お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。
取り扱い分野 弁護士
に相談

税金も債務整理できる?借金と税金で苦しいときの対処法を弁護士が解説

作成日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

借金と税金、どちらの支払いを優先すべきか分からず、お悩みではないでしょうか?
「自己破産すれば両方ともゼロになるのでは?」と考えている方もいるかもしれません。

実は、自己破産をして免責許可を得られれば、原則として借金の返済義務からは解放されますが、一方で税金の支払い義務は残り続けます。
税金を滞納し続けると、財産や給与が差し押さえられるリスクがあり、生活再建がさらに困難になってしまう可能性があります。

このコラムでは、借金と税金で苦しんでいる方が、状況を悪化させずに解決するための具体的な方法について、弁護士がわかりやすく解説します。

ここを押さえればOK!

税金を納付期限までに支払えない場合には、役所の窓口で猶予や分割ができないか相談するようにします。
税金を延滞すると、法律上、裁判所の手続きなしで財産や給与を差し押さえることができ、延滞税も発生します。自己破産をして免責許可決定がおりれば原則として借金の返済義務は免除されますが、税金は「非免責債権」として残り続けるため、注意が必要です。

借金問題は、任意整理、個人再生、自己破産といった債務整理によって解決できる可能性があります。

借金と税金の問題を抱えている場合は、一人で抱え込まず、弁護士に相談することが最も重要です。弁護士に相談すれば、状況に応じた適切な債務整理の方法の提案を受けたり、借金問題を解決するまでの道筋を示してもらえるでしょう。

弁護士に債務整理を委任すると、弁護士が債権者宛てに受任通知を送りますので、貸金業者からの督促が止まります。精神的に落ち着いて生活再建に取り組む基盤ができるでしょう。

借金問題でお悩みの方は、1人で悩まず、一度アディーレ法律事務所にご相談ください。

借金と税金、どちらを優先して払うべき?

借金と税金、両方の返済に苦しんでいる場合、「どちらを先に支払うべきか」と悩む方は少なくありません。
結論から言うと、税金を滞納している場合には、税金を早期に優先して支払うべきです。もし期限までに支払えない場合には、役所の窓口で猶予や分割ができないか相談するようにします。
その理由を説明します。

(1)借金と税金は性質が全く違う

借金は、貸金業者などの民間企業や個人からお金を借りたことで発生する「民事上の債務」です。例えば、借金を滞納しても、執行認諾文言付き公正証書を作成している場合を除き、すぐに給料や財産が差し押さえられることはありません。支払督促や訴訟などの手続きを経て「債務名義」を取得しなければ、差押えという強制執行の手続きは取れませんので、差押えされるまでにはある程度の時間があります。

これに対して税金は、滞納してしまうと、国や地方公共団体は、法律に基づき裁判手続きを経ずに強制的に回収できることができるのです。

期限までに税金を納めないと、まずは早く納付するようにとの「督促状」が届きます。
督促状が届いても対処せずにいると、徴税吏員などが差押えを行うべき財産について調査し、差押えを行います。差押えが実行される具体的な日時は、事前に通知されません。
そして、法律上、督促状を発送してから10日間納税がなければ、差押えをしなければならないこととされています(地方税法331条1項1号など)。
そのため、滞納からそれほど期間をおかないうちに、差押えを受けることとなるリスクがあるのです。

(2)借金よりも税金を優先すべき理由

借金よりも税金を優先すべき最大の理由は、税金の滞納には早い段階での強制執行(差し押さえ)のリスクが伴うからです。
税金の督促を無視して対処しないでいると、裁判所の手続きを経ることなく、国や地方公共団体が滞納者の財産を差し押さえることができます。
一度差し押さえられてしまうと、生活の立て直しが非常に困難になってしまうケースもあります。

一方、借金の場合は、返済が難しくなっても「債務整理」という法的な手続きによって、返済額を減らしたり、免除してもらったりすることが可能です。したがって、税金滞納による差し押さえという事態を避けるために、役所の窓口で税金の支払いについて相談することと並行して、債務整理をして生活を立て直して税金の支払いを行っていくことが賢明な選択と言えます。

税金滞納による差押えについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

借金や税金を滞納し続けると、連絡なしでいきなり差押えされるって本当? 

