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同性婚が日本で認められる見込みは?パートナーシップ制度についても解説

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同性カップルは、現在、日本で法律上結婚することはできません。
世界では同性カップルの法律婚又はパートナーシップ制度を認める国は増えてきていますが、将来、日本で同性婚が認められることはあるのでしょうか。
この記事では、同性婚の日本や世界の現状や、日本の同性婚実現に向けた動き、同性カップルが相互に財産を残す方法などについて解説します。

同性婚の現状

日本では、タレントの活躍や個人の情報発信、ニュースなどにより、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を合わせた造語で性的マイノリティの総称として利用されている言葉。最後にLGBTに当てはまらないクエスチョニング又はクィア指す「Q」をつけることもある。)についての認知度が上がりつつあります。
企業においても、LGBTの存在を前提としたルール作りや手当を認めるなどの動きが広まってきています。
しかしながら、日本は他の先進国と比べると、国として同性婚などの制度作りの取り組みは遅れているのが実情です。

アメリカの連邦最高裁判所は、2015年に、婚姻の権利を憲法上の基本的人権の一つと解釈し、同性間にも婚姻を認めないことは法の下の平等に反するとの判断を下しました(アメリカ連邦最高裁判所判決2015年6月26日)。
これにより、アメリカすべての州において同性婚が合法となりました。

日本でも、性別を問わず結婚ができる社会を目指して、「国会が同性婚を認める法律をいつまでも作らないことは違法である」として、国家賠償を求める訴訟が提起されています。

参考:結婚の自由をすべての人に|一般社団法人Marriage for All Japan

(1)同性婚に関する日本の状況

企業等のインターネット調査によると、日本ではLGBTに該当する人が約8%程度存在するといわれていますが、公的な統計は存在しないため正確な人口規模は不明です。

参考:LGBTの現状と課題 ― 性的指向又は性自認に関する差別とその解消への動き ― 5項|参議院

LGBTの社会的な認知度が上がり、また社会に心と体の性別の不一致に苦しむ人がいることが知られるようになり、2004年7月に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が施行されました。
この法律により、性同一性障害の診断を受けた人が、一定の要件を満たせば、家庭裁判所への性の変更申請を請求できるようになりました。
また、2015年の第4次男女共同参画基本計画において、初めて性的指向や性同一性障害を理由として困難な状況に置かれている場合への対応が盛り込まれました。
性的マイノリティの人権を保障する取り組みは、広がりつつあります

しかしながら、性の変更申請には「生殖機能が無いこと」が要件とされているなど、身体への負担が重いことから、要件を変更ないし修正すべきだという意見があります。
また、現在の男女共同参画基本計画は、「男」「女」の性別二元論が基盤となっていることから、よりLGBTに配慮した計画を策定すべきという意見もあります。
さらに、同性婚については、日本の現行法では認められていません。
これは、憲法24条1項が「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により維持されなければならない」と定めていることから、同性婚を認めるためには憲法改正が必要だという考えがあるためです。
政府も、「憲法24条は同性婚を想定していない」として、同性婚を認めない姿勢を明らかにしています。
日本国憲法が施行されて70年以上が経過していますが、この間、改正手続きの厳格さなどから憲法の条文が改正されたことはありませんので、憲法改正が必要だとすると、同性婚の実現は厳しいものとなることが予想されます。

一方で、「憲法24条は同性婚を禁止していない」という解釈から、民法改正により同性婚が可能になると考えて、2019年に同性婚を認める法案を国会に提出するなど、同性婚を認めるために精力的に活動する国会議員もいます。
日本弁護士連合会も、2019年、『同性の当事者による婚姻に関する意見書』を取りまとめ、法務大臣、内閣総理大臣等に宛てて提出しています。この意見書では、同性婚を認めないことは、婚姻の自由を侵害し、法の下の平等に反するとして、同性婚を認める法令の改正を速やかに行うべきとしています。

参考:日本国憲法下での同性婚に関する質問主意書|参議院
参考:同性婚を認める法案が、日本で初めて提出される。「今までなかったのがおかしい」(詳報)|HUFFPOST
参考:同性の当事者による婚姻に関する意見書|日本弁護士連合会

(2)同性婚に関する海外の状況

世界で初めて法律上の同性婚を認めた国は、オランダで2001年のことです。
その後、世界各地の国が、同性婚や同性パートナーシップ制度を導入するようになりました。
G7(主要先進国首脳会議)メンバーである日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、
イタリア、カナダのうち、同性婚ないし同性パートナーシップ制度が認められていないのは日本のみです。
2019年5月には、アジアで初めての地域として、台湾で同性婚を認める特別法が制定・施行されました。

