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養育費の増額が認められやすいケースと増額のための手続き方法を解説

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離婚をした後も、それぞれの人生は続いていきます。

別れた2人の間に子どもがいる場合は、その子どもを立派に育て上げることが人生の大きな目標になっていく方も多いでしょう。

もっとも、子育てには当然ながらそれ相応のお金がかかります。
だからこそ、離婚するにあたっては、子どもの監護や教育のために必要な費用である「養育費」についての取り決めを必ず行います。

しかし、その後に大きな状況の変化が起こる場合もあります。
子どもに関する支出が急に増えたり、親権者の収入が急に減ったりするようなことは決して珍しくはありません。
そのような場合、離婚時に取り決めた養育費の金額では、親子の生活が回らなくなってしまうこともあるでしょう。

そうした事情によっては、離婚時に取り決めた養育費の金額等を後になって変更できるケースもあります。

養育費の増額はどのような場合に請求可能なのか、どのようにすれば増額できるのかといった点について、今回は解説していきます。

養育費の増額が認められやすいケースとは?

離婚して親権を失っても、親である以上、子に対する扶養義務を継続して負うことには変わりがありません。
親権や監護権を持たない方の親が子どもに対する扶養義務を果たす1つの方法が、養育費の支払いということになります。

一度養育費を決定した後でも、親子をとりまく環境・事情の変化次第では、後になって養育費の金額を変更することはできます。

以下では、一般的に養育費の増額が認められやすいケースを紹介していきます。

(1)養育費とは

養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいいます。
一般的には、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などがこれに当たります。

民法877条1項は、

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

引用:民法877条1項

と規定していますから、親は、自分の子どもに対して、扶養義務を負っています。

一方で、離婚によって親権や監護権を失ったとしても、子どもの親であることに変わりはない以上、法律上の扶養義務を継続して負うことに変わりはありません。
したがって、離婚によって親権者でなくなった方の親も、その子どもの親として、養育費の支払義務を継続して負うことになるのです。

そして、親が子どもに対して負う扶養義務は、子どもが生きていくための最低限度の生活を保障する「生活扶助義務」ではなく、自分と同程度の生活水準で未成年の子どもを養育する「生活保持義務」であると言われています。

この点に関して、大阪高裁決定平成6年4月19日は、

親の未成熟子に対する扶養義務は、親に存する余力の範囲内で行えば足りるようないわゆる生活扶助義務ではなく、いわば一椀の飯も分かち合うという性質のものであり、親は子に対して自己と同程度の生活を常にさせるべきいわゆる生活保持義務なのである。

引用:大阪高裁決定平成6年4月19日

と述べています。

一方で、親権者には、子どもを監護・教育する権利及び義務があります。
民法820条には、

親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

引用:民法820条

と規定されています。
したがって、離婚によって単独親権者となった方の親は、子どもを監護・教育する権利及び義務を負うことになるのです。

子どもを監護・教育するには相応の費用がかかります。
その費用は、現実には、単独親権者となった側の親が支出することになります。
しかし、親権者でなくなった側の親も、子どもに対する扶養義務を負っている以上、子どもの監護・教育にかかる費用を分担して負担する義務があります。
そのため、離婚時には必ず、「子の監護に要する費用の分担」(民法766条1項)、すなわち養育費の分担について定めることとされています。

養育費の支払い終期は、基本的に子どもが20歳に達するときですが、話し合いの中で、終期を「高校卒業時」「大学卒業時」などと特定することもできます。
支払い終期を含む養育費に関する事項は、原則として離婚する当事者の父母同士による協議によって定められるべきものです(民法766条1項)。
ただし、協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所の判断により、終期を20歳よりも後とするなどの取り決めがなされる可能性もあります(同法同条2項)。

(2)養育費の金額は「養育費算定表」が相場となる

養育費の金額は、基本的に父母が話し合って決めることになります。

もっとも、双方が考える任意の金額で折り合いがつかない場合は、家庭裁判所の「養育費算定表」をベースにして協議を進め、合意に至るという流れを経ることが多いです。

参考:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について│裁判所 – Courts in Japan

「養育費算定表」では、子どもの数・年齢によってそれぞれの算定表が作成されており、その算定表に父母双方の年収をあてはめて、養育費の基準額が定めることになります。
この算定表は、以前は別のものが使われていましたが、算出される金額が非常に低くなる傾向にあるなどの問題点が指摘されていたところ、社会情勢や実際の支出傾向を反映させた上で改定され、2019年12月23日に新しく発表されました。

