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ガチャ課金は「免責不許可事由」だから自己破産は無理?流れに沿って解説

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kiriu_sakura

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「リボ払いでスマホゲームのガチャを回してたら、いつの間にか支払いきれなくなった……。ガチャ課金で自己破産は無理って本当?」

「ガチャで自己破産は無理」といったことは、インターネット上の掲示板などでしばしば書き込まれています。
確かに、ガチャ課金など、一般的に「浪費」とされる出費が原因で借金を抱えた場合、自己破産の手続きをしても支払義務が無くならないリスクはあります。

しかし、ガチャ課金が原因で借金を抱えた場合でも、裁判所が支払義務を免除してくれる(免責許可決定)可能性はあります。
実際に免責許可が出るかどうかは個々のケース次第ではありますが、ガチャ課金をしていたからといって直ちに自己破産を諦める必要はありません。

この記事では、ガチャ課金が原因で200万円の借金を抱えてしまった(仮称)Cさんの事例をもとに、自己破産の可能性について弁護士が解説いたします。

※あくまで例ですので、実際のケースとは異なります。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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ガチャ課金が原因でリボ残高が200万円に!

暇つぶし感覚で、とあるアイドル育成ゲームを始めたCさん。
最初のうちは、「推しキャラと触れ合えて楽しい」というくらいで、ガチャ課金はせいぜい月1万円くらいしかしていませんでした。

Cさんのガチャ課金が増えてしまったのは、そのキャラクターの期間限定のガチャが実装されたのがきっかけです。
SNSでそのキャラクターの目玉カードを引けたという投稿を何件も目にしたCさんは「自分も何とかして引きたい!」と考え、試しに5万円分のゲーム内通貨を購入しました。
このときは、最初に投入した5万円以内で目的のカードを引くことができました。

これだけで済めばよかったのですが、Cさんは「ある程度まとまったお金を使えば、強いカードをもっとたくさん引けて、ゲームもサクサク進むんじゃないか?食費とかを限界まで削れば、月5万円くらい問題なく出せるだろうし……。」と思ってしまいました。

課金癖がついてしまったCさんは、新規のガチャが実装されるたびに、目当てのカードが引けるまでガチャを回すようになっていました。
ゲーム内通貨が底を尽きれば、クレジットカードで追加課金をして、引けるまで回していました。

「どうにかして引かないと、今まで課金したのが全部無駄になる!」と焦ってしまったのです。Cさんがプレイしていたゲームのガチャには天井(一定額を課金すれば、必ず目玉カードが手に入る仕組み)がなかったので、1回のガチャで数十万円使ってしまうこともありました。

そうこうするうちに毎月のクレジットカードの請求額が膨れ上がり、引落し日を乗り切ろうとしたCさんはリボ払いに手を出してしまいました。いつの間にかCさんのリボ払いの支払残高は、クレジットカード数枚分で合わせて200万円を超えていました。

法律相談の予約

リボ払いは、毎月の支払い額を少なめにできる反面、手数料が高いので、なかなか借金を無くすことができません。

お持ちのクレジットカードで気軽に利用できてしまうリボ払いですが、「支払いを先延ばしにして、先延ばしにした分の手数料が上乗せされてしまう」という点では、消費者金融などからの借金と変わりません。

いつまで経ってもリボ払いの残高が減らず、どのクレジットカードもリボ払いの限度額いっぱいになってしまいました。
Cさんは「何とか自力で支払えないか」と家計を見直しました。しかし、Cさんの今の月給では、ゲーム課金をやめても毎月2万円くらいしか支払いには回せないと分かりました。もともとCさんは、食費などではそれほど無駄遣いしていなかったので、減らせる支出がほとんどなかったのです。

「もう払えない!」と思ったCさんは、自己破産を検討し始め、借金問題について無料相談できる法律事務所に電話をかけ、法律相談の予約をしました。

弁護士に相談

相談当日、Cさんは持っているクレジットカード全てを弁護士に見せました。

次に、弁護士はCさんにリボ払いが膨らんだ経緯について聴き始めました。

ガチャ課金をしたことがあるとのお話でしたが、ガチャはいつ頃から始めましたか?

2年くらい前からです。

1回のガチャで、大体どれくらい使いましたか?

目当てのカードを引けるまで回していたので、場合によって違います。多いときだと、1回に30万円以上使ったこともありました。

今まで、どれくらいのお金をガチャに使いましたか?

