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モラハラ夫の特徴は?原因や対処法、離婚の流れも弁護士が解説

作成日:
a.aihara

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

夫からのきつい言動に悩み、「毎日一緒に生活するのが辛い」と感じている方も多いかもしれません。

ただ、夫のこれらの言動は夫本人に自覚がないケースがほとんどです。夫は「あなたのために」と思って、きつい言葉を言っているケースすらあります。

これ以上辛くなる前に、あなたの夫が「モラハラ夫」の特徴に当てはまるのかチェックしてみましょう。

この記事では、モラハラ夫の対処法についても解説しています。対処法を知って実際に行動に移すのもよいですが、知っておくだけでも今後精神的につらくなったときの備えとなるでしょう。

この記事を読んでわかること

  • モラハラとは
  • モラハラ夫の特徴や発言例
  • モラハラをする原因
  • モラハラ夫への対処法
  • モラハラ夫との離婚・慰謝料

ここを押さえればOK!

モラハラ(モラルハラスメント)は、道徳的に反した言動で相手を精神的に傷つける行為です。例えば、「こんな簡単なこともできないのか」「お前は馬鹿だ」といった言葉で相手を責め、相手を傷つけることが典型的です。

モラハラ夫の特徴
・妻の人格や行動を否定する
・妻が反論すると倍以上の言葉数で反論する
・妻が謝るまで責め続け、自身は謝らない
・妻の行動を管理し、親族や友人との接触を制限する
・子供の前でも妻を責める など

モラハラ夫への対処法
・友人や親族に相談する:第三者の意見を聞く
・公的機関や医師・カウンセラーに相談する:専門家のアドバイスを受ける
・別居や離婚をする:心身の安全のために物理的な距離を置く

モラハラで離婚をしたい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

モラハラとは

モラハラ(モラルハラスメント)とは、道徳に反した言動で相手を精神的に傷つけることです。

例えば、次のような言葉で妻を責め、妻に「自分が悪い」と思いこませ、反抗できないようにすることが典型的な「モラハラ」といえるでしょう。

例:「こんな簡単なこともできないのか」「お前は馬鹿だ」

実際、夫のモラハラに苦しんでいる女性は多くいるようです。

2023年度(令和5年度)に離婚などの調停を申し立てた女性41,652人のうち10,881人は、申し立てた理由として「精神的に虐待する」を挙げています(申立人の言う動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査)。

【婚姻関係調停申立の動機(女性)(トップ5)】

  1. 性格が合わない 15,835人
  2. 生活費を渡さない 12,040人
  3. 精神的に虐待する 10,881人
  4. 暴力を振るう 7,771人
  5. 異性関係 5,362人

参照:令和5年司法統計年報(家事編)|裁判所

モラハラ夫の13の特徴とは

モラハラ夫の特徴があなたの夫に当てはまるのかをチェックしてみましょう。

次の特徴に少しでも当てはまれば、あなたの夫は「モラハラ夫」の可能性があります。

  • 妻の人格や行動、考え方を頭ごなしに否定する
  • 妻が少しでも反論すると、倍以上の言葉数で反論する
  • 妻が謝るまで責め続け、自身が絶対に謝らない
  • 「自分が絶対に正しい」と思っている
  • 妻が「どこで誰と何をしているのか」を知りたがり、管理したがる
  • 妻が親族や友人と会ったり、連絡をとったりすることを制限する
  • 妻の親族や友人の人格を否定するようなことをいう
  • 妻や子供を顧みることなく、自由に飲み会に行ったり、遊び行ったりする
  • 妻が働くことを認めない、もしくは働くことを認めても完璧な家事育児を求める
  • 妻に自由にお金を使わせない
  • 子供に妻の悪口をいったり、子供のいる前でも妻を責めるような言動をしたりする
  • 友人や親族などの前で妻を貶めたり、馬鹿にしたりするようなことをいう
  • 友人や親族の前では「家事や育児をする優しい夫」としてふるまう

