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生活保護でも借金は免除されない!生活保護中の借金はどうなるの?

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「生活保護を受けているから、借金は返さなくていいんじゃないの?」
「生活保護中だけど、どうしてもお金が必要で…さらなる借金をしてもいいのかな?」

生活保護と借金について、こんな疑問や悩みを抱えていませんか?
実は、生活保護を受給していても借金を返さなくてもいいということにはなりません。むしろ、誤った対応をすると、さらに困難な状況に陥る可能性があるのです。

本記事では、生活保護中の返済、新たな借入れについて弁護士が詳しく解説いたします。生活保護中の方、借金を抱えながら生活保護を受けようか検討中の方ぜひご覧ください。

ここを押さえればOK!

生活保護を受けている場合でも、借金は免除されません。生活保護は最低限度の生活を保障するものであり、借金の免除が目的ではないからです。

さらに生活保護費で借金を返済することもできません。生活保護の減額や打ち切りのリスクがあります。借金があり生活保護を受給するか検討中の方、生活保護を受ける前に債務整理をすることをおすすめします。債務整理はアディーレへご相談ください。

生活保護でも借金は免除されない! 借金の踏み倒しはNG

借金があっても生活保護を受けることができます。
しかし、生活保護中だからと言って、借金の踏み倒しはおすすめしません。

(1)借金があっても生活保護は受けられるが、借金は免除されない

借金があっても生活保護の条件を満たせば、生活保護を受けることはできます。しかし、生活保護を受けていても、借金が免除されることはありません。

<生活保護の条件>

  • すでに自身が持っている資産を切り崩して生活している
  • 働いて収入を得ることが難しい
  • 親戚や親族からの援助が受けられない
  • 年金や手当など他の制度を利用しても生活に十分な収入が得られない

生活保護制度は、最低限度の生活を保障するためのものであり、借金の免除を目的としていないからです。

借金があっても生活保護は受けれるか?弁護士がわかりやすく解説

(2)生活保護を受けたからといって借金の踏み倒しはNG

生活保護を受けたからといって借金の踏み倒しはNGです。借金の踏み倒しは次のようなリスクがあるからです。

  • 利息など借金返済額がどんどん増えてしまう
  • 裁判などを起こされる可能性がある
  • (裁判なども無視すると)家や車が差押えされてしまう可能性がある

生活保護を受けても、借金を貸した側の金融機関は借金の取り立てを諦めません。借金を踏み倒すことで、借金の取り立ては続くばかりか、借金の返済額が膨れ、それでも借金を返済しないと裁判を起こされてしまうかもしれません。

借金は踏み倒すことができる?起こり得る4つのリスクについて解説

生活保護中の借金はどうなるの? 返済は?さらなる借金は?

では、生活保護中の借金はどうなるのでしょうか。
ここでは、生活保護中の借金の返済やさらなる借金ができるのかについて見ていきます。

(1)生活保護費での返済はできない

生活保護費は最低限度の生活を維持するためのものなので、借金返済に充てることはできないとされています。

生活保護費を借金返済に充てていることがバレると、不正受給と判断され生活保護日の減額や打ち切りの可能性があります。すでに支給を受けた生活保護費の返還を求められたりすることもあるかもしれません。

(2)借金の存在を隠すことはできない

生活保護中の借金の存在を隠すことは難しいといえるでしょう。

生活保護中は担当のケースワーカーに収入や資産の状況を報告する必要があります。報告をきちんとしないと、不正受給とされ生活保護費の減額や打ち切りの可能性があります。

また、福祉事務所は生活保護を受けている人の銀行口座や収入状況を調査する権限を持っています。借金をしてもバレないと思っているかもしれませんが、おすすめしません。

(3)さらなる借金で生活保護費減額・打ち切りの可能性がある

借り入れたお金が収入とされ、生活保護費は減額されてしまう可能性があります。

場合によっては、すでに支給を受けた生活保護費の返還を求められたり、生活保護の支給が止まったりするかもしれません。

生活保護中の借金はどうしたらいいの?返済できない時の対処法

生活保護中の借金を生活保護費で返済できないとすると、返済に困ってしまうという方もいるでしょう。ここでは、生活保護中の借金に対する対処法を紹介していきます。

(1)福祉事務所やケースワーカーに相談する

生活保護費だけではどうしてもお金が足りない場合には、福祉事務所やケースワーカーに相談するようにしましょう。

医療費や学費、家電購入などの事情がある場合には、公的貸付制度を利用できる可能性があります。この制度を利用することで、借金をしても生活保護を受け続けることができます。

(2)自己破産をする

自己破産とは、裁判所に承認を得て原則として借金の支払義務を免除してもらう手続のことをいいます。つまり、自己破産をすると原則借金がゼロになるということです。

ただし、自己破産には次のようなデメリットもあることも知っておきましょう。

  • 信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆるブラックリストに載る)
  • 高価な財産が処分される
  • 連帯保証人が借金を肩代わりすることになる
  • 自己破産したことが官報に載る
  • 手続終了まで就けなくなる職業(弁護士や公認会計士など)がある など

しかし、ブラックリストに載ると言っても、ずっと登録され続けるわけではありませんし、官報に名前が載っても官報を見ている人はほとんどいません。デメリットをどうとらえるかは人それぞれといえるでしょう。

生活保護受給中に自己破産をしても問題はなく、受給を続けることができます。

自己破産したら現金はいくらまで手元に残せる?預貯金は没収される?
自己破産のときテレビやパソコンなどの家電や家具は処分の対象になる?
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生活保護と借金問題に関してよくある質問

最後に、生活保護と借金問題に関するよくある質問をまとめています。
ぜひ参考にしてください。

(1)生活保護中に親族に借金を頼むのもダメなの?

生活保護中に親族に借金を頼むのもNGです。
親族からの借金であっても収入と判断されてしまうと、金融機関からの借金同様に、生活保護日の減額や打ち切りの可能性があります。

すでに支給を受けた生活保護費の返還を求められたりすることもあるかもしれません。

(2)生活保護中の借金を任意整理・個人再生することはできないの?

生活保護中は任意整理や個人再生は難しいのが実情です。

借金問題の解決方法として、自己破産以外に任意整理や個人再生という手段があるのを聞いたことがあるかもしれません。しかし、任意整理や個人再生は自己破産と違い、借金を返済し続ける必要があるため、借金返済をできない生活保護中には難しいのです。

【まとめ】生活が苦しく生活保護の受給を検討している方へ |生活保護の前に弁護士へ

生活に困窮し、生活保護の受給を検討されている方は、まず現在の状況を冷静に見つめ直すことが重要です。自分の収入、支出、資産、借金などを詳細に把握し、自力での生活再建の可能性を検討してください。

生活保護の申請前に、可能であれば債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を行うことも検討してみましょう。 借金問題を解決してから生活保護を受給するという選択肢もあります。

一人で抱え込まず、福祉事務所や弁護士にご相談ください。

アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続きにつき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続きに関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております (2025年7月時点)。

借金問題についてお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。