大体ですが、300万円くらいだったと思います。

その他にも、Cさんは次のような質問にも答えました。

  • 現金や預貯金はいくらあるか
    →現金は約3万円、預貯金はほぼ0円
  • 高額な財産を持っているか
    →20万円を超えるようなものはない
  • 過去に自己破産の手続きをしたことがあるか
    →ない

ガチャ課金が原因の借金でも、自己破産の可能性はある

Cさんから事情を聴き終えた弁護士は、次のようなことを言いました。

今回のような、借金の膨らんだ主な原因がガチャ課金だった場合、自己破産の手続きをしても支払義務が一切免除されないリスクがあります。

それでは、自己破産は無理ですか?

支払義務が免除されないことを「免責不許可」というのですが、必ず免責不許可になるというわけではありません。
ガチャ課金が原因で借金が膨らんだ場合であっても、裁判所が支払義務を免除してくれる可能性はあります。

それでは、Cさんと弁護士のやり取りをもう少し詳しく見ていきます。

「ガチャ課金で借金が膨らんだ場合、支払義務は無くならない」?

ガチャ課金をしていたら、支払義務がなくならないリスクがあるというのはどういう意味ですか?

自己破産の手続きで、裁判所が「免責許可決定」を出してくれれば、原則全て(※)の支払義務が免除となります。
しかし、「免責不許可事由」というものに当てはまっていると、裁判所が免責許可決定を出してくれない可能性があるのです。

免責不許可事由は法律上いくつか定められているのですが、浪費がもとで過大な借金を抱えてしまうことは、免責不許可事由のうちの1つに当たります(破産法252条1項4号)。
収入に見合わない額をガチャにつぎ込むことは、基本的には「浪費」という扱いを受けるので、免責不許可事由があると判断される可能性があります。
ですので、自己破産の手続きがうまくいかないリスクがあるのです。

※税金など、一部の支払義務は免責許可決定が出ても無くなりません(非免責債権)。

非免責債権にどのようなものがあるか、詳しくはこちらをご覧ください。

自己破産後も支払義務が残るものって何?免責不許可事由との違いも解説

ガチャ課金で借金を抱えた場合でも、借金を免除してもらえる可能性はある

免責不許可のリスクについてご説明してきましたが、免責不許可事由があっても裁判所が免責許可決定を出すケースは少なくありません。
免責不許可事由がある場合の免責許可決定を、特に「裁量免責」と言います。
裁判所の裁量で免責が出れば、原則全ての支払義務が免除されることとなります。

お金を返してもらえない債権者からすれば、「ガチャ課金が原因の借金が自己破産で無くなるなんて、おかしい」と思うかもしれません。

しかし、原因がガチャ課金であれ、返すことのできない借金を債務者に負わせ続けるのは、決して合理的ではありません。

ケースによっては、債務者を借金から解放して、一から生活を立て直させた方が、社会的・経済的に見て合理的である場合もあります(借金返済のプレッシャーで債務者がすり減ってしまうよりも、健全な消費生活を送れるようにした方が、社会全体で見てもメリットがあるということです)。

そのため、免責不許可事由がある場合でも、裁判所が裁量で免責を出すケースがあるのです(破産法252条2項)。

裁量免責を出すかどうかは、次のような事情などを元に、裁判所が総合的に判断します。

  • どのような事情で借金を抱えるに至ったのか
  • どのような経緯で自己破産の申立てをするに至ったのか
  • どのくらいの金額をガチャ課金に使ったのか
  • ガチャにお金を使い過ぎたことについて反省しているか
  • 自己破産の手続きを誠実に進めているか
  • 家計を立て直すために、意欲的に努力しているか

Cさんも、もうガチャにのめり込まないと決めて誠実に手続きをすれば、免責許可決定が出る可能性はあります。

浪費などをしていても、支払義務を免除してもらえるケースは少なくない

実際、免責不許可事由があっても免責許可決定が出る人は少なくありません。

2017年の調査結果によると、自己破産の免責申立てをした人1238人のうち、免責不許可となった人は約0.6%にすぎません。

一方、浪費や遊興費が原因で負債を抱えて自己破産を申立てることとなった人は、申立てた人のうちの約4.07%です。
このことから、

浪費が原因で自己破産の申立てをしても、免責が許可されたケースもある

と言えます。

※免責不許可の可能性が高い場合には、裁判所からの勧めに応じて、申立て自体を取り下げているケースもあります。

参照:2017年破産事件及び個人再生事件記録調査(2)【データ編】17、44頁|日本弁護士連合会

本当に自己破産が難しい場合でも、自己破産以外の方法はある

自己破産の手続きが上手く行く可能性もあると聞いて安心できたCさんは、この弁護士にそのまま依頼することにしました。

もっとも、本当に深刻な免責不許可事由があれば、裁量免責すら出ないケースもありえます。
このような場合でも、借金の負担を軽減できる可能性はゼロではありません。
自己破産以外にも、借金などの支払いの負担を軽減するための方法があるからです。