夫婦喧嘩であれば、二人の立場は対等なはずです。あなたの意見や考えも聞かずに、一方的に責められている場合には、「モラハラ夫」の可能性が高いといえるでしょう。

夫から妻に対するモラハラのよくある発言例とは

例えば、次のような発言は「モラハラ」に当たる可能性があります。

【妻の人格を否定する発言】

  • 「お前は俺がいないと何もできない」
  • 「妻(母親)失格だ」
  • 「お前ができないから、俺はいつも怒っているんだ」

【妻の家事育児を否定する発言】

  • 「家事育児なんて仕事より簡単だろ」
  • 「お前の育て方が悪いから、子供が俺になつかないんだ」
  • 「(品数をたくさん作っても)晩御飯これだけ?」
  • 「(子供に荒らされた部屋を見て)なんで片付けができないんだ」
  • 「○○さんの奥さんはやっているのに、お前はこんな簡単なこともできないのか」

【妻の容姿を否定する発言】

  • 「もっと痩せたらどうなの」
  • 「お前の格好はいつもダサい」

【妻の親や友人を馬鹿にする発言】

  • 「親の育て方が悪いから、お前は馬鹿なんだ」
  • 「お前の親には学がない」
  • 「あの友人はレベルが低いから、会うな」

【妻の仕事や稼ぎを馬鹿にして、自身が優位に立つ発言】

  • 「だれの稼ぎで食えていると思っているんだ」
  • 「大した仕事もしていないくせに」

夫が「あなたのため」「子供のため」「家族のため」と言っていても、これらの発言はすべて「モラハラ」に当たる可能性が高いといえます。

夫がモラハラをする原因とは

「なぜ私の夫はモラハラをするの?」と思っているかもしれません。

あなたの夫がモラハラをする原因としては、次の3つが考えられます。

  • 性格や育った環境
  • 仕事でのストレス
  • 発達障害 など

それぞれ見ていきましょう。

(1)性格や育った環境

夫のプライドが高い場合には、「モラハラ夫」となる可能性があります。

プライドが高いことから、自分の非を認めず、あなたに対してモラハラをしてしまうのです。

また、夫の父親や母親がモラハラ気質だった場合も「モラハラ夫」となる可能性があります。両親に取る態度や言動を見て育ったことから、モラハラに当たる言動をとることが当たり前だと思っているのです。

夫の社会的地位が高い場合には、仕事でも上から指示することが多いです。そのため、妻に対しても無意識に上から目線でモラハラな言動をとってしまうこともあるようです。

(2)仕事でのストレス

仕事でのストレスを発散するために、「モラハラ夫」となっている可能性があります。

仕事では上司や取引先にペコペコしていても、家庭内に自分に従ってくれる人を作ることで、仕事でのストレスを発散しているのかもしれません。

(3)発達障害

モラハラの原因としては、発達障害などの病気が原因となっている可能性があります。

例えば、アスペルガーなどの発達障害の場合には、人の気持ちを考えることが苦手とされています。そして、この言葉を言ったら相手が傷つくことに気づかずに、衝動的に思ったことを言うので、結果的に「モラハラ」となってしまうのです。

モラハラ夫は変わるのか?放置しておくデメリットとは

付き合っていたころは優しくても、結婚したり、子供が生まれたりすると「モラハラ夫」になってしまうことがあります。このような場合、「モラハラ夫」がいつか前の夫に戻ってくれるのではと期待してしまうかもしれません。

しかし、モラハラをしている本人は「あなたのため」「子供のため」と思っていて、モラハラをしている自覚すらないことがほとんどです。

大人になってから価値観や考え方を変えるのは難しいのと同じで、「モラハラ」を治すこともなかなか難しいといえるでしょう。

さらに、モラハラを放置しておくと、次のようなデメリットもあります。モラハラは早めの対処がおすすめです。

(1)ストレスが溜まって心の病気になってしまう

モラハラを受け続けると、あなたも気づいていないうちにストレスが溜まり、うつ病や適応障害などの心の病気になってしまうおそれがあります。

うつ病や適応障害などの心の病気は治るまで時間がかかる病気です。うつ病や適応障害になると、無気力感などから家事や仕事が手につかなくなるなど日常生活に大きな影響も出る可能性もあります。

