「『ソフト闇金』って聞くけど、「ソフト」というからには闇金よりも危険性は低いの?」
「闇金」業者とは、法律上の定義はありませんが、一般的には、出資法に違反して高い利息で貸付を行う者や、貸金業法で義務付けられている「貸金業登録」をしないで貸金業を営むなどの違法行為を行う業者を言います。
「ソフト闇金」は、闇金業者ほど過酷な取立てはしないとされているようですが、違法な高金利を取る点で闇金と変わりません。
今日、「ソフト闇金」はHPなどを作り、インターネット上でもお金を貸しています。
「闇金」と聞けば敬遠する方でも「ソフト闇金」なら安全かな、と思ってお金を借りてしまう方も少なくありません。
ですが、ソフト闇金でお金を借りると、高利のために借金がどんどん膨らみ、いつまで経っても完済できない危険性があります。
また、返済が遅れてしまえば執拗な嫌がらせを受ける危険性もあるのです。
「ソフト闇金」は違法です。絶対にお金を借りてはいけません。
この記事を読んでわかること
- ソフト闇金の概要
- ソフト闇金でお金を借りる3つの危険性
- ソフト闇金でお金を借りた時の対処法
早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。
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ソフト闇金の危険性とは?
「ソフト闇金」業者は、あくまでも、「ソフト」と自称しているだけで、違法な闇金業者であることは変わりません。
ソフト闇金であっても違法な高利を取る点で、その危険性は闇金と同じです。
いっときの生活苦をしのぐためにソフト闇金からお金を借りてしまうと、かえって生活が苦しくなります。
ソフト闇金の3つの危険性
ソフト闇金からお金を借りると、主に次の3つの危険性があります。
- 違法な高金利のため、借金が膨らんでしまう危険性
- 返済が遅れると、執拗な嫌がらせを受ける危険性
- 個人情報が流出する危険性
それぞれご説明します。
(1)違法な高金利のため、借金が膨らんでしまう危険性
ソフト闇金がターゲットとしているのは、主に、いわゆる「ブラックリスト」(※)に載って適法な貸金業者などからお金を借りられない人です。
※「ブラックリスト」とは俗称であり、そのような名称の名簿などがあるわけではありません。
信用情報機関の保有する信用情報に、いわゆる事故情報(延滞や自己破産など、経済的信用力を低下させるような情報)を登録されることを俗に「ブラックリストに載る」といいます。
実際に「ソフト闇金」と検索すると、自ら「ソフト闇金」を名乗る業者のホームページなどが出てきます。
その多くで「ブラックリストに載っていても借りられる」「審査は緩やか・審査は実質無し」「闇金より親切」などと謳っています。
また、利率を明示しているところも多く、「違法な高利だから、本当にソフト闇金から借りるしかないのか慎重に考えるように」などと親切そうに記載しているところもあります。
ソフト闇金は、適法な貸金業者からお金を借りられない人でも審査を通るケースが多く、一見、便利そうにも見えるかもしれません。
しかし、ソフト闇金といえども違法な高利を取る点では闇金と同じです。
ソフト闇金で用いられている利率には、例えば次のようなものがあります。
- 10日で30%
- 7日で20% など
10日で30%の場合、単純に年利に引き直すと年利は1095%になります。
7日で20%の場合には年利は約1042%です。
人にお金を貸す際、年利の上限は法律上、次のとおりとされています(利息制限法1条)。
元本の金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
適法な貸金業者が年利20%を超えてお金を貸すと、刑事罰があります。
ソフト闇金業者は、法律に違反した暴利を請求する違法な業者なのです。
このようなソフト闇金からお金を借りては、滞りなく返済していても利息が青天井に増え、いつまで経っても抜け出すことができないという危険性があるのです。
(2)返済が遅れると、執拗な嫌がらせを受ける危険性
ソフト闇金は、「闇金ほど苛烈な取立てはしない」と言っていることが多く、闇金よりも安全であるかのように見えるかもしれません。
金融庁が提供している闇金などのリストである「違法な金融業者に関する情報について」にも載っていないソフト闇金も多いです。
参考:違法な金融業者に関する情報について|金融庁
参考:違法な金融業者にご注意!|金融庁
しかし、ソフト闇金への返済が遅れれば、執拗な嫌がらせを受ける危険性があります。
例えば、次のような嫌がらせのおそれがあります。
- 絶え間なく取立ての電話がかかってくる
- 職場や家族へ連絡される
- 返済しないと個人情報をばらまくなどと脅される など
「闇金より安全です」とは言っても、そもそもソフト闇金は違法な高利での貸付を行う違法な業者です。このような嫌がらせを受けずに済むとは、決して言いきれません。
既にソフト闇金から借金をしてしまった場合には、基本的には闇金への対処法と同じく、闇金への対応を行っている弁護士への依頼がおすすめです。
依頼を受けた弁護士は、取立てを止めるよう闇金に対して粘り強く交渉などを行います。
闇金への対処法について、詳しくはこちらをご覧ください。
(3)個人情報が流出する危険性
「ソフト闇金」からお金を借りる際、次のような書類の提示を要求されます。
- 身分証明に関する書類
運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、健康保険証、住民票 など - 勤務先に関する書類
給与明細、給与振込先口座の写し、社員証、名刺 など
ソフト闇金を利用すると住所や氏名、勤務先などを知られます。
さらに、このような個人情報に加えて「この人はお金に困っている」という情報も知られてしまいます。
通常、闇金からお金を借りるとその情報は他の闇金に流出して、別の闇金からも「お金を貸す」などと連絡がくるようになります。ソフト闇金も同様です。
ソフト闇金から借りたお金を返すために、別のソフト闇金からお金を借りると、雪だるま式に借金が膨れ上がります!
