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マリッジブルーとは?結婚前後の不安への対処方法を弁護士が解説

作成日:
a.aihara

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

結婚は人生の大きな転換点であり、喜びと期待に満ちた瞬間です。

しかし、その一方で、結婚前後に感じる不安やストレス、いわゆる「マリッジブルー」に悩むカップルも少なくありません。

この記事では、マリッジブルーの定義や症状、原因、そして具体的な対策について弁護士がくわしく解説します。

結婚を控えたあなたやパートナーが健全で幸せな結婚生活を送るために、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること

  • マリッジブルーとは
  • マリッジブルーの症状
  • マリッジブルーが発生する時期
  • マリッジブルーに対する法的観点
  • マリッジブルーを乗り越える実践的アプローチ

ここを押さえればOK!

結婚は人生の大きな転換点であり、喜びと期待に満ちた瞬間ですが、結婚前後に感じる不安やストレス、いわゆる「マリッジブルー」に悩むカップルも少なくありません。

マリッジブルーの主な症状として、精神的な落ち込みや憂鬱感、イライラや焦燥感、不安や恐怖、身体的な不眠や睡眠障害、食欲不振や過食、疲労感や体調不良が挙げられます。マリッジブルーはプロポーズ直後、結婚準備期間中、結婚式直前、新婚期など、結婚のプロセスの様々な段階で発生する可能性があります。

法的観点からは、婚姻の意思があると言えるかどうか、婚約破棄や婚前契約の締結がポイントとなります。

マリッジブルーを乗り越えるためには、オープンなコミュニケーション、ストレス解消法の実践、カウンセリング、結婚生活のビジョン共有などの実践的アプローチが有効です。マリッジブルーは一時的な状態であり、適切な対処により克服できることが多いので、パートナーと協力して乗り越えるようにするとよいでしょう。
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

マリッジブルーの定義:結婚前後に起こる心理的な不安状態

マリッジブルーとは、一般的に、結婚前後に生じる、「結婚への不安」「将来に対する漠然とした不安」「パートナーに対する疑念や不満」などから生じる、不安や憂鬱な気分のことをいいます。

マリッジブルーは一時的な心理状態であり、多くの場合、時間とともに解消されるようです。

マリッジブルーの主な症状

マリッジブルーの症状は個人によって異なりますが、主に以下のような症状があるようです。

(1)精神的症状

マリッジブルーになると、次のような精神的症状が現れることがあります。

  • 落ち込みや憂鬱感: 結婚に対する期待やプレッシャーから、気分が沈みがちになり、日常生活に対する興味や喜びを感じにくくなることがあります。
  • イライラや焦燥感: 結婚準備や将来の生活に対する不安から、些細なことにも過敏に反応し、イライラや焦燥感を感じることが増えます。
  • 不安や恐怖: 結婚後の生活やパートナーとの関係に対する不安や、将来に対する漠然とした恐怖感が強まることがあります。

(2)身体的症状

精神的なストレスは身体にも影響を及ぼすことがあり、以下のような身体的症状が現れることがあるようです。

  • 不眠や睡眠障害: ストレスや不安から、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたりすることがあります。
  • 食欲不振や過食: ストレスが原因で食欲が減退したり、逆に過食したりすることがあります。
  • 疲労感や体調不良: 精神的な負担が身体に影響を及ぼし、なんとなく疲労感を感じたり、体調を崩しやすくなることがあります。

信頼できる友人や家族に相談するだけでも、気分が落ち着くこともあります。ひとりで悩まないようにしましょう。将来を共にするパートナーにも「マリッジブルーだと思う」と告げて、不安な点についてしっかり話し合うとよいでしょう。

マリッジブルーが発生する時期:プロポーズから新婚期まで

マリッジブルーは、結婚のプロセスの様々な段階で発生する可能性があります。以下に、その具体的な時期とそれぞれの特徴を詳述します。

(1) プロポーズ直後

プロポーズを受けた直後は、人生の大きな転換点に直面する瞬間です。この時期には、以下のような心理的な変化により、マリッジブルーになることがあります。

  • 突然の変化に対する不安: 結婚という大きな決断を前に、将来に対する漠然とした不安や恐怖を感じることがあります。
  • 責任感の増大: パートナーとの新しい生活を築くための責任感が重くのしかかり、プレッシャーを感じることがあります。

