全東信破産で未入金に…飲食店の資金ショート・債務整理は弁護士へ相談
- 更新日: 2026年07月24日
2026年7月6日、クレジットカード決済代行大手の「全東信(大阪市)」が大阪地裁へ自己破産を申請し、開始決定を受けました。負債総額は1,259億円にのぼるとされ、連鎖倒産の懸念が広がっています。
このニュースに、多くの飲食店オーナーが激しい不安を覚えていることと思います。特に、同社の早期入金サービスなどを利用し、日々の仕入れや家賃、人件費をギリギリで回していた店舗にとっては、「入るはずの売上金が突然ストップする」という、文字通り死活問題に直面されているはずです。
「今月末の支払いがどうしても足りない」
「ゼロゼロ融資の返済や物価高で、もともと限界だったのに困った……」
そうやって一人で夜も眠れずに悩んでいるなら、アディーレへご相談ください。弁護士が、あなたの生活と再スタートを法的な側面からサポートします。
※法人のお客さまの場合や、自営業の方でもご相談内容によっては、ご相談をお受けできない場合がございます。詳しくはお問い合わせください。
この記事のポイント
資金繰りが厳しくなったとき、早めの行動が重要です。特に決済代金の入金停止など「今すぐお金が入らない状況」では、取り返しのつかない損失を増やさないために、まず当面の売上・支払いの守りを固め、そのうえで取れる選択肢を検討しましょう。
- 早いほど守れるものが増える:家賃・仕入れ・人件費など、今月のショートをシミュレーションし、打てる手を早く決める。
- 「やってはいけないNG」をしない:パニック時の借入や強引な資金繰りは、のちの手続に不利になり得ます。
- 取れる手段はある:店舗を残して借金を減らす「小規模個人再生」、状況によっては「自己破産」など、選択肢を比較して現実的な着地を目指せます。
決済代金の入金が止まった飲食店オーナーのための4つの対応策
全東信の破産を受け、一般社団法人日本飲食団体連合会からも加盟店に向けて「至急対応いただきたい3点」として緊急の注意喚起が出されています。これらを踏まえ、お店が今すぐ取りたい4つの対応策を弁護士の視点から解説します。
【対応策1】これ以上の未入金を防ぐ「全東信の端末使用を即時停止」
業界団体からの要請通り、全東信の端末使用は「即時停止」してください。カード決済は入金されないおそれが高い状況にあります。
一時的にクレジットカード決済をストップし、「現金払い」や「直接契約しているPayPayのみ」の営業に切り替えます。短期間であれば、お客さまも事情(「システム障害のため」など)を説明すれば理解してくれるでしょう。
まずは手元に確実に現金を残すルートを確保し、店舗スタッフへの周知と端末の誤使用防止を徹底してください。
【対応策2】「未入金の売上」の把握と「今月のショート額」の計算
こちらも食団連からの指示通り、「最後に入金があった日」と「それ以降にカード決済した金額」を確認・記録し、未入金の売上代金を今すぐ集計してください。この金額があなたのお店の「損失額」となります。
厳しい現実ですが、破産手続が始まると未入金分は「破産債権」となり、全額回収することはほぼ不可能です。このお金は「ゼロ」になったと仮定し、直近の家賃や仕入れ代金、従業員の給料が回るかをシミュレーションしてください。
もし足りない場合は、すぐに物件のオーナー(大家さん)や仕入れ業者に連絡し、「決済代行会社の倒産に巻き込まれて入金が遅れる。〇日まで待ってほしい」と事前に相談に行きましょう。ニュースでも取り上げられている事態なので、事情は理解してもらいやすいはずです。
【対応策3】代替の決済手段を至急手配する
現金のみの営業が長引くと客離れにつながりやすいため、クレジットカード決済等を再開するための決済手段を至急手配してください。
全東信に変わる他社の決済代行サービス(Airペイ、Square、STORESなど)です。
まずは即日〜短期間で導入可能なサービスで決済手段を確保しつつ、本契約の準備を並行して進めましょう。
【対応策4】「債権届出」の準備と税金対策を進める
【対応策2】で集計した未入金額は、後日行う「債権届出」の基礎となります。しばらくすると、大阪地裁が選んだ破産管財人(弁護士)から、お店宛てに「破産手続開始の通知」や「債権届出書」という書類が郵送で届きます。
難しい言葉が並んでいますが、やることは次の2点です。
「どうせお金は戻らないから……」と諦めて放置してはいけません。破産手続が終了して未回収の金額が確定した際、それを「貸倒損失(経費)」として処理するためには、この債権届出を正しく行っていることが法的な前提となります。
つまり、将来的に店舗の税負担を軽減できる可能性を残すための、重要な手続なのです。
※具体的な税務上の要件や手続については、顧問税理士や所轄の税務署へご相談ください。
全東信から未入金分を取り戻すのは難しいのが現実
まず、厳しい現実をお伝えしなければなりません。
全東信が自己破産した以上、同社に残された財産は裁判所を通じて債権者に再配分(配当)されます。
しかし、税金や従業員の給料などが最優先されるため、一般の加盟店である飲食店への配当は「良くて数%」、最悪の場合は「1円も戻ってこない」可能性が非常に高いのが実情です。
