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後悔しないために!しっかり定めておきたい離婚条件の3つのポイント

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耐えられない婚姻生活に終止符を打ち残りの人生を充実させたいと願うことは、とても前向きで素晴らしいことです。
とはいえ、離婚を焦るあまり大切なポイントを見過ごしてしまうと離婚によって後悔することにもなりかねません。

離婚は目的ではなく、新たな人生への第一歩ですから「離婚さえすればよい」わけではないのです。
夫婦双方の合意によって離婚する場合には、離婚の際の『条件』を決める必要が出てきます。
ここでは、離婚で後悔しないために押さえておきたい離婚条件のポイントを解説します。

基本的に夫婦双方の同意なしには離婚は成立しない

離婚をする方法としては、調停離婚、審判離婚、裁判離婚がある他、夫婦の合意によって成立する「協議離婚」が認められています。

離婚協議で配偶者と離婚原因や離婚条件を合意できない場合や、配偶者が交渉の席についてくれず交渉が進まないといった場合は、『離婚調停』→『離婚審判』→『離婚訴訟』と進むことになります。

ですが、実際には離婚をするのに協議離婚を選ぶ夫婦が8割を超えています。
これは、協議離婚は、夫婦間に未成年の子どもがいる場合には親権者を指定すれば、あとは協議離婚届を役所に提出するだけなので、他の方法よりも簡単に手続きが終わるためです。

参考:平成21年度「離婚に関する統計」の概況婚に関する統計|厚生労働省

あなたが離婚をする際に、どのような形で離婚をすることになるのかについて、あらかじめ見通しを立てておくと良いでしょう。
離婚の種類と手続きについては以下のサイトをご参照ください。

(1)離婚原因が「法定離婚事由」に該当する場合は、配偶者の同意なしに離婚できる

相手が同意しなければ『協議離婚』や『調停離婚』はできません。
しかし、協議離婚や調停離婚が成立しない場合でも、下記5項目のいずれかに該当していることが裁判所に認められれば、配偶者が拒んでいても裁判上で離婚できます(民法第770条1項各号)。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

これらの場合には、相手が離婚を拒否していても離婚が認められることになります。
ただ、項目によって争いが起きるものもあります。
下記記事が詳しいので、参考にしてみてください。

(2)あいまいな離婚条件、納得できない離婚条件にサインするリスク

「とにかく早く離婚したい」
「裁判で争うのはイヤ」
そんな気持ちから離婚条件の取り決めを曖昧にしてしまったり、配偶者に対して負い目があるからと納得いかない合意を受け容れてしまった場合、後悔することになりかねません。

またそのような納得できない条件で離婚協議書を作成してしまうと、離婚後に覆すことは難しく、後々トラブルの元となるケースも多いのです。

離婚条件については口約束では合意の記録が残らず、約束を反故される等のトラブルになりやすいため、法的な書面の形(離婚協議書)で合意内容をまとめておく方が良いでしょう。
離婚協議書は離婚時の契約として取り扱われることになります。

離婚協議書を作成することにより、離婚した後にも離婚のときの約束を互いに確認できます。
また離婚協議書には、財産分与について記載するほか、子どもがいる場合は養育費や面会交流等についても記載しておくと良いですね。

しっかり定めておきたい離婚条件(1)子どもに関すること

離婚条件のポイントその1は『子どもに関すること』です。

子どもがいる場合は、離婚後も配偶者との関係は子どもが成人するまで、場合によっては子どもが大学を卒業するまで続くことになります。
子どもの将来のために、この離婚条件はしっかり定める必要があります。

(1)親権・監護権

夫婦の間に未成年の子どもがいる場合には、離婚の届出時に父母のどちらか一方を親権者として指定します。

離婚の際に役所に提出する離婚届には子供の親権者を記載する欄があり、夫婦に子供がいる場合はこの欄が埋まっていなければ届を受理してもらうことができません。

『親権』とは、未成年者の子どもを監護・養育し、その財産を管理し、その子どもの代理人として法律行為をする権利や義務のことです。
つまり『親権』には『財産管理権』と『身上監護権』が含まれています。
『親権』のうち『身上監護権』のみを取り出して、親が子どもを監護し教育する権利義務を「監護権」と呼んでいます。
監護権は親権の一部ですから、原則として親権者が監護権を行使します。

