お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。

夫婦喧嘩が離婚の引き金に?原因と対策、法的手続きまで解説

作成日:
a.aihara

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

夫婦喧嘩は多くのカップルが経験する日常的な出来事ですが、時として離婚につながる深刻な問題に発展することがあります。

「もしかして、私たちの関係はもう修復不可能なのでは?」

そんな不安を抱えている方も少なくないでしょう。

本記事では、夫婦喧嘩が離婚に至るプロセスと、その回避方法、さらに離婚を考える際の法的手続きについて詳しく解説します。夫婦関係の改善やコミュニケーションスキルの向上にも役立つ情報を提供しますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事を読んでわかること

  • 夫婦喧嘩が離婚問題に発展する主な原因
  • 夫婦喧嘩による離婚を回避するための効果的な方法
  • 夫婦喧嘩を理由に離婚する場合の法的手続き
  • 離婚問題を弁護士に相談するメリットと適切な相談のタイミング

ここを押さえればOK!

夫婦喧嘩は日常的な出来事ですが、時に離婚につながる深刻な問題に発展することがあります。離婚に至る主な原因として、感情的な言動による心の傷、金銭問題や価値観の違い、相手の家族や過去を否定する発言などが挙げられます。

離婚を回避するためには、相手の話を冷静に聞く姿勢、感情的になった際に一時的に距離を置くこと、問題の根本原因を特定し改善策を話し合うことが効果的です。

関係を修復できず、離婚を選択する場合、協議離婚、調停離婚、裁判離婚という3つの法的手続きがあります。協議離婚は当事者間の合意で成立し、調停離婚は家庭裁判所の調停委員を交えて話し合います。裁判離婚は最終手段で、離婚するには法定離婚事由の存在が必要です。

離婚を考える際は、希望する離婚条件の明確化、法定離婚事由の証拠収集、財産分与や慰謝料の計算など、適切な準備が重要です。また、弁護士に相談することで、精神的負担の軽減や有利な条件の獲得に役立つ可能性があります。
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

夫婦喧嘩が離婚問題に発展する主な原因

夫婦喧嘩が離婚問題へと発展する背景には、複数の要因が絡み合っています。

主な原因を理解することで、自分たちの関係性を客観的に見つめ直し、問題の早期解決や離婚の回避につながる可能性があります。

ここでは、特に重要な3つの要因について詳しく解説します。これらの原因を認識し、適切に対処することで、夫婦関係の改善や、万が一の場合の冷静な判断に役立てることができるでしょう。

(1)感情的な言動が相手を深く傷つける

怒りや苛立ちから発せられる感情的な言葉は、相手の心を深く傷つけ、関係修復を困難にする最大の要因です。例えば次のような発言です。

  • 「あなたなんか嫌い!」
  • 「結婚しなければよかった」
  • 「○○(相手の実家)に帰れ!」

このような言葉は、一度口にしてしまうと取り返しがつきません。言われた方は、一時的に許したとしても、受けた心の傷を長い間忘れることはないでしょう。

感情的になった際は、相手を意図的に傷つける発言をしてしまう前に、以下の対処法を心がけましょう。

  • 深呼吸をして冷静になる
  • その場を一時的に離れる
  • 感情ではなく事実に基づいて話す

感情的な言動を控え、互いを尊重するコミュニケーションを心がけることが、健全な夫婦関係の維持につながります。

(2)金銭問題や価値観の違いが溝を深める

家計の管理方法や支出の優先順位など、お金に関する考え方の違いは夫婦間の大きな争点となります。

また、子育てや将来の計画など、基本的な価値観の相違も深刻な対立を生みます。具体的な例としには、次のような考え方の違いがあります。

  • 貯蓄vs消費の優先度
  • 子どもの教育方針(公立vs私立、進学vs就職)
  • 親の介護に関する考え方
  • 住居の購入vs賃貸

これらの問題は日常生活に直結するため、解決しないまま放置すると、徐々に夫婦の溝を深めていきます。問題解決のためには以下のような対処法があります。

  • 定期的な家計の見直しと話し合い
  • 長期的な人生設計の共有
  • 必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談