自己破産すれば借金も税金も免除される?

借金と税金の両方の支払いが困難になったとき、自己破産を検討する方もいるでしょう。
自己破産は借金問題を根本的に解決する強力な手段ですが、税金についてはどうなのでしょうか。

(1)自己破産で借金は原則免責される

自己破産は、借金の返済が不可能な状態(支払不能)になった方が、裁判所を通じて借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。
この支払い義務を免除してもらうことを「免責」といいます。
裁判所より免責許可決定が下り、決定が確定すると、原則としてすべての借金の返済義務がなくなります。
これにより、多額の借金に苦しむ状況から解放され、生活を再建するチャンスを得ることができます。
自己破産は、支払不能なほどの借金を抱えたケースの解決策として、非常に有効な手段です。

(2)税金が自己破産で免除されない理由

自己破産手続きで免責許可決定が得られれば、原則すべての借金の返済義務を免除されますが、税金は免除の対象になりません。
これは、税金が「非免責債権」と法律で定められているためです。非免責債権は、免責許可決定がでても支払い義務を免除されないものとして、破産法で定められています。
非免責債権の代表的なものが、租税などの請求権です(破産法253条1項1号)。

したがって、自己破産の手続きが完了し、他の借金がゼロになったとしても、税金の支払い義務は残り続けます。

つまり、「自己破産すれば借金も税金もチャラになる」という認識は誤りであり、自己破産するにしても、税金の滞納問題は別途解決策を講じる必要があります。
自己破産を検討する際には、この点を十分に理解しておくことが重要です。

税金滞納が招くリスクとペナルティ

税金を滞納し、放置しておくと、借金よりもさらに深刻な状況に陥る可能性があります。税金の滞納が引き起こす具体的なリスクとペナルティについて解説します。

(1)延滞税

税金の支払いが期限から1日でも遅れると、延滞税が発生します。これは、借金でいうところの遅延損害金にあたるものです。滞納が長引くほどにその金額は膨らんでいきます。延滞税は、滞納した税金本体に加えて支払う義務が生じるため、放置すればするほど、支払うべき総額が増えてしまい、ますます返済が困難になる悪循環に陥ります。

通常、延滞税の年利は金融業者等の定めている利息や遅延損害金よりは低いものとなっています。

参考|No.9205延滞税について|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm)

(2)差押えのリスク

税金を滞納すると、役所から督促状が届きます。それでも支払わない場合、最終的に財産が差し押さえられるリスクがあります。
差押えの対象となるのは、給与、預貯金、不動産、自動車など多岐にわたります。
特に給与が差し押さえられると、勤務先に税金を滞納していることが知られてしまうため、精神的な負担も大きくなります。

借金と税金を両方解決するための3つのポイント

借金と税金の支払いに困っている場合、どちらも解決するためには早めの行動が重要です。

(1)期限までに税金が払えない場合には、放置せず役所の窓口で相談

払えない税金については、早めに役所に相談しましょう。
例えば、災害や病気などのやむを得ない事情がある場合には、申請をすることで一定期間は税金の納付を猶予してもらえる制度があります。
また、滞納中の税金や延滞金について、一括での納付が困難な場合には、事情によっては分割での納付(分納)に応じてもらえる可能性があります。
放置せず、まずは税金の納付窓口で相談することが大切です。

さらに、次の債務整理を行えば、生活を立て直して税金を支払えるようになる可能性があります。

(2)借金問題は債務整理で解決を目指す

借金問題の解決には、債務整理が有効である可能性があります。
債務整理には、主に任意整理、個人再生、自己破産の方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

