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破産費用はどの程度かかる?安く抑える方法や弁護士費用を解説

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「弁護士に相談するのは敷居が高い」と感じている人が少なくありません。
そのように感じる理由の1つは、弁護士に依頼した場合のトータルコストがわからないことでしょう。寿司屋で「時価」とだけ書かれたネタを注文するのが怖かったり、お店で値札のない商品を購入するのを躊躇ったりするのと同じ心境ではないでしょうか。
そこで、今回は弁護士が「破産にかかる費用」を解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

自己破産費用の合計額はどれくらいかかる?

自己破産をするためには、予納金などの手続き費用が必要になります。

自己破産には、同時廃止(どうじはいし)事件と管財(かんざい)事件の2種類があり、最終的にいずれの手続きで進めるかは裁判所が判断します。なお、管財事件は、通常管財事件と少額管財(※裁判所により呼び名は異なります(例:簡易管財等))等と呼ばれる事件の2つに分けることができます。通常管財事件では、少額管財よりも高額の予納金が必要となりますが、東京地裁では、弁護士が代理人となる限り、個人の自己破産は少額管財で進められるのが通常です。
※申立てをする裁判所によっては、少額管財の制度がなく、通常管財事件の制度のみである場合もあります。

(1)同時廃止事件の場合

自己破産を申立てるときには、次の費用が必要です。

  • 収入印紙代(申立手数料) 1500円
    ※事案により申立手数料は異なります。
  • 郵便切手代 数千円程度~
    ※申立てする裁判所や事例(債権者数など)によって、郵便切手代は上記とは異なります。
  • 官報広告費(予納金) 目安1万数千円
    ※事案により官報公告費用が異なります。

そのほか住民票など必要な資料を集めるための手数料がかかります。

参考:破産(同時廃止) 破産申立てに際しての注意事項など|裁判所 – Courts in Japan

(2)管財事件の場合

管財事件では、上記費用に加えて、破産管財人の報酬等に充てられる費用(予納金)が必要です。

破産管財人とは、法律上、「破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者」のことです(破産法2条12号)。
簡単に言うと、破産者の持っている財産を管理したり、高額な資産等を売却などしたりしてお金に換えて債権者への配当に充てたりする人です。

東京地裁の場合、少額管財事件となると、破産管財人の報酬として20万円が必要となります。
申立てをする裁判所や事案によっては、破産管財人の報酬として20万円を超える金額が必要になることもあります。

破産に必要な弁護士費用とその支払方法

自己破産手続きを自分で申立てることはできますが、手続きが複雑で、専門知識のない人には難しいため、弁護士に自己破産手続きを依頼するのが一般的です。

自己破産については、それぞれの弁護士が弁護士費用を基本的に自由に決めることができるようになっています。
あらかじめ依頼しようとする弁護士に費用(着手金・報酬金)を確認しておくのがいいでしょう。

なお、現在は廃止されていますが、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準において、非事業者の個人の自己破産について、次のように定められていました。

着手金20万円以上
報酬金
(免責決定を受けたとき)
300万円以下の場合 経済的利益の16%
300万円を超え3000万円以下の場合 10%+18万円
3000万円を超え3億円以下の場合 6%+138万円
3億円を超える場合 4%+738万円
(経済的利益の額は、配当試算、免除債権額、延払いによる利益等を考慮して算定する)

自己破産手続きを弁護士に依頼すると、基本的に消費者金融等への支払いはストップしますが、今まで生活費に困っていた状況でまとまったお金を用意できる人はほとんどいません。そのため、弁護士費用の分割払いに応じている法律事務所も多くあります。

自己破産費用を安く抑える方法はあるの?

自己破産費用を工面できないときにはどうすればいいの?可能であれば1円でも安くしたい、と思うのが人間の心情かもしれません。
「破産費用 安く」「破産費用 払えない」等と検索すると、いくつかの情報が見つかるでしょう。その内容について解説します。

(1)法テラスを利用する

収入が低く生活が苦しいのであれば、法テラスの利用を検討しましょう。
法テラスとは、所定の要件を満たせば、弁護士費用等を立て替えてくれる国が設立した機関です(生活保護を受けていない方は、予納金は立て替えてもらえません)。
立て替えを受けた費用については、原則として所定の金額で、毎月法テラスに分割で返還していくこととなります。