離婚協議で養育費について合意できなかった場合は、離婚調停や離婚裁判に発展することになります。この際も、調停委員や裁判官は、「養育費算定表」をベースにしつつ、個別の事情も考慮しながら、客観的・総合的に養育費を算出することになります。

(3)一般的に、養育費の増額が認められやすいケース

父母双方の合意があれば、離婚時に決めた養育費の金額はいつでも変更することができます。

また、養育費は「子の利益を最も優先して考慮」するよう求められる(民法第766条1項)こと、養育費算定表から算出される養育費の金額は父母双方の収入がベースになっていることから、これらに影響を与えうる事情の変更があったときには、養育費の増額が認められやすい傾向にあります。

養育費の増額が認められる代表的なケースには、以下のようなものがあります。

  • 怪我や病気等により、子どもに特別な医療費がかかるようになった
  • 監護している親が病気やリストラで無収入になった
  • 監護していない親(養育費を支払う側)が転職して収入が増えた 等

養育費を増額したいときの手続き方法

養育費の増額についても、離婚時と同様に、基本的に父母が話し合って決めることになります。
話し合いで増額について合意できない場合は、家庭裁判所に対して調停や審判を申立て、増額の是非やその金額について決めることになります。

(1)話し合いで合意書を作成する

まずは養育費の支払い義務者に対して直接連絡をし、養育費増額の希望を伝えましょう。
相手が話し合いに応じてくれない場合は、内容証明郵便で養育費増額請求の書面を送付するのが良いでしょう。

養育費を増額することや、どの程度増額するかについて父母双方が合意できたら、養育費増額の合意書を作成します。
口約束でなされた養育費増額の合意も有効ではありますが、増額の約束を後で覆されることのないよう、必ず書面を作成しておきましょう。

また、合意書は公正証書にしておくことをおすすめします。
公正証書とは、公証人(事実や契約行為などの証明や認証を公証役場で行う公務員)が作成する公的な文書のことをいいます。

公正証書は通常の契約書よりも証明力が高く、トラブルになったときには有力な証拠となります。また、安全性や信頼性にも優れています。
さらに、合意書で定めておけば、支払い義務者である相手が合意書の内容を守らず、合意した額の養育費を支払わない場合に、相手の給与などを差し押さえることも可能です。

増額の開始時期も、話し合いの中で決めておきましょう。

(2)養育費増額調停を申立てる

当事者同士の話し合いで養育費増額を合意できなければ、相手方の居住地を管轄する家庭裁判所に「養育費増額調停」を申立てることになります。
調停では、第三者である調停委員を介して相手方と話し合いを行います。

そこで養育費増額について合意できれば、「調停調書」が作成されることになります。
養育費増額の開始時期は、調停を申立てた月となるケースが多くなっています。

(3)養育費増額審判で「養育費の支払い命令」を出してもらう

調停委員を介した話し合いも決裂して調停が不成立になった場合は、自動的に家庭裁判所による「審判」に移行します。審判手続では、裁判官が、一切の事情を考慮して、養育費増額の是非及びその金額などについて審判をすることになります。
審判で増額が妥当と判断されたら、家庭裁判所が養育費の支払い義務者に対して、増額後の「養育費支払い命令」を下します。
養育費増額の開始時期は、やはり調停を申立てた月となるケースが多くなっています。

養育費の増額交渉を弁護士に依頼した方がいい理由

養育費の増額交渉や調停は自分で行なうこともできますが、法務知識やノウハウがないと有利に進められない可能性が高いため、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

弁護士に依頼する具体的なメリットとしては、大きくいうと次の3つが挙げられます。

  • 妥当な養育費の金額や増額が認められる可能性について、適切なアドバイスを受けられる
  • 弁護士が交渉窓口となることで、相手方が話し合いに応じてくれやすくなる
  • 調停委員を説得したり、審判で法律的な主張・立証をしたりと、弁護士の交渉力によって有利な結果を得られる可能性が高まる

【まとめ】養育費の増額については弁護士にご相談ください

「子の利益を最も優先して」養育費を支払うことは、親の重要な義務のひとつです。

一度取り決めた養育費も、その後の子どもの成長や経済的な事情の変化によって、そのままでは適切な金額に対して不足が出てしまうようなことになるケースは少なくありません。

増額交渉をスムーズに進めたいなら、弁護士にご相談ください。

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