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滞納した税金は自己破産したら支払いを免除される?されない?

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国民の三大義務、それは勤労、納税、教育を受けさせることです。
国民の納税義務は、憲法30条でも明記されています。
政治家の汚職など税金が正しく使われているのかが度々ニュースなどで取りざたされますが、税金は私たちの生活を良くするために、国民がみんな支払わなければならないものなのです。では、もし税金を支払えなくなってしまったらどうしたらよいのでしょうか。
今回は、弁護士が「税金の支払い義務は自己破産で免除されるのか」を解説します。

税金を滞納するとどうなるか

国税庁の発表によると、滞納されている国税の金額は1998年をピークとして、2018年に至るまで減少し続けてきました。また、2018年は滞納発生割合(申告などにより課税されたものの額のうち、新規発生滞納額が占める割合)も国税庁発足以来最も低い数値となりました。期限内納付に関する広報や納期限前後の納付指導の実施などによりきちんと滞納前に税金が支払われていること、滞納した税金がきちんと徴収されていることによります。

一般的に、税金を滞納した場合の流れは、法律に明記されています。
国税を滞納した場合の流れをみてみましょう。

  1. 納期限を過ぎても納付されない場合、原則として納期限から50日以内に督促状が送付される
    (1-2.手紙や自宅訪問などにより納付を催告されることがある)
  2. 給与、預貯金、不動産など滞納者の財産に関して滞納者の同意なく財産調査が行われる
  3. 督促状を発した日から10日を経過した後に差押えが行われる
    また、一定の条件の下で繰上請求ができるとの例外規定があります(国税通則法38条)。

参照:平成30年度租税滞納状況について|国税庁

自己破産や消滅時効によって税金の支払義務を免れる?

何らかの支払義務を合法的に免れるための手段として、多くの人が思い浮かべるのが「自己破産」や「消滅時効」ではないでしょうか。しかし、税金の支払義務は自己破産では免除されず、消滅時効によって免れるのも現実的には難しいでしょう。

(1)税金は非免責債権(破産法253条1項1号)

自己破産をして裁判所に免責が許可されると、借金の返済義務などは免除されます。
しかし、自己破産をしても支払義務が免除されないものがあります。
それが「非免責債権」です(破産法253条)。
詳しくはこちらの記事もご確認ください。

自己破産の非免責債権とは?免責不許可事由との違いも解説

租税などの請求権の支払義務は、自己破産をしても、免除されません。
何が「租税等の請求権」にあたるかというと、国税徴収法または国税徴収の例によって徴収することができるものがこの「請求権」にあたります(破産法97条4号)。

たとえば、次のものは支払義務が免除されません。

  • 所得税
  • 贈与税
  • 相続税
  • 市町村民税
  • 固定資産税
  • 自動車税
  • 国民健康保険料
  • 国民年金保険料

自己破産によって消費者金融などからの借金の返済の負担が軽減されれば、分納手続きをしたうえで滞納した税金を支払えるようになる可能性があります。

(2)税金の支払義務を消滅時効で逃げ切れる?

一般的に税金にも消滅時効が定められており、原則としてその税金の通常の納付期限から5年間で時効によって消滅します(国税通則法第72条)。

このように税金についても消滅時効が法律上定められているものの、実際に消滅時効によって税金の支払義務を免れられることはまずないでしょう。そもそも消滅時効は、一定期間権利を行使しなかった以上、権利を失ってもやむを得ないと考えられているために存在する制度です。国や地方公共団体などは、誰がいくら税金を支払っていないのかをきちんと管理しているため、消滅時効が完成するまで何もせずに放置するとは考えられません。

税金の支払いが遅れると延滞税などが発生するため、消滅時効の完成まで逃げ切ろうと思うと、支払総額が想像以上に高くなってしまい、わが身を滅ぼしかねませんので、絶対にやめましょう。

(3)実はあった……?税金の支払いが免除される方法

病気で働けなくなってしまった場合など、どうしても税金を支払えなくなることがあります。そのようなときに利用されるのが「滞納処分の停止」です(国税徴収法153条)。

次のいずれかにあてはまる場合、財産の差押え手続きが行われません。

  • 滞納処分の執行をすることができる財産がないとき
  • 滞納処分の執行等によって生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき
  • その所在及び滞納処分の執行等をできる財産がともに不明であるとき

そして、この停止が3年間継続したときには、税金の支払義務は消滅します(同条4項)。
さらに、状況次第では3年経過することなく、税金の支払義務がなくなることがあります(同条5項)。

たとえば、3年間生活保護を受給し続けたときには、税金の支払義務が免除されるでしょう。

税金が支払えない場合は税務署や市区町村役場で相談

債務整理で法律事務所に相談に来る方の中には、税金の支払いが滞ってしまっている人もいます。もし税金の支払いができなくなってしまったら、税務署や市区町村役場で分納の手続きを行いましょう。

(1)督促状が届いたら絶対に放置しないのが鉄則!

一番やってはいけないのが、役所から届いた督促状を放置することです。
税金の支払いがどうしても難しい場合は、早めに税務署や市区町村役場に相談しましょう。税金を支払う意思はあるけれども生活が苦しく支払いが難しいなどの事情を話せば、分納での納付が認めてもらえるケースがあります。ただし、自己破産を検討していることや自己破産を弁護士に依頼したことまで税務署などに話すかどうかはケースバイケースです。

通常であれば、差押えがされていても自己破産の開始決定が下りると、差押えなどは効力を失います(破産法42条2項)。また、自己破産の開始決定後に差押えをすることはできません(破産法42条1項、43条1項)。ところが、すでに税金の滞納を理由とする差押えがなされていると、自己破産の開始決定がされても差押えは効力を失いません(破産法43条2項)。そのため、場合によっては自己破産の開始決定前に差押え手続きをしようとすることがあるのです。

税務署などに相談するときには、自己破産をいつ申立てられそうかなどを自己破産を依頼した弁護士に聞き、分納について税務署などと相談するのがいいでしょう。

(2)税金のことはどこに相談すればいい?

税金の種類によって相談窓口が異なるので、どこで相談すべきかあらかじめ調べておきましょう。主な税金の相談先は以下のとおりです。

税金の種類相談先
国税(所得税、復興所得税、相続税、贈与税、消費税、酒税、自働車重量税など)住所地を管轄する税務署
地方税のうち、固定資産税、都市計画税、住民税、軽自動車税など各市町村の税務課
地方税のうち、個人事業税、法人事業税、自働車税、不動産取得税など各都道府県税事務所

ただし、東京都などお住まいの地域によっては相談先が異なることがあるため、あらかじめ税務署などに電話で確認してから行くのがスムーズでしょう。

参照:税についての相談窓口|国税庁

【まとめ】自己破産を検討している場合はアディーレ法律事務所にご相談ください

税金は、国民ならば誰もが等しく支払わなければならないものです。税金の支払いが滞ってしまうと、延滞税が発生したり滞納処分の対象になってしまったりするなどさまざまなデメリットが生じます。もし支払いが苦しいのであれば、分納手続きを相談するといいでしょう。
また、税金を支払えない理由が膨れ上がってしまった借金にあるのであれば、アディーレ法律事務所にお気軽にご相談ください。