離婚後どちらが親権・監護権を持つかは、基本的に父母の合意で決めるのですが、協議や調停で合意できない場合は離婚訴訟で判断されることになります。

裁判所が夫婦どちらに親権を認めるべきかを判断する基準について詳しくはこちらの記事もご確認ください。

親権とは?知っておきたい基礎知識からトラブルの対処法

もしあなたが親権が欲しいと考えていて、配偶者の同意が得られるか不安がある場合には、弁護士に交渉の仕方などを相談すると良いでしょう。

(2)養育費

子どもがいる場合には養育費についての取り決めは重要です。

養育費とは「子どもの監護や教育のために必要な費用」のことで、監護権を持たない親(一般的に子どもと離れて暮らす親)が監護権を持つ親に支払うものです。

親には、自分と同程度の生活水準で未成年の子どもを養育する「生活保持義務」があります(民法第877条第1項)。
ですから離婚によって親権や監護権を失ったとしても、法律上の親子関係(養育義務)は継続するため(民法第766条第4項)、離婚により子どもの監護権を持たなくなる親であっても、養育費を支払う義務があります。

協議離婚の場合は父母の合意によって養育費の金額等を自由に設定できます。
協議離婚が成立せず、調停や裁判に発展した際は「養育費算定表」に基づいて(個別の事情も考慮して)養育費が算出されることになります。

交渉段階であっても「養育費算定表」を元に夫婦間で協議し交渉すると、養育費を支払う側にとっても養育費に納得を得やすいため、合意が成立しやすくなります。

参考:養育費・婚姻費用算定表|裁判所- Courts in Japan

その他養育についての相場や、陥りがちなトラブルについて詳しくはこちらの記事もご確認ください。

養育費の基準は?気になる相場や考えられるトラブルを解説

(3)面会交流

離婚後も、実親子の関係が消えるわけではありません。

『面会交流』とは、監護権を持たない親が子どもに会ったり交流したりすることです。

面会交流の頻度や方法等については、父母が「子の利益を最も優先して」「協議で定める」ことになっています(民法第766条第1項)。

面会交流の条件について協議で合意できなければ、家庭裁判所が面会交流の条件を定めることになります。
これは、監護権を持つ親がもう一方の親に面会交流を認めたくないケースで頻繁に起こることです。

ですが、定期的、継続的な面会交流は、養育費を支払う側が子どもの成長を肌で感じる機会となりますし、親としての自覚を強めることにもなります。
親としての自覚により、進んで養育費を払うことへも繋がります。

特に子どもが望むのであれば、監護権を持たない親との面会交流についてもしっかりと取り決めをしておき、子どもが寂しい思いをしないようにしておきたいところですね。

しっかり定めておきたい離婚条件(2)財産や家計に関すること

離婚条件のポイントその2は『財産や家計に関すること』です。

婚姻期間中に築いた財産や生じた支出の清算にあいまいさや不公平さがあると、後々トラブルになったり後悔したりする可能性が高くなります。
後悔のないよう、離婚の機会にしっかりとケリをつけておきましょう。

(1)財産分与

「財産分与」とは、離婚にあたり、夫婦で築いた財産を精算、分配することです。

共有名義の財産だけでなく、夫婦どちらか一方の名義の財産も対象に含まれます。

また、財産というと、お金をイメージするものですが、お金以外の財産も対象となります。
例えば、土地や建物などの不動産、自動車、家財道具のほか、飼っているペットや投資信託などの有価証券、各種会員権、夫婦の一方の退職金なども財産分与の対象となります。

実際にどのくらいの割合で財産を分けるかについては財産を築き上げた貢献度に応じて決まりますが、一般的には夫婦各々2分の1が原則であり、裁判例も同様となっています。

これは専業主婦や専業主夫の場合でも同じです。
家事労働によってもう一方の労働を支え夫婦の資産形成に貢献したと考えられているためです。

とはいえ、個別の事情によって割合は変わりますので、必ずしも2分の1づつ分けるということではありません。

例えば、夫婦の一方の寄与度(財産の形成・維持への貢献度)が他方よりも高い場合には、寄与度の高い側を6、寄与度の低い方を4として、6:4で財産を分るべきとした裁判例もあります(東京家庭裁判所審判平成6年5月31日47家庭裁判月報巻5号52頁)。