(3)日本の同性婚実現に向けた取り組み

同性婚を認めないことは人権侵害・憲法違反であるなどとして、同性カップルが国を訴える訴訟が各地で提起されています。
例えば、2019年2月14日には、全国の13組の同性カップルが、東京、札幌、名古屋、大阪の地方裁判所において、国倍訴訟を提起し、大きく報道されてきました(「結婚の自由をすべての人に訴訟」)。
国による同性婚に向けての具体的な法整備は進んでおらず、政府は同性婚に対して慎重な立場を崩していません。
しかしながら、各地方自治体や企業の取り組みで、同性パートナーを認める動きが広まっています。
同性パートナーがいる社員に対し、配偶者がいる社員と同様の手当てを支給する会社も増えつつあります。
同性婚の実現を目指す一般社団法人などの任意団体が、国民に向けてLGBTに関する情報提供や啓発活動などを行っており、社会はよりLGBTの存在や同性婚を身近に感じ始めているといえるでしょう。
NHKが2017年に行った世論調査によれば、回答を得た者のうち、同性婚を認めるべきと思う者が50.9%、そう思わない者が40.7%となっています。
同性婚やLGBTの問題について、多くの人が関心を持ち、制度改正の必要性について考え始めています。国民のなかで議論が進めば、国会でも取り上げられて法整備に向けた動きが進む可能性があります。

参考:「日本人と憲法2017」調査 単純集計結果 第24問B|NHK放送文化研究所

(4)なぜ同性婚を認めることを求めるのか

同性カップルが、同性婚を認めることを求める理由は様々ですが、主に次のような理由が挙げられます。

  1. 同性カップルのみが結婚できず、法的に夫婦と承認されないのは不公平で法の下の平等(憲法)に反する。
  2. 同性カップルにも、異性カップルの法律婚と同じ権利・地位が認められるべき(配偶者控除などの税法上の優遇、相続人となる権利、遺族年金の受給など)。
  3. いざというときに家族として認めてもらえない事態を避けたい(パートナーが病気やけがで意思表示できない場合に、代理人として手術や必要な処置について契約できないことがある)。

同性婚の代わりとなる制度

現状日本では同性婚が認められていません。
しかしながら、同性婚の代わりとして利用されている制度として、パートナーシップ制度、養子縁組がありますので、紹介します。

(1)パートナーシップ制度

パートナーシップ制度とは、各自治体が独自に定める同性カップルのパートナーシップを公的に認める制度のことをいいます。
東京都世田谷区が2015年に日本で初めてパートナーシップ制度に関する条例を定め、その後三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市、北海道札幌市などで同様の制度が作られています。この制度導入から、5年経過した2020年11月5日現在、全国で60以上の自治体に広がりを見せています。

このパートナーシップ制度は、民法上の婚姻制度を修正する効力はありませんので、法律上の同性婚を認めるものではありません。
しかし、地方自治体が性的マイノリティの存在を真正面から認め、関心を示して新たな制度を作り出したという点で重大な意義があります。

(2)養子縁組

法律上の家族となる方法としては、結婚の他に、養子縁組という制度があります。
同性カップルは、法律上家族となるために、パートナーと養子縁組することがあります。
これは、養子縁組により法律上の親子となることで、相互に相続権を得ることができたり、家族として各種公的サービスを利用できたりするなどというメリットがあるためです。
具体的には、パートナーの被扶養者となることができ、所得税控除を受けることができますし、扶養者であるパートナーが死亡した際には、遺族年金の給付を受けることができます。

養子縁組により、年長者が養親となり、年少者が養子となります。
養子は養親と同じ戸籍になり、養親と同じ姓を名乗ることになります。

同性カップルが抱える不利益

同性カップルが、同性婚が認められないことにより受ける不利益について紹介します。

(1)どちらかが亡くなったとき相続人になれない

同性カップルは、夫婦同様に生活していたとしても、どちらかが亡くなった時お互いに相続人にはならず、相続権はありません。
パートナーが所有していた不動産に居住していた場合、パートナーが死亡してもその不動産を相続することはできませんので、家から退去しなければならず経済的に困窮するおそれがあります。
相続人になるためには、養子縁組をして法律上の親子関係を作る必要があります。

(2)税金の控除や優遇が受けられない

同性カップルは、所得税の配偶者控除を受けたり、医療費控除を受けたりすることができません。
どちらかが専業主婦(主夫)であっても、パートナーの扶養に入ることはできず、社会保険料や年金は自分で負担しなければなりません。
また、遺言書で財産をパートナーに遺贈した場合、税法上、相続税の非課税枠としては扱われず、贈与税がかかりますので、遺贈の対象となる財産が高額だと、受け取る側に高額の贈与税がかかるおそれがあります。

