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離婚後の引越し先を知られたくない!知っておくべき住民票の知識

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「離婚後の住所を夫や妻に知られたくない。」
様々な事情から離婚前後の住所を夫や妻に知られたくないという人がいます。

しかし、引っ越しをしたのであれば、原則住民票は変更しなければなりません。

もっとも、離婚前後の転居先を知られたくないという場合、離婚届の提出、住民票の変更の順番や方法について気を付ければ、夫や妻に離婚前後の転居先を知られずにすむことができます。

今回の記事では、

  • 離婚後の住民票が変更しない場合のリスク
  • 離婚後の転居先を知られたくない場合にとるべき方法

について、弁護士が詳しく解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

離婚届を提出すると、住民票、戸籍はどうなる?

離婚届が提出されると、住民票には本籍欄及び氏の変更について記載されます。
住民票上の続柄が、「妻」や「夫」から「同居人」に変更されます。
戸籍についても、離婚した旨の記載がなされます。

離婚後も同居される方もいらっしゃるため、離婚届を提出しただけでは、住所の変更は行えません。

下記サイトは、京都市伏見区役所の案内となりますが、他の区市町村でも基本的には同じ運用となっていますので、参考となります。

参考:離婚届を提出された方へ|京都市伏見区役所

原則、引っ越しをしたなら住民票の変更が必要

離婚の前後を問わず、引っ越しをしたなら、住民票の変更が原則です。

(1)法律上は、14日以内に住所変更を届け出なければならない

引っ越しをした場合は、14日以内に、住民票の異動(転居・転出・転入)を届出なければなりません(住民基本台帳法23条)。

法律上、引っ越し後14日以内に住民票の異動を届け出なかった場合、5万円以下の過料が課される可能性があります(住民基本台帳52条2項)。

(2)引っ越し後に住民票をそのままにしておくリスク

引っ越し前の住所に住民票をそのままにしておくと、次のようなリスクがあります。

(2-1)公的サービスを受けにくい
(2-2)転居先で選挙に参加できない
(2-3)自分宛の郵便物が受け取れない可能性がある
(2-4)子どもの転校をスムーズに行えない

(2-1)公的給付金や公的サービスを受けにくい

公的給付金や公的サービスは、住民票に記載されている住所を基礎として提供されています。

公的給付金や公的サービスの案内も住民票に記載される住所に郵送されることとなりますし、手続きについても住民票に記載されている住所がある役所に行く必要があります。

(2-2)転居先で選挙に参加できない

選挙についても、住民票記載の住所を基礎として選挙権が割り当てられています。選挙の投票の案内は、住民票記載の住所に届き、住民票記載の住所近くの投票所において投票することが求められます。

そのため、転居先では選挙に参加することができません。

(2-3)自分宛ての郵便物が受け取れない可能性がある

住民票を移さなくても、郵便局で転送手続きを行えば、自分宛ての郵便物を転居先に転送してもらうことができます。

しかし、「転送不要」とされている郵便物については、転送手続きがなされません。
「転送不要」の郵便物は役所や金融機関から郵送される重要な書類が多いため、受け取れないと困ってしまうことになります。

(2-4)子どもの転校をスムーズに行えない

子どもの学校の転校手続きを行うには、住民票の住所変更を行い、役所で「転入学通知書」を発行してもらう必要があります。
住民票の住所変更をしないと、子どもの転校手続きをスムーズに行えません。

一時的な別居の場合でも、住民票の異動の届出は必要?

一時的で、短期間の別居の場合であれば、住民票の異動の届出は必要ありません(例えば、単身赴任などの場合では、住民票を異動させないことは多いです)。

しかし、上記のようなリスクは一時的な別居の場合でも生じます。

一時的な別居の期間にも、公的給付金や公的サービスを受けたいのであれば、配偶者の協力が必要となりますので、配偶者の協力が期待できない場合には、住民票の異動を検討すべきでしょう。

住民票を変更すると、どうして相手に転居先が知られてしまうの?

離婚後の転居先は、「戸籍の附票」を見ることによって、バレてしまう可能性があります。

「戸籍の附票」とは、戸籍に記載されている人(同一世帯に入っている人)の住所を記録したもので、戸籍と一緒に記録・保管されているものです。その戸籍に入っている限り、転居履歴や住所も全て記録されています。

