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離婚協議書の作成費用の相場は?弁護士に依頼するメリットも解説

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リーガライフラボ

離婚協議が整い、いざ離婚協議書を作成する際に、

「具体的にどのようなことをどのような言葉で記載したら良いの?」
「作成するために必要な費用はいくらくらいかかるの?」

などと戸惑ってしまうこともあると思います。

離婚を焦るあまり、条件が曖昧なまま離婚届を提出してしまうと、離婚後に後悔したり、トラブルの原因となったりしてしまいます。

離婚協議書作成費用は、依頼する事務所により異なりますのであくまでも参考の金額ですが、次のような金額が設定される場合が多いようです。

  • 弁護士に依頼する場合は5万~10万円程度
  • 行政書士に依頼する場合は2万~6万円程度
この記事を読んでわかること
  • 離婚協議書で取り決めておいた方が良い項目
  • 離婚協議書作成にかかる費用
  • 離婚協議書作成を行政書士等ではなく弁護士に依頼するメリット
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

離婚協議書とは?必要な理由についても解説

離婚をする方法には、裁判所が手続きに関わる「調停離婚」、「審判離婚」、「裁判離婚」の他に、夫婦の合意によって成立する「協議離婚」があります
このうち、協議離婚で離婚をする夫婦は8割を超えています。

その理由は、協議離婚であれば、当事者間の話し合いのみで完結するため、後は離婚届を役所に提出すれば手続きが完了し、他の方法よりも簡単に手続きが終わるためです。
※離婚協議で配偶者と離婚原因や離婚条件を合意できない場合や、配偶者が交渉の席についてくれず交渉が進まないといった場合には、『離婚調停』→『離婚訴訟』と進むことになります。

『離婚届』には「夫婦が離婚をすること」「(未成年の子どもがいる場合)子どもの親権」以外の取り決めの内容について、記載の必要がありませんし、そもそも所定の離婚届用紙に記載する欄もありません(所定の離婚届用紙には、1.面会交流の取り決めの有無、2.養育費分担の取り決めの有無、3.2の取り決めの方法についてアンケート形式の記載がありますが、面会交流・養育費について取り決めをしていなくても離婚届は受理されます)。

しかし、さまざまな点について取り決めをしないままに離婚すると、あとから養育費や子どもの面会交流、財産分与などについてのトラブルの原因となるおそれがあります

そこで、離婚の際には慰謝料や養育費などについての取り決め内容をまとめた契約書を作成することをおすすめします。この作成する契約書のことを『離婚協議書』といいます。
離婚協議書について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

離婚協議書を作る時に知っておきたいポイントと公正証書にすべき理由を解説

離婚協議書で取り決めておいたほうが良い項目

では離婚協議書には何を記載する必要があるのでしょうか。
離婚後にトラブルにならないよう、離婚協議書で取り決めておいたほうが良い内容について解説します。

(1)慰謝料

離婚原因が配偶者の不倫等の場合は、慰謝料を請求することができます
慰謝料とは、相手の加害行為によって生じた精神的苦痛を金銭に換算したもので、不法行為(民法第709条)に基づく損害賠償として位置づけられています。

慰謝料の金額は、法律で定められているわけではありませんが、裁判上の相場があり、不倫が発覚しても離婚しない場合は数十万~100万円程度、不倫によって離婚に至った場合は約100万~300万円程度と言われています。もっとも、これらはあくまで裁判になった場合の相場であり、相場以上の金額で合意できることもあります。

慰謝料を決める際には、相場を踏まえつつ、被害者の精神的損害の大きさや、いかに早期解決を希望するのか等を考慮して合意することが多いようです。

なお、裁判上の慰謝料請求では、被害者側(不倫をされた側)に不倫があったことの立証責任があり、不倫があったことを証明する証拠が必要となります。慰謝料請求の注意事項について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

民法709条とは?損害賠償請求について具体的事例でくわしく解説
有責配偶者と離婚するには?慰謝料請求や注意点について解説

慰謝料の取り決めをする際には、有効な条項となるように、次のような事項について離婚協議書に記載しましょう。

  • 慰謝料の有無
  • 支払う側と受け取る側の特定(誰が支払い、誰が受け取るのか)
  • 慰謝料の金額、支払期限、支払方法
  • 振り込みの場合、振込手数料を誰が(どちらが)負担するのか

離婚協議書の作成時において、すでに慰謝料の一部の支払いがなされている場合には、当該支払いの位置づけを明確にするためにも、その金額および慰謝料の総額も記しておいた方が後々のトラブルを避ける観点からも良いでしょう。

(2)財産分与

「財産分与」とは、離婚にあたり、夫婦で築いた財産を清算、分配することです。
夫婦で築いた財産であれば、共有名義の財産だけでなく夫婦どちらか一方の名義の財産も対象に含まれます。

例えば、土地や建物などの不動産、自動車、家財道具のほか、飼っているペットや投資信託などの有価証券、各種会員権、夫婦の一方の退職金なども基本的には財産分与の対象となります。

