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【2026年改正】面会交流(親子交流)の拒否で慰謝料請求はできる?相場と高額判例

弁護士 林 頼信

監修弁護士:林 頼信

(アディーレ法律事務所)

特に力を入れている分野:現在は離婚事件をメインに扱っているほか、不貞慰謝料事件もこれまでに多数の解決実績あり。

作成日:更新日:
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※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

離婚後、大切な子どもに会える日を心待ちにしていたのに、正当な理由もなく面会交流(親子交流)を拒否されるのは、本当につらく悔しいことですよね。「約束を破られたのだから慰謝料を請求したい」と思い悩んでしまうのも無理はありません。

そこでこのコラムでは、面会交流を拒否された際の慰謝料請求の可否や、その相場について詳しく解説します。過去に慰謝料500万円が認められた高額裁判例や、2026年改正民法による新たなルール(お試し面会など)も交えながら、「子どもに会う」という一番の願いを実現するための具体的な対処法や、絶対に避けるべきNG行動もご紹介します。

この記事をお読みいただくことで、ご自身の状況に合った最適な解決策が見つかり、再び子どもにお会いするための第一歩を踏み出せるはずです。

ここを押さえればOK!

この記事を読んでわかること
・不当な面会交流(親子交流)の拒否に対する慰謝料請求の条件と相場(500万円の高額判例も紹介)
・お子さまとの面会を実現するための5つの具体的対処法(2026年改正民法にも対応)
・面会を拒否されたときに絶対にやってはいけない2つのNG行動
・相手の再婚や子ども自身の拒絶など、面会交流に関するよくある疑問の答え

面会交流(親子交流)を拒否されたら、慰謝料(損害賠償)の請求はできるの?

話合いや裁判所の手続(調停など)で「いつ・どうやって会うか」というルールを決めたにもかかわらず、ちゃんとした理由もなく長い間面会交流(親子交流)を拒否され続けた場合には、心が深く傷つけられたとして慰謝料(損害賠償)を請求できる可能性があります。

ただし、面会交流(親子交流)の拒否に正当な理由がある場合には、慰謝料請求は認められません。

(1)慰謝料請求が認められる可能性があるケース

慰謝料請求が認められる可能性のあるケースとは、面会交流(親子交流)の具体的なルールが決まっているにもかかわらず、不誠実な対応が続いている場合です。

(1-1)面会交流(親子交流)の具体的なルールがきちんと決まっている

「面会交流(親子交流)の日時や頻度」「面会交流(親子交流)の内容(交流時間)」「連絡方法や引渡し方法」などの具体的な取決めがあることです。

「いつでも会っていいよ」といったふんわりした口約束だけだと、交通ルールがない道で「信号無視だ」と言うのが難しいように、「ルールを破った」と証明するのが難しくなってしまいます。

(1-2)不誠実な対応が続いている

きちんとした約束があるのに、「何ヵ月も一切会わせてくれない」、あるいは「毎回、ウソの病気などを理由に当日にドタキャンされる」といった、あまりにも不誠実な対応が続いている場合に、「これは悪質だ」としてルール違反(違法性)が認められやすくなります。

【例】不当な面会交流(親子交流)拒否にあたる可能性のあるケース

同居している親の気分や「会わせたくない」という感情による拒否相手が再婚したり、新しい家族(養子縁組)ができたりしたことによる拒否「養育費を支払ってくれないから」という理由での拒否ウソの理由(病気など)で何度もドタキャンする

(2)面会交流(親子交流)の拒否が正当化されるケース

一方で、子どもを守るためなどの理由から「面会を拒否しても仕方がない」と判断されるケースもあります。このケースの場合、面会交流(親子交流)が拒否されても、慰謝料請求が認められる可能性は低いといえるでしょう。

【例】面会交流(親子交流)の拒否が正当化される可能性のあるケース

  • 子ども自身が明確な意思で「会いたくない」と強く拒絶している
  • 面会(交流)を求める親から、DVや虐待を受ける危険性が高い
  • 面会(交流)時に、子どもを無断で連れ去ってしまう危険性が高い
  • 子どもを通じてお金を要求するなど、悪影響を及ぼす心配がある

面会交流(親子交流)の拒否による慰謝料の相場と高額になったケース

面会交流(親子交流)を拒否されたことによる慰謝料の目安は、数十万(10万円~80万円)ほどとなるのが一般的です。ただし、度重なるルール違反など事情が極めて悪質だと判断されたケースでは、500万円の慰謝料が認められた裁判例もあります。