(2)結婚準備期間中

結婚準備は多くのカップルにとってストレスフルな時期です。この期間には、以下のような要因がマリッジブルーを引き起こすことがあります。

  • 準備のストレス: 結婚式の準備や新居の手配など、多くのタスクが重なり、ストレスが増大します。
  • 家族や友人との関係: 結婚に伴う家族や友人との関係の変化や、意見の相違がストレスの原因となることがあります。

(3)結婚式直前

結婚式が近づくにつれ、緊張や不安がピークに達することがあります。この時期には、以下のような心理的な変化によりマリッジブルーとなることがあるようです。

  • 緊張感の高まり: 結婚式当日の成功を願い、過度な緊張感に襲われることがあります。
  • 不安の増大: 結婚後の生活やパートナーとの関係に対する不安が強まることがあります。

(4)新婚期

結婚後の新婚期は、新しい生活環境への適応が求められる時期です。この期間には、以下のような要因がマリッジブルーを引き起こすことがあります。

  • 生活環境の変化: 新しい生活環境やルーティンに適応するためのストレスが発生します。
  • パートナーとの調整: パートナーとの生活習慣や価値観の違いに直面し、調整が必要となることがあります。

結婚は人生の大きな節目であり、その過程で感じる不安やストレスは自然なものです。

将来を共にするパートナーとコミュニケーションをしっかりとったうえで、冷静に対処していくことが大切です。

マリッジブルーを法的観点からみる

法的観点からマリッジブルーをみるとどうなるのか、解説します。

(1)婚姻の意思がなければ結婚は無効

法律上結婚が成立するためには、大きく次の2つの要件があります。

  • 婚姻届の提出時に婚姻の意思があること
  • 婚姻の届出を行うこと

「婚姻の意思」としては、法律上の夫婦になるという意思(形式的意思)に加えて、社会通念上夫婦といえる関係をもつ意思(実質的意思)が必要だと考えられています。

プロポーズされた時点では婚姻の意思があったといえても、マリッジブルーにより実際に婚姻の届出を行う時点で、「やっぱり結婚したくない、考え直したい」と思い、婚姻の意思がなくなることもあります。

そして、当事者間に婚姻の意思がなかったときには、結婚は無効となります(民法742条1号)。

しかし、婚姻の意思がない状態で婚姻届を提出してしまうと、後で「婚姻の意思がなかったから結婚は無効だ」と言って婚姻無効を争うのは、簡単ではありません。

まず、婚姻無効を求める調停を申し立てる必要があります。調停や審判で婚姻無効が認められなければ、訴訟を提起しなければなりません。

最高裁判所の判例(昭和44年10月31日)では、「『当事者間に婚姻をする意思がないとき』とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すべきであり、したがつてたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合意があり、ひいて当事者間に、一応、所論法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであつて、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判断しています。

この事例では、「両名間の嫡出子としての地位を得させるための便法として婚姻の届出についての意思の合致はあつたが、被上告人には、上告人との間に真に前述のような夫婦関係の設定を欲する効果意思はなかつたというのであるから、右婚姻はその効力を生じない」として、婚姻無効が認められました。

一度婚姻届を提出すると、「結婚する意思はなかったから結婚は無効だ」と後で争うのは大変です。結婚したいのかどうか、双方で事前にでしっかり検討し、答えを出したうえで婚姻届を提出するようにしましょう。

(2)婚約破棄

婚約とは、男女が結婚の約束をすることをいい、契約の一種です。

婚約破棄自体は、一方的な申出で行うことができます。

ただし、マリッジブルーを理由として婚約破棄をすると、婚約破棄した側に責任が生じる可能性があります。なぜなら、婚約破棄された側は、正当な理由なく婚約破棄をされた場合には、債務不履行又は不法行為による損害賠償を請求できると考えられているためです。

