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確定申告の無申告がバレる7つの理由と副業の注意点とは?

作成日:更新日:
s.miyagaki

「副業をしてるけど、確定申告をしないとバレる?」

会社員としての本業以外に副業をしている方の場合、確定申告が必要なケースがあります。例えば、副業で得られたお金(経費がかかった場合は、経費を差し引いた額)が20万円を超えている場合、基本的に確定申告が必要です。

役所は個人の副業収入についていちいちチェックしていないのでは、と思われるかもしれません。

しかし、税務署や国税庁は想像以上に無申告の調査をしています。例えば、取引先から報酬をもらった場合、その取引先は「誰にいくら払った」という支払調書を税務署に提出します。そのため、「この人は報酬をもらっているのに確定申告をしていない」とバレるおそれがあります。

無申告がバレると、最初から正直に確定申告をしていた場合よりも多く支払わなければならないリスクがあります。「無申告加算税」や「延滞税」などのペナルティが上乗せされてしまうからです。無申告が特に悪質だと、懲役・罰金のおそれもあります。

この記事では、

  • 確定申告の無申告がバレる7つの理由
  • 副業している方の、確定申告についての2つの注意点

について弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

確定申告の無申告がバレる7つの理由 

 確定申告の無申告がバレる主な理由は、次の7つです。

  • 取引先の支払調書
  • 銀行口座の動き
  • 税務署による税務調査
  • 不動産の購入
  • 一般取引資料せん
  • 国税庁による無申告の調査
  • 知人などによる情報提供

それぞれについてご説明します。

(1) 取引先の支払調書

 無申告がバレる理由の1つめが、「取引先の作成する支払調書」です。

支払調書とは、「この1年間で、誰に、いくら報酬を支払ったか」を示すための書類です。報酬など(年末調整の対象となる給与とは異なる)を支払った場合に、取引先が作成します。

この支払調書は、報酬を受け取った人に交付されるだけではありません。取引先は、税務署にも支払調書を提出します。

税務署は支払調書を見ることで、「この人は、1年間でどのくらい報酬を受け取ったのか」を把握できています。

そのため、支払調書を通じて無申告がバレる可能性が高いのです。

(2) 銀行口座の動き

 無申告がバレる理由の2つめが、「銀行口座の動き」です。

税務署は、無申告の疑いがある人の口座について、税務調査に必要な範囲で動きを調査することができます(いわゆる税務調査)。

納税者側で作成する帳簿などより、銀行という第三者が管理する口座の動きの記録の方が誤魔化しが効きにくく、無申告が発覚するきっかけとなりやすいのです。

この調査は基本的に税務署と銀行のやり取りで行われますので、無申告者の側では調査されていると気付けないことが少なくありません。また、税務調査も昨今のデジタル化に伴いオンラインへの移行が進んでいます。そのため、銀行とのやり取りもオンラインでなされるようになり、紙媒体で行われていた時よりも迅速に税務調査が進むようになりました。

参考:税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-|国税庁

(3) 税務署による税務調査

 無申告がバレる理由の3つめが、「税務署による税務調査」です。

税務調査は、口座にだけ行われるとは限りません。税務署は、税金の徴収などのために必要な物(※)については、幅広く調査することが可能だからです。

※法律上作成が義務付けられている帳簿などにとどまらず、調査や徴収のために必要な物であれば、全般的に調査対象となるのが基本です。

そのため、無申告のままでいると、ある日突然税務署から連絡が来るという事態になりかねません。

参考:法令解釈通達 第1章 法第74条の2~法第74条の6関係(質問検査権)|国税庁

(4) 不動産の購入

 無申告がバレる理由の4つめが、「不動産の購入」です。ローンを組んで購入した場合も、一括で購入した場合も含まれます。

税務署は、住宅などの不動産を購入した人について、購入資金をどのように用意したかなどをチェックしている場合があります。

購入資金として、親などからまとまったお金を受け取った場合の贈与税の申告漏れがないかなどのチェックが、ここ数年で強化されているようです(いわゆる「お尋ね」)。

そして、購入資金の出どころが怪しいと疑われる場合などには、本格的な税務調査が行われて、無申告が発覚することとなるおそれがあります。

(5) 一般取引資料せん

 無申告がバレる理由の5つめが、「一般取引資料せん」です。

税務署は、事業をしている人に対して、「売上、仕入、費用及びリベート等に関する資料」の提出を求める文書を送ることがあります。このとき作成・提出することとなる資料が「一般取引資料せん」です。

税務署がこのような文書を送るのは、適正・公平に課税や徴収をすることが目的なので、届いたからといって必ずしも「脱税や無申告を疑われている!」というわけではありません。

しかし、無申告の状態で「一般取引資料せん」を提出すれば、税務署に事業の状況を把握されることとなります。そのため、一般取引資料せんの提出がきっかけで無申告がバレるおそれがあるのです。

