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弁護士が解説!離婚を検討する前に知っておきたい基礎知識

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「この人と今後も一緒に暮らしていてよいのだろうか」
「離婚して別々に生きたほうが幸せなのではないか」
実際に離婚する、しないにかかわらず、夫婦喧嘩や価値観の違いを感じたことなどをきっかけに、ふと、このような疑問・悩みを抱えたことがあるかもしれません。

努力しても夫婦関係がどうしてもうまくいかず、離婚がベストな解決方法ということになれば、離婚を検討することになるでしょう。
しかし、離婚や離婚後の生活、子どものことなどについてしっかり考えずに離婚してしまうと、「こんなはずじゃなかった」「こんなことなら離婚しなければよかった」、と後悔することになりかねません。

離婚する場合には、事前の準備が必要です。

今回は、離婚を検討する前に知っておいてほしい基礎知識について、弁護士が解説します。

目次

離婚の主な原因(きっかけ)とは

まず、本気で離婚を考えていて実際に離婚するために行動している人の、離婚の主な原因(きっかけ)を見てみましょう。
参考にするのは、「性別離婚申し立ての動機別割合の推移(1975-2018) | 司法統計」です。
この司法統計からは、離婚調停を申し立てた夫・妻が、どのような理由で離婚したいと思っているかがわかります。
夫・妻ごとの離婚原因は次の通りです。

<離婚原因(2018年)>

 
1位性格が合わない(60.9%)性格が合わない(39.1%)
2位精神的に虐待する(19.7%)生活費を渡さない(29.4%)
3位異性関係(13.8%)精神的に虐待する(25.2%)
4位家族親族と折り合いが悪い(13.4)暴力をふるう(20.8%)
5位性的不調和(12.5%)異性関係(15.8%)

この司法統計から、次のようなことがわかります。

  • 離婚原因のトップは、夫・妻共に、「性格が合わない(性格の不一致)」。
  • 1位以外の離婚原因は、夫・妻で異なる
  • 夫側の離婚理由からは、妻からの暴言に精神的苦痛を被っている、妻が浮気している、妻が夫側の親族と仲が悪い、性的不調和(主にセックスレスだと思われる)という点で、夫婦関係に不満を持っていることが分かる。
  • 妻側の離婚理由からは、夫が生活費を渡さず生活できない、夫からの暴言に精神的苦痛を被っている、夫が暴力をふるってくる、夫が浮気しているという点で、夫婦関係に不満を持っていることが分かる。

数値データでみる離婚件数

毎年、日本ではどれくらいの人が離婚しているのでしょうか。
2019年度の離婚件数、離婚数について見てみましょう。
参考にするのは、「令和元年(2019)人口動態統計の年間推移 | 厚生労働省」という統計です。
この統計からは、次のことがわかります。

  • 令和元年の婚姻件数は58万3000組で2019年(令和元年)の離婚件数は21万組
  • 婚姻数は長期的にみると減少傾向にある一方で、離婚数は微増・横並び傾向
  • 同年度の婚姻件数と離婚件数を単純比較すると、離婚割合は約36%に上る

離婚するためには法定離婚事由が必要

離婚したいと思っても、パートナーが離婚に合意しない場合には、離婚するためには法で定められた離婚事由が必要です。
法定離婚事由について解説します。

(1)不貞行為(民法770条1項1号)

不貞行為とは、既婚者が、その自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と「性的関係」を結ぶことをいいます。
「性的関係」とは、主に性交渉を指します。性交渉の回数は問いません。
性交渉は1回でも不貞行為となります。
ですが、配偶者が不貞行為を否定している場合には、不貞行為があったことについて、証拠が必要です。

(2)悪意の遺棄(同条1項2号)

民法上、夫婦は同居して互いに協力し、扶助する義務があります(752条)。
この義務をはたさない夫・妻は、正当な理由がない限り、配偶者を悪意で遺棄したとして、法定の離婚原因となります。
例えば、DVが原因で別居しても、それには「正当な理由」がありますから。悪意で遺棄したことにはなりません。
「悪意の遺棄」はすこしわかりにくいので、裁判例を紹介します。

