あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

コロナウイルスの影響で増加!?給与ファクタリングの注意点を詳しく解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

新型コロナウイルスの影響により、資金繰りが悪化する人が増えました。
そんな中で、悪質な給与ファクタリング業者も再び増加の傾向を見せています。
給与ファクタリングには法律上の問題点が多数存在するため、注意が必要です。

この記事では、給与ファクタリングに関する法律上の注意点を弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

被害者が再び増えている!?給与ファクタリングに関する情報・ニュース

新型コロナウイルスの影響により経済的に困窮した人々をターゲットとして、給与債権の買い取りを謳った悪質な給与ファクタリング業者が、依然として暗躍しています。
給与ファクタリングは、その違法性について金融庁が公式に注意喚起を行っており、法律的にきわめて問題の大きいビジネスであると言わざるを得ません。

参考:給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!|金融庁

さらに、弁護士業界も一丸となって違法な給与ファクタリングの撲滅に取り組んでおり、2020年11月には給与ファクタリングの被害に遭った人に向けた無料電話相談会を日弁連が実施していました。

参考:【11月11日】「全国ファクタリング被害ホットライン」を実施します|日本弁護士連合会

なぜ給与ファクタリングに注意すべきなのか

給与ファクタリングは、合法的なカードローンや消費者金融などでは認められないような高金利を、手数料という名目で実質的に利用者に課している点が大きな問題です。
また、利用者からの支払いが滞った場合には、ヤミ金融さながらの過剰な取り立てを行う業者が多い点も問題視されています。

給与ファクタリングの被害例

悪質な給与ファクタリング業者の被害例としてよくあるのは、以下のようなパターンです。

  • 給与額面の半額近くを手数料として取られたうえで、翌給料日付で返済する契約を締結させられた。年利換算すると数百%になる。
  • 支払いが遅れたわけでもないのに、支払期限当日にしつこく電話がかかってきて、給与ファクタリングを利用した事実が家族にバレた。
  • 支払いが数日遅れたところ、家まで業者が押しかけてきて強引な取り立てが行われた。

給与ファクタリングとは現金を得るために給料債権を売ること

 給与ファクタリングとは、会社などに勤めている従業員が勤務先に対して有する給与債権を業者に売却する代わりに、給料日よりも早く現金を受け取れるサービスです。
その日暮らす分のお金にも困るぐらい経済的に困窮している人は、一刻も早く現金が欲しいでしょう。
給与ファクタリング業者は、経済的弱者のこのような心理に付け込んで、手数料の名目で高額の利益を得ようと企んでいるのです。

(1)「ファクタリング」とはどういう意味?

「ファクタリング」という用語は、他人が有する債権を買い取り、その債権の回収を行うサービスを意味しています。

世間でよく行われているファクタリングの代表例が「売掛金ファクタリング」です。
売掛金ファクタリングでは、中小企業や個人事業主が取引先に対して有する売掛金債権を業者が買い取り、一定の金額を割り引いたうえで利用者に現金を交付します。

このように対象債権の種類によって名称が付けられており、給与債権を対象としたファクタリングが「給与ファクタリング」と呼ばれているわけです。

(2)給与ファクタリングは貸金業に該当する

ファクタリングの中でも特に給与ファクタリングは、従来から貸金業法や出資法との関係で、法律的な問題が指摘されていました。

「貸金業」とは、金銭の貸付けまたは金銭の貸借の媒介を業として行うことをいいます(貸金業法2条1項)。
給与債権の買い取りの形を取ってはいるものの、利用者に対して現金を交付して一定の利息(手数料)を上乗せして後で返済を求めている現状を見ると、給与ファクタリングは一般的な金銭の貸付けとほとんど差がありません。

仮に給与ファクタリングが貸金業に該当する場合、法律上、主に以下の規制を受けることになります。

  • 給与ファクタリングを業として行うには、貸金業者としての登録が必要(貸金業法3条1項)
  • 上限金利規制(年20%まで)の対象になる(出資法5条2項)

2020年3月5日、給与ファクタリングのスキームは貸金業に該当するという見解を金融庁が公式に発表しました。

参考:金融庁における一般的な法令解釈に係る書面照会手続(回答書)|金融庁

さらに同月24日、東京地裁で言い渡された2件の判決において、いずれも給与ファクタリングが貸金業に該当する旨が判示されたのです。
東京地裁は、貸金業法違反を理由として給与ファクタリング契約を無効としました。そのうえで利用者に対して交付済みの債権買取代金を返還不要とし、さらに違法な給与ファクタリング業者が出資法に基づく刑事罰の対象になる旨を指摘しました。