閉店・破産だけじゃない、弁護士が提案する3つの再建ルート
全東信からの入金がなく、お店の仕入れ先などへの支払いが苦しくなった方も多くいらっしゃると思います。
ただ、「支払いができない=自己破産・閉店」と思い込んでいませんか? 弁護士に相談することで、お店の状況に合わせた適切な対応方法を確認しましょう。
①弁護士が金融機関と交渉して負担を軽減する「任意整理」
過去の融資(コロナ特例融資のゼロゼロ融資など)の返済が重荷になっているなか、今回の全東信の破産に伴う一時的な未入金が重なり、資金繰りが限界に達してしまうケースがあります。
このように、現在の条件での返済がどうしても難しくなった場合に有効なのが「任意整理」という手続です。任意整理では、弁護士があなたに代わって銀行などの金融機関と直接交渉し、将来発生する利息のカットや、月々の返済額を無理のない金額へと減額した上での分割返済(原則3年~5年)を目指します。
ゼロゼロ融資の「信用保証協会」への対応について
ゼロゼロ融資の多くは、「信用保証協会」という公的機関が保証人になっています。そのため、返済が完全にストップした場合は、保証協会が代わりに銀行へ借金を全額返済します(代位弁済)。
その後は、銀行ではなく保証協会に対して分割で返済していく交渉(任意整理)を行うことになります。 「公的機関の融資だから整理できない」「一括請求されて終わりだ」ということはありません。
弁護士が窓口となって適切な返済計画を交渉いたしますので、まずは現状の返済状況をそのまま弁護士にご相談ください。
②店舗を残して借金を減らす「小規模個人再生」
個人事業主の場合、裁判所の手続(個人再生)を利用することで、店舗の営業をそのまま続けながら、借金の総額を原則5分の1(最低100万円)程度まで大幅に減額できる可能性があります。
個人再生が認められたあとは、残った借金を3〜5年かけて分割で返済していくため、キャッシュフローが改善しやすくなります。
③傷を最小限に抑えて人生を再スタートする「自己破産」
これ以上営業を続けても赤字が膨らむだけという場合は、裁判所に申し立てをしてすべての借金をクリアにする「自己破産」という選択肢があります。
「破産すると身ぐるみ剥がされる」というのは誤解です。個人事業主の方の破産であれば、法律に基づき、今後の生活に必要な最低限の現金(原則99万円まで)や家財道具などの財産(自由財産)は手元に残すことが認められています。
裁判所から「免責(借金の免除)」の決定をもらうことで、督促のプレッシャーから完全に解放され、新しい人生のスタートを切ることができます。
法人が破産する場合は、手続が異なります。法人の破産は「会社という組織そのものを消滅させる」手続のため、会社名義の資産を生活費として手元に残すことはできません。
ただし、会社の経営者個人が連帯保証人になっていることがほとんどであるため、通常は「会社の破産」と「経営者個人の自己破産」を同時に進め、経営者個人の再起を図ることになります。
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最悪の事態を防ぐためにやってはいけないNG行動
資金繰りが悪化した際、目先の支払いを乗り切ろうとして、以下のような行動を選択肢に入れてしまいがちです。
しかし、これらは事態を悪化させるだけでなく、あとから借金を減らす手続(債務整理)をしようとした際に、自らの首を絞める致命傷になります。高額手数料のファクタリングの利用やヤミ金からの借入
目先の支払いを乗り切るためであっても、手数料の高いファクタリング(※)の利用やヤミ金からの借入はしないでください。
翌月以降のキャッシュフローを破壊するだけでなく、のちに債務整理をしようとした際に致命傷となる「免責不許可(めんせきふきょか)」という法的なリスクが生じます。
裁判所の手続(自己破産など)では、「これ以上どうしようもない理由で膨らんだ借金」だからこそ、特例としてすべて免除(ゼロに)してもらえます。
しかし、すでに返済不能な状態であるにもかかわらず、ヤミ金から違法な高利で借金をしたり、高額な手数料をとられるファクタリングで売掛金(資産)を換金したりする行為は、破産法上の免責不許可事由のうち「不当に債務を負担したこと」、または「債権者に不利益な財産処分をしたこと」に当たる可能性があります。
結果、破産の手続をとっても裁判所から「あなたの借金は一切帳消しにしません」という判断を下され、すべての借金を背負い続けたまま再起不能になってしまうおそれがあるのです。
※ファクタリング:事業者が保有している売掛債権等を支払期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービスのことを言います。
親族や友人からの個人的な借金
「公庫や銀行からはこれ以上借りられないから」と、親族や友人、あるいは常連客などから個人的にお金を借りて目先の支払いを乗り切ろうとするのは絶対にやめてください。