<浦和地方裁判所判決昭和60年11月29日(判例タイムズ615号96頁)>
夫が、仕事を求めて上京するにあたり、妻に対して出発予定も行先も告げず、今後の生活方針について何ら相談することもなく、幼い次女が泣いてすがるのを振り切って単身で上京した。
裁判所は、妻が三人の幼い子供を抱え、父親のいない生活を余儀なくされることを熟知しながら、あえて夫婦、家族としての共同生活を放棄し、独断で上京に踏み切ったものとして、「悪意の遺棄」があったとして離婚を認めた。

(3)3年以上の生死不明(同条1項3号)

配偶者が出て行ってしまい、連絡がつかずに生きているのか死んでいるのかわからない状態が3年以上続いている場合に、離婚を希望する残された配偶者が、離婚できるようにしたものです。
あらゆる方法で配偶者を探したが、「生死不明」であることを、裁判所に対して証明する必要があります。
次のような方法で探すことが考えられます。

  • 警察へ捜索願を提出
  • 失踪した配偶者側の親族へ問合せたが不明であることの陳述書
  • 失踪した配偶者の勤務先や友人に問い合わせたが不明であることの陳述書
  • 滞在している可能性のある場所へ訪問・問い合わせしたが不明であることの陳述書など

(4)配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと(同条1項4号)

配偶者が、統合失調症、双極性障害などの「強度の精神病」にかかり、回復の見込みがないときに、離婚を希望する相手方配偶者が、離婚できるようにしたものです。
しかし、治療が必要な配偶者の離婚後の療養について、具体的な見込みがないのに離婚を認めたのでは、離婚された配偶者に極めて酷な結果となりかねません。
そこで、判例上、様々な事情を考慮して、治療が必要な配偶者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方策を講じ、その方策の具体的な見込みがついた上でなければ、離婚の請求は認められないとされています。
過去の裁判例では、離婚を希望する配偶者が、従前から治療費を支払い、離婚後もできる限り治療費を支払うと表明しているケースや、離婚される配偶者の親族が引き受ける態勢が整っているケース、離婚時の財産分与により治療費や生活費の相当額を支払えるケース等で、離婚を認めています。

(5)その他婚姻を継続し難い重大な事由(同条1項5号)

上記のような離婚事由の他にも、夫婦関係を破綻させるような重大な事由については、離婚事由として認める趣旨の規定です。
例としては、次のようなものがあります。

  1. 身体的暴力(DV)
  2. 精神的虐待(暴言、脅しなど)
  3. 経済的虐待(生活費を渡さない)
  4. 性格の不一致 など

夫婦間であってもDVや虐待行為は許されるものではないが、それが「婚姻を継続しがたい重大な事由」とされるかどうかは、当該夫婦の様々な事情を考慮して判断されます。したがって、「1回殴られたから必ず離婚できる」とは必ずしもいえません。
また、DVはケガの写真や、治療履歴、診断書、警察への通報、被害届等で客観的に証明できることがありますが、精神的虐待は証明が難しいこともあります。日記や、知人にメールで相談したり、病院に行ったり、精神的虐待の事実を証明する必要があることも。
そして、離婚したい理由としてトップの「性格の不一致」は、もともとは他人同士が夫婦になった以上、誰しも抱えているものです。
そこで、裁判所も、簡単には性格の不一致を離婚事由とは認めません。
性格の不一致が原因となって、修復不可能なほどに夫婦関係が破綻してしまった場合に限り、離婚を認める傾向にあります。

まとめ

法定の離婚事由は次のように5つありますが、実際に離婚を請求する場合には、複数の離婚事由を主張することが多いです。
例えば、配偶者が、不貞行為が原因で家を出ていって家庭を顧みないような場合には、不貞行為と、悪意の遺棄と、その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして離婚を請求します。
不貞行為の証拠が不十分で、不貞行為があったとは認められない場合でも、悪意の遺棄や、その他婚姻を継続しがたい重大な事由があったことの証明は十分として、離婚が認められる場合があるからです。