実際にどのくらいの割合で財産を分けるかについては財産を築き上げた貢献度に応じて決まりますが、夫婦各々2分の1が原則です。これは専業主婦や専業主夫の場合でも同じです。その理由は、家事労働によってもう一方の労働を支え夫婦の資産形成に貢献したと考えられているためです。

もっとも、上記の割合はあくまで原則であり、個別の事情によって割合は変わりますので、夫婦の一方の寄与度が他方よりも高い場合には、寄与度の高い方が多額の財産分与を受けることもあります。
なお、お互いの合意があれば、自由な割合で分けることもできます。

財産分与について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

離婚時に知っておきたい財産分与とは?大切な財産を失わないための基本を解説

財産分与について取り決めをする際には、有効な条項となるよう、次のような事項についても記載しましょう。

  • 財産分与の有無
  • 分与する財産の特定
  • 支払う側と受け取る側の特定(誰が支払い、誰が受け取るのか)
  • 財産として支払う金額、支払期限、支払方法
  • 振り込みの場合、振込手数料を誰が(どちらが)負担するのか

(3)子どもに関わること

子どもがいる場合は、養育費の支払いなどで、離婚後も配偶者との関係が続くことも多いです。
子どもの将来のためにも、子どもに関わる離婚条件は特にしっかりと定めることをおすすめします。

1. 親権者

夫婦の間に未成年の子どもがいる場合には、離婚の届出時に父母のどちらか一方を親権者として指定します。
離婚の際に役所に提出する離婚届には子どもの親権者を記載する欄があり、夫婦に未成年の子どもがいる場合はこの欄が埋まっていなければ離婚届を受理してもらうことができません。

親権について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

親権とは?知っておきたい基礎知識と親権者を定める判断基準

2. 養育費

子どもがいる場合には養育費についての取り決めは重要です。

養育費とは「子どもの監護や教育のために必要な費用」のことで、監護権を持たない親(一般的に子どもと離れて暮らす親)が監護権を持つ親に支払うものです。親には、自分と同程度の生活水準で子どもを養育する「生活保持義務」があります(民法第877条第1項)。

離婚によって親権や監護権を失ったとしても、法律上の親子関係(養育義務)は継続するため(民法第766条第4項)、離婚により子どもと離れて暮らすことになったとしても、養育費を支払う義務があります。

養育費について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

3. 面会交流

離婚後も、親子関係が消えるわけではありません。
『面会交流』とは、離婚後子どもと離れて暮らす親(非監護親)が子どもに会ったり交流したりすることです。

面会交流の頻度や方法等については、父母が「子の利益を最も優先して」「協議で定める」ことになっています(民法第766条第1項)。

面会交流の条件について協議で合意できなければ、家庭裁判所が面会交流の条件を定めることになります。

面会交流について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

後悔しないために!面会交流のルール策定のポイント

離婚協議書は公正証書にしたほうが良い

協議離婚における取り決め内容を「離婚協議書」として書面に残す場合、その書面は公正証書にしておいたほうがよいでしょう。

さらに、公正証書に強制執行認諾文言が付されていれば、慰謝料や養育費の支払いが滞ったとき、裁判をしなくても強制執行の手続きを進めることができます

公正証書について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

公正証書とは?作成するメリットや種類・作る手順を弁護士が詳しく解説

離婚協議書の作成にかかる費用の相場はどれくらいか?

専門家に頼まず、自分で公正証書による離婚協議書を作成する場合でも、印鑑証明書や戸籍謄本の発行料金のほか、公証人手数料が必要となります。
離婚協議書の作成を弁護士や行政書士などの専門家に依頼して公正証書にする場合であれば、先述の実費のほか、離婚協議書作成費用として専門家に支払う報酬がかかることになります。

なお、離婚協議書を公正証書とするために弁護士や行政書士が本人に代わり公証役場へ行く場合や、離婚協議書への署名を行う際、専門家に同席を頼む場合には、別途日当が必要になることがあります
詳しくは、依頼する専門家にご確認ください。

(1)離婚協議書作成費用

離婚協議書作成費用は、弁護士に依頼するのか行政書士に依頼するのか、どの事務所に依頼するのかによっても異なります。
あくまでも参考の金額ですが、およそ次のような金額が設定されていることが多いようです。

  • 弁護士に依頼する場合は5万~10万円程度
  • 行政書士に依頼する場合は2万~6万円程度

(2)公証人手数料

公証人手数料は合意した慰謝料や養育費などの金額により変動します。
次の表をご参照ください。

番号法律行為の目的の価額金額
百万円以下のもの五千円
百万円を超え二百万円以下のもの七千円
二百万円を超え五百万円以下のもの一万千円
五百万円を超え千万円以下のもの一万七千円
千万円を超え三千万円以下のもの二万三千円
三千万円を超え五千万円以下のもの二万九千円
五千万円を超え一億円以下のもの四万三千円
一億円を超え三億円以下のもの四万三千円に超過額五千万円までごとに一万三千円を加算した額
三億円を超え十億円以下のもの九万五千円に超過額五千万円までごとに一万千円を加算した額
十億円を超えるもの二十四万九千円に超過額五千万円までごとに八千円を加算した額