価値観が違うことを前提に、お互いの考えを理解し、妥協点を見出す努力が必要です。

(3)相手の家族や過去を否定する発言が信頼関係を崩壊させる

「あなたの親のせいで…」「昔からあなたは…」といった、相手の家族や過去を否定する発言は、相手の人格そのものを否定することにつながります。例えば次のような発言です。

  • 「あなたの母親の育て方が悪いから、あなたはこうなんだ」
  • 「学生時代からろくでなしだったくせに」
  • 「あなたの父親は〇〇なところがおかしい」

これらの言葉は相手の自尊心を著しく傷つけ、信頼関係を崩壊させる要因となります。信頼関係を維持するためには、次のような対処法があります。

  • 相手のバックグラウンドや経験を尊重する
  • 過去ではなく現在と未来に焦点を当てる
  • 批判ではなく、建設的な対話を心がける

相手の人格を尊重し、お互いの成長を支え合う姿勢が、長期的な夫婦関係の維持には不可欠です。

夫婦喧嘩による離婚を回避するための効果的な方法

夫婦喧嘩が離婚に発展するのを防ぐためには、適切なコミュニケーション方法を身につけることが不可欠です。

ここで紹介する3つの方法は、夫婦関係を改善し、離婚を回避するための効果的なアプローチです。これらの方法を実践することが、互いの理解を深める助けとなるでしょう。

夫婦喧嘩がきっかけで離婚という選択肢を考える前に、関係修復できるかどうかトライしてからでも遅くありません。

(1)相手の話を最後まで冷静に聞く姿勢が重要

相手の話を遮らず、最後まで傾聴することは、相互理解の第一歩です。具体的には、日常生活では次のように実践します。

  • 相手の話を遮らず、最後まで聞く
  • 相手の言葉の裏にある感情や真意を理解しようと努める
  • 相手の立場に立って考える

例えば、 「家事をしてくれない」という不満の裏には、「自分の努力を認めてほしい」という思いがあるかもしれません。

【傾聴のコツ】

  • うなずきや相づちで、聞いていることを示す
  • 「つまり、あなたは〇〇と感じているのですね」と、相手の気持ちを言語化して確認する

この方法を実践することで、より建設的な対話が可能になり、問題解決の糸口を見つけやすくなります。

(2)感情的になったら一時的に距離を置く

議論が白熱し、感情的になってしまった場合は、一旦その場を離れることも有効です。

感情的な対立がエスカレートする前に距離を置くようにしましょう。

【具体的な対処法】

  • 「少し冷静になる時間が欲しいので、30分後に話し合いを再開しましょう」と提案する
  • 別の部屋で深呼吸やストレッチなどでリラックスする
  • 散歩や軽い運動で気分転換する

【注意点】

  • 問題を先送りにするのではなく、必ず話し合いの時間を設定すること
  • 冷静になるために別居するとしても長時間の別居は避け、できるだけ早く対話の機会を持つこと

冷静になるために離れた時間を利用して、自分の感情を整理し、相手の立場を考える余裕を持つことで、より冷静で建設的な話し合いが可能になるでしょう。

(3)問題の根本原因を特定し、改善策を話し合う

表面的な言い争いではなく、問題の根本原因を特定することが解決への近道です。

【問題解決のステップ】

  • 現状の問題点を具体的に列挙する
  • それぞれの問題の背景にある感情や欲求を探る
  • 双方が納得できる改善策を具体的に話し合う

例えば「家事分担」に不満がある場合を考えてみましょう。

この場合、不満を感じる原因は「家事の負担が不公平」「自分の努力が認められていない」などです。これらの原因を踏まえて、「今後は週末に一緒に掃除をする時間を設ける」「お互いの家事貢献を毎日言葉で認め合う」「家事の助けのために家計から電子調理器を買う」などの改善策を夫婦で話し合ってみるといいでしょう。

