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リボ払いなどでのショッピング利用に過払い金は発生する?返済が苦しい場合の対処法

作成日:更新日:
kiriu_sakura

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「クレジットカードのショッピングで、高額なものを後からリボ払いに変更していたけど、何だかいつまで経っても支払いが終わらない……。広告とかで見る『過払い金』で減らせないかな?」

ショッピング利用に過払い金がないか、という質問は大変多いです。

しかし、クレジットカードのショッピング利用は、過払い金は発生しません。

もっとも、クレジットカードのキャッシング利用分には、過払い金が発生する可能性があります。
また、ショッピング利用分の支払いが大変な場合、過払い金はありませんが、「任意整理」などをすることで、支払いの負担を軽減できる可能性もあります。

この記事を読んでわかること
  • ショッピング利用分には過払い金が発生しないこと
  • ショッピング利用分の支払いの負担を軽減するための対処法
  • キャッシング利用分についての過払い金返還請求

ここを押さえればOK!

クレジットカードのショッピング利用には過払い金は発生しません。一方で、キャッシング利用では、2010年(平成22年)6月17日以前に借入れを開始した場合には過払い金が発生する可能性があります。ショッピング利用の支払いが困難な場合は、債務整理を検討すれば、返済の負担を軽減し生活を立て直せる可能性があります。ただし、事故情報が登録される点、そのクレジットカードは解約される点、分割払いの商品が引き上げられる可能性がある点に注意が必要です。
キャッシング利用分とショッピング利用分があり、キャッシング利用分の過払い金返還請求をする際には、ショッピング利用分があればその分と過払い金は相殺されること、残債があれば事故情報が登録されること、その会社のクレジットカードは解約され、さらに今後作成できない可能性があることなどに注意が必要です。
過払い金請求も債務整理も、返済に追われる生活を立て直す手段となります。「返済が厳しいな」「過払い金があるのかな」と思ったら、弁護士に相談するようにしましょう。

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この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

ショッピング利用と過払い金の関係

過払い金がどのようなものなのか、ショッピング利用に過払い金が発生するのかについてご説明します。

(1)過払い金とは?

「過払い金」とは、貸金業者からお金を借りて返す際、本来は支払う必要がないにもかかわらず、貸金業者に支払いすぎた利息のことです。

次の条件に当てはまる方は、過払い金が発生しており、過払い金を取り戻すことができる可能性があります。

  1. 2010年(平成22年)6月17日以前に借入れを開始した
  2. 最後に借入れ・返済をした日から10年(※)以内

(※)民法改正により、2020年4月1日以降に完済した場合、時効は最終返済日から10年(または権利が行使できることを知ってから5年)に変更となりました。

過去に借入れをしていた貸金業者や、今も借入れがある貸金業者に対して「過払い金返還請求」をすれば、過払い金の全部または一部を取り戻せたり、今残っている借金を減額できたりする可能性があります。

(2)ショッピング利用に過払い金が発生しない理由

キャッシングについては、「利息制限法」の適用を受け、その上限金利を超えて返済した場合に、その分のお金を過払い金として取り戻すことができる可能性があります。しかし、同じクレジットカードの利用であっても、ショッピング利用について適用されるのは「利息制限法」ではなく、「割賦販売法」であるため、基本的に過払い金は発生しません。

両者には次のような違いがあります。

利息制限法お金の貸し借りについて、「利息」の利率などの規制をする法律
割賦販売法商品やサービスの代金の分割払いについて、「手数料」の手数料率などの規制をする法律

ショッピング利用の支払いが難しいときの対処法

「ショッピング利用で過払い金はないことはわかったけど、そしたらショッピングの支払いはどうやって乗り切ればいいんだろう?」

ショッピング利用の支払いの負担も、債務整理をすることによって、軽減できる可能性があります。

債務整理には、主に任意整理、個人再生、自己破産の3種類あります。

(1)任意整理

任意整理とは、借金の正確な額を求めたうえで、次のような方法で返済の負担を軽減できないか、個々の債権者と交渉する手続きです。

  • 返済期間を長期化することで、毎月の返済額を減らす
  • 今後発生するはずだった利息や手数料(将来利息)をカットすることで、総返済額を減らす

任意整理の場合、確実に支払っていける見込みがあれば、一部の債権者を任意整理の対象から外すことができます。

例えば、住宅ローンや車のローン、迷惑を掛けたくない保証人がいる借金などを手続きから外し、それ以外の借金について返済の負担減を図るなどの柔軟な対応の余地があります。