離婚を検討したい・・・離婚に必要な準備(基礎知識)・心構え

実際に離婚するとなると、離婚後は、当然ですが、現在の配偶者とは別々の人生を送ることになります。
また、離婚に伴い、様々な手続きが必要になることもあります。
離婚後に、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、事前に心構えや準備が必要です。

離婚後の生活についてのイメージをもつ

現在の配偶者のいない、離婚後の人生を考えてみましょう。
考える主なポイントは、生活ができるか、仕事と子どもへの影響があるかということが多いです。
専業主婦(夫)の場合は、離婚後は子供がいる場合に相手方から養育費をもらえるだけですので、基本的には、自分の生活費は自分で稼がなければなりません。
ですから、仕事を探したり、実家の援助を得られないか相談したりする必要があるでしょう。
子どもがいる場合で子供を引き取る場合には、仕事と子供への影響も考えましょう。
フルタイムで働きながら子供の世話を見られるのか、時短勤務が可能か、などが検討事項となるでしょう。
離婚している知人がいたら、相談してみるとよいかもしれません。経験者ならではの、はっとするようなアドバイスがもらえるかもしれません。

離婚の条件や時期について検討し、話し合う

離婚したいけれども、パートナーが離婚に同意してくれない場合には、離婚自体について話し合う必要があります。
話し合う際には、なぜパートナーが離婚したくないのか、聞く姿勢をもつようにしましょう。
離婚したくない理由を共有して、それを解消できるように話し合うとよいでしょう。
離婚自体に合意できたら、離婚の条件や時期についても話し合う必要があります。
一般的に、次のような事柄を検討し、話し合うことが多いです。

お金について

夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産については、夫婦が共有する財産として、離婚時に分与を求めることができます。
これを財産分与といいます。
プラスの財産もマイナスの財産(借金)も、すべて俎上に置いて、半分にするイメージです。
住宅ローンを組んでいる場合には、住宅の名義、ローンの名義、連帯保証人になっているかどうか、ローン残高、住宅の現在の資産価値など現状を確認したうえで、売却するか、維持してどちらがローンを支払うかなどを話し合う必要があります。
また、例えば、不貞行為や悪意の遺棄など離婚原因が一方にある場合などでは、相手方配偶者に離婚慰謝料を請求できるので、慰謝料の額についても話し合います。
年金の処理についても忘れないようにしましょう。
離婚しても、婚姻期間中の夫(妻)の厚生年金・共済年金の納付記録の分割を受けることができるケースがあります。
分割できるのは厚生年金・共済年金のみで、国民年金は対象になりません。
年金分割制度には、3号分割(相手方配偶者の合意が不要)と合意分割があります。
国民年金の第3号被保険者((例)配偶者が会社員の専業主婦(夫)など)は、3号分割の制度を利用することができます。
しかし、3号分割の対象となるのは、平成20年4月以降の記録のみですので、それ以前から結婚している場合には、それ以前の期間について、別途、分割割合について合意する必要があります。
まずは、管轄の年金事務所に対して、年金分割のための情報提供の請求をしましょう。すると、「年金分割のための情報通知書」が交付されるので、納付記録などを確認してみるとよいでしょう。
年金分割は、離婚日の翌日から2年経つと請求できないため、注意するようにしましょう。

子どもについて

未成年の子どもがいる場合には、どちらが親権をもつか、面会交流についての取り決め(月の回数、時間、方法など)、養育費の額、いつまで養育費を支払うか、塾や私立学校に行く場合の学費をどうするかなどを、話し合う必要があります。