このアプローチを通じて、単なる対立から建設的な問題解決へと移行することができ、夫婦関係の改善につながります。また、万が一離婚を考える段階に至った場合でも、冷静な話し合いの基盤ができていることで、円満な解決の可能性が高まります

夫婦喧嘩を理由に離婚する場合の法的手続き

日本の離婚制度は、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つに大別されます。

それぞれの手続きには特徴があり、状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。

ここでは、各手続きの概要と注意点を解説します。どの方法を選択するにせよ、感情的にならず、冷静に対応することが重要です。

(1)協議離婚

協議離婚は、夫婦間の話し合いで離婚条件に合意し、離婚届を提出することで成立する最も一般的な離婚形態です。この場合、離婚の理由は問われませんので、夫婦喧嘩を理由とする離婚も可能です。

【協議離婚の特徴】

  • 裁判所を介さず、当事者間の合意のみで成立
  • 手続きが簡単で費用が低い
  • 離婚理由の証明は不要

【注意点】

  • 双方の合意が必須
  • 財産分与、慰謝料、親権などの取り決めは書面で残すことが望ましい
  • 養育費など将来的に支払いが続くような場合には、公正証書を作成することを検討する

【手順】

  • 離婚条件について話し合い、書面(公正証書)を作成
  • 離婚届に必要事項を記入し、双方が署名
  • 役所に提出(成立日は提出日)

協議離婚は、夫婦間で十分な話し合いができる場合に適していますが、合意形成が難しい場合は次の段階に進むことになります。

(2)調停離婚

協議離婚で合意に至らない場合、家庭裁判所に調停を申し立てて、離婚を目指すことになります。

【調停離婚の流れ】

  1. 家庭裁判所に調停の申立て
  2. 調停委員を交えた話し合い(複数回)
  3. 合意形成→調停調書の作成(離婚成立)
  4. 合意できず→調停不成立

調停では、離婚を希望する理由について、事実を述べるとともに可能であれば証拠を準備して提出します。

調停委員は中立的な立場から話し合いを仲介し、合意形成を促します。

調停で離婚について合意できれば、調停調書を作成して離婚が成立します。

調停で、相手側が出席せず話し合いに応じない場合、話し合っても離婚の合意ができない場合には、(審判に移行して裁判官が離婚を認めるケースもありますが)ほとんどの場合で調停不成立となり、離婚はできません。この場合、次の裁判離婚で離婚を目指すことになります。

(3)裁判離婚

調停でも解決しない場合、最終的な手段は裁判となります。裁判では、夫婦喧嘩をしたというだけでは離婚することはできません。裁判所に離婚を認めてもらうためには、次の法定離婚事由の存在が必要です。

【民法770条が定める離婚事由】

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の行方不明
  • 強度の精神病(※)
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

※強度の精神病については、法改正により2026年ころに削除される予定です。

【裁判離婚の流れ】

  1. 離婚訴訟の提起
  2. 被告(相手方)からの答弁書提出
  3. 口頭弁論(主張と証拠の提出)
  4. 和解の検討
  5. (和解できなければ)判決

裁判は長期化する可能性があり、相手から提出される書面や証拠を検討して反論する必要がありますので、精神的な負担が大きくなるでしょう。また、弁護士に依頼すると経済的な負担もかかります。和解できず判決となったとしても、離婚できるとは限らず、当事者の意思に反する結果になる可能性もあります。

そのため、可能な限り調停段階での解決が望ましいでしょう。

裁判をするにしても、事前に離婚が認められる可能性について弁護士に相談するようにしましょう。

どの段階においても、できるだけ感情的にならず、客観的な事実に基づいて対応することが重要です。また、早い段階で弁護士に相談・依頼することで、離婚に向けて何をすればよいのかはっきりとわかるようになるでしょう。