なお、お互いの合意があれば、裁判例に関係無く自由に分けることもできます。

財産分与について詳しくはこちらの記事もご確認ください。

離婚時に知っておきたい財産分与とは?大切な財産を失わないための基本を解説

(2)年金分割

年金は老後の生活を支える大事な事項です。
「年金分割」制度を利用する上で、取り決めが必要な場合もあるので注意が必要です。

「年金分割」制度とは「結婚している期間に支払った保険料は夫婦が共同で納めたものとみなして、将来の年金額を計算する」というものです。

年金分割制度には「合意分割」と「3号分割」の2種類があり、方法が異なります。

  • 「合意分割」

合意分割は、結婚していた期間に応じて、その期間の厚生年金の標準報酬を最大2分の1まで分割できる制度です。
2007年4月1日以降に離婚した夫婦に適用される制度ですので、それ以前の離婚である場合にはこの制度は適用外になります。

合意分割の対象となる場合、分割の割合は夫婦の話し合いで決めることになります。

決まらない場合は、家庭裁判所の調停や審判で決めることになります。
実務上、原則として、2分の1の分割割合となっています。

分割割合が決まれば、年金事務所に年金分割の請求をする必要があります。

  • 「3号分割」

夫が年金第2号被保険者である場合、その妻は勤務先の事業所を通じて手続きを行うことで妻は第3号被保険者となることができます。
そして「3号分割制度」とは、3号被保険者であった妻や夫から請求することで、2008年4月1日以後の婚姻期間中の相手方の保険料納付記録を2分の1ずつ分割できる制度です。

こちらは、離婚した元配偶者との合意などは必要なく、第3号被保険者が単独で請求できるものです。
なおこの制度は、離婚をすると自動的に年金が分割されるというものではありません。
国民年金の第3号被保険者であった人からの請求によって利用できます。

(3)婚姻費用

同居、別居にかかわらず、婚姻期間中の生活費等は婚姻費用として夫婦の収入に応じて分担しなければなりません(民法第752条、同第760条)。

ですが、婚姻中の婚姻費用の分担が公平でなかったり、婚姻費用の未払いがあった場合に、それをみすみす諦めてしまうのでは後悔が残ります。

そこで、その清算を離婚条件に組み込むというのもひとつの手です。
婚姻費用は、そもそも婚姻中に請求可能なものですから、離婚の調停成立前に仮払いの中間合意を行ない、早期の支払いを求めることも可能です。

婚姻費用については、いつからいつまでの婚姻費用が請求できるかという点について明確に規定がないものの、実務的には「請求した日から」と考えることが多いようです。
そのため、婚姻費用を請求しなければ請求権事態が発生しないため注意が必要です。

(4)債務の清算

財産分与の対象となるプラスの財産がない場合であっても、婚姻期間中に各種ローンなど生活費の工面でした借金が残っている場合があります。
これについて取り決めをしないまま、名義上の債務者だけがローンの支払いを続けなければならないとすると、後になって不満が残ります。
不満を残さないために、離婚後における返済方法を夫婦の間で取り決めておく必要があります。

ローンなどは離婚時に一括して清算できれば望ましいとは言えますが、資金の関係で不可能なことも多いでしょう。
その場合には、離婚の成立後に分割払いの方法で各負担分を清算するなどの取り決めをしておきましょう。

(5)住宅の使用契約

夫婦で一軒の住宅を使用していた場合、住宅を財産分与した際に住宅を取得しなかった側が、離婚後も一定期間その住宅に住み続けるケースもあります。

これは、離婚したとはいえ、仕事の都合や別の住宅を確保することができない間だけ使用するといった便宜上の理由によることが多いようです。

しかしここで住宅の使用条件などが曖昧のままですと、所有者側が相手に住宅を不法に占有されたり、使用者側が突然に住宅から退去を求められたりといったトラブルに繋がることもあります。

