将来、親の借金を相続して自分が返済することになるのか分からなくて不安な方や、両親が元気なうちに手を打つことができないか悩んでいる方もいらっしゃると思います。
そのため生前に相続放棄をしたいと考える方も多いですが、実は生前に相続放棄をすることはできません。
しかし、親が存命中であっても親の借金の相続を防ぐためにできることがあります。
この記事では親の借金を相続するのではないかと不安な気持ちを抱えている方に向けて、親が存命中でもできることや相続放棄の方法について紹介しています。この記事を読んで、今あなたが抱えている不安を払しょくしておきましょう。
この記事を読んでわかること
- 親の死後に相続放棄をする方法
- 親の生前に相続放棄できない
- 親の生前に相続放棄したい場合にできる対処法(代替策)
ここを押さえればOK!
相続放棄は親の死後、相続が開始されたことを知ってから3ヶ月以内に行う必要があります(民法第915条1項)。
親が存命中であれば、親の借金を債務整理することで、借金を減らしたり、無くしたりできる可能性があります。
親が借金をしていて不安を抱えている方は、まずは借金額などを調べた上で、債務整理の方法について弁護士に相談されるとよいでしょう。
親の死後に相続放棄を行う場合、必要な書類や費用についても事前に確認しておくことが重要です。
家庭裁判所に相続放棄の申述を行い、受理されれば相続放棄が成立します。他の相続人に対しても早めに相続放棄の意向を伝えておくことが大切です。
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早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。
親の生前は相続放棄できない
「親に借金があるから、親が生きている間に相続放棄をしておきたい」と思っていらっしゃるかもしれません。
しかし、親が存命中は相続放棄を行えません。
民法では、相続放棄が可能な時期及び期間について次のように定められています。
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。
引用:民法第915条1項
相続放棄は、被相続人が亡くなり、相続の開始があったことを知った後から行うことができます。
仮に親の生前中に相続放棄の意思を表明していても、その相続放棄の意思表明は法的に意味がありません。
親の生前に相続放棄したい場合にできる対処法
親の生前に相続放棄を行うことはできません。
しかし、家族で相続について話し合い、事前準備しておくことで、相続の際の負担を減らすことは可能です。
ここからは、親の生前に相続放棄したい方ができる対処法について説明します。
(1)親に遺言書を書いてもらうのでは相続放棄できない
親に「相続させない」との遺言書を書いてもらえばいいと思われるかもしれません。
しかし、遺言書を書いてもらっても親の借金の相続から逃れることはできません。
例えば、親に借金があり、借金を子供らに相続させないために「子供らに借金を含めてすべての財産は相続させない。」との遺言書を作成した場合を考えてみましょう。
この場合、親の借金の債権者(借金を貸している銀行など)がその遺言書の内容を承諾しない限り、債権者は遺言書の内容に従う必要はありません。
債権者は、遺言書の内容に関係なく、親の死後に子供らに借金の返済を求めることができます。
(2)親に債務整理をしてもらう
親の借金が多く、返済が難しい場合には、親に債務整理をしてもらうという方法もあります。
親が債務整理をすれば、親の借金を減らしたり、無くしたりできる可能性があります。
どうも親が借金をしているようだという方は、まずは借金額などを調べた上で、債務整理の方法について弁護士に相談されることをお勧めします。
また、親が古くから借金をしている場合には、思わぬ「過払い金」が発生していることがよくあります。そして、過払い金があれば、親の手元にお金が戻ってくるかもしれません。
親の死後に相続放棄をする方法
最後に、親の死後に相続放棄をする方法について知っておきましょう。
相続放棄は親の死後に相続の開始を知った時から3か月以内にするのが原則です。 相続放棄は親の死後早めに行う必要がありますので、事前に相続放棄の方法を知っておきましょう。
(1)相続放棄に必要な書類と費用
親から相続する財産が銀行預金や不動産のようなプラスの財産よりも借金のほうが明らかに多い場合には、「相続放棄」を検討しましょう。
相続放棄とは、相続する権利を全て放棄することです。 つまり、相続放棄をすると借金だけでなくすべての財産を相続できなくなります。
相続放棄を行う場合に必要な書類と費用は次のとおりです。
【相続放棄に必要な書類】
- 相続放棄の申述書
- 申立添付書類
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 相続放棄する人の戸籍謄本 など
【相続放棄に必要な費用】
- 戸籍類の交付手数料
- 裁判所への申述の際の収入印紙800円分(申立てを行う人1人あたり)
- 家庭裁判所からの連絡用の郵便切手(各家庭裁判所により金額が異なる)
参照:相続の放棄の申述|裁判所 – Courts in Japan
(2)相続放棄の方法
相続放棄の方法は、次のとおりです。
(2-1)家庭裁判に対し相続放棄の申述をする
相続放棄の申述先は、亡くなられた方の住所地を管轄している家庭裁判所です。
相続放棄の申述は、原則として自分が相続人であることを知った時から3ヶ月間以内に行う必要があります。
(2-2)家庭裁判所からの照会に回答する
家庭裁判所から「相続放棄の照会書(本当に相続放棄でよいのかを確認するもの)」が送られてくるので、これに回答し家庭裁判所に返送します。
(2-3)家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書を受け取る
相続放棄の申述を家庭裁判所が受理したことを通知するものが届けば、相続放棄の手続は終了します。
親の借金の債権者から返済の取り立てがあっても、相続放棄申述受理通知書を見せれば親の借金の返済を拒むことができます。
(2-4)他の相続人に相続放棄をしたことを伝える
相続放棄をしたからといって、親の借金がなくなるわけではありません。相続放棄をすると、相続をする権利は次順位の相続人に移ります。迷惑をかけることになるので、相続放棄を検討するときは、早めに、相続人になる可能性のある方に告知しましょう。
【まとめ】生前に相続放棄はできない!親の借金でお悩みの方は弁護士へ相談を
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 親が存命中に相続放棄はできない。相続放棄は親の死後、原則として、相続が開始されたことを知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。
- 親が生前中の対策: 親に債務整理をしてもらうことで、借金を減らせたり、なくしたりできる可能がある。
- 親の死後の相続放棄手続きの流れ
- 家庭裁判所に相続放棄の申述を行う
- 家庭裁判所からの照会に回答する
- 相続放棄申述受理通知書を受け取る
- 他の相続人に相続放棄を通知する
親が存命中に借金についても話し合い、返済が難しいようでしたら、早めに債務整理をすることをお勧めします。
アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続につき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続に関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております。
また、完済した業者への過払い金返還請求の場合は、原則として過払い金を回収できた場合のみ、弁護士費用をいただいておりますので、弁護士費用をあらかじめご用意いただく必要はありません。(2024年11月時点)
債務整理についてお悩みの方は、債務整理を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。
また、親の死後に相続放棄を検討されていて、不安がある方も弁護士への相談がおすすめです。
アディーレ法律事務所では、相続放棄に関するご相談は何度でも無料ですので、フリーコール0120-554-212までご連絡ください。
アディーレ法律事務所に相続放棄をご依頼いただければ、次のことを弁護士が代わりに行います。
・戸籍謄本の収集
・相続人の調査
・裁判所に対して行う相続放棄の申述
・裁判所からの照会書に対する対応
・相続放棄申述受理通知書の受領
・支払いの督促をされている債権者へ相続放棄したことの連絡
・後順位相続人へのご連絡およびご説明
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