せっかくのドライブや移動中、思いがけず事故に遭ってしまったら……。自分が運転していなくても、同乗者として怪我を負えば、心身ともに大きなダメージを受けますよね。
「運転していたのが友人や家族だったら、お金の請求なんてしにくいな……」と悩んでしまう方も多いはず。
しかし、同乗中の事故でけがをした方も、被害者として賠償金を請求することができます。正しい保険の仕組みを知ることで、大切な人間関係を守りつつ、しっかりと治療に専念するための補償を受けられる可能性があるのです。
本記事では、誰に請求すればいいのか、いくらくらいが目安なのかなど、同乗者の方が知っておきたい大切なポイントを分かりやすくお伝えします。
ここを押さえればOK!
そこで、運転者が友人で過失割合が低い場合は、請求窓口を相手方に一本化したり、弁護士に依頼したりすることで、友人との人間関係への影響を抑えられます。家族が運転者の場合、対人賠償保険は原則使えませんが、自賠責保険や人身傷害保険が適用されます。
慰謝料の算定には3つの基準があり、基本的に過去の裁判例に基づく「弁護士の基準」が最も高額になる傾向があります。保険会社が提示する金額よりも大幅に増額する可能性があるため、弁護士に依頼したうえでこの基準で交渉することが重要です。
ただし、飲酒運転の黙認やシートベルト未着用など同乗者側に落ち度がある場合は、受け取れる金額が減額されるため注意が必要です。
賠償金の交渉は、一人で行わずに弁護士に依頼するのが賢明です。納得のいく補償を受けるためにも、示談を成立させる前に弁護士へ相談することをお勧めします。
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同乗者が慰謝料を請求できる相手は「事故の責任の割合」で決まる
事故に遭った際、同乗者が「誰に」損害賠償を求めるかは、運転者同士の「どちらが、どれくらい悪かったか」という過失割合によって変わってきます。
(1)相手の過失が100%なら、相手側の保険会社へ
例えば、信号待ちで停車中に後ろから追突されたような、こちら側に全く落ち度がない「もらい事故」の場合です。
このケースでは、相手の運転者がすべての責任を負うため、同乗していたあなたは「相手側の保険会社」に治療費や慰謝料を請求することになります。
あなたが乗っていた車の運転者に責任はないので、運転者があなたの家族や友人であっても、気を使うことなく手続きを進められるケースと言えるでしょう。
(2)自分の乗っていた車の運転者が100%悪いなら、その運転者の保険会社へ
逆に、自分が乗っていた車が前方不注意などでガードレールにぶつかった(自損事故)ような、運転していた人に100%責任がある事故ではどうなるでしょうか。
このときは、同乗者は「自分が乗っていた車の運転者(およびその保険会社)」に対して請求を行うことになります。
運転者が加入している自賠責保険や、任意保険の「対人賠償責任保険」から補償を受ける形が一般的です。
(3)お互いに過失があるなら、両方の保険会社に請求できる
交差点での出会い頭の事故など、双方に責任がある場合、同乗者は「両方の運転者に損害賠償請求できる(二重取りは不可)」という立場になります。法律上は、両方の運転手がチームとなってあなたが負った損害全額を支払う義務を負うイメージ(連帯債務)です。
そのため、あなたはどちらの保険会社に対しても請求が可能ですし、窓口を一つに絞って全額を請求することも認められています。
ただし、実務では過失割合の大きい方に全額を請求するのが一般的です。
運転者が「友人」の場合は、請求先をまとめることで気まずさを回避
友人の車に乗せてもらっていた場合、「友達にお金を請求するなんて……」と心理的なハードルが高いですよね。そんなときは、伝え方を工夫したり、保険の特約をうまく活用したりしましょう。
(1)相手側に全額請求すれば、友人との直接のやり取りを減らせる
運転している友人と相手方、双方に過失がある事故でも、友人の過失割合の方が低ければ、「相手方の保険会社」だけに窓口を一本化して請求することが可能です。そうすることで、友人や友人の保険会社と直接お金の話をする機会を避け、人間関係への影響を最小限に抑えられる可能性があります。
後で保険会社同士が精算を行うことはありますが、あなたが友人と直接対立する形を回避しやすくなります。
(2)弁護士に依頼すれば、あなたが友人と直接話す必要はない
運転していた友人の方が過失割合が多い場合、一般的には友人(の保険会社)に全額を請求することになります。「自分ではきちんと話ができるか自信がない」という場合には、弁護士に交渉を依頼することを検討しましょう。
弁護士は、「友人が加入している保険会社の担当者」と毅然と交渉します。基本的に、弁護士があなたの友人に直接連絡を取り合うことはありません。
弁護士費用特約を使えれば、基本的に弁護士費用の心配は不要ですので、相談だけでもしてみることをお勧めします。
弁護士費用特約が使えなくても、相談料無料の事務所もありますので、お気軽にご相談ください。
弁護士費用特約について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
運転者が「家族」の場合は、「対人賠償」ではなく「人身傷害保険」を活用
運転していたのが配偶者や親子など、ご家族だった場合には少し注意が必要です。通常の「対人賠償保険」が使えないというルールがあるからです。