住宅の使用条件、例えば使用期間や賃料の有無といった事項について話し合い、離婚条件に組み込むと良いでしょう。

しっかり定めておきたい離婚条件(3)慰謝料に関すること

離婚条件のポイントその3は『慰謝料に関すること』です。
配偶者に精神的に傷つけられたまま、なんの償いもされず離婚をすることは、心に深い傷を残してしまいます。
離婚の機会に、離婚条件として取り決めをし、新しい人生のステップとしてください。

離婚原因が配偶者の不倫等の場合は、慰謝料を求めることができます。
慰謝料とは、相手の加害行為によって生じた精神的苦痛を金銭に換算したもので、不法行為(民法第709条)に基づく損害賠償として位置づけられています。

慰謝料金額は法律で定めがあるわけではなく、計算して決めるものではありませんが、裁判上の相場があり、夫婦関係が続く場合は数十万〜100万円、不倫によって離婚に至った場合は100万〜300万円と言われています。

不倫の交際期間、不貞行為の回数、不倫が原因で離婚に至ったか、婚姻期間、子どもの有無などの個別事情によって変わってきます。
婚姻期間、不倫の期間が長くなるほど、慰謝料の金額は増額の傾向にあります。

協議で慰謝料を決める際には、相場を踏まえつつ、被害者の精神的損害の大きさやいかに早期解決するか等を考慮して算出することが多いようです。

なお、裁判上の慰謝料請求では被害者側に立証責任があり、不倫があったことを証明する証拠が必要となります。

その他、慰謝料請求の注意事項について詳しくはこちらの記事もご確認ください。

民法709条とは?具体的な事例で損害賠償請求についてくわしく解説
有責配偶者と離婚するには?慰謝料請求や注意点について解説

協議離婚の場合は、離婚協議書を公正証書にしよう

離婚協議書を作成した場合、これ自体も契約書としての法的な効力があります。
ですが、さらに強制執行認諾付きの公正証書を作成しておくと、金銭の取り決めについてよりトラブル回避できる可能性が高くなるためおすすめです。

(1)公正証書とは

公正証書は、法務省に属する機関である公証役場で公証人により作成される公文書のことで、作成された公正証書は公証役場で保管されます。
公正証書には、強制執行認諾文言を明記することもできます。

強制執行認諾文言は、通常、「債務者が本契約の債務を約束通りに履行しなかったときは、直ちに強制執行を服することを承諾する」などという内容で、通常は公正証書の最後の条項に記載されます。
このような強制執行認諾文言付きの公正証書には、裁判の勝訴判決と同等の効力が認められます。
そのため、約束通り支払われなかった場合には、裁判をして判決を得なくとも、強制執行認諾文言付きの公正証書を根拠として、相手の財産を指し押さえるなどの強制執行をすることが可能となります。

(2)離婚協議書を公正証書にした方がいい理由

公正証書は、公文書として証明力・証拠力を備えた証書となるため、裁判になったときには証拠として用いることができます。

また、先ほどご説明したとおり公正証書に強制執行認諾文言を明記しておくと、裁判をして判決を得なくとも、約束に反して支払いに応じてもらえないときに、相手の財産(給与や預貯金等)の差押さえを裁判所に申立てることができます。

他にも、内容が無効になりづらい、破棄や紛失を防げるといったメリットがあります。

残念ながら日本では養育費の未払いを罰する仕組みがなく、離婚後しばらくして養育費の支払いが滞るケースも多いため、ある程度の自衛は必要と言えるでしょう。

【まとめ】きちんと離婚条件を合意しておくことがトラブル回避の鍵

早く離婚を成立させ新しい人生の一歩を踏み出したい気持ちがあることと思います。
ですが、納得のいく離婚条件を配偶者と合意しておくことは、トラブルを避けるためにも重要です。
安易な妥協をしたり、決めるべき事項を曖昧にしたまま離婚に踏み出すことはリスクが高いと言えます。
離婚の際に決めておくべき離婚条件のチェックポイントに注意し、離婚協議書を作成しましょう。
また、離婚協議書は公正証書にしておくことも大切です。

ただ、離婚条件は相手との合意により決めるものですから、交渉がうまくいかないこともあることと思います。
離婚条件の交渉に不安のある方は弁護士に相談することをご検討ください。

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