氏(名字)について

結婚で氏(名字)を変えた配偶者は、離婚により原則として元の氏に戻ります。
婚姻中の氏を継続して利用したい場合には、離婚後3ヶ月以内に、役所に対して婚氏続称届を提出する必要があります。
婚姻中の氏を継続して利用するためには、相手方の同意は不要です。ですので、相手方が反対したとしても、婚姻中の氏の継続使用は可能です。
また、未成年の子がいる場合には、子どもの氏(名字)をどうするかも考える必要があります。
母親が結婚に際して氏を変え、未成年の子がいて離婚するケースで、母親が元の氏(名字)を名乗る場合、子も当然に母親の元の氏となるわけではありません。子の氏の変更には、別途手続きが必要です。
まず、子の所在地を管轄する家庭裁判所に対して、子の法定代理人として、子の氏の変更について許可の審判を申し立てて、許可を得る必要があります。家庭裁判所には書式が用意されているので、管轄の家庭裁判所に電話で問い合わせてみるとよいでしょう。子が15歳以上の場合は、子ども自身が手続きを行う必要があります。
家庭裁判所では、特段の事情がなければ、即日許可が出ます。その後、許可書を持参して、市町村役場に対して、「子の母の氏を称し母の戸籍に入籍する」旨の入籍届を提出します。これにより、母と子は同じ戸籍で、同じ氏を称することができます。

話し合うべきことは夫婦それぞれ

他にも、夫婦ごとに、話し合うべきことは様々です。
婚姻期間中に共同で購入したものをどうするのか(売却するのか、どちらかが引き取るのかなど)、清算していなかった結婚式の費用をどうするのかなどの話し合いが必要になる夫婦もいます。
後々争いにならないように、十分な時間を確保して話し合いの場を設けるようにしましょう。

離婚に伴い必要となる手続きの準備をする

離婚に伴い、次のような手続きが必要となります。

  • 離婚届の提出。証人2人の署名押印が必要です。離婚の事実を把握している成人であればよく、両親や兄弟、知人に頼む人が多いようです。
  • 転出届取得・転入届提出。離婚に伴い引っ越しをし、別の市町村に住むときに必要となる手続きです。
  • 各種名義変更。離婚後、氏が変わるのであれば、各種名義変更手続きが必要です。変更手続きについて調べたり問い合わせたりして一つ一つ行います。名義変更が必要とされる主なものとしては、次の通りです。国民年金、印鑑、印鑑登録証、クレジットカード、銀行口座、運転免許証、パスポート、各種保険、各種会員カード。
  • 離婚後の医療保険。妻が夫を世帯主とする国民医療保険に加入している場合や、夫が健康保険に加入していて妻が被扶養者の場合は、妻は、離婚して別世帯になり、被扶養者の資格も喪失するので、新たな医療保険に加入する必要があります。国民医療保険に加入する場合には離婚後に役所で手続きをしましょう。
  • 子どもに関する手当。離婚後も子どもと同居して世話をするのであれば、収入額によっては児童扶養手当が受給できます(離婚せずに別居中でも受給できるケースもあります)。具体的な手続きについては、役所に問い合わせるとよいでしょう。地域によっては、児童扶養手当以外の福祉制度がある場合があるので、その点も確認するようにしましょう。

お互いの意見がズレたときの対応法(協議離婚が成立しないケース)

話し合いで離婚や離婚の条件について合意ができた場合はよいのですが、離婚自体応じてもらえなかったり、離婚の条件に折り合いがつかなかったりした場合はどうしたらよいのでしょうか。
その場合は、協議離婚ができないので、離婚するためには長期戦を覚悟する必要があります。
具体的には、まず、家庭裁判所に離婚を求めて調停を申し立てて、引き続き話し合います。
しかし、調停を申し立てても、無視して出席しない相手方もいるし、出席しても、離婚条件に折り合いがつかない場合もあります。
そうすると、調停は不成立となり、基本的に調停手続きでは離婚することはできません。
次に、家庭裁判所に離婚を求めて離婚訴訟を提起します。
離婚訴訟では、法定の離婚事由が存在することを、証拠を示して証明する必要があります。裁判中に、和解で離婚が成立する場合もありますが、和解できなければ、判決まで1年以上かかることもあります。

離婚によって生じる生活への影響

人によっては、離婚後に生じるデメリットがあります。
離婚前に把握して対策を立てられるとよいですね。
離婚することで想定される、生活に生じる可能性があるデメリットを説明します。