その方法とは、主に次の2つです。

・任意整理
……毎月の支払額や総支払額の減額などを目指して、個々の債権者と交渉

・個人再生
……裁判所から認可を得て、基本的に大幅に減額された負債を原則3年間かけて分割払い

自己破産とは違って基本的には数年間支払い続けることにはなりますが、今のまま借金を抱え続けるよりは家計に余裕ができる可能性があります。

「ガチャ課金だと自己破産は無理だから、もうどうにもならない」と思い込まずに、まずは弁護士に相談だけでもしてみることをおすすめします。

手続きについて注意を受けたこと

Cさんは、依頼の際、次のような注意を受けました。

  • ガチャ課金をきっぱりやめること
  • 手続きを誠実に進めること

それぞれについてご説明します。

(1)ガチャ課金をきっぱりやめること

自己破産を進めると決めたからには、ガチャ課金はきっぱりやめる必要があります。
自己破産を弁護士に依頼した後もガチャ課金を続けていると、免責不許可となる可能性が上がってしまいます!

繰り返しになりますが、裁判所は裁量免責の判断に当たって、次のような事情を考慮しています。

  • ガチャにお金を使い過ぎたことについて反省しているか
  • 家計を立て直すために、意欲的に努力しているか

自己破産の依頼後もガチャ課金をし続けていると、「ガチャが原因で借金を抱えたことを、反省していない」と判断されてしまうおそれがあります。
また、ガチャ課金が主な原因となって返しきれないほどの借金を抱えたのに、ガチャ課金をやめられていないのでは、生活を立て直そうとしているとは言い難いです。

そのため、「裁量免責を出したとしても、また同じことを繰り返す可能性が高い」と判断され、免責不許可となってしまうおそれがあります。

自己破産を弁護士に依頼すると決めたら、ガチャはきっぱりやめましょう。

そうは言っても、スマホ一つあればどこでもできるスマホゲームは、なかなかやめられない一面もあります。
一瞬でお金がなくなってしまう「ガチャ」が曲者ですので、ガチャなどの課金をしなくても支障なくプレイできるゲームを探すなど、工夫しましょう。

また、たとえ天井のあるガチャでも、天井までは数万円かかることがほとんどです。ガチャ課金が原因で自己破産をお考えの方は、ガチャ自体から距離を置いた方が良いでしょう。

(2)手続きを誠実に進めること

借金が膨らんだ理由を誤魔化したりせず、誠実に手続きを進める必要があります。

手続きを誠実に進めているかどうかも、裁判所は重視しています。
また、裁判所の調査に協力しなかったり、説明を拒否した場合には、ガチャ課金とは別の免責不許可事由に当てはまってしまうおそれがあります(破産法252条8項、9項、11項)。

自己破産の申立てをして以降も免責不許可事由に当たることをしていると、深刻視されて、免責不許可となるケースが少なくありません。
免責不許可となる可能性を下げるためには、誠実に手続きをすることが欠かせません。

【まとめ】ガチャ課金が原因の借金でも、自己破産で支払い義務免除の可能性あり

今回の記事のまとめは次のとおりです。

・ガチャ課金が原因で借金を抱えた場合、裁判所が支払義務を免除してくれないリスクはある(免責不許可)
⇔ガチャ課金をしていた場合でも、支払義務を免除してもらえる可能性はある(裁量免責)
※2017年には、自己破産の手続きをした人のうち免責不許可となったのはわずか0.6%程度
・免責不許可となるリスクを下げるためのポイントは次の2つ。
〇ガチャ課金をきっぱりやめること
〇手続を誠実に進めること

ガチャ課金をしたからといって、自己破産が100%無理というわけではありません。
たとえ本当に自己破産が厳しい場合であっても、借金の負担を軽減する自己破産以外の方法もあります。

返済困難な借金をこのまま抱えていても、利息や遅延損害金が膨らむばかりで、状況は良くなりません。
まずは、相談だけでもしてみませんか。

アディーレ法律事務所では、自己破産などの債務整理のご相談を承っております。

また、アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続きにつき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続きに関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております(2022年11月時点)。

※ただし、免責不許可が、次の場合に起因する場合などは、返金対象外です。

  • アディーレ法律事務所へ虚偽の事実を申告し、又は事実を正当な理由なく告げなかった場合
  • 法的整理の受任時に、遵守を約束いただいた禁止事項についての違反があった場合

ガチャ課金で膨らんでしまった借金についてお悩みの方は、債務整理を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。