さらに、情報の流出先はソフト闇金だけとは限りません。
最近、「闇バイト」に応募した人を集めて凶悪犯罪を実行させる「闇バイト強盗」が報道されています。このような犯罪組織はまず「闇バイト」に応募した人の個人情報を取得して、「組織から抜けたら自分や家族などに何をされるか分からない」と思わせて犯罪に加担させます。
もともとお金に困ってソフト闇金に関わってしまった方の個人情報は、このような犯罪組織の格好の餌食になり得ます。
違法なソフト闇金業者に個人情報を知られると、このような犯罪組織にも個人情報が流出して犯罪に巻き込まれる危険性もあることに注意が必要です。
ソフト闇金からお金を借りてしまったら?対処法を解説
人にお金を貸す場合を規制する法律として「貸金業法」、「利息制限法」、「出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)などがあります。
そして、これらの法律に違反した金利でお金を借りた場合、少なくとも次の主張ができます。
- 利息制限法の上限金利を超えた分の利息は支払わない
※例えば、100万円を1年借りる場合、請求できる金利は15万円が上限(年利15%)です。
契約で定めた利息がそれを超えている場合には、超えた分は支払う必要はありません。
- 年利109.5%を超える金利の支払を約束しても、その約束は無効であるから、利息は一切支払わない
※例えば、100万円を1年借りる際、1年後に元本100万円と利息110万円を返すという約束をした場合、利息の金利は110%で年利109.5%を超えますので、一切利息を支払う必要はありません。
お金を借りる時、高利を支払う約束をしたからと言って、必ずしも約束どおりに支払わなくてはいけないわけではないのです。
さらに、判例は、年利数百~数千%でお金を貸しつけていた闇金の事例について、利息のみならず、借りたお金(元金)そのものについても返す義務はないと判断しています。
このような、違法な貸付に基づいて融資されたお金は、「不法原因給付」(民法708条)に当たり、元金も含め一切返済する必要がないと判断されたためです。
参考:最判平成20年6月10日民集62巻6号1488頁|裁判所 – Courts in Japan
ただし、上記裁判の事案は利率が数百~数千%という超高金利の事案でした。年利109.5%を超える利息を支払う契約が、全て元金を含めて返済すべき義務がないと判断したものではありません。
高金利でソフト闇金業者からお金を借りてしまって、その対応に困っている方は、対処法についてまずは弁護士に相談されることをお勧めします。
借金の返済に困った時は、「ソフト闇金」からお金を借りる前に債務整理を!
ソフト闇金の利用を検討している方は、次のうちのどれかに当てはまることが少なくありません。
- 金融機関から限度額まで借りてしまっていて、金融機関からはこれ以上借りられない
- 信用情報機関に「事故情報」が登録されてしまい、適法な貸金業者などからは借りられない
このような場合にソフト闇金などから借金をしてしまっては、先ほどご説明したように、状況は一層悪くなってしまいます。
借金の返済で困った場合には、負担を軽減するための方法である「債務整理」を検討しましょう(今は遅れずに返済できているという人でも、債務整理で返済の負担を減らせればその分家計に余裕ができます。そのため、債務整理を検討してみる価値はあります)。
債務整理には、主に次の3種類があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
どの債務整理が適しているのかは、借金額などによって異なります。弁護士に相談すれば、弁護士が最適な方法を一緒に考えます。まずは、債務整理を取り扱っている弁護士にご相談ください!
【まとめ】「ソフト闇金」は違法!ソフト闇金から借入れをしている方は早めに弁護士に相談を
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 「ソフト闇金」業者とは、出資法などの法律に反して貸付を行う業者の中でも、闇金ほどは過酷な取立てを行わないとされている違法な業者のこと。
- 便利そうに見えても次の危険性がある
→ソフト闇金も闇金と同様、違法な高利を取るため、借金が膨れ上がる - 安全そうに見えても次の危険性がある
→返済が遅れれば、執拗な嫌がらせを受ける
- 便利そうに見えても次の危険性がある
- 「ソフト闇金」からお金を借りた時の対処法は、まずは弁護士に相談すべき
- 「ソフト闇金」の利用を考えている人の中には、通常の金融機関からの借金を抱えて困っている人が少なくない
→借金については、ソフト闇金からの借金でやり過ごすよりも、支払の負担を減らすための「債務整理」がおすすめ
アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続きにつき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続きに関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております。
また、債務整理の過程で過払い金が発生していることが分かることがあります。
アディーレ法律事務所では、完済した業者への過払い金返還請求の場合は、原則として過払い金を回収できた場合のみ、弁護士費用をいただいておりますので、弁護士費用をあらかじめご用意いただく必要はありません(2023年9月時点)。
債務整理についてお悩みの方は、債務整理を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。
また、既にソフト闇金や闇金から借金をしてしまったという方は、至急弁護士に対応を依頼することがおすすめです。
ヤミ金被害に苦しんでいる方は、この機会にアディーレにご相談下さい。
アディーレ法律事務所では、アディーレ法律事務所が介入しても、闇金からの取立行為が停止しなかった場合には、アディーレ法律事務所にお支払いいただいた闇金対応の弁護士費用(基本費用)を全額返金しております(2023年4月時点。取り立て行為の停止の判断は業者ごとに判断)。