(1)面会交流(親子交流)を拒否された場合の慰謝料相場

正当な理由なく面会を拒否されてしまった場合、慰謝料の金額は「数十万円(10万円〜80万円ほど)」に収まるケースが一般的といわれています。

子どもに会えない深い悲しみや悔しいお気持ちからすると、「到底見合わない」「そんなに少ないの?」と驚かれてしまうかもしれません。しかし、目に見えない「心の傷」をお金に換算するため、裁判所はご家族ごとのさまざまな事情を考慮しながら、慰謝料の金額をとても慎重に判断していく傾向にあります。

(2)【過去のケース】500万円の慰謝料が認められた裁判例

過去の裁判において、裁判所からの履行勧告を無視するなど被告(母親)の態度が極めて悪質だと判断され、500万円という高額な慰謝料が認められた事例(静岡地裁浜松支部判決平成11年12月21日)も存在します。

【概要】
夫婦は別居し、その後に調停離婚が成立。離婚調停において、「2ヵ月に1回、2時間程度」の面会交流を行うことが合意されていました。父親は面会交流を求めましたが、母親は約束の日時に指定の場所に現れませんでした。その後、家庭裁判所から母親に対して「約束どおり面会を実施しなさい」という履行勧告が出されましたが、母親はこれも無視し、結果的に約4年間も満足できる面会交流が実施されない状態が続きました。

【判決】
面接交渉を拒否したことは、親権が呈しされているとはいえ、原告の親としての愛情に基く自然の権利を、子…の福祉に反する特段の事情もないのに、ことさらに妨害したということができるのであって、前項で検討した諸事情を考慮すれば、その妨害に至る経緯、期間、被告の態度などからして、原告の精神的苦痛を慰謝するには金五〇〇万円が相当である。

面会交流(親子交流)を実現するための5つの対処法【2026年改正民法対応】

お金(慰謝料)の請求よりも、まずは「子どもに会うこと」を実現するために、以下の5つの対処法を段階的に検討しましょう。

  • 対処法1:元配偶者との冷静な話合い
  • 対処法2:家庭裁判所での「面会交流調停・再調停」
  • 対処法3:裁判所からの「履行勧告」
  • 対処法4:ペナルティを課す「間接強制」
  • 対処法5:最終手段としての「親権者変更」の申立て

対処法1:元配偶者との冷静な話合い

まずは相手がなぜ拒否しているのか理由を聞き、歩み寄れる点がないか探りましょう。

面会交流(親子交流)ができなかったことに対しては、「毎日の子育てや生活で忙しい事情もあるよね」と相手の状況を思いやる姿勢を見せつつ、「何よりも子どもの幸せを第一に考えているからこそ会いたいんだ」という温かいお気持ちを伝えながら、相手の理解を求めていくように心がけてみてください。

後悔しないために!面会交流のルール策定のポイント

対処法2:家庭裁判所での「面会交流(親子交流)調停・再調停」

当事者同士での直接の話合いが行き詰まってしまったり、感情的になってしまったりして難しい場合は、家庭裁判所の「親子交流調停(面会交流調停)」を利用する方法があります。

これは裁判のように白黒をつけるものではなく、裁判所の「調停委員」といった中立な第三者が間に入り、双方のお話を丁寧に聞きながら、子どもにとって一番いい形での解決点(妥協点)を一緒に探っていく手続です。

調停手続のなかでは、単なる話合いだけでなく、心理学や教育学の専門家である「家庭裁判所調査官」のサポートを受けることができます。

家庭裁判所調査官は子どもに負担をかけずに本当の気持ちをくみ取ってくれるほか、裁判所内の児童室でおもちゃを使って遊ぶ「試行的面会交流(お試し親子交流)」を実施し、別居親と適切に接することができるかを安全に確認してくれます。

参考:面会交流調停|裁判所- Courts in Japan

対処法3:裁判所からの「履行勧告」

もし裁判所での調停や審判で決めた面会のルールを相手が守ってくれない場合は、裁判所から相手へ「決まったとおりに面会を実施してくださいね」と注意を促してもらう「履行勧告(りこうかんこく)」という手続を利用できることがあります。

参考:履行勧告手続等|裁判所

対処法4:ペナルティを科す「間接強制」

裁判所から履行勧告があっても相手が頑なに拒否し続ける場合は、さらに強い手段として「間接強制(かんせつきょうせい)」という手続をとれる可能性があります。

これは、「面会交流(親子交流)させないなら、1回につき〇万円を支払いなさい」といったペナルティ(制裁金)を科すことで心理的なプレッシャーを与える手続です。

対処法5:最終手段としての「親権者変更」の申立て

それでもどうしても状況が変わらない場合の最終手段として、「子どもを育てる権利(親権)を自分に変更してほしい」と申し立てる方法も考えられます。2026年4月から「共同親権」の制度もスタートしますので、「共同親権」への変更の申立ても可能です。