このように金融庁・東京地裁が相次いで提示した見解により、「給与ファクタリングは違法である」という取り扱いが実務上定着したといえます。

経済的弱者が標的に|給与ファクタリングの主な利用者とは

違法な給与ファクタリング業者は、以下に挙げるような人々の弱みに付け込んでいます。

(1)給料日前にお金が無くなり家賃や生活費が支払えない

そもそも毎月の収入が少ない人は、1ヶ月の家賃や生活費の支払いに必要なお金を月の半ばで使い切ってしまいがちです。
とくに新型コロナウイルスの影響で収入減に見舞われた人は、給与ファクタリングによって急場をしのごうと考えてしまうかもしれません。
しかし、給与ファクタリングはきわめて過酷な条件で将来の自分から借金をしていることに等しく、将来の資金繰りがますます厳しくなるのが目に見えています。

(2)冠婚葬祭や入院で急にお金が必要になった

普段の生活は経済的に問題なかったとしても、冠婚葬祭や入院などで突発的にお金が必要となった場合、給与ファクタリングの利用に手が伸びてしまうことがあるようです。
このような場合でも、給与ファクタリングは契約条件が利用者にとってきわめて不利であると認識してください。そのうえで、他の方法による資金調達を検討しましょう。

給与ファクタリングの特徴|利用者数が伸びた理由とは?

給与ファクタリングの利用者が増加したのは、手軽さを中心とした以下の特徴に理由があると考えられます。

(1)ブラックリストに載っていても利用できる

過去に借金や料金などの債務不履行を発生させたことがある場合、信用情報機関の事故情報(俗にいうブラックリスト)が一定期間(約5年または約10年)登録されます。
その間は原則として金融機関からの融資などを受けられません。
しかし、給与ファクタリングであれば、事故情報が登録されている期間であっても利用可能です。
このことから、いわば“借金グセ”のある人が最後にたどり着くのが給与ファクタリング、という図式が出来上がったといえます。

(2)審査なしで即日現金が振り込まれる

利用者に対する審査が行われないため、給与ファクタリングは誰でも即日で現金を受け取ることができる点が最大の特徴です。
手元の現金があまりにも不足している場合、すぐにでもお金がほしいと誰しもが思うでしょう。
そのため、手軽さが際立つ給与ファクタリングの利用に走ってしまう人々が増えたと考えられます。

給与ファクタリングの利用はやめましょう

これまで解説してきたように、給与ファクタリングは法的・経済的に大いに問題があるビジネスなので今後の利用は控えてください。
給与ファクタリングの利用をやめるべき理由は以下のとおりです。

(1)違法業者が横行している

前述のとおり、給与ファクタリングは貸金業に該当するというのが金融庁・裁判所の一致した見解です。
それにもかかわらず以下のような違法業者が横行しています。

  • 貸金業者としての登録を受けずに給与ファクタリングビジネスを行っている
  • 出資法の上限金利を大幅に超過する手数料を利用者に支払わせている

現時点で存在する給与ファクタリングサービスには、そのほとんどが上記の観点から法的に問題のあるものです。
悪質な業者の違法行為に加担しないためにも、給与ファクタリングの利用は控えるべきでしょう。

(2)目先の金銭と引き換えに損をする

給与ファクタリングは、たしかに即日現金を受け取れる点では魅力的です。しかし、それ以上に高額の手数料によるデメリットが大きいといえます。
目先の現金がほしいがあまりに給与ファクタリングを利用した結果、給与のかなりの割合を失い、将来の生活がますます苦しくなるようでは本末転倒でしょう。

【まとめ】給与ファクタリングの被害が増加中

金融庁の見解・東京地裁の判決が出されて以降、給与ファクタリングは下火になっていました。
しかし最近、新型コロナウイルスの影響もあり、給与ファクタリングの被害者が再び増加しているのが実態です。

給与ファクタリングの被害に遭う方は、他に多重債務を抱えていることが少なくありません。

多重債務は、債務整理をすることにより負担を軽減したり無くしたりできる可能性があります。

多重債務から抜け出す方法について詳しくは次の記事をご覧ください。

多重債務から抜け出したい!多重債務に陥る原因や抜け出す方法を解説

アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続きにつき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続きに関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております。
また、完済した業者への過払い金返還請求の場合は、原則として過払い金を回収できた場合のみ、弁護士費用をいただいておりますので、弁護士費用をあらかじめご用意いただく必要はありません(2021年9月時点)。

債務整理についてお悩みの方は、債務整理を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

債務整理に関するご相談は何度でも無料

費用の不安を安心に。気軽に相談!3つのお約束をご用意

国内60拠点以上,弁護士140名以上。ご相談・ご依頼は、安心の全国対応

もしくは

ゼロイチニーゼロ サイム ナシニ

0120-316-742

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中

新型コロナウイルス感染対策における電話での債務整理相談実施について
(1月14日更新)

お気軽にお問い合わせください

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。