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借金が返済できなくなって、家賃を払えずに滞納したらどうなる?

作成日:更新日:
kiriu_sakura

「借金の返済で生活が苦しい……。このまま家賃を滞納してしまったら、どうなるんだろう?」

家賃の支払いが遅れる前に、大家さんや管理している不動産屋に事情を説明しましょう。前もって相談することで、分割に応じてくれたり、少し待ってもらえる可能性はあります。
また、一時的に家賃を滞納しても、早めに解消することができれば、基本的に今の物件に住み続けることはできます。

一方、滞納が長期化すると(目安:3ヶ月程度)、賃貸借契約を解除され、立ち退かなければならないおそれがあります。

そのため、家賃の支払が苦しいと感じたら早めの対処が肝心です。
家賃の支払や借金についての相談窓口には、例えば3つがあります。

  • 住居確保給付金の相談窓口………………家賃の援助
  • 生活困窮者自立支援制度の相談窓口……生活全般についての援助
  • 弁護士………………………………………借金を軽減するための「債務整理」

この記事では、

  • 家賃を滞納した場合に起こること
  • 家賃の支払が苦しいときの相談窓口
  • 債務整理をした場合の、今の物件に住み続けることへの影響

について、弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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家賃を滞納するとどうなる?

家賃を滞納した場合、次のような事態になるおそれがあります。

  • 【保証人がいる場合】保証人が請求を受ける
  • 滞納が続くと、賃貸借契約を解除され、立ち退きを求められる
  • 裁判所から明渡しを命じる判決を言い渡される

それぞれについてご説明します。

(1)【保証人がいる場合】保証人が請求を受ける

賃貸借契約を結ぶ際には、保証人を付けるよう求められる場合があります。
保証人がいる場合、家賃の滞納が発生すると保証人が支払わなければなりません。

そのため、契約の際にどなたかに保証人になってもらっている場合、保証人が請求を受けることとなります。

(2)滞納が続くと、立ち退きを求められる

家賃の滞納が長引くと、貸主から立ち退きを求められるおそれがあります。

家賃を滞納してしまったからといって、すぐに立ち退きを求められるケースは少ないです。
まずは何回か「早く滞納を解消するように」という内容の書面(督促状など)が届き、電話や訪問等で督促されることになります。

それでも支払に応じられずにいると、貸主側が賃貸借契約を解除して、立ち退きを求めてきます。
立ち退きを求められる目安は、滞納が3ヶ月以上になった場合です(これより早く立ち退きを求められるケースもあります)。

(3)裁判所から明渡しを命じる判決を言い渡される

立ち退きを求められても応じないでいると、貸主が滞納賃料の支払いや建物の明渡しなどを求めて裁判を起こし、裁判所から明渡しを命じる判決を言い渡されるおそれがあります(それでも立ち退かなければ、最終的には強制執行により強制的に立ち退かされてしまう可能性があります)。

貸主が明渡しを命じる判決を得るためには、前提として貸主側からの賃貸借契約の解除が認められる必要があります。そして、貸主側からの賃貸借契約の解除が認められるためには、貸主と借主の間の信頼関係が破壊されていると言える必要があります。

貸主と借主の間の信頼関係が破壊されている

貸主側から、賃貸借契約を解除できる

信頼関係が破壊されたと認められやすいのは、一般的に

家賃3ヶ月分以上の滞納

です。

賃貸借契約は、貸主と借主の信頼関係に基づいて成立します。
そのため、家賃滞納を理由に貸主が契約を解除しようとする場合、「信頼関係が破壊されたと言えるだけの事情」があることが必要です。
過去の裁判例などから、一般的には「家賃が3ヶ月分以上滞納になっていること」が、信頼関係が破壊されたことの目安とされています。

※「3ヶ月分」というのはあくまでも1つの目安です。信頼関係が破壊されたかどうかは、その他の事情も合わせて判断されます。
例えば、3ヶ月分を超える滞納があっても、貸主が賃貸物件の修繕に応じておらず、賃料について一定の減額が認められるなどの事情と合わせて考えれば信頼関係が破壊されたとまでは言えず、貸主からの解除は認められないとされた裁判例もあります(東京地裁判決平成23年12月15日)。

その一方、滞納自体は3ヶ月程度にとどまっていても、何度も未払を解消するよう貸主から求めても一部を支払うだけだったなどの事情から信頼関係破壊が認められた裁判例もあります(東京地裁判決平成19年7月27日)。

家賃の支払が苦しいときの相談窓口

これまでご説明したように、家賃滞納が長引いてしまうと、今住んでいる部屋に住み続けられなくなるおそれがあります。
そのため、家賃の支払が苦しいときには早めの対処が欠かせません。

借金の返済や家賃の支払が困難なとき、相談することができる窓口は主に次の3つです。

  • 住居確保給付金の相談窓口
  • 生活困窮者自立支援制度の相談窓口
  • 弁護士等の専門家

それぞれについてご説明します。

(1)住居確保給付金の相談窓口|家賃の援助

1つめの相談窓口が、住居確保給付金の相談窓口です。

住居確保給付金とは、世帯の収入合計額が一定以下であるなどの条件を満たした場合に、自治体が代わりに家賃を一定期間支払ってくれるという支援制度です。
家賃は、貸主側に直接支払われます。