マリッジブルーがきっかけで婚約破棄する場合、マリッジブルーが生じた原因にもよりますが、正当な理由がない婚約破棄とされると、損害賠償を請求される可能性があります。

(3)婚前契約で準備をする

婚前契約は、結婚前に夫婦間で婚姻生活について取り決めを行うことをいいます。

将来の夫婦生活の懸念点について、話し合って取り決めたことについて契約として残すことで、新たな生活への不安を軽減することができるでしょう。

口頭でも契約は成立しますが、誤解を避けるためにも、書面で残す方ことをお勧めします。

契約の内容は、結婚しようとする夫婦間で話し合って決めることができますが、一般的には、次のような内容が含まれます。

  • 家計負担の合意
  • 子育ての役割分担の合意
  • 結婚生活における合意
  • お互いの親族との付き合いの合意
  • 離婚の際の条件の合意(共有財産の範囲、財産分与の額の合意など)
  • 契約違反の場合のペナルティの合意 など

マリッジブルーを乗り越えるための5つの実践的アプローチ

結婚前後に感じる不安やストレス、いわゆる「マリッジブルー」は、多くのカップルが経験する一時的な心理状態です。

しかし、せっかくのご縁です。マリッジブルーに適切に対処することで、これを克服し、パートナーとより強固な関係を築くことができるかもしれません。

ここでは、マリッジブルーを乗り越えるための5つの実践的アプローチを詳しく解説します。

(1)オープンなコミュニケーション

パートナーとのオープンなコミュニケーションは、マリッジブルーを克服するための最も基本的かつ重要なステップです。

不安や心配を率直に共有することで、お互いの気持ちを理解し合い、共感を得ることができます。自分の意見を伝えて理解を求めるだけでなく、相手の意見も傾聴し尊重するようにしましょう。

例えば、結婚生活に対する期待や不安、将来の計画について話し合うことで、二人の関係をより深めることができます。また、財産管理、将来の生活設計、子どもができたらどうするか、家事や育児の分担、義家族との関係性などについても一緒に考えましょう。同じ問題を共有し、解決するというステップを経て、より家族になる一体感や安心感を得ることができるでしょう。

オープンなコミュニケーションを通じて、お互いの気持ちを尊重し合い、信頼関係を築くことが、マリッジブルーを乗り越えるための第一歩となります。

(2)ストレス解消法の実践

マリッジブルーを克服するためには、ストレス解消法を実践することも重要です。

自分の機嫌を取る方法は自分が一番よく知っています。

運動や趣味など、個人的なストレス解消法を見つけることで、心身のリフレッシュが図れます。

例えば、ジョギングやヨガ、読書や料理など、自分に合った方法を見つけて実践することが大切です。また、二人で楽しめるアクティビティを計画することも効果的です。週末のデートや旅行、共同での趣味活動などを通じて、リラックスした時間を共有することで、ストレスを軽減し、絆を深めることができるでしょう。

ストレス解消法を取り入れることで、心の余裕が生まれ、マリッジブルーを乗り越える力が養われます。

(3)カウンセリング

マリッジブルーが深刻な場合、カウンセラーのカウンセリングを受けることも効果があるかもしれません。カウンセリングまではいかなくても、信頼できる友人や家族に相談するだけでも、だいぶ心の重荷は軽くなるのではないでしょうか。

1人で悩まず、第三者の意見も取り入れてみるとよいでしょう。

(4)結婚生活のビジョン共有

結婚生活のビジョンを共有することも、マリッジブルーを乗り越えるための重要なアプローチです。二人の価値観や将来の目標を確認し合うことで、共通のビジョンを持つことができます。

例えば、子供の有無や育て方、住む場所やライフスタイル、キャリアプランなどについて話し合い、具体的な生活設計を行うことが大切です。結婚生活のビジョンを共有することで、お互いの期待や目標を理解し合い、共通の方向性を持つことができるでしょう。

これらのアプローチを組み合わせることで、パートナーとともにマリッジブルーを乗り越えましょう。

【まとめ】マリッジブルーは克服可能な一時的な状態。協力し合って克服を

マリッジブルーは決して珍しいものではなく、多くのカップルが経験する一時的な心理状態であり、適切な対処により克服できることが多いでしょう。

二人で協力してこの時期を乗り越えていくことが、幸せな結婚生活への第一歩となります。

しかし、結婚後もマリッジブルーを放置していると、夫婦仲が悪化して離婚という結果になる可能性もゼロではありません。

「なんだか気が晴れないしイライラする。マリッジブルーかな」と思ったら、早め早めにパートナーと話し合って、不安や懸念点を解消するようにしましょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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