あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

円満離婚を目指すときの養育費交渉のポイント

作成日:更新日:
リーガライフラボ

配偶者とうまくいかなくなり夫婦関係が冷めきっていても、いざ離婚となれば、相手と意見が対立し、争うことになることが予想されます。
特に子供を引き取りたいと願っている側にとっては、養育費の交渉は避けては通れません。
そのエネルギーを考えるとなかなか離婚に踏み出せないものです。

ですが、夫婦間の関係が悪いまま日常生活を送ることによるストレスは気が付かないうちに大きな負担になっていきます。
子どもにとっても良くない影響があるかも知れません。

「なんとか配偶者とあまり争うことなく『円満離婚』をすることができれば」
そう思っていませんか?

円満離婚を目指すときに気を付けたいこと、そして、特に意見が対立しがちな子どもの養育費についての交渉ポイントについて解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

円満離婚に向けて知っておきたいこと

離婚をする方法としては、調停離婚、審判離婚、裁判離婚がある他、「協議離婚」が認められています。

「円満離婚」が実現できない場合には、第三者を介して話し合い、それでも話し合いがまとまらなければ裁判という手段によって離婚を進めることになります。
つまり「円満離婚」をするためには、そのような第三者を介することなく夫婦の合意で「協議離婚」を成立させることが必要です。

協議離婚は、夫婦間に未成年の子どもがいる場合には親権者を指定すれば、あとは離婚届を役所に提出するだけなので、他の方法よりも簡単に手続きが終わります。
そのため、離婚をするのに協議離婚を選ぶ夫婦は、8割を超えています。

参考:平成21年度「離婚に関する統計」の概況|厚生労働省

離婚というと「裁判で相手と戦う」といったイメージもあるかも知れませんが、実際には協議離婚を選ぶことの方が多いのですから、円満離婚を目指すことはそれほどハードルが高いものではありません。

円満離婚するメリットと、円満離婚時の主な注意点を見ていきましょう。

(1)円満離婚とは?

一般的に円満離婚とは、協議離婚のうち、夫婦がお互いに納得のいく条件で協議離婚を成立させることです。

似た言葉として「円満調停」というものがありますが、これは家庭裁判所の「円満調停(夫婦関係調整調停(円満))」のことで、家庭裁判所が入るものですから「円満離婚」とは別のものです。

(2)円満離婚をするメリット

円満離婚のメリットは以下のものがあげられます。

  • 離婚成立までのスピードが速い

夫婦間の合意がまとまれば、離婚届を役所に提出することで成立します。

  • 離婚にかかる費用を抑えられる

訴訟ともなれば弁護士に依頼する方が無難ですから、やはり相応に費用がかかることは否定できません。
訴訟を経ずに行う「円満離婚」では訴訟費用などの負担を抑えられるメリットがあります。

  • 互いに配慮して離婚条件を定めやすい

円満離婚は「不要に争わない」という特徴があります。
夫婦の話し合いのもと、離婚に至っているので、財産分与や養育費など、金銭面においてもお互いに納得している場合が多く、争いにはつながりにくいのです。
そのため、お互いの立場に配慮し、納得した取り決めをすることが期待できます。

  • 離婚後も良好な関係でいられる可能性が高く、子どもへの影響が少ない

相手と裁判などで争った末に離婚する場合には、離婚成立後に良好な関係を築くことは難しいといえます。
その点、円満離婚は二人で話し合いを重ね離婚に至るので、たとえ別れた後でも連絡を取り合えるような関係でいられるようです。
元夫婦の険悪な関係を子どもに見せずに済むため、子どもへの影響も少なく済むようです。

(3)円満離婚したいからといって、離婚条件を妥協するのは禁物

以上のように、確かに円満離婚にはメリットは大きいです。
しかし、争いを起こさず円満に離婚を成立させたいからといって離婚条件の取り決めを曖昧にしてしまうと、後々トラブルの元になる可能性が高いです。
また、争うことを避けるあまり納得いかない合意を受け容れてしまった場合には後悔することになります。

特に、財産分与、慰謝料、養育費といった金銭面の条件はきっちり決めておく必要があります。
離婚条件については口約束では合意の記録が残らず、約束を反故される等のトラブルになりやすいため、法的な書面の形(離婚協議書)で合意内容をまとめておく方が良いでしょう。
そうすることにより、離婚した後にも離婚のときの約束を互いに確認できます。

(4)円満離婚を目指すときも弁護士に相談した方がいい理由

円満離婚ができるかどうかは、その夫婦の関係性や経済状態などいろいろな要素で変わってきます。
また、離婚に必要な準備事項は人によって異なるものです。
子どもの有無や収入状況等も関係してきます。
夫婦によっては円満離婚を目指すにしても、いろいろ注意が必要な場合があります。

そのため、離婚協議の前に、離婚準備や離婚手続きの全体像を把握しておくことが重要となってきます。

準備不足や対応漏れが原因で離婚協議の際にトラブルになったり離婚後に後悔したりしないよう気を付けたいものです。
家を出たり配偶者に離婚を切り出したりする前の段階で、離婚問題に詳しい弁護士に相談することにより、円満離婚できる可能性が高まることが期待できます。

