「借金をしていることは誰にもバレたくない…。バレるとしたら、どうやってバレる?」
借金を抱えて弁護士事務所を訪れる方の中には「絶対にバレないように借金を何とかしたい」と思っている方は多いです。
借金と一言で言っても、返済期日までに問題なく返済できているようであれば、周囲に借金がバレる可能性は高くないでしょう。
他方、借金が膨らんで滞納するようになれば、いずれ周囲に借金をしていることがバレてしまうリスクが高まります。
今回は、次のことについてアディーレの弁護士がご説明します。
- 借金が周囲にバレてしまう原因
- 借金がバレたときに想定される事態
- 借金がバレたときの対処法 など

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。
借金がバレた…原因は?
そもそもどのようなきっかけから借金がバレてしまうのでしょうか。
(1)借金の滞納がきっかけでバレる可能性

まず、借金の返済を滞納したことをきっかけに借金がバレてしまうことがあります。
借金の返済を滞納すると、次のようなことが起こりえますので、それを機に周囲に借金がバレてしまう可能性があるのです。
- 貸主から、保証人にお金を支払うように連絡が行く
- 自宅に借金返済を催促する電話が入る
- 自宅に督促状や訴状などが届く
- 給与や預金、不動産などを差し押さえられる など
このような事態を防ぐために、毎月返済期日までに借金を返済した方が良いでしょう。
消費者金融から借金をしています。
家族はともかく、勤務先に借金がバレるのは困ります…。勤務先に借金がバレないようにどうしたら良いですか?
消費者金融会社などの貸金業者は、正当な理由がなければ借主の勤務先に連絡をしてはいけない(貸金業法21条1項3号)ので、しっかり返済期日を守って返済している限り、勤務先にバレる可能性は高くありません。
他方、返済を滞納した上、連絡も取れなくなると勤務先に連絡が行く可能性があります。返済を滞納したとしても、まずは業者からの連絡は無視せず、勤務先以外で連絡を取れるようにしましょう。
また、借金を返済しないでいると、いずれ裁判などを起こされて給料が差し押さえられるリスクがあります。給料を差し押さえられると裁判所から勤務先に差押命令正本が届きますから、借金をしていることや返済をしていないことがバレてしまいます。
給料が差し押さえられる流れについて詳しくはこちらの記事をご確認ください。
なお、貸金業者としての登録をせずに違法な高金利を請求する「ヤミ金」と呼ばれる違法業者であれば、嫌がらせのように勤務先に電話をかけ、借金をばらすことがあります。
そうならないように、ヤミ金からお金を借りるのは絶対に止めましょう。
そのほか、次のようなきっかけで借金が周囲にバレる可能性があります。
- うっかり借金のことを口走ってしまう
- 収入の範囲を明らかに超えるショッピングを楽しむなどお金の使い方が荒くなる
- 返済を示す明細書や通帳を机の上に出しっぱなしにしておく
借金がバレたくないのであれば、日ごろの言動から注意した方が良いでしょう。
(2)家族や恋人が調査して借金がバレるケースもある
借金をした人がバレないように注意していても、借金がバレてしまうことがあります。
特に同居の家族であれば、持ち物をチェックされてしまうと隠しきることは難しいかもしれません。
例えば、次のようなきっかけで借金がバレる可能性があります。
- ローンの契約書などお金を借りたときの書類を見つけられてしまう
- 借金が振り込まれた通帳や返済を示す通帳、ローン専用カードを見つけられてしまう
- 友人などと借金について話したメールやLINEを見られてしまう など
貸金業者と連絡を取っている様子や、お金の使い方などから借金を疑われて、家族や恋人などに調べられてバレたという方は少なくありません。
借金が身近な人物にバレたという方の中には、借金をしていたことよりも、借金を秘密にしていたことを怒られたという方も多いです。
借金問題を解決するには家族などの協力が必要なケースもありますので、このまま秘密にするかは一度考えてみてくださいね。
(3)自己破産や民事再生をするには同居の親族の協力が必要なことも……
自己破産や民事再生といった裁判所を利用した債務整理をするには、同居しており、同一家計である親族の通帳の履歴や給料明細、車検証、保険証券など書類の提出を求められることがあります。
必ずしも「債務整理をするから……」と書類の交付を求める理由を伝える必要はありません。もっとも、書類が多ければ、家族に勘繰られてしまい、いずれ借金の存在もバレてしまうでしょう。それならば、最初からきちんと事情を説明した方が良いといえます。
自己破産をしたことが勤務先や家族にバレる可能性について詳しくはこちらの記事をご確認ください。
借金が家族や勤務先にバレた場合に想定されることは?
借金が家族や勤務先にバレるとどうなるのでしょうか。
漠然とした不安を抱えるよりも、起こりうる事態を想定できると不安が軽減されるはずです。
(1)借金が親にバレた!?
借金が親にバレると、借金の理由やお金の使い道を問いただされ、叱られる可能性があります。
さらに、借金の原因がギャンブル依存症や買い物依存症など、お金の使い方が病的であると、病院での治療を勧められるかもしれません。
(2)借金が配偶者にバレた!?
借金が配偶者にバレたときに不安になるのは、離婚されるかということでしょう。借金の原因などによっては、配偶者から離婚を持ちかけられるかもしれません。
この点、夫婦が合意をして離婚する「協議離婚」は、夫婦が合意する限り、どのような事情でも離婚できます。ですから、借金をきっかけとして協議離婚が成立するケースはありえます。
他方、夫婦の一方がどうしても離婚をしたくない場合には、最終的には離婚裁判をして、裁判官が離婚を認めなければ離婚はできません。
離婚裁判で離婚が認められるためには、原則として「法定離婚事由」が必要です。
そして、法定離婚事由のひとつに「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)がありますが、借金がこれに当たるのかが問題になります。
借金をしたことが「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるかどうかは、借金の原因などにもよります。
例えば、生活費のための借金なら夫婦の共同生活を維持するためのものですので、離婚事由には該当しないと判断される可能性が高いです。
他方、借金の原因がギャンブルや、ホストクラブやキャバクラで多額のお金を使いこんでしまった場合には、離婚が認められてしまう可能性があります。
お金と離婚の問題について詳しくはこちらの記事をご確認ください。
(3)借金が勤務先にバレた!?
借金は、業務とは関係のないプライベートなことです。
ですから、借金をしたことだけをもって解雇されたり、減給や降格などの処分をすることは基本的には許されません。
もっとも、先ほどご説明したとおり、給料の差押えを受けると、勤務先は債権者と連絡を取って、差し押さえられた分の給料を取り分けるなどを余儀なくさせられますから、事実上、勤務先での居心地が悪くなるかもしれません。