(3)表面的に家族として扱われない

夫婦同様に生活していても、対外的に家族として扱われないため、緊急時に医療行為の同意や、説明を聞くことができないなどのケースがあります。

当事者からの質問と回答

同性婚を望む当事者から多くある質問と、回答を紹介します。

(1)子どもを持つにはどうしたらいいのか

同性カップルが子どもを持つには以下の方法があります。

  1. 女性カップルの場合、男性から精子提供を受けて妊娠・出産し、パートナーと育てる方法
    この場合、出産した女性は当然その子の法律上の母親となりますが、パートナーの女性と子どもには法律上の親子関係は生じません。
  2. 男性カップル、女性カップルともに、養子縁組や里親制度により二人で子どもを育てる方法
    普通養子縁組は、配偶者がいなくても、満20歳に達していれば一人で養子縁組をすることが可能です(民法792条)。特別養子縁組は、配偶者がいることが条件となっていますので、同性カップルはすることができません(民法817条の3第1項)。
    そこで、カップルの一方が子と普通養子縁組をして、法律上の親子関係を生じさせます。この場合、他方のパートナーと子どもとの間には、法律上の親子関係は生じません。

(2)パートナーの遺産を受け取るにはどうしたらいいのか

自分の財産をパートナーに残すためには、次のような方法があります。
ただし、遺贈や生前贈与は、財産の価額によっては高額の贈与税がかかる場合がありますので、事前に税理士に相談するようにしましょう。

  1. 養子縁組をして法律上親子関係を作り、相互に相続人となる
  2. 遺言書を作成し、パートナーに遺贈する
  3. 同性カップルでも加入できる生命保険に加入し、パートナーを受取人とする
  4. パートナーに財産を生前贈与する

(3)パートナーに浮気されたときの慰謝料請求はできるのか

法律婚をした夫婦で、一方が、自由意思に基づいて配偶者以外の異性と肉体関係を持つと、不貞行為として不法行為が成立しますので、不貞された配偶者は、不貞行為を行った配偶者に対して、慰謝料を請求することができます。
それでは、同性カップルで、パートナーが第三者と肉体関係を持った場合、同じように慰謝料の支払いを請求することができるのでしょうか。

同性で事実婚にあったけれども、不貞行為により婚姻関係が破綻したとして、元パートナー及び不貞相手に対して不法行為に基づく慰謝料を請求したケースで、宇都宮地地方裁判所真岡支部判決令和元年9月18日は、次のように判示して、元パートナーに対して110万円の慰謝料の支払いを命じています。

同性のカップルであっても、その実態に応じて、一定の法的保護を与える必要性は高い

引用:宇都宮地地方裁判所真岡支部判決令和元年9月18日

憲法24条1項が、「婚姻は、両性の同意のみに基づいて成立し」としているのも、憲法制定当時は同性婚が想定されていなかったからにすぎず、およそ同性婚を否定する趣旨とまでは解されない

引用:宇都宮地地方裁判所真岡支部判決令和元年9月18日

同性のカップルであっても、その実態を見て内縁関係と同視できる生活関係にあると認められるものについては、それぞれに内縁関係に準じた法的保護に値する利益が認められ、不法行為法上の保護を受け得ると解するのが相当である

引用:宇都宮地地方裁判所真岡支部判決令和元年9月18日

参考:裁判例結果詳細|裁判所- Courts in Japan

したがって、同性カップルであっても、内縁関係や事実婚と同様の実態があるような場合には、不貞行為を原因として慰謝料の請求ができる可能性があります。

(4)どうしても同性婚を実現したい場合は海外移住も1つの手

現状日本では同性婚は認められておらず、近々法律婚を認める法律が制定されるような動きもありません。
そこで、どうしても同性婚をしたい場合には同性婚を認めている国に移住するという選択肢があり、実際に移住して幸せな生活を送っているカップルもいます。

【まとめ】同性婚に関わる相続などは特別な対策が必要!お悩みの方は弁護士に相談

同性婚は日本では認められていないが、同性婚を認めることを求めて各地で国賠訴訟が提起され、同性婚を認めるべきという世論も広がるなど、同性カップルを取り巻く世の中の風潮が変わりつつあります。
現状では、同性パートナーに財産を残すためには養子縁組や贈与、遺言を残すなどの対策が必要となるため、手続きについて不明な点がある場合には、弁護士に相談することをお勧めします。

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