特に、我慢強い人や真面目な人の方が心の病気になりやすい傾向にあると言われています。「私は大丈夫」「私が我慢すればいい」と思っていても、気づいたときには心の病気になっていたというケースもあります。

(2)子どもに悪影響を与える

モラハラ夫は、子供に悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、夫のきつい言動を真似して、友達やあなたにきつい言葉を言うようなこともあるかもしれません。

また、モラハラを受けているあなたを見ることは、子供にとって大事な母親が傷つけられているのと同じです。このような場面を目の当たりにし続けると、子供も精神的に不安定になり、非行に走ったり、うつ病や適応障害などの心の病気になってしまったりするおそれもあります。

モラハラを放置しておくと、モラハラの対象が子供に広がる可能性もあります。例えば、「母親が馬鹿だから、お前も馬鹿なんだ」「ブスだな」「お前の友達はレベルが低いから会うな」などと子供に直接言い始めるかもしれません。

モラハラ夫への対処法とは

モラハラには、次の3つの対処法を検討してみましょう。

  • 友人や親族に相談する
  • 公的機関や医師・カウンセラーに相談する
  • 別居や離婚をする

それぞれ見ていきましょう。

(1)友人や親族に相談する

夫に何か言うとさらに怒らせてしまうから怖くて何も言えないという方は、友人や親族に相談してみてもいいかもしれません。

友人や親族の第三者に相談することで、あなたの夫が客観的に見て「モラハラ夫」といえるのかどうかを判断するきっかけとなるでしょう。また、夫も第三者からの意見であれば聞き、改心してくれるきっかけになるかもしれません。

ただ、友人や親族に相談したことがわかれば、「俺に恥をかかせたな」などと夫がさらに怒る可能性もあります。また、友人や親族が夫の味方となって、さらにあなたを苦しめることになるかもしれません。友人や親族に相談する場合は信頼できる人物を選ぶなどの注意が必要でしょう。

(2)公的機関や医師・カウンセラーに相談する

夫のモラハラを相談したいのであれば、専門的な知識を持つ人に相談することがおすすめです。

「こんなこと他の人が聞いたら、たいしたことではないと思われるかも?」と相談を躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、専門家は一人一人の話にきちんと話を聞いてくれます。

専門家に相談することで、あなたを夫からかくまってくれたり、公的な支援を教えてくれたりなど適切なアドバイスを受けることができるでしょう。

【公的機関】

  • DV相談ナビ
  • 都道府県、市町村の設置する女性センター
  • 都道府県の設置する配偶者暴力相談支援センター

モラハラによりすでに心身に影響が出ている場合には、心療内科を受診したり、カウンセラーに相談したりして、症状の改善に努めましょう。

(3)別居や離婚をする

モラハラが辛いときには、別居・離婚も検討してみましょう。

「父親のいない子にしたくない」「私が悪いんだから仕方がない」と我慢し続けていても、モラハラは子供にも悪影響ですし、あなたの心もいつか壊れてしまうかもしれません。

あなたにとって、別居や離婚は勇気がいることでしょう。しかし、心が壊れて病気になってしまっては手遅れです。心の病気になってしまう前に行動を起こすことをおすすめします。

特にモラハラの程度がひどく、すでに心身に悪影響を及ぼしているような場合には、早急に別居や離婚をして物理的な距離を置くのがよいでしょう。

夫が離婚を拒んでいても離婚できる?離婚までの流れとは

話し合いで離婚ができればいいですが、モラハラ夫の場合離婚の話し合いに応じてくれることはほとんどありません。この場合には、家庭裁判所での調停や裁判で離婚をすることになります。