円満に離婚し、離婚後もトラブルにならないための養育費交渉の4つのポイント

円満離婚をするに際して、子どもがいる場合には養育費交渉がネックとなってきます。

養育費とは「子どもの監護や教育のために必要な費用」のことで、監護権を持たない親(一般的に子どもと離れて暮らす親)が監護権を持つ親に支払うものです。

親には、自分と同程度の生活水準で未成年の子どもを養育する「生活保持義務」があります(民法第877条第1項)。
ですから離婚によって親権や監護権を失ったとしても、法律上の親子関係(養育義務)は継続するため(民法第766条第4項)、離婚により子どもの監護権を持たなくなる親であっても、養育費を支払う義務があります。

とはいえ「義務だから払え」では、払う側も納得いかないものです。

相手が「納得」して「支払うことを約束する」。それが「円満離婚」なのですから、その納得を得るために必要な4つのポイントを以下で説明します。

(1)配偶者の収入を把握する

養育費の金額は、基本的に父母が話し合って決めるものです。
ですが、どれくらいの額が妥当であるかの判断の指針がなければ、なかなか人は納得できないものです。

そこで、家庭裁判所の「養育費算定表」をベースに協議することになります。
このような目安を示すことにより、相手は養育費の額に納得しやすくなります。

参考:養育費・婚姻費用算定表|裁判所 – Courts in Japan

「養育費算定表」では、父母双方の年収や子どもの数・年齢によって養育費の基準額が定められているものです。
しかし、この算定表を参照するにあたり、配偶者が収入を過少に申し出てくることもあり得ます。
そこで、あらかじめ給与明細等で配偶者の収入を把握しておくと、そのような相手の虚偽の申告を封じることができます。

(2)子どもの成長に応じた経済的支出の見通しを立て、配偶者に認めてもらう

養育費は「子の利益を最も優先して考慮」するよう求められています(民法第766条1項)。
しかし、父母で子どもの教育観が異なると、想定する教育費にも差が広がり、養育費の話し合いがまとまらないことも予想されるところです。
例えば、子どもを中学から私立に通わせる、大学は医学部を目指す、といった具体的な進路については父母で意見が異なることも少なくありません。

そこで、現時点で見込んでいる子どもの成長に応じた経済的支出を計画化し、その支出計画をベースに話し合いを行なう必要があります。
配偶者と計画をすり合わせたり、養育費の合意を取り付けたりしやすくなるためです。

また、子どもの希望を最大限考慮するような話し合いを心がけましょう。
夫婦の教育観だけではなく、子ども自身の望みであることが伝われば、養育費を出す側としてもその進路にかかる金銭負担について納得を得られやすくなります。

(3)面会交流に協力的な姿勢を見せる

面会交流とは、監護権を持たない親が子どもに会ったり交流したりすることです。
非監護権者となった者が希望するのであれば、できる限り前向きに面会交流を認めることが、円満離婚するためには重要です。

面会交流の頻度や方法等については、父母が「子の利益を最も優先して」「協議で定める」ことになっています(民法第766条第1項)。
定期的、継続的な面会交流は、養育費を支払う側が子どもの成長を肌で感じる機会となりますし、親としての自覚を強めることにもなります。
親としての自覚により、進んで養育費を払うことへも繋がるのです。

養育費については、合意ができていてもその後払われなくなるといったトラブルも多いものですが、配偶者が求める面会交流の条件に可能な限り沿うことで、離婚後に養育費の支払いをめぐってトラブルになる可能性が低くなることも期待できるのです。

(4)養育費の合意書を公正証書にする

養育費の合意を書面に残す場合、その書面は公正証書にしておくことがおすすめです。
公正証書は、法務省に属する機関である公証役場で公証人により作成される公文書のことです。
公正証書を作成することにより、養育費を支払う約束が離婚後に守られる安全性を高められるメリットがあります。

また、公正証書は、公文書として証明力・証拠力を備えた証書となるため、裁判になったときには証拠として用いることができます。

さらに、公正証書に執行受諾文言が付されていれば、養育費の支払いが滞ったとき、裁判をしなくても強制的に支払いをさせることができます。
他にも、内容が無効になりづらい、破棄や紛失を防げるといったメリットがあります。

残念ながら日本では養育費の未払いを罰する仕組みがなく、離婚後しばらくして養育費の支払いが滞るケースも多いため、ある程度の自衛は必要となるといえます。

【まとめ】円満離婚に向けたスムーズな養育費交渉については弁護士にご相談ください

子どものいる夫婦は、離婚後もその子どもの養育費の支払いなど、完全に元配偶者との関係が切れるわけではありません。
ですから、子どものためにも離婚後も元配偶者との間で良好な関係を維持できれば理想的です。
そのために、当事者同士の話し合いで円満に離婚を成立させることは、大いにメリットがあります。

しかし、夫婦の離婚は感情的にこじれる可能性も高く、ちょっとしたきっかけで争いに発展する危険性があるものです。

円満離婚を目指すためには、離婚準備や離婚手続きの全体像を把握したり、交渉ポイントを踏まえる必要があります。
そのための適切なアドバイスを得るために、弁護士への相談も検討すると良いでしょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

浮気・不貞による慰謝料の
ご相談は何度でも無料

メールでお問い合わせ

ご来所不要お電話や、オンラインでの法律相談を実施しておりますご相談の際、ご来所いただく必要はありません!
お電話、もしくはテレビ電話などのオンライン環境を使って、ご自宅からご相談できます。
外出が困難な方・新型コロナウイルス感染への不安で外出を控えていらっしゃる方も、ご安心ください。
ご相談方法については、お気軽にお問い合わせください。
※オンライン相談をご希望の方は、カメラ付きのパソコンやスマートフォン、タブレットなどが必要です。

0120-783-184

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中