住居確保給付金を受け取るためには、状況に応じて次の条件を満たしている必要があります。

<申請日が、離職した日や事業を廃止した日から2年以内の場合>
次の条件全てを満たすことが必要
  • 離職や事業の廃止の日の時点で、その人がその世帯の主たる生計維持者だったこと
  • 申請日の月のその世帯の収入合計額≦「基準額」と家賃(上限あり)の合計額 であること
  • 申請日の世帯の預貯金合計額≦基準額の6ヶ月分 であること
  • 申請日の世帯の預貯金合計額≦100万円 であること
  • ハローワークに求職申込みをして、誠実、熱心に求職活動をすること
<申請日の月において、その人の責めに帰すべき理由や都合によらずに収入が減少し、就労状況が離職や事業の廃止と同程度になっている場合>
次の条件全てを満たすことが必要
  • 申請日の月において、その人がその世帯の主たる生計維持者であること
  • 申請日の月のその世帯の収入合計額≦「基準額」と家賃(上限あり)の合計額 であること
  • 申請日の世帯の預貯金合計額≦基準額の6ヶ月分 であること
  • 申請日の世帯の預貯金合計額≦100万円 であること
  • 誠実、熱心に求職活動をすること

※基準額…市町村民税の均等割が非課税となる年収の額を、12で割ったもの

参考:住居確保給付金|厚生労働省
参考:住居確保給付金 申請・相談窓口|厚生労働省

(2)生活困窮者自立支援制度の相談窓口|生活全般についての援助

2つめの相談窓口が、生活困窮者自立支援制度の相談窓口です。
生活困窮者自立支援制度とは、働きたくても働けない、家計が苦しいなどの生活の困窮全般について相談・支援を行う制度です(先ほどの「住居確保給付金」も含まれています)。
制度を利用するため、資産や収入などについて一定の要件を満たしている必要がある場合があります。

自治体ごとに相談窓口があり、専門の支援員が他の専門機関とも連携しつつ支援してくれます。

支援には、主に次のようなものがあります。

  • すぐには就労できない人向けの、就労のための準備の支援
  • 住居のない人向けの、衣食住の提供
  • 生活の困窮から脱却するための、自立支援計画の作成

参考:生活困窮者自立支援制度 制度の紹介|厚生労働省
参考:自立相談支援機関 相談窓口一覧|厚生労働省

(3)借金を軽減するための「債務整理」

家賃を支払う余裕がないときに、借金の負担を減らすことで家賃分の余剰を出すことができる「債務整理」を検討しましょう。

債務整理には、主に次の3種類があります。

  • 任意整理
    支払い過ぎた利息がないか、負債を正確に再計算
    →残った利息について、返済期間を長期化することで毎月の返済額を減らせないか、今後発生するはずだった利息をカットできないかなどと、個々の債権者と交渉
  • 個人再生
    負債を返済できなくなってしまうおそれ
    →裁判所の認可を得たうえで、基本的に減額された負債を原則3年間で分割払
  • 自己破産
    負債を返済できなくなってしまった
    →一定の財産は基本的に手放す代わりに、裁判所から、原則全ての負債の支払義務を免除してもらう

※どの債務整理をしても、税金など一部の支払義務は減らしたり無くしたりすることができません。
それぞれの債務整理で、メリットやデメリットは異なっています。
また、どの債務整理が一番適しているのかは、抱えている負債の額や家計の状況などによって異なります。
そのため、まずは気軽に弁護士に相談してみることをおすすめします。

借金について債務整理をしたら、今の賃貸物件に住み続けられない?

返済の負担が減らせるかもしれないとは言っても、債務整理なんかしたら今の物件に住み続けられなくなりませんか?
債務整理したらブラックリストに載るとも聞いていますし、不安です…。

債務整理をすることで、賃貸物件に住み続けることに影響が出るケースは基本的に限られています。
まだ家賃を滞納していない場合、問題なく住み続けられるケースが多いです。
また、家賃を滞納してしまっている場合でも、住み続けられる可能性はあります。

それでは、債務整理によるいま賃貸で借りて居住している家への影響について説明します。

(1)任意整理の場合

家賃をまだ滞納していない場合、任意整理をしたことが理由で立ち退きを求められたりすることは原則ありません。

また、家賃を滞納している場合でも、滞納分を解消できれば基本的には住み続けることができます。

任意整理の場合、基本的には(※)個々の債権者ごとに手続きの対象とするかどうかを選ぶことができます。
そのため、貸主を任意整理の対象外とすることで、家賃を今までどおり支払い続け(滞納分も解消すれば)問題なく住み続けることができます。