ただし、「面会させてくれないから」という理由だけで親権がすぐに移るわけではなく、相手が子どもの育児を放棄している(ネグレクト)など、子どもの環境に強い影響が出ている事情と併せてお話ししていくことが必要でしょう。

離婚後でも親権者・監護権者の変更はできる?弁護士がくわしく解説

絶対NG!面会交流(親子交流)を拒否されたときにやってはいけないこと

「どうして会わせてくれないんだ!」と強い悲しみや怒りを感じてしまうのは、親として当然のお気持ちです。しかし、次のような行動をとってしまうと、ご自身が不利な立場に立たされてしまうおそれがありますので、どうかご注意ください。

  • 養育費の支払いを勝手に止める
  • 無断で子どもを連れ去る

NG1:養育費の支払いを勝手に止める

「会わせてくれないなら、もう養育費は支払わない!」とお考えになるお気持ちはよくわかりますが、おすすめしません。

養育費はあくまで「子どもの生活を守るための大切なお金」であり、「面会させてもらうためのチケット代(対価)」ではないからです。ご自身の判断で勝手に支払いを止めてしまうと、最悪の場合、お給料や財産を差し押さえられてしまうリスクも考えられます。

【弁護士監修】離婚した後の養育費の義務とは?支払わないとどうなる?

NG2:無断で子どもを連れ去る

たとえご自身が実の親であっても、一緒に暮らしている親の許可なく、無理やり子どもを連れ帰ってしまう行動は、「未成年者略取・誘拐罪」という犯罪にあたってしまう危険性があります(刑法第224条)。

このような事態に発展してしまうと、今後子どもと面会(交流)したり、ご自身が親権を得たりすることが極めて難しくなってしまう可能性が高いため、絶対にお控えください。

面会交流(親子交流)に関するよくある質問(FAQ)

最後に、面会交流(親子交流)に関するよくある質問をまとめています。
ぜひ参考にしてください。

Q1:2026年4月の民法改正で、面会交流(親子交流)の何が変わったの?

2026年4月の民法改正により、法律上の名称が「面会交流」から「親子交流」に変更されました。さらに、これまで曖昧だった部分が見直され、「子どもの利益を最優先にする」ことが法律で明確にルール化されました。

【押さえておきたい主な変更点】

  • 「お試し面会(試行的面会交流)」の制度化:裁判所での手続中に、子どもの様子を見ながら試験的に面会交流(親子交流)を行うルールができました。
  • 「離婚前の別居中」の制度化:これまで規定がなかった別居中の面会交流(親子交流)も、子どもを最優先にして決めることがルール化されました。
  • 祖父母など「親以外の親族」との交流ルールの新設:条件付きで、祖父母などからも交流を申し立てられるようになりました。

これまでも「お試し面会(試行的面会交流)」や「離婚前の別居中の親子交流(面会交流)」などは行われていました。しかし、あくまでも実務上の運用に委ねられており、法律上に明確なルールはありませんでした。

Q2:相手が再婚・養子縁組をした場合、もう面会(交流)はできなくなるの?

相手の方が再婚したり、子どもが新しいパートナーと養子縁組を結んだりしたからといって、それが面会をただちに拒否できる「正当な理由」になるわけではありません。

あなたと子どもとの「法的な親子の絆」が消えてしまうわけではないため、基本的には面会を続けていくことができると考えられています。

Q3:子ども自身が「会いたくない」と拒絶している場合はどうなるの?

「離れて暮らすお父さん(お母さん)に会いたいと言ったら、今一緒にいるお母さん(お父さん)が悲しむかもしれない」と気を揉んでしまい、本心とは裏腹に「会いたくない」と言ってしまうことがあります。

親権や面会交流(親子交流)を決める際には、子どもの言葉が純粋な本心なのか、それとも同居親への思いやりなのかを慎重に判断する必要があります。

【2026年最新】面会交流(親子交流)に子どもの意思が反映される年齢は?

【まとめ】

面会交流(親子交流)を不当に拒否された場合、慰謝料を請求できる可能性はありますが、あなたの一番の願いは「子どもに会うこと」のはずです。

そのためには、養育費の支払いを止めるなどの感情的なNG行動は絶対に避け、家庭裁判所での調停や履行勧告といった適切な法的手続を利用して解決の糸口を探ることが何より大切です。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

弁護士 林 頼信

アディーレ法律事務所

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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