参照:公証人手数料令第9条別表|e-GOV法令検索

(3)離婚協議書作成にかかる費用の計算例

  • 弁護士など専門家の書類作成費用

依頼する事務所により異なります。
さきほどと同じ参考額ですと、次のとおりです。

弁護士に依頼する場合は5万~10万円程度
行政書士に依頼する場合は2万~6万円程度

  • 公証人手数料

公証人手数料は離婚協議書にて約定した支払い金額の合計から算出するのではなく、養育費や慰謝料などそれぞれ別個の手数料を算出したものを合計した金額として計算されます。

(例)

  1. 養育費:子ども6歳、20歳まで月6万円の養育費を支払う場合
    6万円×12ヶ月×10年=720万円
    公証人手数料1万7000円
    養育費は定期給付にあたるため、支払期間が10年以上の長期にわたる場合でも、10年分の金額のみが目的価額となります。
  2. 慰謝料:300万円の場合
    公証人手数料1万1000円
  3. 財産分与:200万円の場合
    公証人手数料7000円

公証人手数料合計=3万5000円

離婚協議書の作成を弁護士に依頼するメリット

離婚協議書の作成は、弁護士や司法書士、行政書士に依頼することができます。

(1)弁護士と司法書士・行政書士の違い

弁護士と司法書士、行政書士では可能な業務の範囲が法律で定められています。簡単に資格についての違いを説明すると、次のとおりです。

弁護士基本的に法律業務全般を行うことができる資格
司法書士主に登記・供託を扱う資格
行政書士主に役所に提出する書類の作成を行う資格

(2)弁護士に依頼するメリット

弁護士・司法書士・行政書士、どこに相談にいけば良いのか分からないというお悩みもよく耳にします。

1. 費用

費用について、司法書士・行政書士が「弁護士に比べて費用がかからない」と宣伝することもあるようですが、これは依頼する事務所により異なるので、価格が高めに設定されている司法書士・行政書士もあります。
弁護士だから高いとか行政書士であれば安いといった判断をせず、費用の相場を参考に、価格について問い合わせた上で判断した方が良いでしょう。

2. 業務範囲

次に、扱える業務の範囲です。弁護士の場合は基本的に法律業務全般を扱うことができます。
はじめは協議離婚をしようと思っていても、条件面などで折り合いがつかないと調停や裁判になることがあります。
司法書士や行政書士の場合は取扱い業務が限られており、離婚協議書等の書類の作成は可能ですが、離婚の条件や内容について相手方と交渉したりすることはできません。

他方で弁護士の場合は、交渉を含め法律業務全般を扱うことができるため、離婚協議書の作成の時点で調停や訴訟の代理人業務ができる弁護士に依頼しておくと、調停や裁判になった際にも、そのままその弁護士に代理人になってもらうことができるというメリットがあります。

また、離婚に伴う養育費の請求や財産分与の請求などは本来、家庭裁判所で取り扱うべき問題です。司法書士は、家庭裁判所で提出する書面を作成することはできますが、家庭裁判所における手続を代理したり、相手方との交渉をしたりすることはできません行政書士も、書類の代筆を行うだけですので、相手方と交渉したり、離婚についての法律問題に関する相談を受けたりすることは職務の範囲外となります。

そのため、司法書士や行政書士に依頼する場合、養育費や財産分与等について、ご自身で相手方との交渉を行い、相手方からの合意を取り付けた上で、離婚協議書『案』を作成し、司法書士や行政書士に離婚協議書の作成を依頼する必要があります。

ある程度法的知識がある方であれば、司法書士・行政書士への依頼でも離婚協議書は作成可能です。しかし、そうでない場合には負担が大きいことから、弁護士に依頼することがおすすめです。

【まとめ】弁護士には、離婚協議書の作成だけでなくトラブルに関する交渉なども依頼できる

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 離婚したあとのトラブルを防ぐため、離婚の際には、離婚に関する取り決めを『離婚協議書』として作成しておく
  • 特に金銭の支払いの合意がある場合には、離婚協議書は、公正証書にしておいた方がよい
  • 離婚協議書の作成を専門家に依頼する場合の費用は、
    1.弁護士に依頼する場合は5万~10万円程度
    2.行政書士に依頼する場合は2万~6万円程度
  • 離婚協議書の作成だけでなく、後に調停や訴訟になった際にも対応してもらえるよう、弁護士に相談するのがおすすめ

今回の記事では、離婚協議書についてご説明しました。
アディーレ法律事務所では、離婚問題のご相談を承っております(※)。
(※なお、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。)

また、アディーレ法律事務所では、安心してご依頼いただけるよう、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたしますので、費用倒れになることは原則ありません(2023年10月現在)。

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所(フリーコール:0120-783-184)にご相談下さい。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年3月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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