(2-1)任意整理

任意整理は、まず、利息制限法の上限金利(15~20%)を上回る利息の支払いがあれば上限金利に金利を引き下げて再計算(引き直し計算)することで債務を圧縮できないかを確認します。そして、債権者との個別の交渉で将来利息のカットや返済期間の長期化をすることで、毎月の支払額の減額を目指します。

(2-2)個人再生

任意整理をしても返済を続けていくことが困難な状況である場合、安定な収入があり、住宅ローンなどを除いた債務総額が5000万円以下であるときには、個人再生を選択すれば、大幅に支払いの負担を軽減できることが多いです。
また、住宅ローンの残った自宅を失わずに済む可能性がある等のメリットもあります。
任意整理と異なり、裁判所への申立てが必要です。
書類の準備や裁判所とのやり取りなど、1人で行うのは難しいので、債務整理を扱う弁護士に相談するようにしましょう。

(2-3)自己破産

返済が困難な状況(返済不能)に陥っている場合には、自己破産が有効な手段となります。
免責が許可されれば、原則すべての借金の支払い義務がなくなります。基本的に財産は換価されて処分されますが、一定の財産(自由財産)は処分されずに手元に残すことができます。
個人再生と同じく、裁判所への申立てが必要です。
書類の準備や裁判所とのやりとりなど、1人で行うのは難しいので、債務整理を扱う弁護士に相談するようにしましょう。

(3)借金問題は弁護士へ相談する

借金問題と税金滞納問題の両方を抱えている場合、一人で解決しようとせず、弁護士を頼ることが最も重要です。
債務整理を扱う弁護士は、あなたの借金や財産、収入の状況を詳しく聞いたうえで、状況に合わせた適切な債務整理の方法を提案してくれるでしょう。
また、税金の問題についても、アドバイスをもらうことができます。

借金と税金で悩んだら弁護士に相談

借金と税金の支払いができず、精神的に追い詰められている場合は、一人で抱え込まずに弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士は状況を伺ったうえで、あなたの借金問題を解決するための提案を行います。

(1)弁護士に相談するメリット

弁護士に相談する最大のメリットは、状況に応じた適切な解決策を提案してもらえることです。
自己破産が最善なのか、それとも任意整理や個人再生で解決できるのか、法的な視点から判断してくれます。
また、弁護士に債務整理を依頼すると、弁護士は債権者宛てに受任通知を送りますので、その後すぐに貸金業者からの督促が止まります。
これにより、精神的な負担が軽減され、落ち着いて問題と向き合うことができます。さらに、税金に関する問題についても、アドバイスを得られます。

(2)相談から解決までの流れ

まず、法律事務所に連絡して相談の予約を取ります。
弁護士事務所での相談は、まずあなたの借金の内容や金額、収入、資産状況などを丁寧にヒアリングすることから始まります。
その上で、あなたの希望を聞き、どの債務整理方法が適切かなど具体的な見通しを説明してくれます。

依頼を決めたら、弁護士が債権者との交渉や裁判所への手続きを代行してくれるため、あなたは安心して生活を再建することに集中できるでしょう。
多くの法律事務所では、債務整理について無料相談を実施しているので、まずは気軽に相談してみることをお勧めします。

【まとめ】

借金と税金、両方の支払いに苦しんでいる場合、1人で悩まず、相談しましょう。
税金を滞納して放置していると、裁判手続きを経ずに給与や財産を差し押さえられるリスクがあり、さらに生活に困ることになってしまいます。
税金については、役所の窓口で相談すれば、状況によりますが猶予や分割などが可能な場合があります。

借金の返済は、債務整理によって減額・免除を目指すことで、生活を立て直して税金を支払えるようになるかもしれません。

借金と税金の問題を抱えている方は、1人で悩まず、アディーレ法律事務所にご相談ください。

借金問題の相談はまず弁護士に!あなたの借金も減額されるかも?