離婚を考える前に準備すべきこと

夫婦喧嘩が原因で離婚を考えるに至った場合、感情的な判断は避け、冷静に準備を進めることが重要です。適切な準備は、離婚後の生活の安定や、円滑な手続きの進行に大きく影響します。

ここでは、離婚を考える際に準備すべき主要な3つの事項について詳しく解説します。

これらの準備を整えることで、交渉や手続きの際に自分の立場を適切に主張し、公平な解決を図ることができるでしょう。

(1)希望する離婚条件を明確にする

離婚条件を明確にすることは、交渉や手続きを円滑に進める上で非常に重要です。主な離婚条件には以下の項目があります。

  • 財産分与:共有財産の分割方法
  • 慰謝料:不倫や暴力などを理由として離婚することで受ける精神的苦痛に対する賠償
  • 養育費:子どもの養育にかかる費用
  • 親権・面会交流:子どもの親権者と面会の取り決め

これらについて、自分の希望を明確にし、可能な限り具体的な数字や条件を設定しておきましょう。

(2)法定離婚事由の証拠を収集する

協議離婚や調停離婚で離婚の合意ができるときは、離婚理由は問われません。ただし、法定離婚事由の証明ができれば、離婚の交渉をやりやすくなるでしょう。

【有効な証拠の例】

  • 暴力や暴言の記録(日記、写真、録音など)
  • 医療機関の診断書(精神的・身体的被害の証明)
  • 第三者の証言(家族、友人、近隣住民など)
  • 浮気(浮気相手や浮気の内容など)

適切な証拠収集は、調停や裁判での自分の主張を裏付け、有利な条件での離婚成立につながる可能性があります。ただし、相手のプライバシーを侵害しないよう、法的・倫理的な配慮が必要です。

(3)財産分与や慰謝料の計算

財産分与や慰謝料の算定には一般的な基準がありますが、具体的にいくらになるかは、個々の事情により大きく異なります。

【財産分与の基本的な考え方】

  • 原則として婚姻中に協力して形成した財産を対象とする
  • 原則として平等に分割するが、各種要因で調整される

【慰謝料の算定要素】

  • 婚姻期間
  • 有責配偶者の有責行為の態様(不貞行為、暴力など)、期間、程度など
  • 慰謝料請求者の精神的苦痛の程度 など

これらの知識を持つことで、交渉時に適切な主張ができ、公平な解決につながります。ただし、疑問や不安がある場合には躊躇せずに弁護士に相談し、助言を受けたり、依頼して代わりに交渉してもらうことが望ましいでしょう。

【まとめ】夫婦喧嘩と離婚を乗り越えるために

夫婦喧嘩が離婚に発展する主な原因は、感情的な言動や価値観の違いです。

これらを回避するには、冷静な対話と相手の立場に立って考えることが重要です。まずは冷静に状況を分析し、お互いの理解を深める努力をしましょう。

夫婦関係が修復できず離婚を考える場合は、離婚の法的手続きを理解し、適切な準備を整えることが大切です。

離婚について弁護士に相談することは、精神的負担の軽減や有利な条件の獲得に役立つでしょう。

幸せな家庭生活の実現、あるいは円満な別れのために、一歩踏み出す勇気を持ちましょう。

アディーレ法律事務所では、離婚を希望する方からの離婚問題のご相談を承っております(※具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます)。

また、アディーレ法律事務所では、安心してご依頼いただけるよう、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたしますので、費用倒れになることは原則ありません(2025年1月時点)。

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所(フリーコール0120-554-212)にご相談下さい。

よく見られている記事

離婚、浮気・不倫の慰謝料に関するご相談はアディーレへ

朝9時〜夜10時
土日祝も受付中
まずは電話で相談 0120-554-212
Webでお問合せ
ご来所不要

お電話やオンラインでの法律相談を実施しています