで規定がなかった別居中の面会交流(親子交流)も、子どもを最優先にして決めることがルール化されました。
  • 祖父母など「親以外の親族」との交流ルールの新設:条件付きで、祖父母などからも交流を申し立てられるようになりました。

これまでも「お試し面会(試行的面会交流)」や「離婚前の別居中の親子交流(面会交流)」などは行われていました。しかし、あくまでも実務上の運用に委ねられており、法律上に明確なルールはありませんでした。

Q2:子ども自身が「会いたくない」と拒絶している場合はどうすればいいの?

「離れて暮らすお父さん(お母さん)に会いたいと言ったら、今一緒にいるお母さん(お父さん)が悲しむかもしれない」と気を揉んでしまい、本心とは裏腹に「会いたくない」と言ってしまうことがあります。

親権や面会交流(親子交流)を決める際には、子どもの言葉が純粋な本心なのか、それとも一緒に暮らしている親への思いやりなのかを慎重に判断する必要があります。

Q3:養育費を支払ってくれないお相手との面会は拒否できる?

「養育費を支払ってもらっていないから」という理由だけで、面会交流をストップすることは原則として難しいとされています。

もしお相手が養育費を支払ってくれない場合は、面会を止めるという方法をとるのではなく、お給料の差押え(強制執行)といった別の手続を進めることで解決を図っていくことが、トラブルを防ぐ確実な道となります。

Q4:子どもの成長(進学や部活など)に合わせてルールの変更はできる?

もちろん変更を検討いただけます。子どもの心と体の成長、そして生活リズムの変化に合わせて、ご両親で柔軟にルールを見直していくことは、まさに子どもの健やかな成長にとって一番大切な姿勢です。

最初のお約束をする段階で、「子どもの成長に合わせて、将来ルールを話し合って見直しましょう」という項目(ルールの見直し条項)を入れておくと、あとから変更のご相談をする際にもスムーズに進みやすくなります。

【まとめ】

面会交流(親子交流)のルール作りにおいて一番大切なのは、何よりも「子どもの幸せ(利益)」を最優先に考えてあげることです。会う頻度や場所といった基本のルールを事前にしっかり話し合っておくことは、将来の予期せぬトラブルを防ぎ、子どもが安心して両親と関われる環境づくりにつながります。

もし、当事者同士での話合いが感情的になって難航してしまったり、せっかく決めた約束が守られなかったりする場合には、無理をせず、家庭裁判所の調停といった第三者を交えた解決手段も検討してみましょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

弁護士 林 頼信

アディーレ法律事務所

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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