あなたと元配偶者が結婚していた時の戸籍・戸籍の附票は、自身の戸籍・戸籍の附票として、離婚後も元配偶者であっても請求可能であるため、閲覧することができます。

そのため、結婚していたときの「戸籍の附票」に離婚後の転居先の住所の記録を残してしまうと、離婚後の転居先がバレてしまう可能性があるのです。

離婚後に転居先の住所を相手に知られたくない場合の対処法

離婚後に転居先の住所を相手に知られたくない場合、次のような対処法をとる必要があります。

離婚届を提出
本籍地は転居先とは違う住所にする
住民票の住所を変更する
一定の場合には、閲覧制限をかける

順番に説明します。

(1)離婚届を提出

住民票を異動する前に、離婚届を提出します。

結婚していた時の戸籍から抜ける前に、住民票の住所を変更してしまうと、結婚していた時の戸籍の附票に、転居先が記録されてしまいます。

離婚後も元配偶者が結婚していた時の戸籍の附票を見ることで、転居先の住所がバレてしまいます。

(2)本籍地は転居先とは違う住所にする

離婚届を提出することで、夫婦の戸籍が別々になります。
婚姻時に改正しなかった筆頭者はそのままの戸籍、姓を変えて戸籍に入った人は、元々いた戸籍(両親の戸籍)に復籍するか、自身が筆頭者となる新たな戸籍を作成するかになります。

あなたが筆頭者の場合は、そのままの婚姻時の戸籍に残ることになりますので、転籍をしない限り、元配偶者が婚姻時の戸籍の附票を見ることで、あなたの住所や転居履歴がわかってしまうことになります。

婚姻時に改姓し、婚姻時の姓を使い続けたい場合は、両親の戸籍に復籍するのではなく、新たな戸籍を作成する必要があります。

離婚後、復籍もしくは新たな戸籍を作成した場合、婚姻時の戸籍に新たな本籍地が記載されることになります。新たな本籍地を転居先の住所と同一しておくと、新たな本籍地を見ることで住所がわかってしまいます。

なお、本籍地は、日本国内の番地がある場所であれば、どこにでも設定することができます(あなたの住所を全く無関係の住所に設定することもできます)。

(3)住民票の住所を変更する

上記1、2のステップを終えたら、転居先の住所に住民票を変更します。
転居してから14日以内には、住民票の住所変更を届け出なければなりません。

(4)一定の場合には閲覧制限をかける

まず、子どもがいて、あなたの同じ戸籍に入っている場合、戸籍の閲覧・交付制限をかける必要があります。

住民基本台帳法20条によれば、戸籍の附票は、戸籍に記録されている者、その配偶者、直系尊属、直系卑属が請求することができるとされています。
そして、直系尊属とは、親、祖父母のことをいい、直系卑属とは、子、孫のことをいいます。

つまり、子どもがいる場合、離婚したとはいえ、親は子供の戸籍を請求することができるとされています。子供の戸籍取り寄せることで、子どもと同じ戸籍にいるあなたの戸籍を請求することができることになるのです。

戸籍の附票に記録されている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、これらの者が記録されている戸籍の附票(…)を備える市町村長に対し、これらの者に係る戸籍の附票の写しの交付を請求することができる。

引用:住民基本台帳法第20条

下記のような場合、あなたやあなたの子どもの住民票、戸籍の附票の閲覧を制限することができます。

・配偶者の暴力(DV)
・配偶者のストーカー行為
・児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者
・その他上記3つの行為に準ずる行為

なお、子どもがいない場合に上記1、2のステップを行っても、元配偶者に正当な理由(例えば、相手を養育費不払いで訴えたい等)の理由があると認められれば、元配偶者があなたの戸籍の附票や住民票を請求することができます。

そのため、子どもがいない場合であっても、配偶者の暴力(DV)、ストーカー行為などがあって、(元)配偶者に住所が知られたくないという場合には、あなたの戸籍や住民票の閲覧制限をかけておきましょう。

参考:配偶者からの暴力(DV)、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者の方は、申出によって、住民票の写し等の交付等を制限できます。|総務省

住民票だけじゃない!離婚前後の引っ越しで必要な主な手続き

住民票の異動以外にも、引っ越しに伴って変更手続(切替手続)が必要なものは次のものがあります。

  1. マイナンバーカード
  2. 印鑑登録
  3. 国民健康保険、社会保険
  4. 児童手当
  5. 運転免許証やパスポート
  6. 金融機関やクレジットカードなど

【まとめ】離婚後の住民票の変更や、一定場合は閲覧制限等がお勧め

様々な事情から離婚の際、転居先を相手に知られたくないという場合があります。
しかし、原則として、引っ越し後は速やかに住民票の異動を役所に届けなければならず、そこから、転居先を相手に知られてしまう可能性があります。

配偶者に転居先の住所を知られたくないという場合、どのような方法を採るべきか、最後に復習しておきましょう。

離婚届を提出
本籍地は転居先とは違う住所にする
住民票の住所を変更する
一定の場合には、閲覧制限をかける

離婚前後の転居先の住所を知られたくないという場合は、離婚届を提出する前に、お近くの市町村役場に相談しましょう。

特にDV、児童虐待等を理由に転居先の住所を配偶者に知られたくないという場合には、警察や配偶者暴力相談支援センターへのご相談をおすすめします。

また、DV、児童虐待等による別居や離婚は、安全に対処するために慎重な対応が必要なため、弁護士にも相談することをおすすめします。

参考:配偶者暴力相談支援センター|内閣府 男女共同参画局

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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