クレジットカードのショッピング利用分についても、任意整理を試みることができます(実際に返済の負担を軽減できるかどうかは、交渉次第です)。
特に、手数料が高額にのぼり、なかなか返済が終わらないことのある「リボ払い」について将来利息をカットできれば、毎月の返済額自体はほとんど変わらなくても、早期に完済できる可能性があります。

リボ払いの手数料で総支払額が膨らむ仕組みについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

リボ払いは危険!?借金がふくらんでしまう仕組みや脱出方法を解説

ただし、クレジットカードのショッピング利用分について任意整理をする場合には、次のような注意点があります。

注意点(1)事故情報が登録される

債務整理をすると事故情報が登録されます。
そのクレジットカードを任意整理の手続きから外したとしても、事故情報が登録されることに変わりはありません。

事故情報って何ですか?

個人のクレジットカードやローンの申込み、契約、支払いの状況などの情報を「信用情報」といいます。
信用情報の中でも、特に「支払いが長期間遅れている」「支払額を減らすための『債務整理』をした」などの情報を、「事故情報」と呼びます。

信用情報に事故情報が載っている間は、過払い金返還請求をした会社以外の会社も含め、クレジットカードの新規作成や更新、ローンの新規契約などが難しくなります。
この信用が傷ついている状態を、俗に「ブラックリストに載っている」ともいいます。

注意点(2)そのクレジットカードは強制解約になる

債務整理の対象としたクレジットカードは強制解約されます。
そのクレジットカードを任意整理の手続きから外したとしても、事故情報が登録されますので、その影響で更新できないことがあります。

注意点(3)分割払いにしていた商品を、引き揚げられるおそれがある

任意整理の対象としたクレジットカードのショッピングで購入した物は、クレジットカード会社から引き揚げられるおそれがあります。

引き揚げられたら困るという場合には、そのクレジットカード会社は任意整理の対象から外し、他の借金を任意整理して生活を立て直すことで、引き揚げを回避できる可能性があります。

(2)個人再生・自己破産

任意整理をしても返済しきれないという場合には、より大きな減額につながる可能性のある「個人再生」や「自己破産」を検討します。

個人再生や自己破産では、原則全ての債務を手続きの対象としなければなりません。一部の債務を隠して手続きを進めたり、一部の債務だけ自分で支払ったりしてしまうと、最悪の場合、手続きがとん挫してしまうので、してはいけません。

個人再生裁判所から認可を得たうえで、大幅に減額された債務を原則3年間で分割払いしていく手続き。一定の条件を満たしていれば、住宅ローンの残った自宅を手放さずに済む可能性がある。
自己破産裁判所から、原則全ての債務について支払義務を免除してもらうことを目指す手続き。一定の財産は債権者への配当などのために手放さなければならない可能性があるが、もっとも返済の負担を軽くできる可能性あり。
※どちらの手続きでも、税金や養育費など一部の支払義務はそのまま残ります。

キャッシングとショッピングを両方利用している場合の注意点

昔キャッシングを利用していたので、過払い金があるのか知りたいです。でもショッピングでも利用しています。過払い金請求をしてもこのクレジットカードはそのまま使えるのでしょうか?

ショッピングでも利用しているクレジットカードが、過払い金請求により突然使えなくなったら困りますね。

ショッピングとキャッシングは適用される法律は違いますが、クレジットカードを作っている会社は同じですので、ショッピング利用にも影響します。

両方利用している方が、過払い金請求をするときには次の点に注意するようにしましょう。

(1)今持っているクレジットカード会社のカードはすべて解約される

あるクレジットカード会社に対して過払い金返還請求をする場合、「ショッピング利用はそのまま続けて、キャッシング利用で生じた過払い金について返還請求をする」ということは基本的にできません。