(1)協議離婚|話し合いで離婚

基本的に離婚は、夫婦が話し合いで離婚をするのが原則です。

話し合いで離婚に合意できれば「協議離婚」ということになります。

しかし、モラハラ夫は「モラハラ」を認めず、離婚の話し合いに応じてくれるケースは少ないでしょう。

(2)調停離婚・審判離婚|話し合いができなければ調停

話し合いで離婚に合意できない場合には、家庭裁判所で「夫婦関係調整調停(離婚)」を申し立てることになります。

調停とは、家庭裁判所での話し合いです。調停委員や裁判官を介して、離婚について話し合うことになります。そのため、家で夫と面と向かって話し合うよりも冷静な話し合いを行うことができます。

そして、調停で離婚に合意できれば「調停離婚」となります。また、離婚には合意しているが、慰謝料や親権などで折り合いがつかない場合などであっても、調停の中で裁判官が「離婚が相当である」と判断したケースでは、異議がなければ「審判離婚」ということになります。

(3)裁判離婚|調停で合意できなければ裁判

調停で離婚に合意できなければ、家庭裁判所に対して離婚を求める訴えを起こし、「裁判」をすることになります。

裁判で離婚をする場合、モラハラが「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるかが問題となります。モラハラが「婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたると裁判官が判断すれば、離婚ができます。

ただ、夫は「モラハラ」を否定するでしょう。そうすると、仮にあなたが「モラハラ」を受けていたと主張しても、裁判官はモラハラがあったのか判断することができません。

裁判官が「モラハラはなかった」と判断すれば、離婚できない結果になります。こういった場合に備えて、例えば、次のようなモラハラの証拠を残しておくとよいでしょう。

  • モラハラをボイスレコーダーで録音する
  • モラハラを日常的にメモする
  • SNSやメールをスクリーンショットしておく

こうすることで、夫が仮にモラハラを否定しても、モラハラがあったことを証明できます。

モラハラ夫と離婚について話し合うことは、あなたの精神をすり減らす作業になるでしょう。しかし、弁護士に依頼すれば、あなたに代わり弁護士が夫と交渉してくれます。話し合いが難しいと感じたら、無理をせずに弁護士に相談してみることをおすすめします。

モラハラで慰謝料を請求できる?相場は?

モラハラで離婚をする場合、「モラハラ」で慰謝料が請求できる可能性もあります。

この場合の慰謝料相場は、50万円~300万円程度でしょう。

ただ、モラハラで慰謝料が認められることは、浮気やDV(暴力)の慰謝料よりも難しいといえます。

浮気やDV(暴力)は浮気をした写真やDV(暴力)によるケガなどがあれば、浮気やDV(暴力)があったことが明らかです。一方、モラハラは証拠がないことも多く、またどこからがモラハラといえるか線引きが曖昧で、裁判官の判断が難しいのです。

しかし、全く慰謝料が認められないというわけではありません。特に、モラハラでうつ病や適応障害といった心の病気になった場合には、慰謝料が認められ、慰謝料額も高額になりやすい傾向にあります。この場合は、モラハラで心の病気になった診断書をもらっておくとよいでしょう。

モラハラで慰謝料を請求したいという方は、弁護士へ相談されることをおすすめします。

【まとめ】モラハラ夫に辛くなったら、周囲に相談を!

今回の記事まとめは、次の通りです。

  • モラハラ夫の特徴
    • 妻の人格や行動を否定する
    • 妻が反論すると倍以上の言葉数で反論する
    • 妻が謝るまで責め続け、自身は謝らない
    • 妻の行動を管理し、親族や友人との接触を制限する
    • 子供の前でも妻を責める など
  • モラハラ夫の対処法
    • 友人や親族に相談する
    • 公的機関や医師・カウンセラーに相談する
    • 別居や離婚をする

モラハラ夫と離婚をしたいと思っても、夫からさらにあなたを傷つける言葉を言われ、あなたの精神をさらにすり減らしてしまうおそれがあります。

しかし、弁護士に依頼すれば、あなたの盾となって弁護士が夫と交渉してくれます。夫との話合いが難しいと感じたら、お気軽にアディーレ法律事務所にご相談ください。

アディーレ法律事務所では、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたします。そのため、費用倒れになることは原則ありませんので、安心してご依頼していただけます(2025年1月時点)。

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