子どもの生活に影響が出てしまう

離婚に伴って夫婦が別居したり、引っ越して生活環境や学校・保育所などが変わったりすると、子どもが精神的に不安定になることがあります。
幼い子どもでも、親に心配をかけまいと気丈に対応することがあるので、親が気付かないこともあります。
親が直接把握できない、学校生活や生活態度に影響が出るかもしれないので、注意してみる必要がありそうです。
もちろん、子どもによっては、離婚しても精神的影響を受けないケースもあります。これは、離婚前の夫婦関係や、子どもの性格によるところが多いようです。

収入(世帯年収)が下がる

離婚後も、子どもを引き取って育てる側は、基本的に、相手方に対して養育費を請求することができます。
しかし、養育費は、相手方収入の一部分にすぎず、子どものための費用に充てるものであるから、生活費自体は自分で稼ぐ必要があります
離婚により、ほとんどのケースで世帯収入が下がります。したがって、離婚後も離婚前と同じような生活レベルを維持することは困難です。
離婚後の収入に合わせた生活をする必要があります。
食費や交際費、通信費など、節約できる部分の見直しをするようにしましょう。

子育てと仕事の両立

仕事をしながら一人で子育てをするのは、精神的にも肉体的にも大変です。
ですが、離婚後自立して生活するためには、仕事は必要になるでしょう。
仕事をしている場合には、時短勤務など、職場の使える制度を利用することを検討しましょう。
両親や兄弟の助けを得たり、地域のボランティアなどの利用も考えたりして、一人で孤立して頑張りすぎないようにしましょう。

慰謝料や養育費の支払いが必要なことも

自身に不貞行為などの離婚事由があって離婚するに至った場合、相手方は、精神的苦痛を被ったとして、自分に対して慰謝料の支払いを請求することができます。不貞行為などが事実であれば、一定程度の慰謝料を支払う義務があります。
相手方が子供を引き取って育てる場合、相手方は自分に対して養育費の支払いを請求することができ、親である以上、一定額の養育費を支払う責任を負います。
養育費の額は、話し合って決めることが多いですが、妥当な額がわからない場合には、裁判所が公表している養育費算定表を参考にするとよいでしょう。
お互いの収入額と子供の年齢、数により、裁判所が適当と考えている養育費が算定できます。

参考:平成30年度司法研究(養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所 – Courts in Japan

子どもと離れてしまう可能性

離婚後、子どもを引き取って育てるのは、親権及び監護権を持つか、親権はないが監護権を持つ側(親権と監護権の分離)です。
離婚後は、お互いに別々の家で暮らすことになりますから、子どもを引き取って育てるのでなければ、子供と離れて暮らすことになります。
面会交流の話し合いができたとしても、一般的に面会交流の頻度は月に1度程度であることが多いです。
人それぞれですが、かなりの喪失感を抱える方もいます。

離婚することで得られるコト

離婚はデメリットばかりではありません。次のように、離婚により得られるメリットもあります。

ストレスや不満を溜めないですむ

育ってきた環境が異なり、生活習慣や価値観の異なる人と結婚生活を送ることは、多少なりともストレスを生じさせます。
愛情があれば許容できることでも、離婚間近で夫婦関係が修復困難な状況に陥っていると、許容できず拒絶反応がでることもあります。
ストレスは、発疹、帯状疱疹、過呼吸、拒食、過食など、身体的な症状としてあらわれることもあります。
離婚すると、パートナーと同居することで生じるストレスや不満から解放されます。

自分のために使える時間が増える

パートナーのために使っていた時間(喧嘩や家事など)を自分のために使うことができるようになります。
時間がなくてできなかった趣味を再開したり、友達付き合いを再開したりする人もいます。

夫婦関係を取り繕う必要がなくなる

喧嘩を避けるために、自分の意見は二の次にして、パートナーの顔色を見ながら生活している人は少なくありません。
また、パートナーの言動には賛成できなくても、パートナーとしての責任感から、周囲に対してパートナーの言動の尻拭いをしている人もいます。
離婚すればそのような気を遣う必要もなくなります。