原則として、「キャッシング利用で生じた過払い金」と「ショッピング利用の残高」を相殺して、差額の全部または一部を返してもらうことになります。

例えば、キャッシング利用で60万円の過払い金が発生していて、ショッピング利用の残高が20万円あるという場合、差額の「40万円」を返してもらう権利があるということになります。
その40万円のうち、どれくらいの金額を受け取ることができるかは、そのクレジットカード会社の財政状況や交渉経緯などの、さまざまな事情によって変動します。

同じクレジットカード会社のカードを複数持っている場合も、全てのカードの取引について清算・相殺が行われることとなります。

したがって、今持っているそのクレジットカード会社のカードは全て解約されます。

過払い金返還請求をしようとしている会社のクレジットカードで公共料金や家賃などを払っている場合には、請求前に他社のクレジットカードや口座引落しなどに変更しておくようにしましょう。

(2)請求先の会社のカードを、今後利用できない可能性

また、過払い金返還請求の手続きが全て終わった後も、請求先のクレジットカード会社やグループ会社ではクレジットカードを作成できなくなるケースもあります

過払い金返還請求は、本来支払う必要のなかったはずの利息を取り戻す、正当な権利行使です。
それでも、お金を支払わなければならなくなったクレジットカード会社側では、自社に不利益なことをされたととらえて、そのクレジットカード会社やグループ会社内で「この人は過払い金返還請求をした」という情報が半永久的に残る場合があります。

そのため、そのクレジットカード会社やグループ会社では、クレジットカードを作れなくなる可能性があります(いわゆる「社内ブラック」)。

ただし、社内ブラックになっても、他社のクレジットカード利用には基本的に影響はありません。

(3)過払い金を反映しても支払いが残る場合、事故情報が登録される可能性

また、「確かに支払い過ぎた利息はあるものの、ショッピング残高の方が高い」など、過払い金を反映しても支払残高があるという場合、過払い金返還請求をすることで、事故情報が登録される可能性があります。

「過払い金<残高」の状態で過払い金返還請求をすると、「支払額を減らすために、債務整理をした」という扱いを受け、事故情報を登録される可能性があるのです。

過払い金の有無などについて正確に計算すれば「過払い金≧残高」と判明する場合でも、請求時点で一旦事故情報が登録され、「過払い金≧残高」と実際に判明した時点で事故情報が削除される場合もあります。
このような場合であれば、事故情報が登録されることによる支障は、それほど長くは続きません。
ただし、「近々車のローンを申し込もうと思っている」など、一時的であれ事故情報が登録されるのは困るという場合には、完済した後に請求することをおすすめします。

事故情報は、一度登録されたら永遠になくならないというわけではありません。

事故情報が登録される期間について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

何をするとブラックリストに載るの?いつまで情報は残るのか解説

【まとめ】ショッピング利用に過払い金は発生しないが、「任意整理」などを行うことで支払いの負担を軽減できる可能性がある

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • クレジットカードのショッピング利用には、過払い金は発生しない。
  • キャッシング利用については、過払い金が発生している可能性がある。
  • ショッピング利用分の支払いが大変なときは、「任意整理」などを行うことで、支払いの負担を軽減できる可能性がある。

ショッピング利用分の支払いが大変なときの対処法として、「任意整理」を中心にご説明しました。任意整理は、一部の債権者を手続きから除外できる可能性がある分、個人再生や自己破産よりも日常生活への影響が小さいからです。

ただし、ある程度借金が減額される可能性があるとはいえ、任意整理は数年間支払い続けることが前提の手続きです。
いつまでもショッピング利用分の支払い債務や借金を抱え続けていては、手数料や利息でどんどん金額が膨らんでしまい、いずれは任意整理をしても完済の見込みがないという状況にもなりかねません。

借金問題は、放置するほど解決からは遠ざかってしまいます。
まずは、弁護士に相談だけでもしてみませんか?

アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続きにつき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続きに関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております。
また、完済した業者への過払い金返還請求の手続きの場合は、原則として過払い金を回収できた場合のみ、成果に応じた弁護士費用をいただいておりますので、費用をあらかじめご用意いただく必要はありません
(2024年5月時点)。

クレジットカードなどのお支払いについてお悩みの方は、債務整理を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。