※ただし、一部の債権者を任意整理の対象から外した場合にどこか支払が滞ってしまうところが出てくるという場合、このような柔軟な対処はできません。このような場合には、任意整理よりも返済の負担を減らせる可能性がある、個人再生や自己破産を検討することとなります。

(2)個人再生の場合

家賃をまだ滞納していない場合、個人再生を理由に立ち退きを求められたりすることは原則ありません。

一方、家賃を滞納している場合、滞納を解消できないと今の物件を退去しなければならない可能性があります。

個人再生の場合、原則全ての負債が手続きの対象となります。そのため、滞納分の家賃についても手続きの対象となります。

そして、裁判所での個人再生の手続きが無事終われば滞納分の家賃も基本的には減額されることとなります。
そのため、契約どおりの家賃を払わなかったことが理由で契約を解除されるおそれがあるのです。

家賃滞納がある場合で、個人再生後も今の物件に住み続けるためには、基本的には裁判所への個人再生の申立て前に家賃滞納を解消する必要があります。

もっとも、債務者本人が滞納分の家賃を支払うと、他の債権者との関係上不公平であるとして手続き上問題になるおそれがあります。
そのため、家族などの第三者から支払ってもらう「第三者弁済」の形をとることがおすすめです(第三者が支払ったことを示せる、振込証明書などを残しておきましょう)。

第三者弁済について詳しくはこちらをご覧ください。

第三者弁済とは?改正後の内容や利害関係の有無による違いなどを解説

第三者弁済については、あらかじめ弁護士にご相談ください。

(3)自己破産の場合

家賃をまだ滞納していない場合、自己破産を理由に立ち退きを求められたりすることは原則ありません。

一方、家賃を滞納している場合には、個人再生の場合と同様、滞納を解消できなければ今の物件を退去することとなる可能性があります。

自己破産も、原則全ての負債が手続きの対象となります。そして、無事に免責許可決定が出れば、滞納した家賃の支払義務も基本的になくなります。
そのため、滞納を解消しなかったことを理由に契約を解除されるおそれがあるのです。

自己破産の手続き後も今の物件に住み続けるためには、基本的には裁判所への自己破産の申立て前に滞納を解消する必要があります。
滞納を解消する際には、先ほども出てきた第三者弁済の形がおすすめです。

なぜなら自己破産の場合、一部の債権者にだけ返済を行う「偏頗(へんぱ)弁済」が、「免責不許可事由」という、裁判所が免責許可決定を出さない可能性のある事由に当たる場合があるからです。
免責不許可事由があっても、あまりに悪質なものでなければ免責許可決定が出る可能性はあります。

しかし、裁判所から選任された「破産管財人」が、偏頗弁済された金額を貸主から回収するなどのリスクもあります。
こうしたリスクを下げるため、自分で滞納分を解消するしかなさそうな場合であっても支払方法については自己破産を依頼する弁護士に相談してください。

免責不許可事由について詳しくはこちらをご覧ください。

免責不許可事由とは?該当すると自己破産できないって本当?

(4)ブラックリストに載っている間の対処法

債務整理をすると、一定期間事故情報が信用情報に登録されます(いわゆる「ブラックリスト」)。
事故情報が登録されている期間は、クレジットカードの新規作成や更新などが基本的にできなくなります。

そして、賃貸物件の利用についても、次のような問題が生じることとなります。

  • クレジットカードで家賃を支払うことができなくなる
  • 信販系の保証会社がついている場合、契約更新の際に保証を断られてしまう

クレジットカードで家賃を支払うことができなくなった場合には、振込など別の方法で支払うことができないか、貸主側と相談しましょう。

また、信販系の保証会社を利用できなくなった場合には、他の保証会社を利用できないかなど、代替手段について貸主側と相談しましょう。

【まとめ】今の家に住み続けるためには、早めに家賃滞納を解消したい

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 家賃を滞納すると、次のような事態になるおそれがある。
    • 【保証人がいる場合】保証人が請求を受ける
    • 滞納が続くと、立ち退きを求められる
    • 裁判所から明渡命令を受ける
  • 借金返済で家賃を支払えなくなった場合の相談窓口は、主に次の3つ。
    • 住居確保給付金の相談窓口………………家賃の援助
    • 生活困窮者自立支援制度の相談窓口……生活全般についての援助
    • 弁護士………………………………………借金を軽減するための「債務整理」
  • どの債務整理をするとしても、まだ家賃を滞納していなければ、基本的に今の賃貸物件に住み続けることができる。
    また、家賃滞納がある場合でも次のような対処によって住み続けられる可能性はある。
    • 任意整理
      →滞納した家賃を、手続きの対象から外す
    • 個人再生・自己破産
      →裁判所への申立ての前に、第三者弁済などによって滞納を解消する

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また、債務整理の過程で過払い金が発生していることが分かることがあります。アディーレ法律事務所では、完済した業者への過払い金返還請求の場合は、原則として過払い金を回収できた場合のみ、弁護士費用をいただいておりますので、弁護士費用をあらかじめご用意いただく必要はありません(2022年4月時点)。

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