親しい人からの借金は、一見すると善意で助けてもらったように見えますが、最終的に法的整理(破産など)に追い込まれた際、その身内や友人も法律上「債権者(破産手続きに巻き込まれる当事者)」になってしまいます。
裁判所の手続が始まると、すべての債権者を平等に扱わなければならないルールがあるため、お世話になった身内だけにこっそり優先してお金を返す行為(偏頗弁済:へんぱべんさい)は問題視されます。
結果として、お金を貸してくれた大切な人を法的なトラブルに巻き込むだけでなく、破産手続の前後に身内を優先して返済すると、それ自体がペナルティとなり、あなた自身の借金が帳消しにならないリスク(免責不許可事由)さえ生じかねません。
大切な人を守り、自分自身も正しく再起するためにも、個人間の借金で無理に経営を引き延ばすことはしないでください。
税金・社会保険料の完全放置
「まずは民間への支払いを優先し、税金は後回しにしよう」と考えがちですが、この判断が深刻な事態を招く原因になります。
国や自治体は、裁判所の判決を待たずに独自の権限で強力かつ迅速に口座や売掛金を差し押さえることができます。差し押さえを受けると、仕入れや家賃の支払いができなくなり、実質的に営業を続けることが難しくなります。
また、税金や社会保険料は「非免責債権」といって、自己破産をしても一切免除されません。支払えない場合でも放置せず、役所の窓口へ「納付猶予」の相談に行くか、弁護士へ対処法をご相談ください。
督促や支払いは法律に基づいてストップできます
「各方面への支払いや督促の電話が怖くて、上記のようなNG行動に走ってしまう」という飲食店オーナーや個人事業主の方が少なくありません。
しかし、弁護士へ正式に依頼すると、弁護士があなたに代わってすべての窓口となり、各債権者へ「受任通知」を送付します。
消費者金融やカード会社などの「貸金業者」については、法律(貸金業法)に基づき、あなたへの直接の取立がその時点で法律上禁止されます。
一方で仕入先や大家さんなどの一般の債権者に対しては、法律で取立を禁止するような強制力はありません。
しかし、通知によって「以後の連絡や交渉はすべて代理人弁護士を通してください」と明示するため、経営者の方が直接相手と話したり、鳴り止まない電話に対応したりする心理的負担を大きく減らすことができます。
一人で抱え込んでしまわず、まずは弁護士を窓口にして、冷静に対策を考えられる環境を整えることを検討しましょう。
相談が早ければ早いほど、守れるものは多くなります
「弁護士に相談するなんて、本当に最後の最後、倒産するときだけだ」と思われている方が多いですが、それは間違いです。
手元に少しでも現金が残っているうち、仕入先や大家さんとの関係が破綻していないうちであれば、「店舗を存続させるための選択肢」が多く残されています。
完全に資金が底をつき、電気や水道まで止められてからでは、選べる選択肢は「自己破産」しかなくなってしまいます。
まずはご自身の手元にある「未入金の金額」「現在の借入総額」「直近の固定費」がわかる資料を持って、弁護士にご相談ください。
ひとりで抱え込まず、まずは弁護士へお問い合わせください
全東信の倒産は、あなたのお店の経営努力不足ではなく、予期せぬ「災難」です。しかし、そこからどう動くかで、未来を変えることができます。
当法律事務所では、資金繰りや債務の返済に悩む飲食店オーナー・個人事業主の方(個人経営の方)を対象に、法律相談を【無料】で承っております。
「まだ破産すると決めたわけではない」「話を一度聞いてもらいたい」という段階でも問題ありません。守秘義務は厳守いたしますので、まずは下記よりお気軽にお問い合わせください。あなたの人生を、全力でサポートいたします。
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アディーレの弁護士との法律相談は家族や職場に秘密でできます。書面の送付先指定や郵送物を個人名で送るなど、ご家族や職場に債務整理したことが知られないよう最大限の配慮を行っておりますので、安心してご相談ください。
弁護士との法律相談を経て、方針にご納得いただけましたらご契約となります。ご契約後に弁護士から債権者へ「受任通知」を発送することで、消費者金融などの貸金業者からの取り立てを法律上ストップさせることができます。
また、自己破産などの裁判手続きを依頼いただく場合、大家さんや仕入先などの債権者に対しても弁護士が窓口となり、経営者の方への直接交渉を控えるよう促します。
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監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 早稲田大学法学部,首都大学東京法科大学院
困りごとが起きた時,ひとりで考え込むだけでは,どうしても気持ちが暗い方向に向かいがちで,よい解決策も思い浮かばないものです。そのようなときは,ひとりで抱え込まないで,まず専門家に相談することが,解決への近道ではないでしょうか。どのようなことでも結構ですので,思い悩まずにご相談ください。依頼者の方々が相談後に肩の荷を降ろして,すっきりとした気持ちで事務所を後にできるよう,誠心誠意力を尽くします。