別のパートナーと出会える可能性がある

家族や恋愛の形は多様化しており、離婚歴は恋愛する支障にはなりません。
離婚後、新たなパートナー探しをして、素敵な人物に出会える方もいます。

子どもにとってプラスになる場合がある

両親が頻繁に喧嘩する状況下で子育てをするのは、子どもにとって望ましくありません。両親が喧嘩する声を聴くよりは、離れて暮らすほうがいいという子どももいます。
パートナーがDVやモラルハラスメントを行う場合、子供に対して直接行うことはなくても、子どもの精神に影響すると考えられています。
親が殴られたり罵倒されたりしている状況が普通である状況で育った子どもには、精神面で悪影響がある可能性があります。
このような場合には、離婚することが子どもの健全な育成、将来にとってプラスになるかもしれません。

円満離婚に向けて準備すべきこと

円満離婚のために、事前に話し合いをすべき一般的な事柄について説明します。
お互いに話し合うべきことを可視化できるように、事前に話し合うべきことを項目化して話し合いするとよいでしょう。
今回は、不動産の処理(財産分与)、年金分割、養育費について説明します。

不動産(財産分与)

婚姻期間中に不動産を購入した場合には、その処理についてはよく話し合う必要があります。
不動産の処理としては、売却するのか、財産分与としてパートナーに譲渡するのか、維持して一方が住み続けるのかという選択肢があります。
住宅ローンがアンダーローンの場合(不動産の価値が住宅ローン残高を上回っている場合)は、売却して、住宅ローンを完済した残りを財産分与することが多いです。財産分与として、簡易で分かりやすいからでしょう。
一方で、オーバーローンの場合(不動産の価値が住宅ローン残高を下回っている場合)は、売却しても借金が残るので、ローンの返済を継続できるのであれば、売却せずに維持することが多いようです。
不動産を売却せずに、不動産を引き取って住み続ける場合には、不動産の名義の変更や、ローン名義の変更が必要な場合があり、その手続きには費用が生じることがあります。ローンを借りている銀行などに事前に相談するとよいでしょう。
相手方が不動産の所有者で、ローンも全額支払い、自分は離婚後その不動産にかかわらない、という場合には、自分や両親がローン支払いの連帯保証人でないことを確認してください。連帯保証人となっていると、後々相手方がローンの支払いを滞納したりすると、自分や両親に支払うよう請求が来て支払う責任を負うことになります。
不動産を維持する方向だけれども、住み続ける人とローンを支払う人が違う場合には、後々紛争が生じやすいです。ローンの支払いが滞れば、住んでいる人は住居を失うかもしれません。専門家に相談して、事前に、紛争を防ぐような協議書面を作成してもらうのがよいでしょう。

年金分割

離婚前に、加入している年金団体から、「年金分割のための情報提供通知書」を取り寄せます。50歳以上であれば、分割後の年金見込額の照会もすることができます。
3号分割(分割に相手方の同意が不要)ができない場合は、合意により年金を分割する必要があるので話し合いが必要です。
話し合いの方法は、大きく二通りです。当事者のみで合意する方法と、公証役場を利用する方法があります。
当事者のみで合意する方法は、費用が掛からない点がメリットですが、離婚後に当事者二人(又はその代理人)が一緒に年金事務所に行って手続きする必要がある点、手続きするまでに気が変わって合意できなくなる可能性がある点がデメリットです。
養育費や慰謝料など、ほかにお金について合意すべき事項があるのであれば、年金分割の合意内容と共に、離婚前に公正証書を作成すると、上記のデメリットは生じません。離婚後に、一人で年金事務所に行き、年金分割の手続きをすることができます。
ただ、公正証書の作成は、きちんと法的な効力を有する書面を作成するためにも専門家に依頼した方がよいので、費用がかかります。