借金がバレないようにするための2つの対処法
周囲に借金がバレないようにするための対処法を解説します。
(1)お金の使い方に注意する!
給与明細を見せなくても、勤務先や勤続年数からおおよその年収を予想できます。
そのため、収入に不相応な生活をしていると、借金をしているのではないかと疑惑を抱かれかねません。
また、お金を使いすぎることで返済できない金額にまで借金が膨れ上がってしまう危険性もあります。多額の借金を抱えるといずれ家族や勤務先に多かれ少なかれ迷惑をかけることになりかねないので、借金をするとしても最低限にとどめましょう。
(2)返済を滞納しない
これまでにご説明したように、借金がバレるきっかけとなる出来事は借金を滞納した後によく起こります。
そのため、借金がバレないようにするためには、まず借金の返済を滞納しないことが大切です。
借金が膨らみ、どうしても期日に返済できない状態になった場合には、早めの「債務整理」をおすすめします!
借金がバレた場合の対処法は?
借金がバレたときには、ごまかすのではなく、家族と今後を話し合うことが大切です。
借金がバレたときの対処法をお伝えしましょう。
(1)謝罪して今後の返済計画について話し合う
すでに家族に何かしら迷惑をかけている場合や心配をかけている場合には、誠心誠意謝罪をして、今後どのようにして借金を減らしていくかを話し合うことが大切です。
弁護士に相談するということを伝えた方が、より説得力が増す可能性があります。さらに、定期的に、状況を報告することにより、安心感を与えられるでしょう。
(2)弁護士に債務整理を相談する
返済を滞納してしまいそうな場合には、弁護士に債務整理を相談することをおすすめします。債務整理とは、借金を減額したり、支払に猶予を持たせたりすることにより、借金の負担を軽くするための手続を言います。
『債務整理』には、主に『任意整理』『民事再生』『自己破産』があります。
アディーレ法律事務所では、家族や勤務先にバレたくないという方のために、書面の送付先指定や郵送物を個人名で送るなどの対策を行っています。
プライバシーに最大限の配慮をしつつ借金問題の解決を目指しますので、安心してご相談ください。
【まとめ】借金は返済が滞納すると、周囲にバレてしまうリスクが高くなる
今回の記事のまとめは、次のとおりです。
- 借金を滞納すると、督促の連絡がきたり、最終的に給料などを差し押さえられて周囲にバレてしまうリスクが高くなる。
- 借金が配偶者にバレると離婚を申し入れられる可能性がある。ただし、あくまでも離婚をしたくないときに、離婚裁判によって離婚が認められるかどうかは、借金の理由にもよる。
- 借金が勤務先にばれても、それだけで解雇などをされることは基本的にはないが、給料を差し押さえられると事実上居心地が悪くなる可能性がある。
- 借金問題の解決のためには、早めの債務整理がおすすめ。
借金がバレる原因には、さまざまなものがあります。もし借金がバレてしまったなら、嘘を吐いたりごまかしたりせずに、借金の総額、借金をした経緯などを含め、きちんと話し合うことをおすすめします。そして、自分できちんと返済できることを示すために、弁護士に債務整理の相談をしてみてはいかがでしょうか。
アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続につき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続に関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております。
また、完済した業者への過払い金返還請求の手続の場合は、原則として過払い金を回収できた場合のみ、成果に応じた弁護士費用をいただいておりますので、費用をあらかじめご用意いただく必要はありません(2022年11月時点)。
借金問題についてお悩みの方は、債務整理を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。
