お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。

DV防止法とは?被害者がとれる手段と相談先をわかりやすく解説

作成日:
kawahara_LA

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

DV(ドメスティック・バイオレンス)という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。しかし、その深刻さや具体的な対応策については、詳しく知らない方も少なくありません。 

もしあなたやあなたの身近な人が、配偶者や同棲相手からの暴力に悩んでいるならば、一刻も早く適切な対策を講じることが重要です。そこで知っておきたいのが、「DV防止法」です。 

DV防止法は、被害者を保護し、安全な環境で自立した生活を送るための法的手段です。 

このコラムでは、DV防止法の基本から具体的な保護命令、さらには相談先まで、分かりやすく解説していきます。今すぐ知識を深め、あなた自身や大切な人を守るための第一歩を踏み出しましょう。 

この記事を読んでわかること 

  • DV防止法とは 
  • DV防止法による保護命令とは 
  • 保護命令を出してもらうための流れとは 
  • DV被害を受けた場合の相談先とは 

ここを押さえればOK!

DV防止法は、正式名称「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」といい、配偶者や同棲相手からの暴力から被害者を守ることを目的としています。保護対象となる暴力は、身体的なものだけでなく、精神的、性的、経済的な暴力も含まれます。

DV防止法によれば、被害者の保護のために被害者への接近禁止命令や電話等禁止命令、被害者の同居の子や親族等への接近禁止命令、そして退去命令を出すことができます。保護命令が守られなかった場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科されるおそれがあります。

DV被害に遭った場合の相談先として、配偶者暴力相談支援センター、警察などがおすすめです。相談センターではカウンセリングや自立支援、保護命令制度の情報を教えてくれ、警察は身体的な暴力に対する緊急対応をしてくれます。
DVを理由として離婚したい方は、一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

DV防止法とは

DV防止法の正式名称は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」といいます。配偶者や同棲相手から受ける暴力から被害者を守り、被害者が安全な環境で自立した生活をできるようにすることを目的としています。 

DV防止法の対象者とは

DV防止法で保護の対象者となるのは、配偶者または事実婚関係、同棲関係にある人です。 

DV防止法は過去に配偶者や事実婚関係、同棲関係にあった人も対象としていますが、のちに紹介する保護命令を出してもらう場合には婚姻時もしく同棲時からすでに暴力などが始まっていたことが必要となります。 

女性はもちろんのこと男性や同棲カップルも保護の対象になります。 

DV防止法におけるDVとは

DV防止法で保護の対象となる暴力とは、身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動です。身体的な暴力だけではなく心身に有害な影響を及ぼす言動もDVに当たります。 

<DVの例> 

  • 身体的な暴力:殴る、蹴る、物を投げつけるなど身体に向けられた暴力。 
  • 精神的な暴力:大声で怒鳴る、侮辱するなど言動によって精神的に傷つける行為。交友関係を制限したり、勝手に携帯をチェックしたりする行為なども含まれる。 
  • 性的な暴力:脅迫や暴力による性的行為や中絶の強要。避妊に協力しないなども含まれる。 
  • 経済的な暴力:生活費を渡さない、外に働かせてくれないなどの行為。 
DV夫と離婚するために取るべき行動とは?慰謝料についても解説

DV防止法で出せる保護命令とは

DV防止法でできることといえば、DV加害者に対して「保護命令」を出せることが挙げられます。 

被害者から保護命令の申し立てを受けた裁判所は、被害者の生命または心身に重大な危害を受ける可能性が高いと判断した場合、次の4つの保護命令を出すことができます。 

  • 被害者への接近禁止命令や電話等禁止命令 
  • 被害者の同居の子への接近禁止命令や電話等禁止命令 
  • 被害者の親族等への接近禁止命令 
  • 退去等命令 

保護命令を守らなかった場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される可能性があります。それぞれ見ていきましょう。 

(1)被害者への接近禁止命令や電話等禁止命令

被害者への接近禁止命令は、DV加害者が被害者につきまとったり、住居や勤務先など被害者がよくいる場所の近くを徘徊したりすることを1年間禁じるものです。 

また、被害者は接見禁止命令に合わせて電話等禁止命令の申し立ても行うことができます。裁判所は被害者からの申し立てに応じて、接見禁止命令に合わせてDV加害者に対し次のような行為を1年間禁じることができます。 

  • 被害者に対して面会を要求すること 
  • 被害者を監視していると思わせるような言動をすること 
  • 乱暴な言動をすること 
  • 無言電話や連続の電話やメール・SNSなどの送信すること 
  • 午後10時から午前6時までの間に電話やメール・SNSなどを送信すること 
  • 汚物を送付すること 
  • 名誉を侵害すること 
  • 性的羞恥心を害することを告げたり、性的羞恥心を害する写真などを送付したりすること 
  • 承諾なく位置情報を取得する行為 

(2)被害者の同居の子への接近禁止命令や電話等禁止命令

被害者と同居の子(未成年者)をDV加害者が連れ戻すような言動があるなど、DV加害者から子を守る必要がある場合には、被害者の子への接近禁止命令や電話等禁止命令を申し立てることができます。 

