近年、オンラインショッピングの普及とともに「ツケ払い」という決済方法が注目を集めています。
ZOZOTOWNなどの大手通販サイトでも導入されており、手元に現金がなくても欲しい商品をすぐに手に入れることができる便利なサービスです。
しかし、その利便性の裏には使い過ぎのリスクも潜んでいます。
本記事では、ツケ払いの基本的な仕組みからメリット・デメリット、注意点について解説します。
この記事を読んでわかること
- ツケ払いとは
- ツケ払いのデメリットやリスク
- ツケ払いの利用時に注意すべき点
ここを押さえればOK!
ZOZOTOWNのツケ払い制度では、購入した商品の代金を後日まとめて支払うことができ、利用限度額は10万円以内、支払期限は購入から2ヶ月以内です。
しかし、若い世代の利用者が多く、無計画な買い物による滞納リスクが懸念されています。ツケ払いには滞納のリスクがあり、支払いが遅れると遅延損害金や手数料が発生し、場合によっては法的措置を取られることもあります。
利用者は支払期限を守り、無計画な買い物を避けることが重要です。
早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。
一般的にツケ払いとは?
まず、ツケ払いとは一般的にどういった支払方法なのかについて説明します。
(1)ツケ払いの仕組み
ツケ払いとは、商品やサービスを購入した際には支払いをせず、後日まとめて支払うことができる決済方法の一つです。
この仕組みは、特にオンラインショッピングや一部の実店舗で利用されることが多く、消費者にとっては手軽で便利な支払手段となっています。具体的には、購入時に支払いを行わず、一定の期間後に請求が発生し、その時点で支払いを行う形となります。
その場合、一定期間内に支払いを行わなければ、遅延損害金が発生することがあります。
また、ツケ払いを利用するためには、事前にサービス提供者による審査を受ける必要がある場合もあります。
このように、ツケ払いは利用者にとって便利な一方で、適切な管理が求められる決済方法といえるでしょう。
(2)ツケ払いのメリット
ツケ払いのメリットは、まずその手軽さと利便性にあります。購入時に即座に支払いを行う必要がないため、手元に現金がなくても欲しい商品を手に入れることができます。特に急な出費や給料日前の買い物など、支払いタイミングを調整したい場合に非常に便利です。
また、クレジットカードを持っていない人や、クレジットカードの利用を避けたい人にとっても、ツケ払いは有力な選択肢となります。
さらに、ツケ払いは支払いを一括で行うため、複数の小額支払いをまとめて管理できる点も魅力です。
(3)クレジットカードとの違い
一般的にツケ払いは特定の購入に対して一時的に支払いを延期する仕組みであり、クレジットカードのように継続的な信用枠を提供するものではありません。
クレジットカードは、利用限度額内であれば何度でも利用でき、毎月の支払いをリボ払いなどで分割することも可能です。
一方、ツケ払いは通常、購入後一定期間内に一括で支払う必要があります。
また、クレジットカードはカード発行会社による審査が必要で、年会費がかかる場合もありますが、ツケ払いは比較的簡単に利用できることもあるようです。
ZOZOTOWNの「ツケ払い」
インターネットのファッション通販サイト、ZOZOTOWNでも「ツケ払い」のサービスがあります。
便利な支払方法として利用される一方、お金がなくても無計画に買い物をしてしまう人を生んでしまうのではないか、といった懸念もあるようです。
(1)制度の概要
ZOZOTOWNのツケ払い制度は、購入した商品の代金を後日まとめて支払うことができるサービスで、利用限度額は10万円以内となっています。また、支払期限は商品購入から2ヶ月以内です。
この制度は、手元に現金がない場合やクレジットカードを利用したくない場合に便利です。
(2)ZOZOTOWNツケ払いの問題点
ZOZOTOWNのツケ払いの利用者には若い世代も多く、保護者の同意は必要とされているものの、利用自体に年齢制限はありません。
そのため、安易な買い物により、料金を支払えなくなって滞納してしまう利用者も多く、未成年者がブラックバイト・企業などで働き始めることを誘発しかねないとの懸念が指摘されているようです。
(3)利用する際の注意点
コンビニや銀行で手軽に支払えるからといって安易にツケ払いを選択し、無計画に物を買い過ぎないよう、注意が必要です。
なお、ZOZOTOWNのツケ払いを利用するには、手数料がかかります。また、初回の支払期限を2週間経過したら、さらに手数料が発生します。
ツケ払いのデメリットやリスク
ツケ払いには、どのようなデメリットやリスクがあるのでしょうか。
ZOZOTOWNのツケ払いに限らず、ツケ払い一般に存在するリスクについて簡単にご説明します。
(1)滞納のリスク
ツケ払いの料金を期限までに支払うことができず、滞納が2、3ヶ月以上続くと、事故情報が信用情報に登録される可能性があります(いわゆる「ブラックリスト」)。
事故情報が登録されていると、クレジットカードの新規作成・更新や、新しくローンを組むことが基本的にできなくなります。
また、滞納が続くと、その分の遅延損害金や手数料が発生し、支払うべき金額がどんどん膨らんでいくというリスクもあります。
(2)法的措置を取られるケースも
滞納が続き、再三の督促にも応じない場合、支払督促や訴訟といった、裁判所を介した法的措置を取られることもあります。
最終的には、差押えなどの強制執行が行われる可能性もあるでしょう。
ツケ払いは一般的に少額にとどまることが多いものの、少額だからといって油断は禁物です。
法的措置を避けるためにも、支払期限を守り、問題が発生した場合は早めに対応することが重要です。
【まとめ】ツケ払いは便利な一方、無計画な買い物を誘発するリスクもある
ツケ払いは、購入時に即座に支払いを行わず、後日まとめて支払うことができる便利な決済方法です。手元に現金がない場合やクレジットカードを利用したくない場合に有効です。
特にZOZOTOWNのツケ払い制度は、若い世代にも広く利用されるようになっています。しかし、支払い遅延によるリスクもあるため、利用には注意が必要です。支払期限を守り、計画的に利用することで、ツケ払いのメリットを最大限に活用できます。
ツケ払いを上手に活用し、リスク管理も怠らないように注意しましょう。