参考:一般取引資料せんの提出|国税庁

(6) 国税庁による無申告の調査

 無申告がバレる理由の6つめが、「国税庁による無申告の調査」です。

税務署だけでなく、国税庁も無申告がないか調査しています。無申告者をそのままにしていては、自主的に確定申告をして税金を支払っている人との関係で不公平になってしまうからです。

そのうえ、無申告の調査は年々強化されています。

所得税の無申告についての調査件数
平成28事務年度(※):7612件
→平成29事務年度:7779件

無申告によって追徴された総額
平成28事務年度:146億円
→平成29事務年度:207億円

※国税庁における事務年度とは、「7月1日~翌年6月30日」です。

そのため、無申告のままだと、調査を受けて発覚することとなる可能性が年々高まってきています。

参照:無申告者に対する調査状況|国税庁

(7) 知人などによる情報提供

 無申告がバレる理由の7つめが、「知人などの第三者による税務署・国税庁への情報提供(いわゆる「タレコミ」)」です。

副業などでかなりの収入を上げているにもかかわらず、税金を払っていないことをSNS上でほのめかした場合にも、投稿を目にした第三者が情報提供を行うケースがあります。

情報提供は国税庁のウェブページ上でできますし、匿名で行うことも可能です。そのため、無申告などを快く思っていない人がいれば、ごく簡単に国税庁に伝わってしまいます。

このように、情報提供が税務調査のきっかけとなり、無申告が発覚するおそれがあります。

参考:課税・徴収漏れに関する情報の提供|国税庁

副業している方の「確定申告」についての注意点

年末調整を受けている方で、医療費控除や還付などを受けるためには確定申告が必要という場合、確定申告をしなくても節税できないにとどまります。

しかし、副業をしている方が確定申告をせずにいると、確定申告によって本来支払うべきだった金額に、ペナルティを上乗せされてしまうなどのおそれがあります。

それでは、副業をしている方の「確定申告」についての注意点をご説明します。

(1) 副業について確定申告が必要な場合

会社員としての仕事の傍らで副業をしていた場合、基本的に

副業によって1年間(※)で得られたお金が20万円を超えると「確定申告が必要」

となります。

※所得とは、1年間に入ってきたお金(収入)から必要経費を差し引いた金額のことです。

また、副業を複数している場合、個々の副業で得られたお金は20万円以下でも、合計額が20万円を超えている場合には、原則として確定申告は必要です。

さらに、副業先で20万円超えの給与を得ている場合、原則として(※)確定申告の義務があります。

ただし、次の2つを両方満たす方の場合、確定申告の義務はありません。

もっとも、基本的に副業先では年末調整が行われないため、正確な所得税の額を求めるためには、自分で確定申告を行う必要があります

「本業の会社で年末調整してるし、副業の会社でも源泉徴収を受けているから、確定申告はしなくていいのでは?」と思い込まず、副業等で得られた金額を、念のためチェックしておきましょう。

(2) 副業について確定申告しなかった場合のペナルティ

 副業で得られたお金について確定申告すべきだったのにしないでいた場合、次のようなペナルティを受ける可能性があります。

  • 無申告加算税や延滞税、重加算税の上乗せ
  • 3年以下の懲役や20万円以下の罰金(懲役と罰金両方になる可能性も)

延滞税は申告期限を過ぎた日数が増えるほど高くなります。

また、「無申告加算税」は基本的に「未払い額の15%(※)」ですが、悪質な無申告の場合には「無申告加算税」ではなく「重加算税」を払わなければならないおそれがあります。「重加算税」は原則「未払い額の40%」なので、「無申告加算税」よりもかなり高額になります。

※未払い額が50万円を超える場合、超えている部分については「20%」です。例えば、元々支払うべき金額が70万円だった場合、無申告加算税は基本的に11万5000円となります。
50万円×0.15(15%)+20万円×0.2(20%)=11万5000円

確定申告をしなかった場合のペナルティやデメリットについて、詳しくはこちらをご覧ください。

確定申告をずっとしてないとどうなる?ペナルティや対処方法を解説

【まとめ】確定申告しないでいると、予想以上にバレる可能性が高い

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 確定申告しないでいるとバレる理由は、主に次の7つ。
    (1)取引先の支払調書
    (2)銀行口座の動き
    (3)税務署による税務調査
    (4)不動産の購入
    (5)一般取引資料せん
    (6)国税庁による無申告の調査
    (7)知人などによる情報提供
  • 副業をしている方の場合、「副業で得られたお金が20万円超え」だと確定申告が必要な可能性がある
  • 確定申告が必要なのにしないままでいると、次のようなペナルティのおそれがある
    (1)無申告加算税や延滞税、重加算税の上乗せ
    (2)3年以下の懲役や20万円以下の罰金

思わぬペナルティを課されずに済むよう、副業をしている方は「本当に確定申告しなくて大丈夫なのか」しっかり確認しましょう。

確定申告についてご不明点があれば、国税庁の相談窓口などへお問い合わせください。

参考:税についての相談窓口|国税庁

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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