内容としては被害者への接近禁止命令や電話等禁止命令と同様となります。また、この年齢が15歳以上である場合には、子自身の同意が必要です。 

(3)被害者の親族等への接近禁止命令 

DV加害者が被害者の親族等に対して住居に押しかけ乱暴な言動をとっているなどの場合には、被害者の親族等への接近禁止命令を申し立てることができます。内容としては被害者への接見禁止命令と同様です。 

(4)退去命令 

退去命令とは、DV加害者に対し、DV加害者と被害者が住んでいる住居からの退去と住居近くの徘徊などを禁じる命令です。裁判所は原則2か月間の退去命令を出すことができます。 

DV防止法による保護命令を出してもらうまでの流れ

DV防止法による保護命令を出してもらうまでの流れについて見ていきましょう

(1)配偶者暴力相談支援センターや警察に相談する

DV被害を受けた場合には、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談しましょう。 

DVセンターや警察に相談をせずに保護命令を申し立てる場合には、暴力を受けた状況などを記載した宣誓供述書を公証人役場で作成する必要があります。 

(2)保護命令の申し立て

保護命令の申し立ては、DV加害者や被害者の住所もしくはDVが行われた場所近くにある地方裁判所に申し立てる必要があります。 

保護命令の申立書には、暴力を受けた状況や保護命令を出してほしい事情(生命・心身に重大な危害を受けるおそれが大きい事情)を記載する必要があります。 

参照:申立ての方法|裁判所 

(3)裁判官との面接 

申立書に記載されたDVの事実などについて、裁判官が被害者に対して話を聞きます。 

(4)裁判官がDV加害者から意見を聞く

裁判所がDV加害者も呼び出し、DV被害について意見を聞きます。 

DV加害者からの暴力などにより被害者の生命・心身に重大な危害を受けるおそれが明らかで緊急に保護命令を発しなければ申立人の保護ができないような場合には、DV加害者からの意見を聞かずに、保護命令が出されることもあります。 

参照:申立て後の手続|裁判所

(5)裁判官が保護命令を出すか判断 

被害者とDV加害者から話を聞いた裁判官が保護命令を出すかどうかの判断をします。 

保護命令が出された場合、裁判所から被害者の住所を管轄する県警察本部長にその旨の通知がされます。通知を受けた警察は被害者の住所付近の警備を強化するなどの対策をとってくれます。 

DV被害を受けた場合の相談先

最後にDV被害を受けた場合の相談先を紹介します。 

「DV被害にあっていてもまだ我慢できる」「この人には私しかいない」と思っていても、実は心は悲鳴を上げていて、気づいたらあなたの心が壊れてしまうこともあります。心が壊れて精神的な病気になってしまっては元も子もありません。 

また子どもがいる場合には子どもを守れるのはあなただけです。DV被害にあっている方はすぐに相談しましょう。 

(1)配偶者暴力相談支援センター

配偶者暴力相談支援センターは、DV被害者の相談窓口です。ここでは、カウンセリングや被害者の一時保護、自立支援や保護命令制度の情報などを教えてくれます。 

配偶者暴力相談支援センターは各都道府県に設置されています。全国共通の番号(#8008)に電話をするとお近くの都道府県配偶者暴力相談支援センターにつながります。 

またDV相談プラスで24時間の電話相談、SNS・メールでの相談も受け付けています。 

(2)警察

DV加害者から身体的な暴力を受け、生命や身体に危機を感じた場合には警察へ相談しましょう。警察がかけつけ、被害者の安全を確保してくれるでしょう。 

警察から自治体への保護につなげてくれたりすることもあります。 

(3)弁護士

DV加害者である配偶者と離婚したい場合には、弁護士への相談もおすすめです。 

離婚に向けての財産分与や慰謝料などの法的なアドバイスを受けることができます。 

また、弁護士に依頼すると、離婚の交渉窓口は弁護士が担ってくれますので、配偶者本人と直接接触する機会を大幅に減らすことができます。 

DV夫と離婚するために取るべき行動とは?慰謝料についても解説

【まとめ】DV防止法はDV被害者を守り、自立を促す法律|行政や警察に相談を

DV防止法は、配偶者や同棲相手からの暴力から被害者を守り、安全な環境で自立した生活を送るための法的手段です。DV防止法を根拠として、裁判所から被害者への接近禁止命令や退去命令などの保護命令を出してもらうこともできます。 

DV被害にあった場合には、まず配偶者暴力相談支援センターや警察に相談し、法的な保護を受けるための第一歩を踏み出しましょう。あなたの安全と未来を守るための行動が必要です。 

「DV被害で離婚したい」にお考えの方は、アディーレ法律事務所にご相談下さい。 

アディーレ法律事務所では、離婚問題のご相談を承っております(※なお、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます)。 

アディーレ法律事務所では、離婚問題について、ご依頼の目的を全く達成できなかったような場合には、ご依頼時にお支払いいただいた基本費用などを原則として返金いたします。費用倒れになることは原則ありませんので、安心してご依頼いただけます(2025年4月時点)。 

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所(フリーコール0120-554-212)にご相談下さい。 

よく見られている記事

離婚、浮気・不倫の慰謝料に関するご相談はアディーレへ

朝9時〜夜10時
土日祝も受付中
まずは電話で相談 0120-554-212
Webでお問合せ
ご来所不要

お電話やオンラインでの法律相談を実施しています