※原則として、事件の進行中は毎月5000円、1万円などの分割での返還となり、事件終了後は3年以内に支払いが完了する金額で返還する必要があります。
※生活保護を受けている方などは事件終了まで支払いの猶予を受けられる場合があります。
※所定の要件を満たす方は償還免除の制度(返還を免除してもらう制度)も利用できます。

参考:STEP4.費用を返済する|日本司法支援センター 法テラス
参考:民事法律扶助|日本司法支援センター 法テラス

法テラスの手続き費用や弁護士費用の立替制度を利用するためには、収入基準や資産基準など所定の要件を満たす必要があります。
詳しくは、こちらのホームページをご覧ください。

参考:費用を立て替えてもらいたい|日本司法支援センター 法テラス

(2)司法書士に依頼する

司法書士の中には弁護士よりも安い報酬で自己破産手続きを引き受けている人がいます。
しかし、代理人として自己破産手続きのほとんどを行える弁護士と異なり、司法書士は、裁判所に提出する申立書の作成のみ引き受けることができます。裁判所や管財人とのやり取りは破産者自身で行わなければなりません。

司法書士に依頼しても、代理人(弁護士)がついていないことを理由に、予納金が数十万円ほど高額になるケースもあります。

そのため、ケースによっては司法書士に依頼したとしても、予納金が高額になった分、最終的には弁護士に依頼した場合と同額の費用、あるいはそれを超える費用が必要になるかもしれません。

(3)自身で自己破産手続きを行う

弁護士の力を借りなくても、自分1人で自己破産手続きを行うことはできます。
もっとも、同時廃止ではなく管財事件となった場合には注意してください。
この場合、申立てまでに弁護士によるチェックを挟まないことから裁判所や管財人の仕事が増えるため、予納金が高額になる傾向があります。
予納金が高くなった分、最終的には弁護士費用と同額、あるいはそれを超える手続き費用が必要となる可能性があります。
弁護士に依頼しても管財人面接や債権者集会に出席する義務はありますが、自分で自己破産を申立てるとそれ以上に準備に長時間を割かなければならないことになります。

破産後に支払う必要のある費用

弁護士費用や手続き費用を支払い、免責を受けても、一部の支払い義務は免除されません。自己破産手続きによっては支払義務を免れないものを「非免責債権」といいます。
代表的な非免責債権を3つご紹介しましょう。

(1)税金や罰金等

たとえば、次のものは「租税などの請求権」(破産法253条1項1号)として支払義務が免除されません。

  • 所得税
  • 贈与税
  • 相続税
  • 市町村民税

滞納した税金は、一括で支払える目途が立たないのであれば自己破産手続きと並行して、または手続き終了後に分納して支払っていく必要があります。

また、「罰金などの請求権」も支払義務が免除されません(破産法253条1項7号)。

罰金、科料罪を犯したときに取り立てられる罰金
(金額が1万円以上の場合を罰金、それ未満の場合は科料)
過料交通違反など刑罰以外の理由で強制的に取り立てられる金銭
刑事訴訟費用刑事訴訟をする際に必要となった費用
(私選の弁護士費用は含まれません)
追徴金犯罪によって手に入れた物を返却できない場合に支払う金銭

(2)一定の不法行為による損害賠償債務

具体的にいうと、次の2つに該当する場合には、支払義務が免除されません。

  • 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権(破産法253条1項2号)
  • 故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(破産法253条1項3号)

これらの請求権にあたるかには、高度に専門的な知識を要します。場合によっては、自己破産手続き終了後に、被害者から損害賠償請求訴訟を提起されて、その裁判において解決が図られることもあります。

(3)婚姻費用や養育費

夫婦間など特殊な関係性において生じるお金には、非免責債権とされているものがあります。たとえば、婚姻費用(破産法253条1項4号ロ)や養育費(破産法253条1項4号ハ)の支払義務は、基本的に自己破産手続きによっては免除されません。

【まとめ】自己破産についてお悩みならばアディーレ法律事務所へご相談を!

自己破産手続きにかかる費用は、安いとはいえないでしょう。しかし、費用を抑えたいからといって、自分で自己破産手続きを申立てたり、司法書士に依頼して自己破産手続きを進めたりすれば、かえって弁護士に依頼したとき以上の費用がかかってしまう可能性もあります。
法テラスについては利用できる場合とそうでない場合があります。
どのような方法が自分にとってベストなのか、総合的に考慮して決めるとよいでしょう。
アディーレ法律事務所では、破産に関するご相談を承っています。
自己破産を検討されている方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。