養育費

養育費は子どものために必要なものです。子供のために、しっかりと話し合って合意するようにしましょう。
合意内容は、離婚協議書を作成して書面にするか、公正証書を作成して明確にしておきましょう。
特に、執行認諾文言のある公正証書を作成しておけば、後々養育費が支払われなくなった場合に、養育費の支払いを請求する裁判手続きを経ることなく、相手方の財産(給与、預金など)に対して強制執行をすることができます。
今までは、相手方が転職したり、転居したりして、財産がわからない場合には、強制執行をすることは困難でした。
相手方の財産を、強制執行をする側が独自に調査して特定しなければならなかったからです。独自に調査しても財産を特定できないことは少なくありませんでした。
しかし2020年4月から民事執行法が改正され、第三者からの情報取得手続が新設されました。
これにより、相手方の財産の所在が分からない場合でも、裁判所が、市町村や年金事務所、金融機関などに対して、勤務先や口座の有無などについて情報提供を命じることができるようになりました。
裁判所を通じて相手方の勤務先や預金口座を調べられるようになり、養育費を回収しやすくなったのです。
民事執行法改正により、手続上養育費は回収しやすくなりましたが、やはり自分で対応するのは困難で弁護士に依頼する必要があり、一定の手間や費用がかかります。
話し合って納得したうえで合意した養育費は、自主的に支払われる可能性が高くなりますので、納得できるまでしっかりと話し合いをするようにしましょう。

離婚について話し合うべきタイミング

離婚について話し合うタイミングについては、次のような事情を考慮して判断するようにしましょう。
相手方に不貞行為等の離婚事由がある場合には、離婚を切り出すと証拠隠滅される可能性があります。
離婚について話し合う前に、客観的な証拠(性交渉があったことが推認できる写真、メール、SNSのやり取りなど)を確保したほうがよいでしょう。
また、離婚の意向を伝えると、財産を隠されてしまうかもしれません。
パートナー名義の口座情報については、通帳の表紙や残高がわかる頁をコピーしたり写真を撮ったりして把握しておきましょう。給与明細や年末調整もコピーしておくとよいでしょう。
離婚するまでに、本当に離婚したほうがいいのか悩むのは当然です。悩んだ結果、離婚しないという判断をする人も多くおられます。
ですので、パートナーと離婚の話し合いをするのは、自分の中で離婚の決意が固まった後がよいでしょう。決意が固まる前に話し合ってしまうと、相手方の気持ちが離れてしまって、後々離婚したくなくなっても、関係修復が難しくなる可能性があります(夫婦によっては、離婚について話し合うことで反省し合って、夫婦としてより結束できる場合もありますので、人それぞれですが)。
離婚について合意できたら、細かな離婚条件について、一つ一つ話しあうようにしましょう。

離婚には入念な準備と時間が必要、離婚に関するご相談は弁護士へ

説明してきたように、円満離婚するためには、入念な準備と時間が必要です。
話し合いで離婚ができない場合には、調停や裁判をする必要があり、より時間と労力がかかります。
離婚の良し悪し(メリットやデメリット)を見極めて、離婚がベストな選択肢なのかどうか、様々な角度から熟考すべきです。
熟考した結果、離婚することに気持ちが固まったら、離婚の話し合いについて、弁護士に依頼することもできます。
当事者同士で冷静な話し合いが難しい場合には、弁護士に依頼することも一つの方法です。
弁護士が代理で話し合うので、冷静に今後の生活を見据えて交渉することができるでしょう。
弁護士は、離婚の条件について、後々の争いを防ぐために、協議離婚の内容について書面を作成することもできます。慰謝料や養育費など、継続的な支払いが予定されている場合には、執行認諾文言のある公正証書を作成した方が、自主的に支払われなかった場合に、強制執行することができるので、回収がしやすくなります。そのような効力を有する公正証書についても、弁護士が文案を作成することができます。
また、弁護士は手続きや離婚で生じうる問題点を熟知しているので、きめ細やかなサポートが受けられるし、自分で対応すると時間がかかってしまう書面作成なども、スピード感をもって対応することが可能です。
パートナーが不貞を行ったが、離婚はしたくない、不貞相手にだけ慰謝料を請求したいというような場合は、離婚せずに慰謝料請求だけすることも可能です。
離婚するにあたって、不安なことがあれば、弁護士へご相談ください。

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