(1)家族間の事故は「親族免責」というルールに注意
任意保険には「親族免責」といって、家族に対する賠償には保険金を出さないという約束事があります。例えば「夫が運転し、妻が怪我をした」という場合、夫の保険の対人賠償枠からは慰謝料が支払われません。
ただし、強制保険である「自賠責保険」にはこのルールがないため、そちらから最低限の補償を受けることができます。
(2)「人身傷害保険特約」が家族のセーフティネットになる
親族免責で困ったときに頼りになるのが「人身傷害保険特約」です。これは、運転者とその家族が、契約中の車もしくはほかの車(一定の条件あり)に乗っているとき、あるいは歩行中などに自動車事故にあったときに保証されます。
家族以外でも契約者に乗っているときの事故であれば保障されます。
契約している保険金額(例:3000万円)を上限に、慰謝料や治療費など実際の損害額が支払われることになります。
(3)「搭乗者傷害保険」は定額のお見舞金として受け取れる
「搭乗者傷害保険」は、運転者の過失に関係なく、契約中の車に乗っている全員が補償対象となります。入院日数や怪我の場所に応じて、あらかじめ決まった一定の金額(例:30万円)が支払われるタイプです。
これは他の賠償金とは別にもらえる「お見舞金」のような性質を持っています。
同乗者の慰謝料相場は、計算の「基準」で大きく変わる可能性あり
慰謝料の金額を計算する際には、3つの基準があり、どれを使って計算するかによって最終的な金額が2倍、3倍と変わることがあります。
(1)「弁護士の基準」で計算することが、納得のいく補償への第一歩

- 自賠責の基準: 国が定めた最低限の基準。
- 任意保険の基準: 各保険会社が個別に決めている基準。
- 弁護士の基準: 過去の裁判の例をもとにした、最も高い水準の基準。
保険会社は「任意保険の基準」という会社独自の基準で、弁護士の基準より比較的低めな金額を提示してくることが多いです。そのことを知らず、そのまま示談してしまうのは大変残念なことです。弁護士に依頼して、弁護士がご本人の代わりに「弁護士の基準」で交渉することで、より適切な、納得感のある金額を目指すことができます。
(2)むちうちや骨折など、通院した「期間」が計算のベース
けがをした場合は入通院慰謝料を請求することになります。けがの結果後遺症が残った場合には、後遺症慰謝料も請求していきます。
入通院慰謝料の額は、主に「どれくらいの期間、入院や通院を余儀なくされたか」をもとに計算されますが、実際の通院日数や症状の程度も考慮されます。
たとえば、総治療日数が30日間(一ヶ月間)、実際の通院日数が8日(週2回程度)である場合の入通院慰謝料の相場は次の通りです(同乗者に過失がない場合)。
自賠責の基準:6万8000円
弁護士の基準:28万円(他覚所見あり)、19万円(他覚所見なし)
交通事故の慰謝料の相場や増額のコツについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
(3)慰謝料を計算してみよう!
弁護士に依頼すると、基本的に弁護士の基準で慰謝料などを計算して、示談交渉します。
弁護士基準の慰謝料を知りたい方は、この慰謝料計算機を利用して計算してみてください。
軽症の場合の慰謝料計算
死亡の場合の慰謝料計算
同乗者自身に「うっかり」があると、慰謝料が減ることも
被害者である同乗者ですが、次のような場合などで、事故の責任(過失)があるとされたときには、「過失相殺(かしつそうさい)」といって、受け取れる金額が差し引かれることがあります。
個別の事情にもよりますが賠償額が10%〜30%程度減額される可能性があるので注意しましょう。
(1)飲酒や無免許、危険運転を黙認して同乗した場合
「お酒を飲んでいるな」「免許を持っていないな」と分かっていながら、それを黙認してその車に乗せてもらった場合、同乗者にも危険を認めた責任があると考えられます。
(2)シートベルトをせずに同乗していた場合
シートベルトのある車を運転するときは、運転者は、原則として、すべての座席の同乗者にシートベルトを着用させる義務があります(道路交通法71条の3)。
そして、シートベルトをしていなかったために被害が拡大し、怪我が重くなってしまった場合は、被害者の過失として、賠償金減額の対象になることがあります。
(3)「ただ乗せてもらっただけ」なら、基本的には減額されない
好意で人を同乗させることを、「好意同乗」といいます。
かつては、「無料で乗せてもらったんだから、少しは我慢しなさい」という考え方(好意同乗減額)もありましたが、現在は、ただ同乗していただけという理由で慰謝料が減らされることは原則としてありません。ケース別に具体的事情を考慮して、同乗者にご説明したような一定の責任が認められる場合には、減額することがあります。
【まとめ】
同乗中の事故は、誰に請求すべきか、どの保険が使えるかなど、非常に複雑になりがちです。特に友人や家族が関わっていると、「穏便に済ませたい」という気持ちが先行してしまいがちですが、後悔しないためには、弁護士の基準で適切に算定された補償を受けることが大切です。
アディーレ法律事務所では、同乗者を含む、交通事故の被害者からのご相談を受け付けております。保険会社と示談を成立させる前に、一度ぜひご相談ください。
































