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祖父母は孫の親権者になれるのか?親権者の資格とは

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いろいろな家庭の事情から、子どもの面倒を見ているのが親権者である「親」ではなく「祖父母」であることも珍しくありません。

そのようなご家庭では、孫の幸せや将来を考え、祖父母が自ら親権者になりたいと考えることもあるでしょう。

では、祖父母が孫の親権者になることはできるのでしょうか。
そもそも親権者とはどのような権利で、親権者となる資格はどういったものなのかを以下に解説していきます。

祖父母は原則として親権者になることができない

結論として、原則、祖父母は親権者になることができません。
しかし、「原則」には「例外」もあります。

なぜ祖父母は親権者になることができないのでしょうか。
そしてどのような例外があるのでしょうか。

(1)親権とは

親権とは、未成年の子を育て、財産を管理し、子どもの法律行為を代理する権利のことです。
「権利」という呼び方がされていますが、社会的に未熟な子どもを保護して、子どもの精神的・肉体的な成長を図っていかなければならない親の「義務」という側面が強いものです。

法律上定められている「親権」の具体的な内容としては、次のようなものがあります。

(1-1)身上監護権

子どものしつけや身分行為の代理など、社会的に未熟な立場にある子どもを守る義務のことです。

子どもが身分法上の行為を行うにあたっての親の同意・代理権(民法737条、775条、787条、804条)や親が子どもの居所を指定する権利(同821条)などです。

その他、「懲戒権」も民法上規定がありますが(822条)、児童虐待事件の増加などを背景に見直しが検討されています。

(1-2)財産管理権

子どもの財産を親権者が管理する義務です。
社会的に未熟な子どもが財産を自分で管理することは難しいため、親権者が代理人として管理を行います。

(2)親権者になれる条件

子どもは、父母の婚姻中は両親の親権に服し、父母が共同して親権を行使します(民法818条1項・同条3項)。
一方の親が亡くなった場合は、もう一方の親が単独で親権を行使します(民法818条2項)。
父母が離婚した場合には、その一方が親権者となります(民法819条1項)。

つまり、原則として親権者は父母に限られることになります。
ですから祖父母は原則として親権者になることができません。

祖父母が親権者になるには

確かに、祖父母は原則として親権者にはなれないのですが、例外的に親権者となることが認められる場合があります。

また、親権が認められないとしても、法的に孫と一緒に暮らし、親権者同様の権利行使が可能になる手続きもあるのです。

(1)養子縁組をする

祖父母が孫の親権者となるには「養子縁組」という方法があります。
養子である子に対しては、養親が親権を持つことになるからです(民法819条2項)。

養子縁組は、祖父母または孫の本籍地か住所地を管轄する市区町村役場に対して、養子縁組届や必要書類を提出することで行います。
養子縁組の手続を行うことによって、祖父母は孫の養親となり、親権者となります。

ただ、祖父母が孫と養子縁組をする場合、特に養子として迎える孫が「未成年者」である場合、注意が必要な点があります。

(1-1)祖父母双方との養子縁組が必要なケース

孫が未成年の場合は祖父母のどちらかではなく、双方揃って養子縁組を行う必要があります(民法795条)。

(1-2)現親権者の承諾が必要なケース

加えて、未成年の孫が15歳未満の場合は現親権者である父または母の承諾が必要になります(民法797条1項)。
つまり、15歳未満の孫が養子になりたいと願っても、親権者である親が承諾しなければ祖父母は孫を養子にすることができないのです。

(1-3)現監護者の承諾が必要なケース

更に、15歳未満の孫に、親権者とは別に「監護者」がいる場合は現親権者である父または母の承諾に加えて現監護者の承諾も必要になります(民法797条2項)。

監護者とは「監護権」を持つ者のことで、子どもと生活を共にして身の回りの世話をする者のことです。

親権は「身上監護権」と「財産管理権」に分類することができます。
一般に「親権」と呼ばれているのはこの二つを合わせたものですが、離婚の際に身上監護権のみを分離して「親権者」と「監護者」に分けることも可能であるため、親権者とは別に「監護者」がいる場合もあるのです。

(2)監護権を取得する

祖父母に「親権」が認められないとしても、孫を養育することが目的なのであれば「監護権」を取得するというのもひとつの手段です。
この「監護権」を取得すれば法的に孫を育てる権利が認められます。

家庭裁判所にて監護者指定を受けることで監護権の取得ができます。
家庭裁判所に監護者指定の調停(または審判)の申立てを行なえるのは、原則、父母に限定されていますが、例えば虐待があるなど子の利益の観点から相応の事情がある場合は祖父母からの申立てもできるのです。

(3)未成年後見人になる

孫に親権者が存在しない場合は、家庭裁判所で未成年後見人に指定されることで親権とほぼ同等の権利を行使することができます。

現親権者が存在する場合は、両親の親権を喪失の手続きが必要になります。

例えば、虐待があるなど子の利益の観点から相当の理由がある場合には孫本人や祖父母でも家庭裁判所に対して親権喪失に関する申立てができるのです(民法834条)。

家庭裁判所に「親権喪失の審判」を申立て「父母が親権を濫用し又は著しく不行跡である」と認められた場合に、親権喪失の審判がされます。

この「親権喪失の審判」により現親権者に親権喪失させた上で、祖母が孫の未成年後見人となることによって、事実上、親権者と同様の権限を持つことが可能です。

ただ、親権喪失は親権を完全に剥奪するものであり、戸籍に「親権喪失宣告の裁判確定」と記載されるといった強力な方法です。
そのため、慎重に検討する必要があるといえます。

また「未成年後見人」は、財産目録や年間収支予定表の定期的な提出の義務を負うなど、親権者より義務が多い点も注意が必要です。

(4)親権を代行する

「親権代行」は意図的にできるものではないのですが、このような場合もあるので、ご参考ください。

祖父母にとっての娘さんに子供(祖父母にとって孫に当たります)がいるが、娘さんがまだ未成年である場合には、その娘さんの親権者である祖父母が、孫に対する親権を代行することになります(民法838条)。

ですから娘さんが産んだ子どもの親権は、娘さんが成年に達するまでは、祖父母が代行することになります。

なお、以前は婚姻による成年擬制という制度がありましたが、2022年4月1日からは、民法改正によって成年年齢が18歳に引き下げられ、また女性の婚姻開始年齢が18歳に引き上げられるため、未成年者は婚姻ができなくなりました。
ですから成年擬制の制度は消滅します。

【まとめ】孫の親権についてお悩みの祖父母の方は弁護士にご相談ください

子どもを育てるのは親の義務であると同時に権利でもあるので、親権を取得するには、祖父母は養子縁組をするしかありません。

なにより大切なことは子が幸せに暮らせることにあります。
そのため法は、監護権や未成年後見制度など、親権に準ずる権利とその権利取得のための手続きを設けています。
子どもの置かれている環境によっては、そのような制度もご検討ください。
祖父母の方々の抱える親権問題は、デリケートな問題です。
なかなか相談する相手も見つからず、ご苦労も多いことでしょう。
守秘義務がある弁護士に相談することで、心の荷が軽くなるかも知れません。

また、状況によって必要な法的手続きが異なるため、法的なアドバイスを弁護士に相談するのもおすすめです。

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